「入社日」は、その会社で働き始める記念すべき初日!入社者が一堂に会し、オリエンテーションを受けてから配属先チームのメンバーと初顔合わせをして…そんな流れが以前までありました。そう、2020年4月までは。
メルカリグループでは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年4月から入社オリエンテーションを完全オンライン化。特に2020年4月1日は、前例のないオンライン入社への切り替えが急ピッチで行われていました。わりと直前に「完全オンラインで入社オリエンします」となったので、社内はもちろん、入社メンバーも戸惑ったはず。
そこで今回のメルカンでは、オフライン→オンラインへ移行した直後だった2020年4月の入社メンバーにインタビュー。本来なら東京オフィスで行われるはずだった入社オリエンが「完全オンライン化」したことで何が変わったのか?4月1日入社の@sho-1と@yusuke、@kuu、同月16日入社の@fumiに聞きました。
この記事に登場する人
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藤本翔一(Shoichi Fujimoto、@sho-1)メルカリの研究開発組織R4DでResearch Administratorとして、大学との共同研究コーディネートなどを担当。前職は政府系研究開発プロジェクトマネジメント機関NEDO。現在、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)など、人文・社会科学(哲学、倫理学、文化人類学、科学技術社会論など)へのアプローチを進めている。個人としても、チームとしても、Social Goodなイノベーションや科学技術ガバナンスの実現を目指す。 -
山本裕輔(Yusuke Yamamoto、@yusuke)メルカリのマーケティングスペシャリスト。新卒でデジタルエージェンシーに入社し、大手商業施設や大手自動車メーカーのデジタルマーケティング支援を担当。2020年4月にメルカリに入社し、マス・デジタルでの新規利用者獲得やキャンペーン施策推進などを担当している。 -
久米史也(Kume Fumiya、@kuu)メルカリのソフトウェアエンジニア。学生時代はMicrosoft MVPに選ばれたり、Sechack365などへ参加しプログラミングな日々を過ごす。2020年4月より、ソフトウェアエンジニアとしてメルカリへ新卒入社。Android版アプリの出品画面への機能追加やマイページのリニューアルに携わる。 -
村田 章(Fumi Murata、@fumi)京都の機械メーカーに新卒で入社後、オムロン株式会社で約9年間、税務・決算業務全般、事業部管理会計などを経験。2020年4月にメルカリに入社。現在はGroup Corporate Planningチームに所属し、予算・中期計画策定、予実管理、子会社の財務、管理会計サポートなどを担当。
「必ずマスク着用で参加」「お弁当はなくなりました」からの…?
ー2020年4月1日、メルカリグループでは新メンバーの入社オリエンを完全オンライン環境下で開催しました。しかも「オンラインでやるぞ!」となったのは同年3月27日12時。当然ながら、4月1日入社者だった@sho-1さんと@yusukeさん、@kuuさんにとっては突然の知らせだった?
@yusuke:突然でしたね(笑)。とは言え、世間的にも新型コロナウイルスがどんなものかがまだわからず、混沌としていたタイミングでした。心のどこかで「4月までにはおさまっているだろう」と思っていましたが、まさか完全オンラインになるとは。
山本裕輔(マーケティングチーム、@yusuke)
@sho-1:最初に「必ずマスク着用で」と言われ、その次には「お弁当はナシになりました」となり、直前で完全オンラインになったんですよね。目まぐるしく状況が変わっていくなかで入社オリエンを担当する社内メンバーはスピーディに対応していて、すごいなぁと思っていました。
@kuu:楽しみがどんどんなくなっていく感じは、確かにありました。私は新卒入社ですが、同期メンバーで顔合わせやオフラインでの交流ができなかったので寂しかったです。
久米史也(ソフトウェアエンジニア、@kuu)
ー@fumiさんは4月16日に入社しています。1日入社者の様子を見て、心の準備はできていた?
@fumi:そういう意味では、4月1日入社者のみなさんの様子ややりとりを聞いていたので、心の準備はできていました。どちらかと言うと、私はメルカリへの入社を機に関西から関東へ引っ越してきたので、新型コロナウイルスの動向を見ながら「万が一、入社できなくなったらどうしよう」と不安になったこともありました。
村田 章(Group Corporate Planningチーム、@fumi)
「原則在宅勤務」で他メンバーのパーソナリティを掴むヒント
ー入社後も、しばらくは「原則在宅勤務」が続きました。業務内容のキャッチアップやチームビルディングはどうしていたんですか?
@sho-1:前職がメール文化だったこともあり、リモート環境下で会ったことがないメンバーとSlackでコミュニケーションするのはかなり戸惑いました。そのため、最初は「お忙しいところ大変恐縮ではございますが」みたいな書き出しをしちゃってましたね(笑)。
藤本翔一(R4D、@sho-1)
@yusuke:僕は前職でもSlackを使っていたので、その点は大丈夫でした。ただ、メルカリは社内wikiやドキュメント文化があるものの情報量が多い!さらに、僕がジョインしたマーケティングチーム関連の情報は、具体的に業務がスタートしてからじゃないとうまく腹落ちしないものもありました。それに加えて、チームは新型コロナウイルスの影響を受けて体制を立て直している真っ最中。すぐに実行できる業務が少なかったので、キャッチアップと同時に「自分にできること」を探す日々がしばらく続きました。本格的に業務への参加を感じられるようになったのは、7月ごろでした。
ー業務に関する情報はドキュメント上でつかめても、メンバーのパーソナリティは難しいところがありますよね?
@sho-1:そうなんです。これまでなら、ミーティングが終わったあとのちょっとした時間で過去の事例を聞いたり、暗黙知のシェアがありました。今だと、ミーティングの終了と同時に通信が切れてしまいます。つまり、今まで自然に生まれていたはずの会話を「もう少し話しませんか?」と自ら能動的に作り出す必要がありました。
@yusuke:あと、オンラインでのミーティング自体が独特の雰囲気ですよね。オフラインだと同時に話しだせるので、話題がポンポンと進む。ところが、オンラインは1人ずつ話す関係上、順番を待つことになる。入社してまもないころはインプットも少ないので「それはどういうことですか?」と質問したくても、順番に話していく流れを遮るのが難しかったり。そういった小さなストレスは積み重なっていました。
@kuu:質問も含めた軽いおしゃべりができなかったのは、私もストレスでした。
@kuu:私はメルカリでインターンをしていたので、Slackを使ったやりとりはわりとすんなり馴染めました。質問があればGoogle MeetやSlack callsで連絡したり、ペアプログラミングで技術的なところを教えてもらいつつ、仕事に入り込むようにしていたんです。でも、4月からジョインしたチームは初対面のメンバーがほとんど。メンバーのパーソナリティを掴むために、普段のコミュニケーションに加えて、Slackの個人チャンネルやオンラインゲームを通じて親しくなっていきました。
「誰が何をしているかわからない」から、数珠つなぎでメンバーを紹介してもらった!
ー@fumiさんはどうでした?
@fumi:私はみなさんの2週間後に入社していますが、そのころもまだ「入社したばかりのメンバー同士の交流」はありませんでした。入社後3ヶ月間は4月1日入社者と同じで他メンバーとつながりにくく「誰が何をしているのか」「どこで会話が行われているのか」がわかりませんでしたね。
なので、思い切ってチームのメンバーに相談してみたんです!
ーおお!
@fumi:そうすると「テレフォンショッキング」的に、数珠つなぎでメンバーを紹介してもらえる時間をつくってもらえることになりました。そのときに話したメンバーとは、今も部署を越えてやりとりしています!
@sho-1:私と@fumiさんは同じコーポレート部門所属なのですが、同期会みたいなものをやってみたんですよね。コーポレート部門の有志でお客さまの声を集め、自身の業務や社内にフィードバックする社内横断プロジェクト「PJ-Insight」があり、そこで知り合う機会を増やしたりしていました。
@yusuke:僕も、当時のマネージャーだった@kazさんに在宅勤務での課題を打ち明けていました。例えば「質問しにくい」「親睦を深めにくい」など。そうすると、すぐに「チームで話そう!」となり、定例で課題を共有する機会をつくってくれたんです。おかげで、話しかけるきっかけが増えましたね。
@kuu:4月入社メンバーでオンライン同期会をやってみたのもよかったですよね。2020年7月に出社できるようになったときには「ひさしぶり〜!」みたいになっていたり(笑)。
@yusuke:感動の再会みたいになっていましたよね(笑)。
@sho-1:今まで画面越しでしか顔を見ていなかったので「ひょっとして◯◯さんですか?」みたいなやりとりもありました!
「オンライン入社」で気をつけたほうがいいことは?
ー今後もしばらくは「オンライン入社」が続くかと思います。そういった人たちへ何かアドバイスはありますか?
@sho-1:いっぱいあります!まず、机と椅子は早い段階で揃えておいたほうがいいです。肩や腰への負担が違います。もう1つは「仕事時間」の区切り方。特に小さなお子さんがいるご家庭は、そもそもハードな生活リズムですし、仕事中に緊急で呼ばれたりすることもあるので難しいですよね。また、オンライン環境下での多言語コミュニケーションは難易度が高いです。そこで、私が所属するR4Dでは、東京大学との共同研究「価値交換工学」の1テーマとして、オンライン多言語コミュニケーション支援ツールの研究を進めています。早く活用できるようにしていきたいですね。
@kuu:睡眠や食事など、生活リズムを維持することは大事。在宅だと時間の制約が少ないので生活リズムが崩れがちですよね…。僕もついだらだらとTwitterを見てしまいます(笑)。
@sho-1:ですよね。先ほどもお話しましたが、オンライン経由で誰かに話しかけるのは心理的ハードルも高いですが、どんどん突っ込んでいったほうがいいです!
@yusuke:同感です。突っ込んでいってみると、意外と気軽に話せたりするんですよね。メルカリって、基本的にはやさしいメンバーばかりなので、質問すれば丁寧に答えてくれる。@kuuさんも話していましたが、メルカリの社内Slackでは「個人チャンネル」と呼ばれるものがあるので、業務で一緒になるメンバーの個人チャンネルに入っておくと関係構築がスムーズになると思いますね。話しかけづらいうちは、Slackスタンプを押すだけでも、後々の印象が変わります。
@fumi:それでも、気兼ねしちゃう人のほうが多いとは思います(笑)。なので、受け入れる側も「新メンバーは気兼ねする」ことを前提に、あえて雑談する時間をつくってもらえるとよりうれしいですね。