こんにちは、メルカン編集部のnatukifmです。
メルカリが「原則在宅勤務」になってから、2ヶ月以上経ちました。そこで気になるのが、リモート環境下でのマネジメント。メンバーによって勤務スタイルや業務量がよりさまざまとなるなか、マネージャーたちはどのように対応しているのでしょうか?
そこで今回のメルカンでは、リモート勤務下でのマネジメントについて簡単なアンケートを実施。KPT方式で振り返ってもらいました!
【現状】リモートが始まってから、メンバーやチームの変化は?
まずは、在宅勤務になってからメンバーやチームがどのように変化したのかを聞きました。
1:勤務スタイルがよりバラバラになった
・ 出社・退社の区切りがなくなるので、勤務リズムが崩れてきた。同時に、子どもを保育園に預けられなかったり、家に閉じこもり続けていることでの心身状態の崩れも見え始めてきた。
・ 何名かのメンバーは、朝方勤務にワークタイムシフトした(8時〜17時)。
・ 思っているより仕事してしまうというメンバーが多い。
・ 働き方について各自がこれまで以上に考えるようになった。
2:何気ないコミュニケーションが減った
・ 目的のない会話やフランクなコミュニケーションが減った。
・ コミュニケーション不足が顕在化してきた。
・ マネージャーへのエスカレーションが変化した。これまで「念のために確認を〜」というやりとりができたが、リモート勤務後は自己判断で進める人が増えた。結果的に、チーム全体で作業する時間より、個人で作業する時間が増えた。
・ 雑談のために、ハングアウトやSlackでのコミュニケーションが増えた。
・ お互いの会話内で積極的に試行錯誤を見せ合うようになった。
・ Members have been making a conscious effort to communicate. For example, setting up a daily stand-up which we didn’t do before and using Slack calls when it’s faster to talk directly.
・ チームのSlack内で「今日すること」や「日報」を記載してくれるようになり、マネジメントの視点で負担をかけないように一人ひとりが意識的にアウトプットを出してくれるようになった。
3:生産性が上がる人・下がる人に二分化されつつある
・ リモート勤務になってから、生産性が上がったメンバーとそうではないメンバーにはっきり分かれた。後者は、自宅の作業環境が悪かったり、気持ちの切り替えができないなどがある。
・ 最初、リモート業務が捗る人と苦手な人に分かれた。今は慣れつつある。
・ 一部、モチベーションコントロールに苦労したりする人が出た。
【Keep】リモート環境下で「やってよかった」と思うことは?
在宅勤務が始まり、オンライン上でのやりとりが中心になったことで見えてきたのは「コミュニケーション不足」「勤務スタイルがバラバラ」「生産性コントロール」。それに対して、マネージャーたちが「やってよかったこと」は以下でした。
1:雑談できる場やタイミングを意図的につくった&増やした
・ 週2でCoffeeチャットという、雑談する機会を設けた。結果的に、相互理解が深まった。
・ DailyMeetingを実施し、勤務のリズムをつくるようにした。
・ チームのRetrospective(振り返り)で「毎日15:30〜16:00で参加自由なMTGをし、そこで雑談をしたり業務相談をする」というアクションが出て、それがうまくいっている。
・ The best part of managing WFH was my 13 month son on my laps during the stand-up or 1on1 meetings, and my team was ok with that. I think overall the team has improved a lot in terms of collaborations for complex features with tight deadlines. Also they have become organised and attentive about how we spend time during the meetings.
・ 朝会(毎朝)、お茶会(週2回)、オンライン飲み会(月1~2回)にした。
・ 週に1回、仕事の話をしない雑談の時間を全員でスケジューラーで押さえているのですが、適度なゆるさでよい。
2:1on1や朝会の内容を工夫した
・ スクラム形式で、隔週で作業内容を決めている。おかげで、お互いの仕事が見えている状態ができた。
・ 1on1でメンバーが置かれている状況について聞きながら、話し合い相手になったり、ストレスのはけ口になったりするように意識している。
・ 1on1で在宅勤務のヒアリングを続けた。
・ 1on1で会話する内容をタスクベースではなく、業務環境ベースを多めにとった。
・ Dailycheckinを各チームごとに10〜15分程度行っていて、最近のリモート勤務、懸念、不安を共有。そのときは、できるだけカメラをオンにしてもらっている。
・ リモート勤務になる前から「積極的にコミュニケーションをとること」「助け合うこと」を伝えていた。今、みんな意識的にしてくれていて「やってよかった」と思っている。
【Problem】「課題だ」と感じていることは?
一方で、引き続き課題に感じていることは何でしょうか?
1:情報共有、コミュニケーション不足
・ プロジェクトで絡まないメンバーとのコミュニケーション不足。
・ 仕事のタスク以外のコミュニケーションが少ない。
・ Lack of normal interaction and conversations.
・ 業務以外での話題が少ない。そのため、心身状態の把握が難しい。
・ 個人で作業する時間にタスク分配したが、チームでの活動は変わらない。エスカレーションやチーム内コミュニケーションをとる定義はまだ明確化できておらず、確認漏れ・認識違いが起きてないか不安になる。
・ Bilingual communication in the team.
・ 人が増えたり入れ替わったりしたタイミングで一体感の醸成をしにくくなっている。
・ 4月から新加入のメンバーが入ってきたが、打ち解ける機会が少なくなりがち。
2:パフォーマンスのコントロール
・ 在宅勤務での仕事、パフォーマンスが見えにくい。
・ 子どもが家にいて仕事ができないメンバーの問題解決として取れる具体的な策がないこと。休業補償があるとはいえ、そういう問題でもない。
・ コロナ影響によるチーム個人OKR進捗に関する焦りが発生している。
3:オンオフの切り替え
・ “勤務時間帯についてはDailymeetingでリズムを作れるが、生活サイクルの中でのオンオフの切り替えについてはまだ課題がある。
・ やるぞー!!!と盛り上げたいときがちょっと難しい、一体感を作れているのか。
4:その他
・ 在宅勤務での会議は苦痛、のような概念をどう払拭するのかが課題。
・ 困っているときにすぐに手を差し伸べられない。
・ Being indoors all day is not healthy, mentally or physically.
【Try】そのために今やろうとしていること・試したいことは?
引き続き「コミュニケーション不足」「情報共有が漏れる」を課題にしているマネージャーが多い結果となりました。では、それに対して今何をやろうとしているのでしょうか?
1:リモート○○の実施
・ リモートランチをやってみたが、微妙だった。リモートコーヒー休憩みたいなものを検討中。
・ We will try to hold an online team building.
・ どんどんこちらから発信し、絡んでみたい人を勝手に飲み会とかに巻き込んでいく!
・ タッチポイントを多くしておく。1on1だけでなく雑談タイムの積極的な活用。
・ 個別の1:1の回数を増やし、タスク確認や、定義について話し合うようにしている。
・ Open Doorのような時間で誰でも出入りできるカジュアルな場をつくる。
2:もう少しコミュニケーションを増やす
・ ゆるやかな情報の共有がやはりしづらいところがあるので、丸一日、暇なときに入るGoogle Meet(ハングアウト)などつくっても面白そうだと思っている。
・ 細かい決定事項などもできる限りすり合わせるようにする。
・ 1on1含めてコミュニケーション回数を増やす。
・ チームでオンボーディング改善のMTGを実施する予定。
・ 他チームとの雑談がめちゃくちゃ減ったので、他チームのメンバーを雑談の場に誘うなどしてみたいなーと考えている。
・ More team building activities across different teams.
3:資料やメッセージ内容の工夫
・ Important announcements for the team need to be translated to both languages to enable clear understanding.
・ 1日15分のアフタヌーンティーなど、リモートコミュニケーションでは盛り上げ重視。1on1は、ポジティブメッセージ重視して発信する。
・ 在宅勤務における不安や課題をとにかく集めて、それが実は課題ではないということを言い続ける。それがやがて文化として根付くと信じて行動している。
・ 週末や夜は、仕事の依頼・メッセージをあまり送らないようにする。
4:アウトプットやチームのスタイルを変えてみる
・ 成果物の質にこだわる。普段の働き方がわからないので成果物で見るしかなくなる。これを機に各自が自分の成果物の質を上げるチャンスなので、ノウハウ共有を進めたい。
・ 子どもの面倒を見る必要がある人もいるので、時間差勤務でワークできるチームが作れるかどうか。
5:マネジメント施策を乱発しない、強要しない
・ 問題はリモート勤務であることではなく、リモート勤務を「強要」していることであると考えている。マネジメント施策の乱発は、その「強要」度合いを増すことになり、かえってストレスがかかる可能性もある。施策を打つ場合は、任意参加できるような雰囲気を出して行おうと思っている。
6:チームのための音楽リストをつくる
・ Creating a music playlist for team 😀 As my team is multinational it’s great to have a variety of music.
これまでのやりとりをオンライン化するだけでは解決しない?
この状況は、いつまで続くか誰にもわかりません。だからこそ、これまで対面でのやりとりをなぞるようにオンライン化するだけでは解決しないと考え始めているマネージャーも多そうです。在宅勤務が続くなか、各チームで今後どのような最適解が出てくるのか?またメルカンでお伝えさせてください。
それではまた、次回の#メルカリな日々で!