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メルペイのミッション「信用を創造する」に深〜く関わるData&MLの歴史を改めて紐解いてみる!

2021-2-10

メルペイのミッション「信用を創造する」に深〜く関わるData&MLの歴史を改めて紐解いてみる!

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「信用を創造して、なめらかな社会を創る」とは、メルペイが創業時から掲げているミッションです。「信用を創造する」は、売る・買うの取引を通じて信用情報を可視化し、その信用に基づいてお金を自由に使える世界をつくること。「なめらかな社会」とは、一人ひとりが今よりも自由に、平等にお金を使い、欲しいものを手に入れたり、やりたいことが叶う社会を指しています。

なかでも「信用を創造する」部分に大きく関わるのが、メルペイでデータを活用しビジネスのグロース施策を推進するData & MLグループです。

では、Data & MLグループではどんな仕事をしているのか。そして、どういう組織体制なのか。Data & MLにある3つのチームでそれぞれエンジニアリングマネージャー(EM)を務める@zak3、@tori、@hase-ryo、@takafujiに聞いてみました。

この記事に登場する人


  • 竹原一彰(Kazuaki Takehara、@zak3)

    メルペイData & ML、エンジニアリングマネージャー。株式会社 野村総合研究所、株式会社リクルート住まいカンパニー(当時)経て、ソフトウェアエンジニアリング、データサイエンス、プロジェクトマネジメント全般を経験。2019年4月よりメルペイに入社。現在は、Machine Learning、Data Platform、Data Management、3チームのマネジメントに携わる。

  • 鳥越大輔 (Daisuke Torigoe、@tori)

    メルペイ Machine Learningチーム、エンジニアリングマネージャー兼テックリード。三菱UFJ信託銀行株式会社、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社を経て、金融数理技術の研究開発・コンサルティングや、投資実務を経験。2018年9月よりメルペイに入社。現在は、与信領域のMachine Learningチームのマネジメントに携わる。

  • 藤木貴之(Takayuki Fujiki、@takafuji)

    メルペイData & ML Platformチーム、エンジニアリングマネージャー。ヤフー株式会社のEC事業部門にてサービス活用のためのデータプラットフォーム構築をデータエンジニア、エンジニアリングマネージャーとして経験。2019年12月よりメルペイに入社。現在は、Data Platform、ML Opsの領域のマネジメントに携わる。

  • 長谷川亮(Ryo Hasegawa、@hase-ryo)

    メルペイData Managementチーム、エンジニアリングマネージャー。株式会社インテージでデータエンジニアリング、新規データプラットフォームの立ち上げ、データ分析などを経験。2018年5月にメルペイに入社。Data Managementチームのマネジメントに携わりながら、メルカリグループ全体のデータ活用に広く関わる。


メルペイData & MLを構成する3つのチーム

ー改めて、メルペイData & MLグループの構成と各チームの役割について教えてください。

@zak3:大前提としてData & MLグループには3つのチームがあります。

Machine Learningチーム・・・MLを活用して、与信モデル構築や、不正対策などのソリューションを提供する
Data & ML Platformチーム・・・データ収集/活用のためのインフラ構築や、MLシステムを効率的に開発するアーキテクチャを提供する
Data Managementチーム・・・データ品質やセキュリティの担保、データの活用性向上のための仕組みを提供する

@zak3Machine Learnningチームは、与信領域のサブチームと不正対策のサブチームがあります。前者はメルカリやメルペイにおけるユーザーの行動データを使いながら、メルペイスマート払い(あと払い、定額払い)などのサービスのコアとなる与信モデルを提供していくチーム。後者は、メルカリやメルペイにおける不正を検知し、防止するソリューションを提供するチームです。そのなかで、僕はData & MLグループ全体と不正対策チームのEMを兼任しています。

@zak3(メルペイData & ML)

@tori:僕は与信領域のMLチームでEMをしています。メルペイのミッションである「信用を創造して、なめらかな社会を創る」の“信用を創造する”領域で、MLを使って戦略をつくり、提案・実装して、運用する。メルペイのサービスリリース後もビジネス上のインパクトをモニタリングして磨き込み続け、説明責任を果たすところまで一気通貫で手掛けています。この領域はメルペイだけではなく、メルカリに与える影響も大きい。そのため、さまざまなメンバーと協力して進めます。

@hase-ryo:僕はData ManagementチームのEMです。このチームでは、ヒト・モノ・カネを資産として管理するのと同じように、データを管理。データから価値を引き出し、安心、安全、簡単に使えるようにすることがミッションです。データが関わる部分に上流から下流まで広く携わるのが、Data Managementチームの特徴です。

@takafuji:僕がEMを担当しているのは、Data PlatformとMLPlatformチームです。Data Platformチームは、メルカリグループ横断でデータを活用するために必要なインフラ・基盤の開発運用を幅広く手がけています。データ活用に必要なシステムを丸ごと担当することによって、入り口のデータ収集から出口のプロダクトや分析、マーケティングなどでの活用まで一貫したアーキテクチャを提供しています。

もう1つのMLPlatformチームは、MLチームと協力して、モデルをプロダクション環境で稼働させるためのサービング環境、ワークフロー、パイプラインづくりや、その仕組みを安定的に動かすための信頼性・パフォーマンスの向上に取り組んでいます。MLチームと別チームでありながら、二人三脚で深く協力して課題に取り組んでおり、機械学習の力を最大限プロダクトに還元するためのエンジニアリング全般を担当しています。

@takafuji(Data Platformチーム)

@takafuji:あえてMLチームと切り分けているのは、彼らがビジネスKPIの改善にフォーカスしようと思ったときに、エンジニアリングの部分を僕らがカバーすることでそれぞれの専門性を活かし、効率化を図っていくためです。ただ、この2つの役割が完全に分断してしまうといいモノづくりができないので、密に連携しながら業務に取り組んでいます。

今だから明かす、メルペイData & MLが形成されるまでの4つのフェーズ

ーData & MLグループはどのように立ち上げられたのでしょうか。

@zak3:順を追って説明しますね。

まずは、フェーズ1。メルペイの決済サービスがリリースされたのが、2019年2月。僕が入社したのは、2ヶ月後の2019年4月です。当時からMLチームは存在していて、メルペイスマート払いのための与信モデル構築を進めていました。そして、4月に「メルペイスマート払い」がサービスインしました。与信モデルの精度が高く、いろいろな方にサービスを使ってもらえて、ビジネスとしての方向性が見えたため、どんどん改善を進めていきました。

続いて、フェーズ2。メルペイの与信モデルを開発する傍らで、重要になってきたのが不正対策でチームを立ち上げました。2019年10月くらいの話です。今では、不正アクセスや不正決済の防止にソリューションを提供できています。

そして、フェーズ3。2020年3月ぐらいからかな。最初はMLチーム単独でしたが、データプラットフォームのチーム、データマネジメントのチームと合流。2020年7月には、EMが@toriさん、@hase-ryoさん、@takefujiさん、そして僕の4人体制になりました。ようやく全体を見られるようになり、意思統一も図れ、やるべきことが明確になりましたね。

フェーズ4は、まさにこれから。より大きなチャレンジをしていくためにより多くの仲間が必要になったので、採用を本格的にスタートさせました。

@tori:僕はフェーズ1である2018年9月に入社したのですが、メルペイスマート払いが2019年4月にリリースすることが決まるまでは、先行サービスであるメルカリ月イチ払いのデータを利用して、与信モデル構築を進めていました。当時はアリペイ(中国・アリババグループの決済サービス)の事例などさまざまな未来の可能性を見据えつつ、じっくりと課題に取り組んでいたんです。ただ、「2019年4月にメルペイスマート払いをリリースします」と決めてからは、実験レベルだったモデルを本番適用すべくプロダクション化に注力。タイトなスケジュールでしたが、一体感を持って挑んだ結果、無事リリースできました。

@tori(Machine Learningチーム)

@tori:印象に残っているのは、ステークホルダーへの説明ですね。実を言うと当初、メルペイスマート払いはどのくらいご利用いただけるのかが未知数で、期待がそれほど高いわけではなかったんです。しかし、いざリリースしてみると、思ったよりたくさんのお客さまにご利用いただけることがわかりました。しかし、与信の上限額を抑えめにしていたため、リリースから1週間ぐらいでステークホルダー全員が召集され、その後どうしていくかを話し合ったのはすごく思い出深いです。当時はメルカリにいた@takeo(現メルペイCPO、伊豫健夫)さんがメルカリ側の想いを力強く伝えていたのがすごく印象的で、メルペイに呼ばれるきっかけになった出来事だと思います。

メルペイのリリース前に、データパイプラインを完成させる

ーそもそもデータチームはどういう機能を期待され、発足したのでしょうか?

@hase-ryo:メルペイはマイクロサービスアーキテクチャで機能開発を進めています。昔のメルカリのようなモノリスアーキテクチャとは違い、データが各マイクロサービスに散らばるのが特徴です。そのため、メルカリと同じようにデータをそのまま使うことはできないとわかっていました。データを活用するためには、散らばったデータを1つに集めなければいけない。そのためのパイプラインを、データプラットフォームチームと一緒に構築しました。

最初は、マイクロサービスアーキテクチャかつ金融を扱うため、パイプラインのどこに危険なデータが潜んでいるかわからなかったんですよね。そこで、リーガル・リスク・コンプライアンスの担当に「すべてのデータを見てください」とお願いをして、チェックしてOKなもののみ取り入れるという、ハードなオペレーションにしていました。

@hase-ryo(Data Managementチーム)

@hase-ryo:基本的なアーキテクチャは、当時からあまり変わっていません。もちろん、各パーツはブラッシュアップされていますし、危険なデータのチェックもセルフサービス化されています。今でも使えるようなパイプラインの原型がリリース前にできたのは、すごくGo Boldだったと思います。

@takafuji:この手のデータパイプラインはサービス自体がリリースされた後に開発が始まるケースも少なくありません。リリース後からすぐ分析できる環境ができていたことは、素晴らしいですよね。

@hase-ryo:そうですね、リリース日にはダッシュボードで数字を見られましたね。当時僕は、まだデータアナリストでした。

@zak3:もともとはデータマネジメントの組織ではなかったんです。@hase-ryoさんが「ちゃんとデータ整備する人が必要だよね」と言い出して、結果として、1人でデータマネージャーという役割を名乗り始めて。

@hase-ryo:そう、僕が突然言い始めて(笑)。

@zak3:「絶対に必要な役割で、組織的に動かなければいけないよね」という話はよくしていて。Go Boldな意志を持った人が現れて、今の組織になった歴史があります。@hase-ryoさん、すごいですよ。1人で言い始めてから、今やEMですから。メルペイだけじゃなくて、メルカリにもちょっと染み出しつつある感じです。

ミッションは、「データからビジネス価値を創る」

ーそんなメルペイData & MLグループのミッションは?

@zak3:会社のミッションである「信用を創造して、なめらかな社会を創る」に包含されるかたちで、僕らのミッションは「データを活用してビジネス価値を創る」というシンプルなものを定めています。

その1つが、ユーザーの行動履歴を用いた与信サービスです。「ちゃんと商品の売買を成立させてくれた」「あと払いで返済してくれた」といった記録から、お客さまの信用をもとにした与信に変換しています。その一方で、与信サービスを拡大していくと、不正利用のリスクも高まっていくので、不正な決済をMachine Learningで検知する仕組みをつくっています。

ーメルカリと扱うデータの違いや、メルペイならではのおもしろさは?

@tori:大前提として、メルカリ・メルペイどちらにも言えることは、データの扱い方には注意が必要ということ。例えば、「個人情報などを扱うにあたり、個人情報保護法、通信の秘密といった法律面はもちろん、道徳的に問題ないか」などです。メルペイとしては、「“メルカリ・メルペイを丁寧に使いこなしているお客さまに、大きく与信したい”という想いを反映したデータとなっているか」はとても大事にしています。メルカリと一体的に見て、良いサービスを提供しなければならないので、メルペイだけで精度を高くできればいいわけではない点は難しいかもしれません。

@zak3:モデルの精度を追求するだけではなく、ビジネスへの接続部分が重要ですね。ユーザーの体験をトータルで考えながらモデルに反映していったり、ビジネス上の制約などモデルで捉えきれないような例外的なケースを吸収するロジックを作成したり…ソフトウェア・エンジニアリングトータルでおもしろいと思います。

メルカリとメルペイはビジネスモデルも違うため、生成されるデータも異なります。メルカリはCtoCのマーケットプレイスなので、一般のCtoCサービスとしての情報が集まっているんですが、メルペイには決済したカスタマーや加盟店の情報も集まってきます。

そのため、データプラットフォームも汎用的なものが必要だったり、データマネジメントもセキュリティやガバナンスをしっかりやらなければならないわけです。

@takafuji:少し違う話ですが、メルカリとメルペイの垣根なく動いているデータプラットフォームとデータマネジメントの立場からお伝えすると、両者のデータ活用をあまり分けて考えるような進め方はしたくないと思っています。メルカリも含めた全体の最適化や相互のデータ活用を考えることで、メルペイだけではなくグループ横断のデータ活用に貢献できるのは、扱うデータのスケールやデータ活用ニーズの多様性という意味でもおもしろさの1つだと思います。

今、ML/Dataチームに仲間入りする魅力とは?

ー今回採用したいポジションについても教えてください。

@zak3:僕はMachine Learningチーム、特に不正対策のソリューションチームのEMを募集しています。EMの役割としては組織のマネジメント、業務のマネジメント、プロジェクト系の3つ。これらのマネジメントを担ってくださる方を探しています。まず前提として僕らが重視しているミッションに共感していただける方に、来ていただけるとうれしいです。さらにマネジメントポジションに興味があれば「ぜひ!」と思います。

@zak3:メルペイのEMの魅力は、経営者との目線の近さですね。経営者と一緒にビジネスをつくっている感覚を持ちながら、戦略を策定し、組織構築からプロジェクトマネジメントまで携わることができる。マネジメントしているというより、ビジネスをつくっている感覚があるんですよね。データとビジネスが密接な環境で、経営者と近い目線でマネジメントをできる魅力があります。

@tori:僕のチームも似ているかもしれません。実装だけではなく、経営層や各ディビジョンと一緒に議論をして、適切な課題を見つけるところまで、MLによる課題解決を幅広く手がけられる点が個人的にはすごく楽しいです。

@tori:また、そもそもMLプロダクトを外に出していけるのは、プロダクトそのもののUI/UXの良さ、そしてそれを広報していく姿勢など、いろんな職種のメンバーの強さがあってこそ。自分たちだけではなく、それぞれの職種のメンバーたちが連携して、実験で終わってしまいがちなMLプロダクトを、社会実装できるのはすごく楽しいです。

金融のご経験がある方にとっては、メルカリのエコシステムやエンジニアリングを通じて、新しい金融の基盤を創り、金融業界の前進に関われる、というのは楽しめるポイントだと考えています。

@takafuji:まずMLPlatformチームですが、メルペイにおける与信や不正対策といった事業におけるMLの力には会社的にも期待が大きい。かつ事業全体にとっても重要な領域です。期待の大きい環境で、機械学習の社会実装をエンジニアリングサイドから手がけられるのは、大きなやり甲斐だと思います。この領域はMLのビジネス活用が盛り上がっていけばいくほど、重要性が増す領域だと感じているので、今後、職種としてもニーズが高まっていくのではないでしょうか。

Data Platformチームは、メルカリグループ横断のデータ基盤づくりに取り組むなかで、多種多様なデータ活用のニーズに対応しなければなりません。取り扱うデータの規模やさまざまなシステムとの連携で技術的に難易度の高いプロジェクトも多いです。そういった高難度なプロジェクトにチャレンジして、データでのビジネス成長を支えられることは魅力ですね。現メンバーの専門性も高いです。

@hase-ryo:Data Managementチームの魅力は、とにかく大量のデータがあり、同時に大量のデータ利用者がいることです。両方に対して広く関わらなければいけないので、ステークホルダーは非常に多いです。楽しさとしては、そんな全方向のステークホルダーを見ながら自分でデータそのものを磨き込んでいけること。金融領域というセキュリティが求められる環境で、データの生産性を考え抜いて、自由度とルール化のバランスをとることを楽しめる方であれば、ぴったりだと思います。自分で推進していく力は求められますが、その分、データに対する裁量はあります。

@takafuji:各チームに共通して言えるのは、横断的に関わっているからこそ、事業環境の変化についていかなければいけない。いろんなチャレンジが日々発生することですね。

メルペイは、ビジネス的にも技術的にもチャレンジングな環境がどんどん増えていく

ー最後に代表して@zak3さんからひと言お願いします。

@zak3:今メルペイには、ビジネス面と技術面それぞれにおいてチャレンジングな環境があると思っています。

メルカリのような世界でも指折りのマーケットプレイスのデータを活用しながら信用を創造し、今まで金融サービスにアクセスできなかった方々にも広くご利用いただける新しいサービスを作っていくことができます。「信用を創造して、なめらかな社会を創る」という会社のミッションにおいて、Data & MLグループの果たす役割はものすごく大きいと考えています。

技術的にも、金融系のシステムですが、クラウド技術を積極活用していたり、マイクロサービスというモダンなアーキテクチャを採用していたりします。マイクロサービス環境での、データマネジメントやプラットフォーム構築の手法はまだまだ確立されておらず、方法論を一から作っていけるチャレンジングな環境は、なかなかないと思います。

最後は「人/働く環境」ですね。もちろん企業としては利益を伸ばしていくことは重要なのですが、議論していても「世の中に本当に必要なのか?」というところからすべてがスタートしています。本質的な議論を通じて、自分の仕事がどのように世の中にインパクトを与えているのかを実感しやすい環境なのではないでしょうか。このような環境に少しでも興味を持っていただけたら、カジュアル面談からでもご応募いただけたら嬉しいです。

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