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「私、ホームランを打ちたい」新規事業の虜になったメルカリ若手PMの現在地 #BoldChallenge

2019-9-10

「私、ホームランを打ちたい」新規事業の虜になったメルカリ若手PMの現在地 #BoldChallenge

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メルカリにある3つのバリュー、Go Bold(大胆にやろう)、All for One(全ては成功のために)、Be a Pro(プロフェッショナルであれ)。なかでも特にメルカリらしいと感じられるのが「Go Bold」です。このメルカン特集企画「Bold Challenge」では、変化するメルカリの現場で挑み続けるメンバーにフォーカス。その現在地から、挑戦の原動力を紐解いていきます。前回の特集記事はこちらからご覧ください。

第2回目に登場するのは、メルカリのグループ会社だったソウゾウに新卒入社し、現在は新規事業立ち上げチームでプロダクトマネージャー(以下、PM)を務める金 愛理沙(きむ・えりさ)。

金が社会人として初めて担当したのは、フリマアプリ「メルカリ」の姉妹アプリ「メルカリ メゾンズ」。サービス終了後、メルカリの機能開発などを担当してきた彼女に話を聞くと、口にした言葉は「私、ホームランを打ちたいんです」。今回は、その言葉の意味からメルカリで挑戦し続ける理由を探ります。聞き手は、当時のソウゾウ採用担当で、現在はPRチームの鈴木綾香です。

この記事に登場する人


  • 金 愛理沙(Erisa Kim)

    早稲田大学卒業後、メルカリに新卒入社。学生時代のインターン先がメルカリにM&Aされた事をきっかけに入社1ヶ月前にメルカリへ進路変更。1年目はブランド特化型の姉妹アプリ「メルカリ メゾンズ」の立ち上げ、2年目はメルカリアプリ内のUI/UX向上を担当。6月より新規事業チームのプロダクトマネージャーを務める。


新卒入社の決め手は「得体の知れないものに挑戦する楽しさ」

ー金さんとは、私がソウゾウの採用担当をしていたころによくやりとりをしていましたが、こうやって改めて話すのは初めてな気がしますね。さっそくですが、金さんがソウゾウへ新卒入社を決めた経緯から教えてもらいたいです。

:はい! 私はブランド系フリマアプリ「スマオク」を運営していたザワットでインターンをしていました。そのザワットがメルカリにM&Aされ、グループ会社になるとともに、ソウゾウへジョインしたんです。そのとき、ザワット代表だった原田大作さんから「メルカリは新卒採用を行っている」「興味があれば、ぜひ受けてみて」って言われたことがきっかけでした。

金 愛理沙(メルカリPM)

ーそしてソウゾウへ新卒入社するわけですが、迷いはなかった?

:ソウゾウで実際にインターンをしてみて、加速度的に成長する環境下のすごさを感じて「働きたい」と思ったんです。……というのは建前で、本音を言うとめちゃくちゃ迷いました!

ーですよね!

:実は第一志望だったコスメ関係の会社から、すでに内定をもらっていたんです。憧れの業界でマーケティングの仕事をしたかったので、念願でもありました。ザワットでもソウゾウでも、インターン時代はPM補佐をしていましたが、いまいちその仕事内容を理解しきれていなくて、比較軸すらうまく引けない状態でした。

ーだったら、なおさらなぜソウゾウへ?

:インターンをしてみてわかったのは「得体の知れないものに挑戦する楽しさ」。私もそれに挑んでみたいと思ったのが、入社の決め手でした。ソウゾウへ入社し、新規事業という「得体の知れないもの」に挑むことで、このうえない成長機会につながると思ったんです。そして入社後、初めてPMとして担当したのがフリマアプリ「メルカリ」の姉妹アプリとなる「メルカリ メゾンズ」(以下、メゾンズ)でした。

ーそれこそ、メゾンズは新規事業。立ち上げでは「得体の知れないもの」だらけだったんじゃないですか?

:そうですね。当時は新卒PM向けの研修もなく、WEB記事などを読み漁っても「PMとは?」が書かれたものにあまり辿り着けませんでした。毎日が手探りで、エンジニアメンバーや先輩PMに相談しながら仕事を進めていましたね。今思えば、遠回りばかりしていたなぁと感じます。

「メルカリ メゾンズ」リリース、そしてサービス終了へ

ーそしてメゾンズを立ち上げ、2018年8月のサービス終了まで見届けていたかと思います。そのなかで、一番印象に残っていることはありますか?

:ひと言で言ってしまうと「全然うまくできなかった」です。社会人としてすべてが初めての経験だったこともあり、本当に失敗だらけで。チームもサービスも大好きだったので、毎日楽しかったのですが、一方で軽い挫折のような思い出もいっぱいありました。

ーメゾンズは、メルカリグループとしても地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」、本やCD、DVD、ゲームなどの取引に特化したフリマアプリ「メルカリ カウル」に続く新サービスとしてリリースしていました。けれど、金さんにとっては「やったー!」というより?

:「悔しい」のほうが多いかも(笑)。周りが屈強なメンバーばかりで、追いつきたい一心でした。特に、私のメンターでメゾンズのリードプロデューサーだった方を見て「あの人みたいになりたい」と頭がいっぱいだった気がします。結果的に、その人の背中すら見えないくらい遠い存在のままなんですけれど。

ー何がうまくいかなかったんですか?

:一番後悔しているのは、あのころの私は「誰かに言われたこと」をそのまま鵜呑みにして仕事を進めてしまっている場面が多かったこと。例えば、「このやり方がいい」と言われたものを、自分では腹落ちしていないけれど「そういうものなのか」と進めてしまったりしていました。

ーそれで仕事が進むこともあると思うけど、金さんにとっては「それだけではダメだ」って思ったんですね。

:そうです。PMとして技術面すべてを理解するのは難しいですが、お客さま体験を決めるうえで、「知っておかなければならないのに知らないこと」を把握し、腹落ちするまで理解することは大事。それを、入社半年間で感じました。なので、今は他のメンバーからもらった意見はいったん受け止め、自分のなかで消化させてから判断するようにしています。

ーメゾンズのサービス終了は、どのタイミングで知ったんですか?

:わりと直前でした。思い入れがあったのでショックだったのですが、新規事業立ち上げ経験者が多いチームだったこともあり「よし、次頑張ろう」という雰囲気のほうが強くて。おかげで、それほど気持ちを引きずることはありませんでした。

ーそこはわりとすぐに受け止めて、前へ進むことにしたという(笑)。

:あはは。そもそもメゾンズは「ゆくゆくはメルカリに還元する」という方針のもと、誕生したサービスでもありました。なので、メゾンズで検証してきたことは今、メルカリのなかで生きています。サービス終了と聞いて一瞬悲しかったのですが、どちらかというとそれは1年間一緒にサービスを立ち上げてきたメゾンズチームが解散することに対する感情だったのかもしれません。

スタートアップ・大企業の間を揺れ動く組織、そのなかでの意思決定プロセス

:メゾンズのサービス終了後は、メルカリにある「ファッション」「コスメ」などの各カテゴリーに特化した機能開発を行うチームへ異動しました。なかでも、私はファッションカテゴリーを担当していて、キャンペーンやプッシュ通知などを活用し「出品・購入したいお客さま」を増やす施策を進めていました。

ーソウゾウ時代で培った経験は活かせましたか?

:実は、本格的な機能開発を担当したのは、このときが初めてでした。メゾンズはローンチして間もないプロダクトだったので、明白に改善すべきことがたくさんありました。それに比べて、メルカリは一定の規模があるプロダクトだからこそ、まだ発見されていないカスタマーインサイトを掴み、既知だけれど解决の難しい課題を突破しないと、これまでのような成長ができない状態にありました。

ープロダクトのフェーズに合わせて、やることも変わったんですね。

:ですね。でも異動したばかりのころは、初歩的な仕様書の抜け漏れや見積もりの見誤りなどの失敗も多くて、他のメンバーに迷惑をかけていました。私自身、負けず嫌いな性格なので、小さな失敗でも凹むことも多かったですね。

ー金さんが負けず嫌いというのは、わかる気がします(笑)。

:そうなんです(笑)。ソウゾウからメルカリに異動し、カテゴリーのグロースなどを担当するようになって感じたのは、私の強みは一度経験したら、二度目はうまくやれる吸収力であるということ。初めてのことは、たとえ失敗したとしても必ず次に活かしてやるという気概が自分にはあるとはっきり言えます。なので、失敗した原因を突き詰めて、そして抽象化することを徹底していました。

ー1チームで1プロダクトをつくるチームから、複数チームで1プロダクトを伸ばすチームに異動したことによるギャップはありました?

:むしろ、そこが悩みのタネでした。ソウゾウには「Move Fast(数多くトライしよう)」というバリューがあり、プロセスをなるべくなくし、スピーディーな意思決定が「正しい」とされていました。しかし、メルカリはそれ以上に大きな事業であり、ソウゾウに比べて意思決定プロセスが多くなってしまうことは成長過程の1つとして避けられません。そのなかで、どうしても「遅いことは罪」という価値観との葛藤がしばらく続いていましたね。

ーそれは、どうやって抜け出せたんですか?

:ある日、全社定例でメルカリが最もスタートアップだった時期を知る進太郎さん(メルカリ代表取締役会長兼CEO)が「メルカリはスタートアップであり、もう大企業だ」と宣言したことがありました。そのときに「あ、変えちゃいけない部分もあるけれど、受け入れなくてはいけないこともあるのだ」とハッとしたんです。フェーズに合わせて、変わった部分を受け入れつつ、今の状況で自分の出せるバリューを最大化させることも大事だと意識するようになったのは、このタイミングです。それから自分が考えた施策で数字を伸ばせるようになり、少しずつ手応えを感じるようになった気がします。

「私、ホームランを打ちたいんです」

ーそして今、また新たなチームに異動したと聞いたのですが?

:2019年6月からは、新規事業立ち上げを担当するPMとして新チームに異動しました。メルカリは完成しているサービスに見えて、蓋を開けてみるとまだまだできていないことや改善しなくちゃいけないところがたくさんあって。その解決策を見つけることはとても楽しかったんです。でも、心のどこかで「ソウゾウ時代で体験したゼロイチをもう一度やりたい」と思うようになっていました。そのとき、新チームをリードする原田さんから「一緒に新規事業を立ち上げないか?」と声をかけてもらったんです。

ーここで再びの原田さん!

:はい、まさかの再会です。嬉しいですよね。メルカリではいつも、自分の力量より少し上くらいのミッションが用意されていて、かつチャレンジできる環境がある。私がメルカリに居続ける理由は、そこなのかもしれないです。

ー金さんは2018年10〜12月期にバリュー賞である「All for One賞」も受賞していますよね?

:当時は、自分が考えた施策でGMVを伸ばすことのほかに、他チームが運用しなくなったABテストを見つけ出し、整理するような業務も担当していました。それを見た当時のマネージャーである富島寛さんが「こぼれ球をしっかり拾うのは、すごくいい姿勢だ」と評価してくださったんです。

ー受賞コメントでは、「施策でヒットを打てるようになってきた。次はホームランを狙ってほしい」と言われていましたが、これからも挑戦は続く?

:はい! 私、こぼれ球を拾うだけじゃなくて、ちゃんと自分でホームランを打ちたいんです。そう考えると、今よりもっと打数も打率も上げなくちゃいけない。これからやれることは、山ほどあるんですよね。

(写真左から)今回の聞き手を務めたPRチームの鈴木綾香、そして金 愛理沙

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