暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、メルカリの子会社として2021年4月28日(水)に設立されたメルコイン。所属するメンバーの年齢は27〜61歳と幅広く、キャリアやバックグラウンドもバラバラ。一体どんなメンバーが、どんな思いでメルコインに集まってきたのでしょうか?
そんな疑問を1on1のバトン形式で聞いていく本企画。一人目として登場するのは6月16日にメルコインにジョインしたNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)事業開発担当の@Nagai。聞き手はメルコイン取締役の@shingoです。
NFTに関する熱いツイートをきっかけに、採用オファー
@shingo:確か僕と@Nagaiさんとの出会いは、NFTのアート領域でスタートアップ企業を経営する「とある社長さん」経由でしたよね?
その方とNFTについて話していた時にご紹介いただいたのが@Nagaiさんでした。そのとき@NagaiさんのTwitterアカウントを教えてもらったのですが、見た瞬間「この人はNFTの強者だ!」と思って。その後すぐに連携してもらいオンラインで話しましたね。
@shingo
@Nagai:そうですね。当時NFTがとても盛り上がっていたので、取り憑かれたようにツイートしてました(笑)。
@shingo:当時NFT事業をどう立ち上げていくのか考えていく中で、事業上、法律関連の知識や法的整理の部分は切っても切り離せない存在だったんです。そのあたりを@NagaiさんのTwitterを見て学んでいましたね(笑)。同時に「こういう人に来てもらえればNFT事業が進むんじゃないか」と強く思っていました。
そのあと@Naokiさん(メルペイ代表取締役CEO 青柳直樹)にも話をして、@NagaiさんのTwitterをフォローしたり「僕らあなたを見てますよ」という感じで絡んでいこうと(笑)
@Nagai:そんなこと考えてたんですか(笑)。今日はじめて知りました!
メルコインのリリースが出た頃、ちょうど休暇を取ってサウナ巡りに行ってたんですけど、その旅先でメルコインのニュースを知り「これは面白くなるな」とすごく興奮したのを覚えています。それとほとんど同じタイミングで、先程お話にも出てきた社長から「メルコインいいんじゃない?」と紹介されて。トントン拍子で入社まで話が進んだこともあり、運命のようなものを感じました。
それ以前からメルカリで働くメンバーと話したり、一緒に活動することもよくありました。そのときから「メルカリってめちゃめちゃ熱意がある人が多くて楽しそうだな」と思っていたので、ジョインできて嬉しいです。
@Nagai
@shingo:NFTみたいな新しい領域って、通常の採用活動でいうところの職務経歴書にポテンシャルやスキルは表れないじゃないですか。「NFTという領域に対してどういうビューを持ってるか」という観点で人を探すなら、やっぱりSNSは有力だとその時に思いましたね。
NFT事業はメルカリにとって「必然」だと思う
@shingo:そもそも@NagaiさんがNFTに興味を持ち始めたのはいつ頃なんですか?
@Nagai:ブロックチェーンの技術が注目され出した2015年くらいですね。当時アート・エンタメが専門の法律事務所で弁護士をやっていて、著作権やオープンカルチャーなどを中心に仕事をしていました。その頃、IDが付いた固有性のあるコンテンツを利用者間で売買できるようになったら、コンテンツの新しい世界が広がるという話を断片的に知って。「ブロックチェーンとコンテンツの組み合わせってすごく面白そう」と思ったのがきっかけですね。
@shingo:2015年って相当早いですね。キャリアのスタートは弁護士で、その後はLINEで法務をやっていたんでしたっけ?
@Nagai:はい。しばらく法務をやった後、LINEで暗号資産とブロックチェーン領域の事業担当になって、それからメルコインに入社しました。現在メルコインでは、NFTに関する新規事業の準備やアライアンスを担当しています。
@shingo:入社した当初って、NFTで何をやるかの「方向性」はおおよそ決まっていたけど、具体的に何をやるかは全然決まっていない状況でしたよね?
@Nagai:そうですね。入社当初はメンバーも少なかったですし、とにかくやることを掘り出して行動して、走り続けていた印象が強いです。特に商品設計に法律が関わってくる点については、どう結論づけるか、どう会社として乗り越えるか、どうリスクを取るかを考えるのが難しかったです。ただそういうヒリヒリするような経験はインパクトもあるし、NFT事業に関わる醍醐味だなと思いますね。
@shingo:NFT事業は商品設計が特殊ですよね。実在する物を売るわけじゃないし、いわゆるeコマースだけで完結する話でもない。コンテンツ自体がデジタルなもので、お客さまとサービス提供者とその他ステークホルダーホルダーの関係性をどう整理していくか、というところも事例がほとんどなくて、結構難しい。
@Nagai:権利や法律が全く整っていないところで、自分たちで何を売買するか考えて契約で決めていくことは、ある意味金融商品に近い部分もありますよね。ルールの中で、自分たちのやりたいことを法律的に設計するみたいな。
@shingo:かつその商品がお客さまから見たときに魅力的かっていう、商品のたてつけ的な話と、商品の売り方の話もフリーハンドですもんね。
@Nagai:そうなんですよ。ただ、NFT事業はメルカリとしてもすごく必然性がある事業だと改めて感じています。扱うものがフィジカルな「モノ」から信用になり、そこからデジタルコンテンツや暗号資産などのトークンにも移ってきていて。これは人の行動など、今まで価値としては直接取り扱えなかったものを、金銭的価値も持つアセットとして交換できる社会への転換期でもあると思うんです。その実現をメルカリグループのNEXTステップとして取り組めるのが面白いと強く感じています。
@shingo:メルカリグループがNFT事業をやることに、@Nagaiさんも納得感を持っているということですね。
「Trust & Openness」のインパクトと、メルコインならではの働きやすさ
@shingo:メルコインですが、入社してみて印象はいかがでしたか?
@Nagai:メルカリのカルチャーでもある「Trust & Openness」のインパクトを感じましたね。基本的に全てのことはSlackに載ってるし、アクセスできない情報も基本的にはない。
@shingo:確かに社内情報へのアクセスはオープンな思想が根付いてますよね。@Nagaiさんみたいに新規事業を立ち上げるような人は、他部門や部署の業務内容を確認する必要も多々あります。そういう意味では情報のキャッチアップもしやすいですよね。
@Nagai:情報がオープンなだけじゃなくて、お互い信頼しながら仕事をしているから業務も進めやすい。上からの指示で動くのではなく、個々のメンバーがその持ち場でできる最大限のことをしていくスタイルも素晴らしいと思います。
@shingo:逆に入社してから困ったことはありませんでしたか?
@Nagai:僕は入った瞬間からリモートワークだったので、フランクな情報交換をするのが難しかったです。また、組織ができたばかりだったこともあり、「この件はどこの部署の誰に聞けばいいの?」というのがわかりづらかったですね。また、会社ごとに独自のやり方とかもあるので、そのキャッチアップを含めて組織を理解していくのはちょっと時間がかかったかもしれません。
@shingo:なるほど。まだまだこれからメルコインにはたくさんの方が入社する見込みなので、オンボーディングのサポートは強化していきいたいと思っています。対面と非対面のバランスも、個々人に合わせて考えていきたいですね。ちなみに@Nagaiさんはお子さんもいるということですが、仕事とプライベートのバランスは?
@Nagai:いまはありがたいことにリモートで仕事ができるので、ワークライフバランスのコントロールがうまくできるようになりました。朝は7時前くらいに起きて、朝ごはんの準備とか保育園の送り迎え、洗濯や皿洗いをして、10時から19時くらいまでオンラインで仕事をしています。その後、家族で夕飯を食べて、残務があれば仕事を再開する感じですね。
@shingo:働く側が働き方の裁量を持てるようになったのは良いことですよね。僕も子供が3人いて、下の子2人の習い事の送り迎えをしつつ、待っている間にイヤホンをつけてオンライン会議に出席したりしています。メルカリには「Your Choice」という多様な働き方を尊重する制度もあるので、その辺の配慮もありがたいですよね。
@Nagai:制度では、通勤交通費を補助してくれますよね。私は出身地が北海道なので、家族で北海道に引っ越そうかという話も出ています。
@shingo:そうなんですか!実際に家庭の事情で北海道や奈良、鹿児島などに引っ越したメンバーもいますね。
気になる次のバトンは…?
@shingo:最後になるのですが、今回バトン式の企画になりまして次のインタビュイーを@Nagaiさんに選んでいただく形になります。メルコインのメンバーで話を聞きたい人はいますか?
@Nagai:@arakawaさんに話を聞いてみたいです。入社してしばらく気づかなかったのですが、以前同じコミュニティの勉強会に参加していたことがあるんです。NFTやブロックチェーンがすごく好きな人で、Flowの開発コミュニティのリードを担当していたりと個人的にもいろいろ活動している、とても熱意のある人です。1度ゆっくり話してみたいと思っていました。
@shingo:では次回は@Nagaiさんが荒川さんに話を聞いてみましょう。本日はありがとうございました!