こんにちは、メルカリHRBPの@yokoです。今回は、メルカリがマネージャー層向けに行っている取り組みをご紹介します。
そもそもメルカリがマネージャーに期待することは?
マネージャー向けの取り組みをご紹介する前に、メルカリがマネジメント人材に期待することからお伝えさせてください。それは「圧倒的な成果をチームで実現し続ける」です。これを実行するためには、3つのバリューに沿った行動に加えて、適切なマネジメント行動が求められます。
言葉にするとシンプルですが“チームで”ということが大事な要素であり、IC(Individual Contributor)としての成果の出し方とは異なるアプローチが必要なのです!
マネジメント行動は、「戦略マネジメント」「業務マネジメント」「チームマネジメント」の3つに分かれ、さらにそれらが2〜3つの要素に分解できます。つまり合計8つの要素から構成されますが、メルカリが大事にしているのは、すべての要素を均等に伸ばしてほしいということではなく、その人やチームの状況にあった”自分たちなりのスタイル”を探っていく思想です。そのため、10名いたら10通りのマネジメントスタイルがあります。
チーム立ち上げ期はチームミッションや方針策定の「戦略マネジメント」に力を入れ、新しいメンバーが入ったタイミングでは相互理解などの「チームマネジメント」に力を入れる。そのときどきによってチームの状況にあったものをアジャストすることが大事、という考えです。
マネージャー向けにどういう取り組みをしている?
メルカリとして大事にしたいのは「標準化」ではなく、1人1人が自分なりのスタイルを見つけていくこと。
それを下支えするため、以下のサイクルを回すことでマネジメント層の成長支援をしています。
1:現状把握
半年に一度、Management360 Surveyを実施。自身の強み・改善点やマネージャー自身のメンバーとの期待値ギャップを把握
2:アクションプラン設定 & インプット
セルフチェックやメンバーからのフィードバックをもとに、必要なアクションを整理。自分に適したプログラムに参加し、必要な知識を得る
例:リーダーシップ向けメンバーマネジメント研修(Leader’s labo)、コーチング、LinkedIn Learning3:アウトプット
実践し、経験を積む
人材開発に関わったことのある方は聞いたことがあるかもしれませんが、人の成長の多くを占めるのは仕事など経験を通して学ぶ領域。その学びを最大化させる要素として、周囲からのフィードバック・学び合いや、研修や本をもとにしたラーニングがあります。
メルカリでも仕事を通した学びを中心に据え置き「それを最大化するために何ができるか?」を重要視した設計を心がけています。
これまでのメルカリは仕事・業務を通して学ぶ領域が多くを占めていたのですが、昨年新設したPeople DevelopmentチームとHRBP、その他P&Cのチームが組織横断で連携をしながら、フィードバック・学び合いの場や、研修・ラーニングの推進を行っています。
今回新たにプログラム化した「学び合いの場」
そして2021年1月よりマネージャー向けの取り組みの中で新たにプログラム化をした「マネージャー同士の学び合いの場(MGR Peer Group)」がスタート。さっそくその内容をご紹介します。
以前メルカンで「MGR Peer Learning Session」をご紹介しましたが、マネージャー同士で集まり、お互いに自分の経験と知見をシェアし高め合う場が好評でした。そのため、継続的にプログラム化していきたいという想いがあったのです。
2020年6月に実施したときは「メンバーと衝突した場合の信頼関係再構築」というテーマを設けて実施しました。今回は参加者同士がざっくばらんになんでも相談しあえる場をつくれたらと思い、発展版としてあえてテーマを設けない設計としました。
MGR Peer Groupの具体的な内容は?
MGR Peer Groupは、部署を越えてマネージャーが4〜5名ほど集まり、チームマネジメントのナレッジや気付き・悩みなど、愚痴含めて話す場。月に1度集まり3ヶ月同じグループで実施することでの相談し合える関係性づくりも目的の1つです。
<目的>
・ マネージャー同士がつながる”機会”をつくることで、お互いに教え合う循環がうまれる
・ WFH(在宅勤務)になり、横やナナメの組織が見えづらいという課題感もあったので、他組織の可視化・理解も狙い
トークテーマ例はありますが、基本的にはそのグループ内で話したい内容はお任せします。
本や記事などで得られることも多くありますが、マネージャー自身が経験した成功談・失敗談は組織の財産。みんな日々課題に直面し、自分なりに模索しています。やり方に正解はないなかで、直接聞く経験談によって得られるものや、やってみようと背中を後押しされることは大きく、知っている知識を行動に転換できるきっかけとなります。
参加者の声(顔写真をクリックしてください!)
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@fujitaakさん(QAE マネージャー)参加前はこの活動によってどのような効果が期待できるのかイメージできていませんでしたが、3回終えてみて、他の経験豊富なマネージャーのマネジメント哲学を聞いたり、悩みに関して共感を得たり、また自身の問題点について端的で腑に落ちる指摘をいただいたり、学びが多かったです。同じグループに明確なゴール設定と進め方を共有しながら会議のリードをしてくださった人がいたり、別の参加者の新任マネージャーの方がそこから学びを得たいという姿勢で最初から積極的に発言をされたことにより、活発なディスカッションとなりました。回を重ねるうちに、日々のマネジメント業務で起こる問題について「次回の会で他のかたの意見を聞いてみよう」と自分から次のトピックを入れるようになり、相談の場があることをありがたく思いました。 -
@hisshyさん(メルカリプロダクト開発チーム、マネージャー)私は2021年1月からマネージャーとなりました。自宅勤務環境ということもあり、マネージャーとして何をやっていけばいいかキャッチアップに苦労していました。そこでこの取り組みに参加し、経験豊富な先輩マネージャーの方から具体例を交えたさまざまなお話しをいただき、不安に思っていた部分をクリアにできました。まだまだこれからマネージャーとして学び実践していくことは多いですが、この活動を通して得た知見や繋がりを今後も活かしていければと考えています。 -
@naocchiさん(Growth Strategy Manager)MGR Peer Groupに参加してよかったと改めて思っています。各メンバーの個性や強みを活かし、チームの成功に向けて取り組んでいく上での課題感や成功例などは、ジュニア・シニア関係なく、みなさんの考え方や対応方法などフラットに大変参考になりました。マネージャーになった皆さんが今思い悩んでいるのと同様に、マネジメント経験を一定持つマネージャー陣もこれまで沢山の悩みを抱え失敗をしてきている点、うまくいかないことに対し許容している事、leadershipに100点満点はないと考えている点などをお伝えすることで、少しでも安心や余裕、自分自身のスタイルの尊重と確立につなげてくれていたら幸いだなと思っています。(そういう点では失敗談の共有が多かったです(笑))また、メルカリのマネージャー陣がそれぞれの悩みを抱えつつも、みんな一生懸命その役割を全うしようとしていることを改めて感じとても嬉しかったです。
最後に
学びをシェアし合う文化はメルカリのバリューである「All for One」の要素の1つで、自分だけでなく周囲の成長にも貢献するという考えが含まれています。メルカリでは社内で自発的にさまざまな勉強会が開催されていて、直近だと四半期ごとの決算内容を共有する「ゆるふわシェア会〜決算発表」、プロジェクトマネジメント講座、GAS講座など、幅広い分野の勉強会や研修があります。
特に人・組織に関する領域においては初めてぶつかる壁も多く、これといった正解はありません。とある組織ではうまくいったけどこの組織ではうまくいかない、なんてことも往々にしてある。そんなとき、目の前の状況に対して、より角度の高いベストな選択をするために、他者の知見やフィードバックがより重要になっていくことを感じています。
今後も、お互いに学び合う場の提供や、その場自体がより話しやすい環境を整えること、そして組織で学び合う文化づくりに力を注いでいきたいです!
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この記事を書いた人:笹木葉子(Yoko Sasaki @yoko.sasaki)
2017年8月にメルカリへ入社。メルカリファンドを担当し出資先とメルカリ事業部側との連携をサポート。その後Product Strategy Teamでリサーチ・企画業務を経て、現在はHRへ異動しOTD・HRBPを担当。前職まではWebマーケティング/SEO、事業企画、データ分析、事業立ち上げなどを経験。