こんにちは、メルカリEngineering Officeの牧です!
今回はフェイスガード・マウスガードについて実験をしてきました。
結論から言いますと、以下のようになりました。
・ フェイスガード・マウスガードは思っているよりいろいろ種類がある
・ 形が似ていても意外と使い心地が違う
・ 実際にイベントなどでスタッフに装着してもらうのであれば、感染防止の効率だけでなく組み立ての利便性も考慮するとよさそう
・ ガードをつけて食事は無理。パーティションの利用を考えよう
私の所属するEngineering Officeはメルカリのエンジニアたちが仕事をしやすくするための仕組みや企画をしている部署。そのなかでも私は、技術カンファレンスなど、いわゆる技術者向けのイベントについて考える担当をしていま…した。
過去形なのはみなさまもご存じの通り、新型コロナウィルスの感染拡大により、これまで行われていたエンジニアたちを集めて行うタイプのイベントが一切できなくなってしまったためです。
人はつながりを求めることは止められない生き物ですので、いつかは物理イベントも再開できる日が来ると信じています。しかし、当座はオンライン企画「Mercari Gears Lecture Series」などを企画し、物理イベントがなくても大丈夫なようにしています。
それとは同時に、今後物理イベントを再開する時期に備える必要もあります。ただし再開できたとしても、以前とはまったく違うレベルでの感染症対策をしなくてはいけないでしょう。
これにはさまざまな準備が必要でしょうが、今回私はイベント運営スタッフに着用してもらう前提でフェイスガード・マウスガード類の研究をしていました。
フェイス&マウスガードの試着&チームランチを実施
フェイスガード・マウスガードは、プラスチックの保護膜で顔全体ないし口の周りを守り、飛沫が拡散することを防ぐために用いる用具です。マスクと違い、口元が見えるため表情が見えることが重要な接客業やTVに映る方々が一部使っているところを見たことがあるかもしれません。
試しに「フェイスガード」で検索すると、それはそれはたくさんの商品がヒットします。これだとどれを使えばいいのかわかりません…。
それならば、ということでいろいろ自分で買ってみました。そして、これを自分一人でつけててもしょうがないということで、Engineering Officeメンバーを何人か誘ってフェイスガード品評会を行ってみました!ついでに半年以上集まっていないメンバーみんなで「顔を合わせてランチをしよう」というおまけつきです。
全員集合!フェイス・マスクガードを装着!!
さて、というわけで本日みなさんは久しぶりにオフィスにやってきました。全員で物理的に顔を合わせるのはなんと6ヶ月以上ぶりです。なんだか不思議な気分ですね。
今回はまず、以下8種類のなかからお好きなフェイスガード・マウスガードを選び、装着してもらいます。
さらにガードをつけただけだと「ふーん」で終わってしまいそうなので、あえて「ガードをつけたままランチを食べる」という難しい行為をしてもらうことにしました。「ご飯を食べるとき、普通はガードを外すでしょう」と思われるかもしれませんが、そこは考えないようにしましょう。
なにせ6ヶ月ぶりですし、みなさんつもる話もあるでしょうし、おいしいご飯に舌鼓を打ってもらいつつ談笑できるように、はりきっておいしいランチを用意しました。こちらのお弁当、本当においしいんですよ。
ですが、その前にそれぞれガードを装着してもらわないといけません。
今回はつけ心地だけではなく、装着するための手間も一応考慮に入れてもらうべく、私が確認のために封を開けたもの以外は、送られてきたそのままの形でそれぞれの商品を置いておきました。
…と、さっそくさっと装着可能なものと、組み立てが必要なものとで装着までの時間に大きな差がでてきました。いったんつけてしまえば問題はないのですが、やはり組み立てが必要なもので何をするのかが一目瞭然ではないと、初動に大きな差が出るようです。
それぞれお好きな商品を手に取ってもらい、全員が装着し終わるのにたっぷり5分はかかりましたが、みなさんなんとか各々のガードを装着できたようです。
ガードを付けたまま、ランチはできたのか?
それではいただきまーす。なお、正面の席は互い違い、横の席はひとつおきとし、ソーシャルディスタンスして万全を期しております。
さて、ご飯を食べ…
「う、食べられない」
薄々わかってはいましたが、やはりフェイスガードはガードだけあって、食事も我々からガードしているようです。
マウスガードは口の正面をさえぎるため、ほぼ飲食が無理なのは明らかでしたが、下が比較的空いているフェイスガードは商品によってある程度の飲食は可能なようです。
ただ、その条件は比較的縦の長さが短いガードであるということか、サンバイザーのように何段階かの位置調整が可能なタイプだけでした。また、少し長めの箸やフォークを使うことでも多少は緩和されそうです。
また、これもやってみれば当然だったのですが、飲み物も意外と難しく、容器を傾けることが必要な類いの飲料はなかなかうまく飲めません。フェイスガードを装着したままイベント運営スタッフが休憩用の飲料を飲むことを想定するならば、必ずストローを一緒に渡すべきでしょう。
まぁ、この結果は家で僕が一人で勝手にフェイスガード品評会をしていたときからわかっていました。
ガードをつけながら食事休憩するのは、かなり至難の業です。ガードをつけたまま食事をするためには、結局ほとんどその防護効果がなくなるようなかぶり方をしなくてはいけないので、これではつけてもつけなくても一緒でしょう。
たぶん、食事休憩などに関して、正解は、完全にソーシャルディスタンスと無言を徹底するか、透明なパーティションを使うかの二択。
その2つから選ぶなら、無言はなかなか辛いとは思いますので、隣の人と談笑することも可能なパーティションが現実的かと思います。パーティションを設置したうえでマウスガードのような簡易対策をしたり、その席を使い終わった人が消毒をするという形にしておけば、同じ席を次の人が使う際にも一定の対策にはなりそうです。
なお、パーティションは以前からあったあまりおもしろみのないアクリルの板から、ウェディングに使えそうなものまで、さまざまなタイプが出始めています。目的に合わせて選びましょう。
フェイスガードの結果はいかに!?
というわけで、ガードをつけたままご飯を食べるのはあまり現実的ではないのはわかりました。
そして、食事後はまたこれまでと違うガードを何個か試し、違いを体感してもらうことにしました。何個か違う種類のガードを試してもらううちに、参加者からは以下のような意見があがってきました。
・ ガードは飛沫が飛ぶのは防げているのかもしれないが、つけてる側は無防備な感じしてちょっと怖い
・ 物によってはガードの膜が固定されておらず、動いていると視界が悪くなったり、それを見ている人が気になってしまう
・ マウスガードは圧迫感がなく軽いため、つけている側はすごく楽。ただし目・鼻をガードしてくれないのが不安
・ 同じような形をしていても、品質によっては使い勝手が全然違う商品がある
慣れもあるせいか、やはりマスクのほうが安心感を感じるという意見もありました。そこに表情が見えることを求めるかどうか、どの程度の距離で相手と接するか(近くまでいかないといけない場合はマスク、多少距離があっていいならガード、のように)条件によって使うツールをマスク・ガードで違えたほうがいいのかもしれません。
いずれにせよ、利用シーンがガードの特性にマッチしていることと、ガードをつけた状態でもソーシャルディスタンスを保つことが重要なようです。
今後も新たな研究結果などがでてきたら、その内容を吟味していきたいと思います。