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「日本の決済サービスを良くしたい」とメルペイへ飛び込んだ外国籍iOSエンジニアの今は? #TowardAGlobalMercari

2019-12-3

「日本の決済サービスを良くしたい」とメルペイへ飛び込んだ外国籍iOSエンジニアの今は? #TowardAGlobalMercari

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メルカリは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションのもと、国内外で活躍するメンバーの採用に注力してきました。そして現在、メルカリ東京オフィスでは、約40カ国から集まったメンバーが勤務。特にJP版メルカリを開発するエンジニア組織については、この1年で海外から来たメンバーの比率が約15%から約40%に増えています。

つまり、一気に組織内のグローバル化が進んだわけですが…それによって社内では何が起こっていたのでしょうか?今回のメルカン特集企画「#TowardAGlobalMercari」では、開発メンバーたちの対談を通じて「メルカリ社内のグローバル化」を現場目線でお伝えします。

第1回は、メルカリのグループ会社であるメルペイiOSエンジニアのSonny Rodriguezと松前健太郎が登場します。決済サービスは日本特有の知識が求められることもあり、メルカリに比べて海外から来たメンバーが少ないメルペイ。そんな環境下にあえて飛び込んだSonnyが体感する「メルペイでのグローバル化」とは?また、「これほど外国人比率が高い企業は今回が初めて」と話す松前は、Sonnyを間近で見ながら考える“メルペイにおける多様性のメリット”は?

日本特有の知識が求められる決済サービスを“あえて”選んだ理由

ーメルペイは、決済サービスです。日本特有の知識が求められる場面も多いため、メルカリグループのなかでは外国人比率も高い方ではありません。そんななか、Sonnyさんはなぜあえてメルペイへ?

Sonny:私はサンディエゴ出身で、アメリカでもiOSまたはAndroidエンジニアとして数年間働いていました。そんななか、海外で働くことにも興味があり、福岡県で2年ほど働いていたことがあります。そして次の転職を考え始めたタイミングで、メルペイの存在を知りました。福岡県で働いてみて感じたのは、日本の決済サービスには多くの課題があり、改善すればよりよいものになる可能性が高いということ。メルペイへの入社は、日本の決済サービスをより良くする絶好のチャンスだと思ったのです。

Sonny Rodriguez(メルペイiOSエンジニア)

ー日本の決済サービスには、課題がある?

Sonny:そうです、特に僕のような外国人にとって、日本で銀行口座を開設することはとてもハードルが高いことだったりします。必要な書類を取り寄せられなかったり、そもそも名前を書く項目が小さすぎて入らなかったり(笑)。僕も外国人として、日本に来たばかりの人たちにとって障壁となるものの1つを解決したいと感じていました。そして、2018年10月にメルペイへ入社。東京での仕事と生活の両立も楽しんでいるところです。

ー松前さんがメルペイへ入社したきっかけは?

松前:僕がメルペイに入社したのは、2018年6月。前職では、マンガアプリのiOS開発を担当していました。当時まだメルペイはリリースされていませんでしたが、僕としてはまったく新しいサービスに取り組めるチャンスだったので、魅力的でしたね。それに、海外から来たメンバーがいるチームで働きたいと思っていました。ソフトウェア開発では英語をよく使いますし、僕自身も英語を学んだり話したりするのが好きでしたので。

松前健太郎(メルペイiOSエンジニア)

ーでは、松前さんは今のような多様なメンバーがいるチームで働くのは、今回が初めてということですか?

松前:そうです。これほど海外から来たメンバーの割合が高い企業は、メルペイが初めてです。そして、僕が所属するメルペイiOSチームは今、海外から来たメンバーはSonnyさんを含めて4名います。それも、全員の出身国がバラバラ。でも、マネージャーはメンバーそれぞれのバックグラウンドを理解していて、柔軟かつ必要であれば協力も惜しみません。チーム内で共有するドキュメントはすべて英語。コミュニケーションも、日本語と英語どちらかいいのかはその時々で最適なものを選びながらコミュニケーションしています。おかげで、メンバー間の言語レベルは異なるものの、チームとしてうまく機能しています。

メルペイでのコミュニケーションは日本語×英語のハイブリッド

Sonny:僕は、メルペイの「その時々で最適な言語を選びながらコミュニケーションする」という風土はいいなぁと感じているんです。否定するわけではありませんが、多くの日本企業では、外国人は日本語を話し、仕事の考え方などにも順応することを期待されます。それは、日本以外の国でもよくあることです。でも、メルペイはその時々でメンバーがコミュニケーションしやすい言語を選びながらやりとりできるので、柔軟だと思います。ただ…。

ーただ?

Sonny:共有されるドキュメントは基本的に英語なのですが、Slackをメインとしたコミュニケーションツールになると、メンバーそれぞれが使いやすい言語で投稿しています。そのため、英語と日本語が混在していて、言語に慣れていないメンバーが見逃すなんてこともよくあります。また、日本人メンバーのほうが多いこともあり、Slackに流れる情報は日本語がメイン。そうすると、日本人メンバーと海外から来たメンバーの間で情報格差が起こってしまう。もちろん、翻訳してくれるチームもいますが、多くのメンバーはそういった時間的な余裕がなかったり…。

松前:これは、メルペイに限った問題ではありません。それに、理解するのが難しい言語ばかり飛び交っていると、一部のメンバーはスルーするようになりますしね。

Sonny:それは、メルペイにとってよくないことですよね。メルカリグループのなかで、メルペイはスタートアップ的な立ち位置にあります。日々さまざまな変化があるなかでは、情報共有が遅れること自体がブロッカーです。

松前:これも、チームによって受け止め方が違います。あるチームは英語・日本語両方がわかるから問題ない。一方で、日本語しかわからないチームもあったり。

ーメルペイは決済サービスということで、銀行などの金融機関とコミュニケーションすることも多いです。専門知識が必要となる場面とあると思うのですが、情報共有はどう進められているのでしょうか?

松前:今のところ、メルペイのテックリードのほとんどが日本人です。そこでステークホルダーとのやりとりもありますが、資料のほとんどが日本人から見ても難解な文面で、海外から来たメンバーにとっても理解するのは困難でした。

Sonny:そうそう、日本人メンバーでも、用語の一部を理解するのに苦労していましたね。それに、多くのエンジニアが金融事業に関する知識が豊富なわけでもありません。なので、今は金融業界の用語集などをつくり、共有し合うなどしています。もちろん、日英併記で。

「言語の壁を解決すればいい」だけじゃない

ーとは言え、異なるのは言語だけではありません。文化も考え方もさまざまなメンバーが集まっていると、意思決定も進めることは難しいところも多いのでは?

Sonny:やっぱり、難しいですよね。これに関しては、メルカリ・メルペイに限らず、どの企業でもはっきりした打開策を出せているわけではありません。そして、解決のためのマニュアルがあるわけでもない。メルペイでも、試行錯誤しているところです。

松前:そうですね。そこで、メルペイiOSチームでは、対処方法などを話し合うために、定期的にKPTを実施しています。異なる考えや意見を持つメンバーが集まっているので、KPT自体に時間がかかる。ですが、多様なメンバーがいるということは、新しい視点から物事を考えられるメリットもあります。

Sonny:それは間違いないですね。海外から来たメンバーは、何か違和感があるとすぐに質問することが普通です。それがいいときもあれば、よくないときもありますが(笑)。逆に、日本人は、文化の違いからか、物事についてあまり声を上げない傾向がある気がしています。

松前:それはある(笑)。でも、僕から見てSonnyさんのように声を上げてくれるのは間違いなくいいことだと思っているんですよ。おかげで、問題が発生する前に気づけたこともたくさんある。例えば、海外から来たメンバーの声から誕生した社内制度の1つに「Sick Leave(シックリーブ、病気休暇)」があります。風邪などで休みをとるのが「有給」にならないのはおかしい、と声を上げたことをきっかけに誕生しものです。それまで、日本においては「ないことが普通」だったで、とてもいい気づきでした。

Sonny:あと、サービスについても多角的な視点を持てますよね。これは、ゆくゆくメルペイの強みになっていくはずです。

今のメルペイに求める「グローバル化」は?

ー今後、メルペイでも日本人以外のメンバーが増えていくと思います。そのときのために、今から取り組んだほうがいいと思うことなどありますか?

Sonny:メルペイのミッションは「信用を創造して、なめらかな社会を創る」。当然、長い戦いになります。だからこそ、国籍にとらわれず、長い時間をかけてサービスづくりに取り組んでくれるメンバーを採用することはすごく大事。また、僕としてもメルペイによって海外から来た人たちがスムーズにお金を使えるような世界にしたい。そして、ゆくゆくはメルペイで、お金にまつわるカルチャーショックをなくしたい!

松前:Sonnyさんは間違いなくメルペイをそういった世界観へ近づけてくれるメンバーだと思いますよ!母国を離れて海外で暮らしながら仕事をするのは、とても大変です。それに、孤独になってしまいがち。Sonnyさんは、海外から来たメンバーが孤独にならないよう、交流会を開いていたりします。これって、けっこう大事なことです。

Sonny:今だと、日本人メンバーを対象とした英語トレーニングが強化されつつあります。今後はより広い範囲での英語トレーニングと同時に、海外から来たメンバーに対する日本語トレーニングの強化にも期待しています。だって、僕らにとって会社を一歩出るとすべてのコミュニケーションが日本語になるわけなので…。母国を出れば、カルチャーショックは常につきまといます。ジョインするメンバーが事前知識を取り入れておくことはもちろんですが、受け入れ側である僕らとしても彼らの孤独感を取り除くための方法をほかにも考えられそうですよね。

松前健太郎(Kentaro Matsumae)

Merpay iOSチーム所属。二児のパパ。おもしろいプロダクトを開発するのが好き。最近では、flutterを使ったモバイルアプリ開発にも取り組んでいる。

Sonny Rodriguez

メルペイiOSエンジニア。サンディエゴ出身。アメリカでモバイルエンジニアとして働いた後、来日。福岡のIT企業で2年間働く。その後、2018年11月に上京し、メルペイにジョイン。現在に至る。

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