こんにちは!Talent Acquisition(採用)チームの@asaiです。
メルカリには、人事評価システムの開発などを行うPeople Productsチームがあります。目下、メンバーが使うプロダクトを内製している同チームでは、現在デザイナーを募集中です!
※撮影時のみ、マスクを外しています。
この記事に登場する人
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李 相直(イ サンジク、@Sangjik)大学時代はマーケティングを専攻。大学4年生のときにプログラミングに興味を持ち、約1年間かけて日本語とプログラミングを勉強して楽天株式会社にエンジニアとして入社。エンジニア兼スクラムマスターをやりながら、よりプロダクトの成功に密接な仕事をやりたいと思い、スタートアップにテクニカルプロダクトマネージャーとして転職、E-commerce系のSaaSを開発。2020年2月よりメルカリに入社し、「経営課題を技術で解決する」というミッションを持って社内向けプロダクトを開発中。 -
John Leung(リアン ジョン、@John)カナダ出身、大学で工業デザインを専攻したProduct Designer。2017年にメルカリに入社。People Productsチーム唯一のデザイナーとして、PMと一緒にプロダクトの方向性や仕様作成に関わり、必要となるワイヤーフレームの作成などを含むすべてのデザイン関連の職務を行う。プライベートでは、 特撮とSFが大好き。
人事・コミュニケーション・インセンティブに関わる社内向けプロダクトを開発
ーまず「People Productsチームって?」を教えてください。
@Sangjik:People Productsチームは、Management Strategy Office部門にあるCorporate Engineering Teamに属しています。なかでも、僕たちPeople Productsチームは、会社が持っている課題の解決をする、メルカリ独自のユニークなカルチャーを支える内製プロダクトをつくっています。
@Sangjik:チーム構成は、エンジニアが4名、QAが1名、デザインが1名。理想的なアジャイル型チームの人数構成で、社会人経験が数年からベテランまで、幅広いバックグラウンドを持ったメンバーが集まっています。職種や経験以外にも多様性に富んでいて、出身国がカナダ、インド、韓国、日本とさまざま。業務は基本的に日本語を使いますが、時々によって英語を話すなどして使い分けています。やさしい日本語、やさしい英語を使ってコミュニケーションするシーンもあります。
ー現在、このチームで担当しているプロダクトについても聞かせてください。
@Sangjik:まとめるとこんな感じです。
Reviews(人事システム)・・・会社の成長フェーズに合わせて進化してきたメルカリ独自の人事制度を支えるプロダクト。メルカリグループ配下の各カンパニーや部署ごとで、より最適化された評価ができるような柔軟なシステム構築を行う。社内向けプロダクトであることを活かし、メンバーの意見をもとに積極的にUXを改善。負担軽減と積極的な関与、そして納得感のある評価につなげることをミッションとしている。
Teams(社内コミュニケーションシステム)・・・一緒に働くメンバーやチームへの理解を高めるためのプロダクト。組織改変がスピーディーなメルカリにおいて最新版の組織図をいつでも確認できるように運営。最終的には、お互いをより理解ながら韮型組織へ近づくことを目指す。最近は、コロナ禍でも知り合えるきっかけを提供する目的で、メンバーやチームのプロフィールを入力できるようにした。
Benefits(インセンティブトラッキングシステム)・・・RSUシステムの導入に伴ってつくられたシステム。メンバーは付与される予定の株や付与された株を簡単に確認でき、Payroll(労務)メンバーは付与された株のデータを管理できる。
ーどれも、メルカリメンバーにとってはすごく身近で、働くうえでも重要なプロダクトです。あえて聞きたいのですが、これらを内製する理由は?
@Sangjik:シンプルに言うと、SaaSでは対応できないユースケースがあるため、でしょうか。たとえば、メルカリにおける人事評価は「目標設定・管理」「自己評価」「キャリブレーション※」「フィードバック」「Peer Review」がセットになっています。外部サービスやプロダクトにはこれらが合体しているものも多いのですが、メルカリはそれぞれを独立して利用できるようにしているんですそのため、既存SaaSでは限界がありました。Reviewsは、メルカリならではの組み合わせにするためにつくりました。
※人事評価の客観性や組織性を高めるためにメルカリが取り組んでいる評価調整の仕組み
Benefitsは、メルカリが導入しているインセンティブ制度「RSU」のためのシステムです。RSU自体が日本企業で導入されていることが稀(2020年12月現在)なので、メルカリメンバーでない方にはあまり聞き慣れないかもしれません。RSUは単に株をメンバーに付与して終わり…ではなく、それぞれで契約を結ばないといけない。その進捗も管理するとなると、独自のシステムを構築する必要がありました。
李 相直(@Sangjik)
@John:メルカリの社員数が800人を超えたタイミングくらいから、すぐ隣のメンバーやチームが取り組んでいること・見ていることがわからなくなり始める課題がありました。そこで、「メンバー同士がAll for Oneに支援しあう」を目的につくられたプロダクトがTeamsです。評価者・被評価者の関係を時系列順に管理するといった、単なる組織図ツールではなくて、メンバー同士が相互理解を深めるためのものとして進化を続けています。インハウスデザイナーとして、通常の役割以外にも手を伸ばしながらつくり上げてきました。
最近は、Teamsのなかにプロフィール機能をリリース。メンバーそれぞれが自己紹介やチームで取り組んでいることを紹介できるようにしました。でも、まだまだここに書き込んでくれるメンバーは少ないので、使いたくなるような仕組みづくりも考えているところです。
John Leung(@John)
@Sangjik:コロナ禍でオンライン入社をするメンバーも今年は多かったので、Newメンバーフィーチャー機能もつくりました!「最近こんな人が入社したんだ」と実感し、彼らを知るきっかけになってくれればという期待を込めています。
ー私、前から「Teamsに他己紹介みたいな機能もほしい」と思っていたんです!自分のページには、今まで一緒に働いたことがあるメンバーからの他己紹介をもらえて、私も誰か一緒に仕事したメンバーのための他己紹介を書く。Reviewsで言うところの「Peer Review」みたいなことがTeamsでもできたらいいなぁって。
@Sangjik:やりたいですね。今は「各自がプロフィールを充実させる」の一方向だけになっています。今後、SNSみたいなものにしようと思ったら、相互でコミュニケーションを取れるようにしたいですね。
1人で全サービスをデザインできるアジャイル型チーム
ーさて本題に入りましょう。このチームでのデザイナーにはどんな特徴がありますか?
@Sangjik:特徴は、僕たちが担当しているプロダクトは機能ごとに仮想チームがあるわけではないので、すべてのプロダクトの責任者として動いてもらうところです。
@John:僕たちにとって、メルカリのメンバーみんながお客さま(ユーザー)です。そのため、社内を深く理解することが大事。少しおおげさかもしれないけど、1チームに最低1人は仲よく話せるメンバーをつくるとか…この仕事のために入社するなら、それくらい社内のつながりが重要です。でも、メルカリにはとてもいい人たちが揃っています。違うチームの方でもさまざまなな取り組みで知り合って、実際に仕事を一緒にすることでさらに深く知ることができる。これはメルカリで働くことの醍醐味ではないかと思っています。
@John:ユーザーであるメンバーの声を聞き、クイックにプロダクトに反映することができるのもポイントです。アジャイルでも、チーム内でお互いにかちっと対応範囲が決まっているわけではありません。次のスプリントに入れても来週になる。動的に調整しながら実装を進めていくので、すぐに対応できるんです。いちデザイナーがいろいろと試行錯誤して実装していくのがこの仕事の特徴でもあるので、かっちりと役割分担した仕事を好む人には合わないかもしれません。
一方で「今までは一部のデザインしかやらなかったけれど、今後チャレンジしてみたい」という方には、とてもいい経験になると思います。なにより、そんな意志を持った方は、歓迎したいです!
ー「でも、ここは大変になるかもよ?」的なポイントも教えてください。
@John:そうですね…。僕の経験を振り返ってみると、Reviewsにデザインシステムを導入し、全サイトのナビゲーションを切り替えようとしたときは、ちょっと大変でしたね。これまでは、下部にあるToDoリストからそれぞれの画面に移動することしかできませんでした。ナビゲーションを加えることで、自分の過去のOKRやPeer Reviewなど、項目ごとに遡れるようにしたかったのです。ちなみに、下の図のピンク色の囲い部分がナビゲーションです。
@John:…と、これだけでは「メニューバーを追加するだけ」に見えるじゃないですか?でも、僕らの開発は、システム全体に影響するもの。そのため、このナビゲーションを加えるだけでも、コーポレートエンジニア部門内の他チームはもちろん、PX(労務)チームにも協力してもらわなくちゃいけない。ようやくリリースできたときは、ほっとしました。
先ほどの「すべてのプロダクトの責任者」にも通ずるのですが、ほんの少しの機能変更が思わぬところに影響することがよくあります。全体像を把握しないまま動くことは危険なので、そうならないための「把握」は大変かもしれません。
ーなるほど。UIとしてはメニューバーができるだけ…なのですが、裏側では大掛かりな連携プレーがされていたわけですね?
@Sangjik:そうです。人事や会社の制度があり、ステークホルダーがいて、それぞれに要件があるなかでプロダクトを内製しています。プロダクトを使う社内メンバーから本当のフィードバックを得ることは大事。先ほどのReviewsのメニューバーについても、メンバーからの声をもとに実装する運びとなりました。
@Sangjik:たとえば、人事制度の変更に応じた仕様変更の依頼がくるとします。もし、それがユーザー向けではない要件だとしたら、こちらからも意見を出して折衷案を見つけるディスカッションもしなくちゃいけない。事業会社では往々にしてステークホルダーの声が大きくなりがちですが、だからこそ社内メンバー側にある要望の差分を見て、バランスのとれた提案を心掛けています。
人事制度の変更であれば、もともとはメンバーのための要件のはずなんです。僕たちはその思いを、メンバーが使いやすいかたちでプロダクトに反映していく。その架け橋を担えるような存在でありたいと思っています。
@John:ただ、要件どおりにデザインするだけではなくディスカッションすることが重要だと考えています。PMやエンジニアともめちゃくちゃ対話しますよ。「僕はデザインだけするから、ほかは関係ない」じゃない。「エンジニアがスムーズに実装できるようには?」と、協業しやすさも考慮しています。
People Productsチームは「小さな会社みたい」
ーPMがいて、エンジニアがいて、デザイナーがいて。People Productsチームだけで1つの会社みたいですね。
@Sangjik:たしかに、僕たちのチームだけで1つのスタートアップみたい!活発な雰囲気も含めてそう思いますね。メルカリグループ全社でリモートワークが始まる前は、コーポレート部門の席に囲まれた僕たちの席だけ、いつもワイワイとディスカッションの声が響き渡っていましたし(笑)。
@John:People Productsチームは、メルカリという大きな会社の資本があるスタートアップみたいなイメージですね。技術関連の本に関しては費用負担してもらえるので、Safari Onlineを無償で読めたりとか、スキルアップのための福利厚生をありがたく使わせてもらっています。
@Sangjik:以前まで、ステークホルダーから要件が降りてくるときは、仕様がある程度固まった状態で依頼が来ることもありました。そのとき、下請けのようになってしまいそうだなと危機感を覚えたんです。それに対して、クイックにできる範囲でまず1週間、全員でコミットしたりしましたね。最終的にはマネージャーがチームメンバーを守るので、ステークホルダーからの無理めの依頼にも「できる範囲でその人たちのWhyに全員で全力で向き合って取り組もう!」という、スタートアップのような前向きな雰囲気が醸成されていると思います。
ーいいですね。この仕事の楽しさについてもっと聞かせてください!
@Sangjik:僕らがつくるプロダクトの対象は、みんなメルカリメンバー。なので、みんなと一緒により会社を強くしていくために考え、実行できることが楽しさの1つ。あとは先ほど話したとおり、メンバーとの距離が近いのでフィードバックが早く、PDCAを高速で回せる環境もあります。
@John:デザイナーチームのいちメンバーではなく、1チームのなかの単独デザイナーとして働くことも楽しいです。プロダクトのユーザーエクスペリエンスを考え、全体を俯瞰できることが醍醐味だと思っています。
@Sangjik:そう、僕がCorporate ProductチームのPMとして入社を決めた理由もそれが大きくて。自分が裁量を持って決定できるところは、とても魅力的ですよね。
社内向けプロダクト開発を行うチームとしての存在意義
ーどんな人と一緒に働きたいですか?
@John:最初にSangjikさんが話していましたが、People Productsチームはダイバーシティに富んでいます。言語の問題だけではなくて、価値観も含めて、多様性を抵抗なく受け入れられる人が大前提となりますね。チームのオンラインミーティングに参加すると、Sangjikさんと他の韓国出身メンバーが韓国語で会話していたりとかします。
@Sangjik:そして、メルカリとしても多様性をどんどん高めていこうとしている最中です。そんなメンバーたちに届けるプロダクトをつくるチームなので、僕たちが多様性を受け入れて活躍し続けたいですからね。
さっきの言語の話では、基本的に僕たちのチームは日本語で仕事を進めていくけれど、英語については学ぶ意欲がある方がいいですね。もちろん、メルカリは英語を勉強できる仕組みや制度もあるし、積極的に活用してもらえればと思います。
@John:僕も、入社してからの2〜3年はメルカリのプログラムで日本語の勉強をしました!
@Sangjik:そのほかには…、もちろんデザイナーとしてのスキルも大事なのですが、“self motivated / self starter”のスタンスが最重要だと思うんです。
@John:そうそう。自分で仕事を探しにいくこと!
@Sangjik:スキルは後からでも習得できるので、仕事に対するスタンスやマインドが合う方と一緒に働きたいです。
ー今後のPeople Productsチームの展望は?
@Sangjik:「社内向けプロダクトの開発・運用」という手法だけに留まらず、コーポレート部門に属している以上は全社的な課題の根本的な解決にもっと貢献していきたいです。課題解決することが目的だとしたら、プロダクトはあくまで1つの手段。課題の解決のためには、社内向けプロダクトではなくSaaS導入をサポートする役割を担うかもしれません。
メルカリはまだまだ組織課題をたくさん抱えています。ドキュメンテーションをどうするか、OKRをどうするか。こういった課題は、メルカリグループ横断で要件を整理しなければならない。僕たちの存在意義は、そこにあると感じています。
ーそして…たくさん話してもらいましたが、実はJohnはここから新しい旅に出ます。さみしいけど、メルカリのみんなで@Johnの次のチャレンジを応援したいと思っています!最後にひと言お願いします!!
@John:It’s been a wild ride this past 3 years at Mercari. The things I’ve learned and the friends I’ve made, and the excitement of working in an effective product team. I will take what I’ve learned from this company and help other companies in Japan improve their product, expand beyond Japan’s borders. It’s a bittersweet moment to be leaving such a great team, but I trust that they’ll find a new designer to help them take our products to the next level!
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お2人とも、ありがとうございました!
メルカリの組織を支えるプロダクトを一緒につくってくださるそこのデザイナーのアナタ!
興味があればぜひ応募をご検討くださいね。
みなさんとお話できることを、楽しみにしています!