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メルカリ経営&メンバーたちが明かした「Go Boldなアイデア」#mercaritalk vol.1

2021-4-9

メルカリ経営&メンバーたちが明かした「Go Boldなアイデア」#mercaritalk vol.1

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    2021年3月10日、招待制音声SNSアプリ「Clubhouse」にて、木下達夫(メルカリCHRO、@tatsuo)によるレギュラートークイベント「Mercari Talk」を開催しました。

    このトークイベントは、メルカリの「挑戦の歴史」を多くの方に知っていただきたいという@tatsuoのアイデアでスタートしました。

    第一回目のテーマは「日本から世界を狙う挑戦について」。登壇したのは山田進太郎(メルカリ代表取締役CEO、@shintaro)、江田清香(メルカリCFO、@sayaka)、田中マヤ(メルペイHRBPチーム、@maya)の3名。このメンバーで、日本から世界を狙う理由や、その中で実現したいGo Boldなアイディアなどをトークしました。この記事では、各スピーカーの海外経験も交えたセッション内容をお届けします。

    このイベントは、登壇者などの許可を得て記事化しています

    この記事に登場する人


    • 山田進太郎(Shintaro Yamada)

      早稲田大学卒業後、ウノウ設立。「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」などのインターネット・サービスを立上げる。2010年、ウノウをZyngaに売却。2012年退社後、世界一周を経て、2013年2月、株式会社メルカリを創業。


    • 田中マヤ(@maya)

      メルペイHRBP。2018年7月にメルカリ入社。Global Operations Team(GOT)の通訳者として入社し、マネージャーへ。GOT Managerの際にはTaskforceのリーダーとしてLeadership Developmentの土台をつくり上げた後にメルペイのD&Iをリードしてきた。


    • 木下達夫(Tatsuo Kinoshita)

      P&Gジャパン人事部に入社し採用・HRBPを経験。2001年日本GEに入社、北米・タイ勤務後、プラスチックス事業部でブラックベルト・HRBP、2007年に金融部門の人事部長、アジア組織人材開発責任者を務めた。2011年に8ヶ月間のサバティカル休職取得。2012年よりGEジャパン人事部長。2015年にマレーシアに赴任し、アジア太平洋地域の組織人材開発、事業部人事責任者を務めた。2018年12月にメルカリに入社、執行役員CHROに就任。


    • 江田清香(Sayaka Eda)

      慶應義塾大学大学院 理工学研究科 前期博士課程(修士)修了 。2006年4月からゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。入社以来、自己資金等を活用した投資・融資案件等に携わり、コーポレート・ファイナンスのみならず広範な金融知識をもとに同社のマネージング・ディレクターを2017年より務める。業務以外でも同社内において Japan Women’s NetworkのCo-Chairを務めD&Iの推進をリード。2021年1月より現職。


    メルカリで働くメンバーが「世界を狙いたい」理由は?

    @tatsuo:今日のテーマは「日本から世界を狙う挑戦」。みなさんのこれまでの海外経験と、そもそもどうして「世界を狙いたい」と思うのか、個人的な想いについてお聞きしたいです。まず@mayaさんどうでしょう?

    @maya:私は日本生まれの日本育ちで、北海道にある一般的な小学校に通っていました。10歳の時、家族全員でアメリカに引っ越して、大学を卒業してからは日本で生きていけるかを試したくて帰国。その後、夫の転勤でタイに行ったり、東ティモールに行ったりしていました。

    @tatsuo:日本とアメリカだけでなく、アジアも行き来していたんですね。この前、人事チームにはどれくらいの国籍の人が所属しているかを数えたら10ヶ国だったんですよね。人事だけでも国籍のバラエティが富んでいるな、と。ちなみに@mayaさんはどうして「世界を狙いたい」と思っているんでしょうか?

    @maya:私は純粋にメルカリのプロダクトが良いものだと思っていて、日本にとどめておきたくないからです。家族や親戚のほか、お客さまからもメルカリについての温かいエピソードを聞いていて、いいサービスだという実感があります。メルペイに関しても同じです。メルカリを利用するなかで得た信用をもとに、メルペイを通じてお金を使うこともできる。世の中のためにもなっているし、いいプロダクトだから海外に持っていきたいという気持ちです。

    @tatsuo:ありがとうございます。次は@sayakaさん、お願いします。

    @sayaka:私は生まれてから大学院までずっと日本で過ごしていました。卒業後、入社した会社は外資系のグローバルな金融企業。世界の大都市にオフィスもあったので、百何十ヶ国国の人が集まっていました。そんなグローバルな環境で学んだのは、間違ってもいいから意見を言ったり、いろんな場に顔を出して、伝えたいことを相手に届けること。オープンに意見を言う大切さを実感しました。言うは易しで、実践はなかなか難しかったですけどね。メルカリに来て驚いたのは、日本の会社だけど「海外に進出していくんだ」という強い意志を感じられたことです。目的達成のためにみんなフラットに意見を交換していて、あらゆることをグローバルスタンダードにしていこうという姿勢に感動しました。

    @tatsuo:もともとメルカリは心理的安全性が高い組織で、すごくオープンネスな文化があったと思うんです。それがさらに強化されているなと感じますね。英語話者も増え、みんな積極的に発言しています。

    インターネットで世界中がつながっているからこそ、挑戦するのは必然

    @tatsuo:@shintaroさんの海外経験についても聞かせてください。

    @shintaro:僕は大学まで国内にいて、25〜26歳で渡米しました。当時、永住権が当たるプログラムに応募したら、運よく200倍の倍率をくぐり抜けてグリーンカードをゲットして、移住する気でアメリカに行ったんです。

    日本でもインターネットサービスをつくっていたんで、最初にサンフランシスコに行きました。向こうで生活していたら「インターネットサービスを日本でつくって持ってきたい」と思うようになって。そして日本に戻ってきて始めたのが、前の会社でした。結局、海外にサービスを持っていけなくて、グリーンカードを泣く泣く放棄。その後、モバイルゲームをつくったらZyngaというシリコンバレーの会社から買収を持ちかけられて、世界進出への近道だと思い、売却しました。2010年くらいは、Zyngaもホットな会社だったので、データの見方からアプリのつくり方、採用や目標管理のOKRの運用の仕方までたくさん勉強させてもらいました。その後は退職し、世界で使われるサービスとして立ち上げたのがメルカリです。

    @tatsuo:@shintaroさんはなぜ日本から世界を狙っているのでしょうか?

    @shintaro:インターネットに初めて触れたのが1996年のWindows95とかNetscape1.0が出たばかりの時。その時にNASAやホワイトハウスのホームページを見て「すごい」って思ったんです。「インターネットの世界はすべてがつながっているから、ビジネスをやるなら世界でやらなきゃダメでしょ」と好奇心…というより義務感ですかね。やるんだったら世界で使われるものをつくりたいんです。

    @tatsuo:なるほど。 私自身が世界に挑戦している理由についてですが、一緒に世界に挑戦する仲間を見ているとワクワクするからですね。私もメルカリに入って「世界に挑戦したい」と思い、働いていますが、そういう人がメルカリには本当に多い。メルカリには日本からアメリカに行って働いているメンバーが30名くらいいるんですけど、彼らの挑戦を聞くとワクワクします。さらに彼らが日本のメルカリに異動したりして、成長をブーストしてくれている様子を見ると、才能が国を超えて活躍する世界観を体現していて、個人的に感動しています。

    IR・ファイナンス・言語面などで大胆な挑戦を成功させ、道を拓いていきたい

    @tatsuo:続いて、みなさんの現在の役割において、具体的にどのような「日本から世界を狙う挑戦」があるかを聞かせてください。

    @sayaka: IRの話で言うと、現在メルカリは150〜200ほどのグローバル投資家の方と頻繁にコミュニケーションをとっています。そういう企業は国内の大企業でも多くはないと思うんですよね。成長途上の企業だからこそ、メルカリの中長期的なビジョンに世界中の投資家が共感し、パートナーになってもらうのは、面白い挑戦かなって思っています。

    @tatsuo:確かにそうですね。

    @sayaka:ファイナンス面では、金融機関からサポートいただくにあたり、グローイングステージにある企業としてのいい前例を私たちがつくっていきたいです。上場企業であっても新しいビジネスには先行投資の期間を経てはじめて、その先に多くのグロースがある。そのビジネスが立ち上がっていく様子をしっかりといろいろな人に見てもらって、金融機関の方にもさまざまな挑戦に対してよりサポートいただけるような好循環をつくりたい。投資家や金融機関の方々が私たちの将来的な成長や価値の最大化を信じ、納得してもらってきたからこそ今がある。一方で、新しいチャレンジは金融機関から見た時にはリスクにもなり得る。グローイングステージにある企業の大胆なチャレンジが許容されるようになるためにも、私たちがチャレンジを成功させる必要があると思っています。

    @shintaro:そうですね。何百億円単位でお金を借りているし、金融機関にも投資家の方々にも丁寧に説明していかないといけないし、事業とファイナンスの部門が噛み合わないといけませんね。

    @tatsuo:@mayaさんは、現在どんな挑戦をされていますか?

    @maya:メルカリへ入社した当初は、言語にとらわれず社内でスムーズなコミュニケーションをとれるよう、環境づくりをしていました。メルカリの「英語か日本語どちらか喋れれば、優秀な人は採用する」のスタンスに感心していたのですが、入社した時は1on1もGOTが通訳しないと話せないメンバーやマネージャーがすごく多かったんです。マネージャーとメンバーは直接話せた方が気持ちいいし、心理的安全も保てる。だからマネージャーには英語を学ぶように勧めました。けれど、強制じゃないところがメルカリらしいところです。

    英語は、あくまでもツールであり、それが一つ増えれば、仕事の役に立つというスタンスです。英語ができないと昇進できないとか、給料は上がらないなんてこともない。その上で、社内英語や日本語コミュニケーションをサポートするためだけのチーム(Language education team)もあり、英語と日本語のトレーナーが教材もつくりました。実際にトレーナーたちはさまざまなミーティングに出て、社内でどういう話が行われているかをメモして教材を作成しています。メルカリで使う用語に基づいているので、断然わかりやすい。この取り組みもGo Boldだなと思っています。

    @tatsuo:本当に誇れる仕事をしているなと思います。この取り組みでメルカリのグローバル化が進んでいる。「英語というツールを使って世界で挑戦できるタレントになりたい」「その方がビジネスとして面白いじゃん」と心から思っている人が多いこともメルカリの特徴ですよね。@shintaroさん的には、現在どのような世界を狙う挑戦をしていますか?

    @shintaro:これまでは日本事業と米国事業、メルペイの三本柱で、それぞれフォーカスして進めてきました。しかし、2020年3月ごろにコロナ禍の影響で急激にコストカット。2020年秋から「実はすごくいろいろな機会を逃しているんじゃないか」と考え、徐々に採用や新しい事業をつくろうとしています。また、日本・アメリカの次となる3ヶ国目も考えはじめたのですが、いざやろうと思うと人材面で非常に脆弱なことにも気づいて。海外立ち上げ経験がある人をまずは採用していこうと動いています。

    メルカリきっかけでD&Iのウェーブを起こし、インクルーシブな社会にしたい

    @tatsuo:次は、世界への挑戦を進める上でGo Boldにできるアイディアがあれば聞きたいのですが、@mayaさんいかがでしょう?

    @maya:メルカリがD&Iを推進して社会にウェーブを巻き起こし、日本をインクルーシブな社会していきたいです。現在、日本は男女の格差が世界でも圧倒的に大きいし、海外の方への差別があります。けれどメルカリきっかけでインクルーシブな社会が広がり、みんなが多様であることの重要さに気づく。そして、ゆくゆくは日本全体がインクルーシブで活気あふれる世の中になるのではないかと思います。

    @tatsuo:いいですね。メルカリは日本に限らず社会で必要とされるようなサービスの提供を目指しています。だからこそD&Iでも社会貢献できる気がしているんです。@sayakaさんには、Go Boldなアイディアありますか?

    @sayaka:メルカリが金融機関や投資家からワールドワイドな視点で見てもらえているので、新しいアイディアや提案を受ける機会も多いですよね。そういうアイディアにしっかりと向き合って、金融的な観点でもメルカリが最前線の取り組みをできる組織になったらいいなって思っています。

    建設的な意見を言い合える環境をつく、一つひとつできることから取り組みたい

    @tatsuo:「日本から世界を狙う挑戦」において、現在メルカリで最もギャップを感じていること・苦労していること、個人的な考えを聞かせてください。

    @shintaro:苦労していることはその時々であるのですが、サービスに関するお客さまからの意見すべてに応えきれていない状態は歯痒いですね。上手くやればもっといいサービスがつくれるのに…と思うこともあります。しかし、できることやリソースが限られている。一つひとつ、クリアしていくしかないのかなと思っています。

    @tatsuo:そこは徐々に改善していきたいところですよね。@sayakaさんは何かギャップを感じていることはありますか?

    @sayaka:やはり言語の壁によるコミュニケーション齟齬でしょうか。私が見ているIRチームに英語オンリーのメンバーと日本語がメインのメンバーがいるのですが、コミュニケーションを密にしないと互いに取りこぼす情報も多くなる。ここはオンゴーイングで頑張っている部分ですが、こういう克服を積み重ねることが、組織として骨太になることなのかもしれませんね。

    @tatsuo:なるほど。@mayaさんはいかがですか?

    @maya:率直なフィードバックをもっと言いやすい会社にしたいですね。日本で暮らしていると空気を読めとか、率直に言ったら失礼だという意識があり、現状メルカリでも少なからずそんな雰囲気があります。そのため、メンバーみんながストレートに建設的なフィードバックができる環境に整えたいです。もう一つ、私はメルペイの採用にも関わっているんですけど、新たに挑戦したいことがありまくりで!だからこそ、「人が欲しい」って思っています。ぜひみなさん求人へ応募してください(笑)。

    @tatsuo:絶賛採用中ですよね!人事責任者的な視点で感じているギャップは、全体的にグローバル経験を持っている人がまだまだ少ないことです。成長意欲が高いメンバーが集まっている組織だと思うので、いろいろな機会をつくり、グローバルのチャレンジをしていきたい。「海外で経営経験していました」みたいな方が入社するともっと面白くなる。現状、エンジニアは世界中から優秀な人材を採用できているのですが、ゆくゆくはいろいろな職種においてその道のプロにも参加してもらいたい。そして、一緒にグローバルスタンダードをつくれたら面白いと思いますね。

    さて、時間がきてしまったので、以上で本日のメルカリトークを終わります。みなさん、ありがとうございました!

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