こんにちは!ソウゾウでBizdevをやっている@sakuraです!
2021年1月に一人目のBizdevとしてソウゾウにジョインし、この8ヶ月間走り続けてきました。最初は、ゼロからのプロダクトづくりにどのように関わっていくべきかというBizdevの役割の言語化と、メルカリShopsの成功の定義を明確にするところから始めました。検討の過程では、より多くの事業者さんと会いそれぞれが抱える課題を理解することを大切にし、その課題解決を一番に考えながら進めて参りました。そのような取り組みが、これからのBizdevとしての大胆な施策に繋がっていくと信じています。
今日は、ソウゾウBizdevとしてこの8ヶ月間何にフォーカスしてきたか、醍醐味はどんなところにあるのかを紹介させていただこうと思います。この連載を機会にソウゾウのBizdev業務について興味を持っていただけると嬉しいです!
この記事を書いた人
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原沙久良(Sakura Hara、@sakura)大学卒業後、伊藤忠商事にて情報産分野の新規事業開発や投資業務に従事。2018年6月にメルカリグループにジョインし、以降Business Development(新規事業開発)として、様々なプロジェクトに携わる。2021年1月からはメルカリの新サービス「メルカリShops」の立ち上げのため、ソウゾウに異動。1人目のBusiness Developmentとして日々奮闘中。
Bizdevってどんな仕事?
「ソウゾウのBizdevがどんな仕事をしているか?」の前に、そもそも「Bizdevって何?」というところからお話したいと思います。Bizdevは、他のメンバーと異なったタイムラインで動いていることもあり、実は同じソウゾウのメンバーからも「@sakuraさんって具体的にどんなことしてるの?」って聞かれることも多いのです。
Bizdevとは、Business Developmentの略で、日本語でいうと(新規)事業開発です。BDと略されることもあります。Bizdevの業務内容は会社や業界によって異なりますが、一言で言うと「外部パートナーと手を組むことで事業を非連続成長させる」仕事です。
例えば、マーケや営業の“+1”を積み重ねることによる事業拡大していく、つまり連続的成長を事業にもたらすことに対して、Bizdevは1回の施策(提携やM&A)で“+n”の効果を生み出すことが求められます。これが非連続成長です。
先ほど、Bizdevは他のメンバーと異なるタイムラインで動いているとお伝えしましたが、通常提携などの交渉ごとは契約締結も含めて3ヶ月以上の時間を要します。なので、常に、3ヶ月後、半年後のサービス状態を想像し、その時に必要な施策を前もって仕込み始めるという動きが求められます。パートナーさまとの提携後に、開発を要するプロジェクトもあるため、その際はプロダクトリリースのタイミングから逆算してパートナー企業さまと協議を始めます。
このように、Bizdevの醍醐味は、数カ月後のサービスのあるべき姿を描き、その実現に向けて大胆な施策を組み立てていけることです!
ソウゾウのBizdevが決めた、2つのフォーカスポイント
ソウゾウが運営する「メルカリShops」とは、一言でいうとEコマースプラットフォームです。「かんたんで、売れる」をコンセプトに、スマホ1つでネットショップを開設し、ショップ運営者が商品を直接販売することができるサービスを展開しています。(詳しくは代表のmazeさんのBlogをご覧ください!)
そのなかで、Bizdevは「全国のショップさんが簡単に出店でき、しっかりと”売れる”体験を積み重ねていただくため」「メルカリのお客さまがメルカリShopsでのお買い物を楽しんでいただくため」に何をすべきかを考え、プレオープンのフェーズは以下の2点に資する提携にフォーカスすることに決めました。
1: ショップ数の拡大=より多くのショップさんにメルカリShopsを知ってもらい使ってもらうこと
2: Seller/BuyerのUX向上=ブレイクダウンすると「配送まわりの体験向上させる」「決済手段の充実させる」「ショップさんの売れる体験をつくる」こと
一つひとつ、解説していきますね!
1: ショップ数の拡大
この目標に関しては、Marketing Teamが連続成長を担い、Bizdevが非連続成長を担うという棲み分けをしています。Bizdevは外部事業者との提携やM&Aを行うことで、ショップさんを一気に増やすべく様々な事業者さまと協議を行っています。
メルカリShopsの初期利用者イメージは、農家さん、飲食店さん、地方の特産物商店さん、クリエイターさんです。私自身が各業界に詳しいわけではないので、最初は手当り次第、様々な方にヒアリングさせていただきました。例えば、コロナで訪問は叶いませんでしたが、地方の農家さんが畑の中からオンライン会議に参加してくださり、つくっている野菜を見せていただきながら、抱えている課題や情報交換をしているコミュニティについて教えてもらいました。
また、メルペイの加盟店さまも訪問し、コロナ禍で家賃を支払うのもままならないと聞いたときには、早くサービスを世に出さなければと強く思いました。日々たくさんの方とお話をさせていただくことで、どのようなパートナーシップを組むべきか、徐々にその輪郭がはっきりしていき、Bizdevとしての次の一手を考えられる機会になりました。
今はまだ言えないことは多いですが、これからの提携発表を楽しみにお待ちください!
2: Seller/BuyerのUX向上
この領域に関しては、Bizdevとプロダクトマネージャー(PM)はかなり似た動きをします。自社で開発が完結するものに関してはPMがSoftware Engineer / Product Designerと一緒にプロジェクトを推進しますが、他社と一緒に新規サービスをつくったり、他社のサービスを利用したり、はたまた他社を買収することで自分たちが実現したい世界をつくり上げる場合は、Bizdevの出番です。PM / Software Engineer / Product Designerと一緒に、サービス設計を行い、パートナーさまと協議、交渉、契約を進めていきます。
わかりやすい例が、「メルカリ便」の設計です。「メルカリ便」は、現在CtoCフリマのメルカリだけで使える、かんたん・お得・あんしんな配送サービスです。メルカリShopsは事業者さま向けのサービスなので、CtoCであるフリマサービスとは性質が異なり、荷量が多くなるでしょうし、既存の配送網を使うこともあるかもしれません。
配送に関しても深い知見を持っているわけではなかったので、まずはグループ会社の鹿島アントラーズが手掛けているF.D.というアパレルブランドのECの配送オペレーション見学にPdM / Software Engineer / Product Designer/CSメンバーと一緒に行ってきました。事業者さまのペインポイントがこんなところにあるのか!ということを肌で感じ、ショップさんの運用負荷を軽減をすべく、現在「新メルカリ便」のサービス設計をしています。さらには、現在メルカリShopsとして注力している、生鮮食品をはじめとした食品カテゴリーを安心安全にお届けできるよう、「メルカリクール便」の提供も予定していますので、こちらも是非お楽しみに!
また、ショップさんも気持ちを知るためには、自分たちがお店を開かなければわからないという想いのもと、ソウゾウとして自分たちのOwned Shopを開店することにしました。手を挙げたメンバーで商品作りからショップのオペレーション構築まで、通常業務の合間を縫って立ち上げ…(ソウゾウショップの立ち上げに関しては、たくさんの苦労があったので、こればまた別の機会に奮闘記を書かせてもらいます!)。オペレーションの中でも配送作業が一番大変だったのですが、この機能がないと絶対にオペレーションがまわらないという点がいくつか確認できたので、開発の優先度をあげてもらえることになりました。より良いSeller体験がつくれるよう、ソウゾウはこのような取り組み日々行っています。
成功のために前進し続ける、All for One & Move Fastなカルチャー
これまで、Bizdevやソウゾウ内での動き方についてお伝えさせていただきましたが、少しだけ私の好きなバリューについて触れたいと思います。
メルカリグループには「All for One(全ては成功のために)」というバリューがあり、ソウゾウもそのバリューを引き継いで、個々人が業務に取り組んでいます。「一人では達成できない大きなミッションを、チームの力を合わせ、全員が最大のパフォーマンスを発揮することで実現していくこと」。All for Oneには、そんな意味が込められています。
今のソウゾウの雰囲気を表現するのに、All for Oneはまさにぴったりな言葉だと思います。ソウゾウで働いて印象的なのは、困った時にSlackで相談をすると必ずすぐに誰か寄り添って一緒に解決策を考えてくれることです。私は外部パートナーの方々と向き合って仕事をしていますが、先方に「一度持ち帰って社内で検討します」とお伝えした当日に解決策をご提示できることもよくあります。そして、相手先さまから驚かれることもしばしば。All for Oneに全員がメルカリShopsの成功を考えているからこそ、他の人の課題も自分自身の課題として認識し、手を差し伸べるという好循環が生まれているように思います。チームや役割の垣根を超えて助け合って課題に向き合える、そんな前向な姿勢で働くソウゾウメンバーが大好きです。
もう一つ、「Move Fast」というソウゾウのバリューがあります。ソウゾウの中にいながらも、ソウゾウのスピード感に驚かされることが多々あります。例えば、日々、BI(Data Analyst)チームがつくってくれたDashboard上の指標を見ながら、サービス全体が成長するためにどの指標をどのように伸ばしていくかを検討したり、サービスに対するSNS上の声を拾いながら、今お客さまから求められている機能について議論しています。その内容をもとに新しい施策を考え、当初の計画にはない内容であってもすぐ取り掛かり、やると決めてから実施・実装されるまでの期間もかなり短く、とにかくPDCAのスピードが早いのです。意思決定が早く、やるべきことを臨機応変にアップデート出来るところが、Move Fastというバリューを掲げているソウゾウの強みだと感じています。
ソウゾウでBizdevをやることの醍醐味
メルカリShopsはプレオープンしてまだ1ヶ月半で、理想とするサービスの1%にも到達していません。わかりやすいUIづくり、売れる体験づくり、オペレーション負荷の軽減など、やるべきことは数え切れないほどあります。どのような戦略を立てて、サービスをつくりり上げていくか、とてもチャレンジングですが、今が一番面白いフェーズです。
特に、ソウゾウBizdevの醍醐味は、Bizdevでありながらもプロダクトづくりができ、しかもその根本から携われることだと思います。これが実現できるのもプロダクトチームとの距離が近さゆえだと感じています。ソウゾウのBizdev組織はプロダクトチームの配下にあり、常にPMと数カ月後のサービスのあるべき姿を一緒に考え実現までのロードマップを検討したり、PMに事業者さまからのご要望をフィードバックすることで開発のタイミングをすり合わせたりしています。優秀なPM陣と、ものすごいスピードで機能開発を進めてくれる最強のエンジニアチームが常にOne Teamとして動いてくれることで、安心して外部パートナーとの協議を進められる環境がソウゾウにはあります。
Bizdevでありながらも、役割を越境して、プロダクトづくりに関わりたいという方には、ぴったりな環境だと思いますし、私自身も毎日のように新しい気付きがあるので、楽しく仕事をさせてもらっています!
最後に…!
ここまで読んでいただきありがとうございました!ソウゾウのBizdev業務について、記事を読む前より理解を深めていただけましたでしょうか…?(より理解が深まったのであれば嬉しいです!)
最後に、メルカリShopsの未来を一緒に考え、よりよいサービスをつくってくださる仲間を現在大募集しています!
現在は私一人ですが、仲間が増えることで本日お話した内容以上の事が、もっとスピーディーに実現できだろうとワクワクしています。ショップさんの想いの込もった商品と全国のお客さまとの一期一会の出会いをメルカリShopsを通じて創造していきましょう!
次回は「自治体の産業振興政策とイノベーション」というテーマで、Public Policyチームの@fusekenさんが登場予定です。お楽しみに!