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エンジニアと立ち話。Vol.26 @oinume(メルペイ テックリード)ちょっとお話いいですか?

2019-7-3

エンジニアと立ち話。Vol.26 @oinume(メルペイ テックリード)ちょっとお話いいですか?

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メルカリで働くソフトウェアエンジニアにちょこっとお話を聞いていく連載企画「エンジニアと立ち話」。第26回目となる今回はメルペイでテックリードを担当している@oinumeに、ちょっと話を聞きました。

@oinumeは今年4月に発表された、フリマアプリ「メルカリ」と決済サービス「メルペイ」での支払いを、翌月にまとめて行える「メルペイあと払い」機能のテックリードを担当。今回はoinumeに、「メルペイあと払い」の根底にある想い、そして今後のキャリアビジョンについて語っていただきました。聞き手は本連載でお馴染み、メルペイ VP of Engineeringの@hidekです。

役割の垣根を超え、まずは腕試しを……!

hidek:突然ですが、oinumeさん。腕相撲しませんか?

@hidek(メルペイ VP of Engineering)

oinume:急にどうしたのですか、hidekさん。

hidek:自分の力が試したくてね。

oinume:いきなり腕相撲とは……臨むところです。

@oinume(メルペイ テックリード)

メルカン編集部:Ready………………………………………Fight!!

hidek:………………Oh。

メルカン編集部:大丈夫でしょうか……!

hidek:この右腕は「商売道具」なので、あまり無理できませんからね。今日はこのくらいにして、ちょっとお話いいですか?

oinume:……は、はい!(笑)

本気を出してしまった@oinume

「メルペイあと払い」の可能性を拡げたい

hidek:それでは気を取り直して、oinumeさんのプロフィールを簡単に教えてください。

oinume:メルペイでテックリードをしている、oinumeと言います。2016年5月、メルカリのSRE(Site Reliability Engineering)チームにエンジニアとして入社しました。

hidek:入社してから丸三年ですね。入社当時は何を?

oinume:SREにジョインしたのですが、SREらしい仕事はほとんどしておらず……最初の一年間はメルカリとアッテのアカウントを統合する「共通ID」のシステムをつくっていましたね。

hidek:なんと、そうだったんですね!

oinume:そうなんです。そのプロジェクト自体は役目を終えて終了したため、その後は、「メルカリ月イチ払い(メルカリの今月の購入分の支払いを翌月にまとめて支払いできるサービス)」の立ち上げを。

hidek:その後、メルペイへ?

oinume:いいえ(笑)。それからソウゾウ(メルカリグループ子会社)に移籍し「メルカリNOW(アイテムを撮影するだけで査定金額が表示され、すぐにお金に変えることができるサービス)」の立ち上げ、その後、2018年1月から売り手と買い手のプラットフォームをつくるために、メルカリのIDプラットフォームチームの立ち上げを行いました。

hidek:すごい! 「新機能・サービスの立ち上げ」キャリアですね。たしか、IDプラットフォームチームはメルペイとの親和性が高いことから、その後チームごとメルペイに移籍したんでしたよね。

oinume:その通りです。その後は、ずっとメルペイですね。

hidek:現在、メルペイでは何をしているのでしょうか?

oinume:メルペイでは、商品購入代金を後払いで決済できる「メルカリ月イチ払い」を、メルペイ加盟店にも広げた「メルペイあと払い」というサービスのテックリードをしています。

2019年4月23日、メルペイはフリマアプリ「メルカリ」と決済サービス「メルペイ」での支払いを、翌月にまとめて行える「メルペイあと払い」をリリースした

hidek:なるほど。「メルカリ月イチ払い」から一周まわって、「メルペイあと払い」に戻ってきたわけですね! oinumeさん自身、事業やプロジェクトにより深く入り込んでみたいという強い想いがあったのでしょうか。

oinume:それはありましたね。「メルカリ月イチ払い」の立ち上げを担当していた頃から、CS(カスタマーサービス)に集まるお客さまからの問い合わせを見ていて、この領域はまだまだ可能性があると感じていました。CS拠点である福岡オフィスに行って、どんな要望がお客さまから届いているのか、見させてもらったことがあったんです。そのときの体験が今でも、強くイメージとして残っているんですよね。EM(Engineering Manager)に移籍の希望を出し、今のチームでチャレンジさせてもらうことになりました。

hidek:自ら足を運びお客さまの声を集め、問題意識を抱き、そして今のチームに手を挙げたんですか。主体性があって、めちゃくちゃいい話ですね。

テックリードとは「バランス」を取ること

hidek:では、ここからは職種について具体的に伺っていきたいと思うのですが、oinumeさんにとって、テックリードとはどんな役割だと思いますか?

oinume:一言で表すのは難しいですね……。個人的には「バランスを取る役割」だと思っています。例えば、施策を早く出すということは大事なんですけど、とはいえアーキテクチャの設計やコードのレベルなど、「攻め」と「守り」のバランスをうまく調整しなければなりません。あとはチームメンバーにタスクをアサインすることもテックリードの役割です。単にメンバーの適性だけではなく、スピードを維持して、プロジェクトを成功に導くためのアサインをすることが大切。なので、そこでもバランス感覚が求められます。

hidek:「スピード」と「品質」ってトレードオフな関係になりがちですが、そのバランスを事業やサービスのフェーズによってバランスを取りながら進める。これがテックリードだと。

oinume:そうです。とはいえ、メルペイは金融事業なので、コード上の数値を一つでも間違うと会社が倒産してしまう可能性だってあるわけです。当然、スピードと品質の両方が大切ですが、品質をしっかり高めることはメルペイに移籍して、より強く意識するようになりましたね。

hidek:先ほど、スピードと品質はトレードオフという話をしましたが、金融事業として一機能あたりの品質を落とすことはありえなくて、お客さまに提供する機能のプライオリティを変えたりするなど、工夫をすることが求められるということですよね。

oinume:そうですね。そのためにも、なるべく大きなリリースは避けるように心がけています。大きなリリースをするとバグが発生し、複雑度が各段に上がってしまう。なので段階的にリリースし、機能をよりよくしていくことに注力するようにしています。

hidek:段階的なリリースは最終的に成功するためにも大事ですよね。まさにメルペイのリリースもそうでしたよね。最初はiOS端末だけで、銀行からのチャージとiDによる支払いしか機能がなくて、そこからAndroid端末への対応やコード払い、そしてあと払いなど、徐々に機能を追加していきました。そうすることで問題のスコープが狭くなり、お客さまにとって利用しやすい環境をつくることができる。まさにテックリードは一機能だけでなく、プロダクトの全体観をグリップしながら進める、そんな役割を担っていると言えますね。

技術よりも「お客さま目線に立つ想像力」が大切

hidek:アーキテクチャについては、マイクロサービス化を進めていると思うんですけど、モノリスとインテグレーションするうえで苦労していること、あるいは挑戦していることについてお聞きしたいです。

oinume:そうですね。まず苦労していることで言うと、今ってメルカリAPIのデータベースと「メルペイあと払い」のマイクロサービス・データベース、それぞれ二重に書き込んでいるんですね。そこの整合性をチェックする仕組みをつくったり、発生した不整合をどう対応するかなど……頭を悩ませています。

hidek:基本的に不整合が起きたとしても解消できるような仕組みにしたいのですが、どうしても不整合は起きてしまうので、そこをどうカバーしてお客さまにご迷惑をおかけしないようにするか、が問われるということですよね。

oinume:一方でマイクロサービスの難しさで言うと、「マイクロサービス自体の難しさ」というよりも、「これだけの人数で開発することの難しさ」を痛感しています。メルカリはシングルプロダクトなので、複数のチームと綿密なコミュニケーションを図らなければなりませんからね。

hidek:oinumeさんはメルペイの黎明期から事業や組織に関わってきていますよね。そんなoinumeさんから見て、メルペイはどう変化してきたと思いますか?

oinume:どんなにメンバーが増えようと、全員がお客さま目線に立って考えられるのはすごいなと思いますね。「お客さまの立場で見ると〇〇だよね」というように、メンバーが常に同じ目線で議論できるのは、仕事のスピードにも活きている気がします。もちろん技術レベルの話って、いくらでもできるんですよ。でも、結局それってお客さまにどんなメリット、デメリットがあるのかが最終判断だったりする。そこが最も大切なんですよね。

お金とモノの流通を更に加速させたい

hidek:メルペイには「信用を創造してなめらかな社会を創る」というミッションステートメントがあって、oinumeさんはまさに「信用創造」の部分を担っていると思います。今後、メルペイを通じてやってみたいことなどありますか?

oinume:「メルペイあと払い」を立ち上げた頃から「お金を必要としている人に、適切な手段で提供すること」という課題を感じていました。曾川さん(メルペイCTO)も、入社以降、そんなお話を繰り返ししていたと思います。

hidek:「お金を使いたいときに、お金がない状況を変えたい」という話は、よく曾川さんもしていますよね。そこを変えることで、より「なめらかな社会」になるのではないかと。

oinume:そうですよね。実際、お客さまからも「お金のやり繰りに困っている」という問い合わせをいただくんですよ。

hidek:なるほどね。「メルペイあと払い」って、メルカリでのやり取りなどから、お客さま一人ひとりの「信用力」を評価し、それに基づいて最大上限額を設定する仕組みですよね。お客さまにとって無理のない範囲で借りることができ、お客さまの役に立ちたいという想いが根底にあると思うのですが、これはoinumeさんの「Will(今後やりたいこと)」にマッチしているのでしょうか?

oinume:間違いなくフィットしていると思います。日々の取り引きにおいて、正しいことをすれば「信用力」が上がり、上限額にも反映されるという仕組みは、世の中にとっても良いサイクルだと思いますし、「お金を必要としている人に、適切な手段で提供すること」のベースにあるべき考え方だとも言えると思います。例えば、ネット決済でどこかのオンラインサイトで商品を購入するとします。その商品に関するデータさえあれば、数年後の商品価値を計算式で導けるわけです。「今、その商品をメルカリで売ると、このくらいの価値になるよ」という提案が購入時点から可能になると、お金とモノの流通は更に加速すると思うんです。それは実現させたいですね。

hidek:それは最高! それが実現すると「モノを売って返済する」という、メルカリらしい体験につながると思うんですよね。

新たなメルカリ体験について、@oinumeに力説する@hidek

oinume:そうですよね。私も早く実現したい機能です。がんばりますよ!

エンジニアにとって求められる「キャリアの付加価値」

hidek:それでは最後に、oinumeさんが求める理想のテックリード像やメルカリの課題感について伺って、締めたいと思います。いかがですか?

oinume:難しい質問ですね……。

hidek:それじゃ、僕から話していい?(笑)

oinume:どうぞ!

hidek:事業やサービスのことを考えながら、技術的な設計ができて、関係各所とコミュニケーションを取りながら、技術サイドからプロジェクトを推進してプロダクトの成功に貢献できる人。これがまさにテックリードの理想の役割なんだけど、メルペイの社内にはまだまだテックリードの数が足りない……。一つのプロジェクトに、最低でも一人のテックリードをアサインしたい。プロジェクトの数を増やすためにも、テックリードの育成は課題とも言えますよね。

oinume:それは私も思います。事業やプロジェクトサイドのエンジニアをもっと増やさなければいけません。もちろんバランスの問題だとは思いますが、それがボトルネックになるのは避けなければなりませんよね。

hidek:メルペイの強みって、紛れもなく巨大マーケットプレイス「メルカリ」があること。そこのインテグレーションを進めることは、すごく難易度が高いですが、すごく面白い。しかもテックリードとして関わるなんて、滅多にできない経験です。このフィールドで大胆なチャレンジをしたいという気概の持ち主と一緒に仕事がしたいですね。

oinume:もうhidekさんに言われてしまったような……(笑)。私から強いて言えば「総合力」のある方ですね。メルカリには3つのバリュー(Go Bold・All for One・Be Professional)がありますが、テックリードは、そのすべてが特に求められる職種だと思っていて。

hidek:それは僕も思いますね。エンジニアのキャリアパスを考えたときに、技術力だけで突き進めるエンジニアって本当に一握り。それって相当難しいと思うんですね。そこで求められるのは「キャリアの付加価値」だと思っていて。それが僕の場合だと「マネジメント」だし、oinumeさんの場合だと「テックリード」なんじゃないかなと。

oinume:確かに、キャリアパスの延長線上でテックリードという選択肢が当たり前になるといいですよね。マネジメントやテックリードも挑戦してみて、ダメだったまた考えればいい。キャリアにおいても、トライ&エラーの繰り返しだと思います。

hidek:そうそう。場数を踏んで、役割もプロジェクトもいろいろ経験して、自分の付加価値を考えてもらえればいいんですよ。っと……話が盛り上がってきましたが、もうこんな時間……今日は早く帰宅したいので、またゆっくり立ち話でもしましょう!

oinume:おおお、なんと。もちろんです。ぜひよろしくお願いします!

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