みなさん、こんにちは!メルカリAIチームのWakana(@wakanapo)です。
少し前ですが2020年9月30日、「Build@Mercari」の今年度のプログラムがすべて終了しました。
Build@Mercariとは、メルカリのエンジニアリング組織が提供するハイブリッド型エンジニア育成プログラム。これまで、さまざまな事情でチャンスが巡ってこなかった方(特にSTEM分野・IT分野におけるマイノリティである女性やLGBT+コミュニティの方、またはUnderrepresented groupのメンバーと自覚している方)を対象に、スキルトレーニングとインターンシップの機会を提供することを目的としています。
講義やインターンの様子に関しては、他の記事でくわしく紹介しているのでぜひそちらもご覧ください。
2018年12月、当時まだ内定者だった私が企画書を社内メンバーに送りつけたことから、Build@Mercariはスタートしました。その後、2019年4月に入社してすぐにWomen@communityのコアメンバーとしてお誘いをもらい、本格的なBuild@Mercariの立ち上げに取り掛かかりました。
ということで、この記事では、Build@Mercariの立ち上げからプログラム終了までの裏側をお伝えしたいと思います。
立ち上げで苦労したことは?
立ち上げで最も苦労したことは、プログラムの対象を決めることでした。
私の最初の案ではBuild@Mercariは女子学生を対象としたものでした。その理由は、ソフトウェアエンジニアを目指す女性を少しでもサポートしたいと思ったから。私は情報系の学科出身で、女性が1人だけのこともよくあるような環境で過ごしていました。その中で感じた、さまざまな困難を後輩の女子学生たちができるだけ感じずに過ごせるようになってほしい、また、情報系に興味をもっている女性たちに、自信を持って背中を押してあげられる環境を作りたいと思いました。
何名かのメンバーも私の考えに賛同し、プロジェクトメンバーとして参加してくれました。その一方で、対象者に関しては「女性に限定するのはいいけど、学生に限定する必要はないのでは?」「女性以外にも、サポートが必要な人はたくさんいるのでは?」などたくさんの意見がありました。しかしながら、あらゆる人を対象にすると、プログラムの意義が薄れてしまいます。どうするのが一番いいのか、自分だけでなく、他のメンバーや会社の考えをすべて踏まえて決めるのは非常に難しいことでした。
その後、書ききれないほどの議論を交わし、最終的に「これまで さまざまな事情でチャンスが巡ってこなかった方(特にSTEM分野・IT分野におけるマイノリティである女性やLGBT+コミュニティの方、またはUnderrepresented groupのメンバーと自覚している方)」を対象者とする結論に至りました。
この表現に関しては、結局どのような人が対象なのかわかりにくいという意見もありましたが、説明会などのおかげもあって、最終的には理解してもらえたと思っています。結果として、さまざまな国籍・年齢、ジェンダー、アカデミックバックグラウンド、職歴持つ方々をBuild@Mercariのスキルトレーニングに迎えることができました。
コロナ渦でのプログラム開催はどうだった?
当初、Build@Mercariのプログラムはスキルトレーニングもインターンシップもすべてメルカリ六本木オフィスで行う予定でした。ところが、ご存知のとおり、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、メルカリでは2020年2月中旬ごろから原則在宅勤務へ移行。予定されていたイベントも中止になるなか、Build@Mercariも開催をどうするか考えなくてはならなくなりました。
インターネットを使えば何でも学べる時代に、わざわざ自分たちでスキルトレーニングからやろうと思った最大の理由はコミュニティづくりでした。普段なかなか似たようなバックグラウンドの人を見つけるのが難しい方たちが、お互い知り合えるきっかけになってほしいと思っていました。また、せっかくやるからには、自学ではできないような経験にしたいと思い、全員参加型のインタラクティブなカリキュラムを考えていたのです。オンライン開催にした場合に、「そのような目的を果たせるのか」「やる意味があるのか」が懸念となりました。
また、インターンシップに関しても、完全オンラインでのインターンシップはほぼ誰も経験がなく、メンターの負担が大きくなってしまうのではないかという不安の声が上がりました。
議論を重ねるなかで協力してくれていたSonny(メルペイiOSエンジニア)が、この言葉を投げかけてくれました。
「やらない理由を考えるのは簡単だけど、やらなければ何も得られない、できる限りのことをやろう!」
彼の言葉をきっかけに全員の気持ちが固まり、やるかやらないかの議論ではなく、「どうしたらオンライン開催での欠点を補えるか」という議論になりました。
話し合いを踏まえ、以下のような工夫をしたうえで開催。結果的に、トレーニング、インターンシップともに大きな問題もなく終えることができました。
プログラムの成果は?
肝心のプログラムの成果ですが、みなさん期待以上の成果を残してくれました。
Build@Mercariは、スキルよりもバックグラウンドやモチベーションを重視したプログラムです。そのため、企画段階では、「スキルが十分ではない人を育成するメリットはあるの?」「正社員として採用できるレベルになるまでには時間がかかるのでは?」といった意見もありました。
しかし、蓋を開けてみると、インターン終了時には多くのチームがインターン生の長期インターンや正社員としての採用を希望するほど素晴らしい成果を残してくれました。
通常業務だけでなくMercari Hack Weekでも圧倒的な存在感を発揮し、社内メンバーからは「インターン凄い!」「本当にインターンか!?」といった声も上がりました。
また、インターンの方たちみなさん仲がよく、モチベーションも高く非常に良い雰囲気で業務に取り組んでくれました。そのおかげで、会社全体の雰囲気も活気づいたと感じました。
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Build@Mercariは初めての取り組みだったので、大変なこともたくさんありましたが、無事に終えることができてホッとしています。
これからも、いろいろなことに取り組んでいきたいと思います。もっともっと、ITがカラフルになりますように。
TECH NEEDS YOU!!