メルカリで働くソフトウェアエンジニアにちょこっとお話を聞いていく本シリーズ。第34回ではAIチームのソフトウェアエンジニアである@y-oshimaにお話を聞きました。
KubeflowのKatibオーナーで、機械学習分野では著名な@y-oshimaが、メルカリを通じて目指す世界基準の技術とは?AIチームのエンジニアリングマネージャー @shibui.yusukeと、AIチームメンバーの立ち話シリーズを3本連続でお届けします。
kubeflow/katibのオーナー
@shibui.yusuke:どうも。最初に補足しておくと、@y-oshimaさんがオーナーを務めるkubeflow / katibは、AIエンジニアリング界隈では有名なんです。kubeflowとは、GoogleがOSS(オープンソースソフトウェア)として出しているAIシステム。そしてkatibは、機械学習の精度をより高くするために、簡単かつ効率よくパラメータをチューニングするというものです。そんな心強い方が今年7月に入社したわけですが…前職では何をしていたんですか?
@y-oshima:前職ではNTTソフトウェアイノベーションセンターで、OSS活動を行っていました。Docker / Infrakitのメンテナをしていたり、今@shibui.yusukeさんが紹介してくれたように、kubeflow / katibオーナーをしていました。
@shibui.yusuke:katibは拙者も使っていました。すごくよくできていますよね。@y-oshimaさんがメルカリに入社しようと思った理由はなんですか?
@y-oshima:NTTではOSS開発に注力していたのですが、研究所だったので、ずっと技術にフォーカスしていました。しかし最近は、アカデミックな世界での純粋なAIの研究より、さまざまなデータを持つ民間企業へと戦場が移ってきていると感じました。とは言え、これは個人的な感覚でもあるのですが。実際にたくさんのお客さまが使っているプロダクト開発をしながら、技術を磨いていきたいと思ったんです。
@shibui.yusuke:そんななか、次の挑戦のステージとしてメルカリが選択肢に挙がったきっかけは何だったのでしょうか?
@y-oshima(メルカリAIチーム)
@y-oshima:メルカリAIチームの@hurutoriyaさんたちが主催しているMachine Learning Casual Talksで、katibの発表をしたことがきっかけです。@hurutoriyaさんから声をかけてもらって、メルカリの開発でもkatibが使えるんじゃないかという話になって。
@shibui.yusuke:そこから1年かけて@y-oshimaさんを口説きました。
@y-oshima:正直、最初はあまり転職する気はなかったんです。前職の環境も良かったので。時間をかけてメルカリのカルチャーやプロダクト開発を聞くうちに、どんどん興味が湧きました。
@y-oshima:Neural Architecture Searchは盛り上がっていますが、実際にやっている人は少ない技術分野です。この分野でリードできれば、世界基準の技術を体現できるんじゃないかと思っていて、非常にやりがいがありますね。また、Neural Architecture SearchとEdge AIを組み合わせた開発をしています。
@shibui.yusuke:AIの処理をモバイルデバイスの中で行うEgde AIに関しては、どうですか?
@y-oshima:Edge AIは、スマホという小さいCPU、つまり計算リソースが少ないなかでML(機械学習)を動かす必要があります。そのため、精度を高めるだけでにとって使いやすくなるとは限りません。お客さまに最適なバランスを見極めるのが難しいですね。
@shibui.yusuke:そうですね。Edge AIも注目の技術ですが、実例の情報はまだ少ないですよね。Edge AIもNeural Architecture Searchも、ドキュメントがまとまっていないので、自分で調べて読み込んでいかないといけません。
@y-oshima:はい。でも、どちらもお客さまに実際に使ってもらっていて、データが豊富にあるメルカリというプロダクトだからこそ挑戦しがいがある分野だと思います。
@shibui.yusuke:最後に、どんな人と一緒に働きたいと思いますか?
@y-oshima:そうですね。自分で楽しみながら学習する人でしょうか。専門的な機械学習の知識と技術をもっていることは、とても大事なのです。しかし、技術はどんどん新しくなります。必要なことを必要なタイミングで調べて、どんどん学んでいけることが大事だと思っています。
@shibui.yusuke:今日はありがとうございました。
写真左から、@shibui.yusuke(メルカリAIチーム、エンジニアリングマネージャー)、@antonylam(メルカリAIチーム、MLエンジニア)、@y-oshima(メルカリAIチーム、MLエンジニア)、@cournape(メルカリAIチーム、エンジニアリングマネージャー)