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#2 「誰でもスキルを作り、育てられる」という実感——Batch 1-2参加者の声

2026-6-30

#2 「誰でもスキルを作り、育てられる」という実感——Batch 1-2参加者の声

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連載「AI Agent Dayから紐解く10の問い」、第3回となる今回は、Batch 1-2に参加したHR・Legal・Designerという、職種も部門もまったく異なる3名の座談会をお届けします。

参加前から多くの人が気になっていたであろう「エンジニア以外のメンバーが、本当にスキルを作れたのか?」そして「1日を通して一番驚いたスキル・成果物は?」という2つの問いを中心に、当日の様子から、その後の業務の変化までを語ってもらいました。

*記事内には、Batch 2当日に撮影した写真を、当日の様子のイメージとして挿入しています。

この記事に登場する人

  • @hirumax

    2021年入社。Fintech事業のHRBPなどを経て、現在はTech領域の中途採用マネージャーとMarketplace事業のHRBPを担当。HR組織のAI Native化プロジェクトのリードも兼任。

  • @Chihiro

    第77期司法修習修了後、2025年に新卒としてメルカリに入社。メルカリ ハロの法務担当を経て、現在はCSチーム・TnSチームとの連携業務を中心に担当。

  • @Mashan

    2017年入社。メルカリのLogistics、AI出品などのデザインを経て、現在はメルカリ グローバルアプリのプロダクトデザイナーとして、Discovery & Searchを担当。

参加前:AI活用は「個人最適」メインだった

—— AI Agent Dayに参加する前は、普段の業務でAIをどのくらい使っていましたか?

@Chihiro: 私はLegal担当として、事案の概要をまとめてもらったり、リサーチに使ったり、手探りながらも日常的に活用していました。ただ、AIエージェントというよりは「AIに質問して、返答が返ってくる」というチャット形式の使い方が中心でしたね。

@Mashan: 私はデザインのワークフローでAIを活用していて、リサーチからワイヤーフレーム作成まで、AIで試せるものはなるべく試していました。MCP経由でFigmaを動かしたり、夕方子どものお迎えで業務を中断するときに、Claude Codeで作業を継続させたり。時間制約の中で業務を回すために、AIをフル活用していました。

@hirumax: 個人としては結構使っていました。ただ、HRの特性として、個人情報や評価に関わるデータは扱いに制約があるので、業務への直接適用はあまりできておらず、「自分の手元の作業を早くする」止まりで、組織への横展開はできていませんでした。

@Chihiro: 日々の業務に追われて、AI活用についてじっくり考える時間が取れない部分もありました。だからこそ、「1日まるまるAIに使っていい」と会社が時間を確保してくれたことが、すごくいい機会になったんです。

1日で生まれた、三者三様のスキル

—— 当日、サークルのメンバーと共に1日かけてAIエージェントに向き合う中でさまざまな発見があったと思います。まず会場に入ってみていかがでしたか?

@hirumax: 思っていたより人数が多くて、大規模イベント感がありました。イベントスペースを埋め尽くすぐらい人がたくさんいて、お祭りっぽい非日常感が楽しかったです。

実際の会場の様子

—— たしかに、これだけの人数が一堂に会する機会もなかなかないですよね。そんな中、みなさんはどんなスキルを作りましたか?

@hirumax: 私が作ったのは、採用チームに届く問い合わせを分析するスキルです。採用に関するパブリックなチャンネルがあって、「リファラルしたい」「会食したい」「この候補者の状況を教えてほしい」みたいな問い合わせが飛んでくるんですね。それを直近1ヶ月分まとめて、ジャンル別・回答時間別に分析する。「自動化すべき領域はどこか」「マニュアル整備で解決できる問い合わせはどれか」を見える化するのが狙いです。

特定のチャンネルで観測しているものは月に10件くらいですが、実際には個人DMや口頭でも問い合わせがあるので、体感その数倍はあると思っています。

@Chihiro: Legalも特定のチャンネル経由で相談を受けることが多いんですが、「過去にどんな相談を受けて、どう判断したか」がまとまったデータベースがなかったんです。そこでまず、Notionスキルで案件を素早くまとめて保存できるようにして、それを土台にClaudeスキルの方で、新規の相談に対して過去案件から参考になりそうなものを並走して抽出してくれるような仕組みを作りました。Legalメンバーは各自、複数の業務領域で多数の相談を抱えているので、「着手するまでの心理的負荷を下げる」設計は、効きそうな手応えがあります。

実際の成果物

@Mashan: 複数ドメインを担当しているとSlackメンションがすごく飛んでくるので、過去のやり取りから「AIエージェントが回答を用意してくれるか、自分で判断すべきか」を切り分けてくれるスキルを作りました。

あとは、初めて一緒に仕事をするメンバーの過去Slackから人物像を把握するスキルや、プロジェクトを次のデザイナーに引き継ぐときに、Slack+Notionから引き継ぎ資料を生成するスキルなど、さまざまなプロジェクトを担当するからこその視点でスキルを作りました。

—— サークルメンバーとのやり取りで、印象に残っていることはありますか?

@Chihiro: 事前学習でも「スキルは1回作って終わりじゃなく、運用しながら育てるもの」と聞いてはいたんですが、サークルで複数人からリアルタイムにフィードバックが返ってきて、その場でAIに修正を投げる、というサイクルの速さが印象的でした。「もっとこうしたら?」が即反映される感覚は、自分一人では絶対に得られないものでしたね。

@Mashan: 私のサークルは、AIをバリバリ使っているメンバーもいれば、業務が忙しくてあまり触れていないメンバーもいて、習熟度がバラバラでした。でも、むしろAIエージェントをあまり使っていない方が新鮮な視点を持ち込んでくれて、「自分だったらこう使いたい」「ここをこう修正するといい」というアイデアの交換が活発でした。デザインレビューの感覚に近いかもしれません。

@hirumax: 私たちのサークルは、採用担当・HRBP・通訳など、同じHRでもバラバラのチームから参加者が集まっていました。だから、「自分のチームで便利」と思って作ったものが、実は別のチームからも需要があったというケースがすごく多かったです。同チームに閉じないことの価値を体感した時間でした。

サークル内での会話は大いに盛り上がっていた

—— 成果発表会で、特に印象に残ったスキルはありましたか?

@hirumax: Language Educationチームの「言語学習者への返答ドラフト生成スキル」がよかったです。問い合わせ対応自体は事例がたくさんありますが、ただ決まったルールで返すのではなく、質問者に寄り添った人間の温度を保ったトーンをプロンプトで実現していたのが興味深かったです。言語学習者のモチベーションが下がらないように配慮して、最後の確認は人間が行う、効率化と感情のバランスを設計していたのがいいなと思いました。

@Chihiro: Legal Operationsチームの「契約書チェックスキル」です。契約書の空欄や誤記を自動でチェックして、事業部門側で自走してもらえる設計を実現することで、Legalとしてもチェックや指摘の手間が減りますし、依頼するチームも早く契約を締結させて次のアクションに移れるという、両者のwin-winを作るスキルだなと感じました。

@Mashan: マーケティングチームの「キャンペーン系UX/UIのラフアイデアを生成スキル」は印象的でした。早い段階でイメージが共有できると、デザイナーとのコミュニケーションがぐっと円滑になります。

実際の成果物

あと、別のデザイナーが作っていた「1on1のトピックを準備するスキル」では、本人のSlack・Notionから議題やブロッカーを自動収集して、1on1ミーティングに備えられるというもの。自分も即使ってみたいと思えるスキルでした。紹介したもの以外も、全体的にクオリティ高かったですね。

@hirumax: 本当にそうですね。AI Agent Dayまでほとんどスキルを触ったことがない人でも、何らかのアウトプットを出せていた。まさに、AI Agent Dayという「AIだけに集中する1日」があったからこそ実現できたことだと思います。

「作って終わりじゃない」——スキルを育てる感覚

—— AI Agent Dayから数週間が経ちましたが、その後の業務はどう変わりましたか?

@Chihiro: 作ったスキルを使う機会が日常的にあって、それだけでも案件への着手が早くなりました。それ以上に大きいのは、「スキルを育てる」という感覚が身についたことです。動かないからもういいや、ではなく、定期的にメンテナンスする。Claudeに自然言語で「ここを直して」と頼むだけで書き換えてくれるんだ、と気づいてから、AIへの心理的ハードルがぐっと下がりました。

@hirumax: HR部門の視点で大きく変わったかと言うと、まだこれからですね。ただ、「この定型作業、AIでどうにかならないかな?」と考える習慣が組織全体に広がりつつある実感はあります。一方で、「やりたいことは山ほどあるけど、忙しすぎて普段はできない」という声も正直多かったです。なので、HRでは、7月にチームごとに「AI活用Week」を設けて、もう一度がっつり時間を取る企画を進めています。「イベント的に『この時間はAI活用を頑張る』と決めないと、目の前の業務もあってなかなか手が動かない」というリアルな課題も見えてきましたが、AI Agent Dayがあったからこその気づきとして前向きに捉えて次の一手を考えています。

@Mashan: 私は、デザインのワークフロー全体を見直し中です。AI Agent Dayでの学びを通して、「自分のデザインプロセスややり方は本当に効率的か?」を日々問い直すようになりました。そして、チームメンバーの中に最初はAIに懐疑的だった方も、他の人のスキルで業務が楽になっているのを見て、「ちょっと試してみようかな」というムードに変わってきているので、マインドの面で大きな変化を感じています。

成果発表会を通して、他のメンバーの成果物から刺激をもらう場面も

まとめ:「全員が何かを作れた」という、確かな一歩

今回3名に話を聞いて、「エンジニア以外のメンバーでも、本当にスキルを作れたのか?」という問いへの答えは明確に「Yes」でした。

さらに、「スキルは作って終わりじゃない、育てるもの」という感覚に辿り着いているのが印象的で、AI Agent Dayで目指しているゴールが、その言葉に表れていました。

次回の第4回では、後続のBatch 3-4に参加したメンバーに、スキルを実際につくってみて気づいた部門間の違いや難しさ、面白さを深掘りしていきます。

撮影:タケシタトモヒロ

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