ソウゾウに所属するエンジニアたちがインタビュアーを引き継ぎながら、ソウゾウにまつわるさまざまなことについてざっくばらんに話す連載「Souzoh Engineering Cafe」。第2回のインタビュアーを務めるのは、QAエンジニアの@rinaです。
そしてゲストには、@mookjpと@wakanapoの2人のソフトウェアエンジニアソウゾウが登場。それぞれ他のメルカリグループ会社からの異動でソウゾウに入社していますが、実際に働いてみてどのような感想を抱いたのでしょうか。本音を聞きました。
この記事に登場する人
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福田里奈(Rina Fukuda、@rina)QAエンジニア。ソフトハウスの開発でプログラマーとして従事。その後、テストエンジニアに転向。2018年にメルカリにQAエンジニアとして入社。福岡開発拠点の立ち上げ、お問い合わせ対応のCSツールの開発に携わる。QAチームが横断的な活動に主軸を置いてからは、アプリリリースのファシリテートの改善活動や、自動テストを担当。2021年4月よりソウゾウに異動。再びテスト実行も主軸にQA活動を行っている。Twitterはこちら。 -
市原睦美(Mutsumi Ichihara @mookjp)ソフトウェアエンジニア。2019年株式会社メルカリ入社。ソフトウェアエンジニアとして出品機能のバックエンド開発に携わる。2020年3月より株式会社メルペイでメルペイスマート払い等のバックエンド開発ののち、2021年5月より現職。Twitterはこちら。 -
野上和加奈(Wakana Nogami, @wakanapo)ソフトウェアエンジニア(Machine Learning)。2019年にメルカリJPに新卒入社。MLOpsエンジニアとして、写真検索システムの運用、配送サイズ推定システムの開発を担当。2021年4月からソウゾウに移動し、機械学習チームの立ち上げを担当。また、サイドワークとしてD&I Women Community の leadもつとめ、Build@Mercariの運営などを行っている。好物は汁なし担々麺。Twitterはこちら。
ダメもとで異動を志願したら、希望が通った3人
@rina:今回インタビュアーを務める@rinaです。簡単に自己紹介をしますと、現在は福岡に住みながらQAエンジニアとして働いています。よろしくお願いします!では、自己紹介も兼ねてゲストそれぞれの経歴を伺いたいと思います。@mookjpさんからお願いできますか。
@mookjp:私は2019年にBackendエンジニアとしてメルカリJP(JP版メルカリ)に入社して、1年ほどマイクロサービスの設計に携わっていました。その後メルペイに異動してスマート払いの開発を担当した後、2021年からソウゾウに在籍しています。
@rina:どうしてソウゾウに異動しようと思ったんですか?
@mookjp:メルペイで一緒に仕事をしていた@mazeさん(ソウゾウ代表取締役CEO、石川佑樹)から新会社を立ち上げるという話を聞いたんですけど、メンバーに@suguruさん(ソウゾウ取締役CTO、名村卓)もいると知ってなんだか楽しそうだなって。
市原睦美(@mookjp)
@rina:@suguruさんがきっかけ?
@mookjp:そういうことでもないんですけど(笑)。@suguruさんはもともとメルカリJPのCTOを務めていたんですけど、私が入社したときにはすでに異動して接する機会がなかったんですね。でも@suguruさんの同僚から「@suguruさんは面白い!」という話を聞いていたし、@mazeさんはパワフルで勢いがある人だということは以前から知っていたので、魅力的な組織になりそうだなと思ったんです。
@rina:なるほど。
@mookjp:あと、メルカリに転職する以前はいわゆる大企業に勤めていたので、せっかくベンチャー企業に転職するんだったら新規事業に携わりたいと考えていたんです。それもあってソウゾウへの異動希望を出しました。でも、募集人数が限られていたから実現するとは思ってなくて、驚きました。
@rina:@mookjpさんのようにダメもとで手をあげた人ってけっこう多いですよね。私もそうですし。
@wakanapo:わかります。私は新卒でメルカリに入社して、その後はメルカリのAIチームで画像検索機能の維持や改修に取り組んでいました。でも、別のことも経験したいと考えてMLプラットフォームのチームに異動したんですね。その直後にソウゾウが立ち上がる話があって。異動したばかりだから無理だろうなと思いつつ、面白そうだからとりあえず応募しておいたら希望が通ったっていう(笑)。
野上和加奈(@wakanapo)
@mookjp:みんな同じですね(笑)。
ボーディングメンバーと近い距離感で働ける
@rina:実際にソウゾウで働いてみてどうですか? 期待通りでした?
@wakanapo:すごく働きがいのある環境だと思います。メルカリって入社歴に関係なく活躍できるんですけど、メルカリにはシニアクラスのエンジニアが大勢いるから私の出番はないなと思ってしまったんです。その点、ソウゾウはチャンスだらけというか。
@rina:でも、ソウゾウにもシニアクラスのエンジニアが何人もいますよね。
@wakanapo:はい。私のチームは@suguruさん、@dragon3さん、@hiroppyさんの4人構成なので、仕事に入る前はいつもドキドキしています(笑)。とはいえ、みなさん優しいので。
@rina:普通の会社だと新卒看板みたいなものを掲げることも多いから、誰がジュニアかわかるんですけど、メルカリグループってそういうものがないじゃないですか。だから、いい意味でジュニアとかシニアとか関係なく仕事ができるなと思うんですけど、ジュニアにとってはプレッシャーになることもありますか?
@wakanapo:両方ありますね。ジュニアだから許してくださいと思う気持ちもあるし、ジュニアだからってチャンスが回ってこないのはつまらないし。
@rina:そうですよね。私も許されたいなと思うことが多々あるし(笑)。@mookjpさんはそういうことってありますか?個人的にはすごくキリッとしているイメージがあるので。
@mookjp:あまり何も考えていないかな(笑)。
@wakanapo:すごい!
@rina:@mookjpさんはメリカリグループを渡り歩いていますが、他のグループ会社と比較してソウゾウにはどんな印象を持っていますか?
福田里奈( @rina)
@mookjp:メルカリの雰囲気に似ている気がします。でも、もっとカオス。
@rina:メルペイは違うんですか?
@mookjp:メルペイはやることがけっこう明確でしたね。そこはチームによって違うところもあると思うんですけど。私がいたチームではスケジュールもしっかり組まれていて、ソウゾウに比べると不確実性が少なかった印象です。その点、ソウゾウはいろんなことが流動的に決まるケースが多いじゃないですか。数日後に対応する予定だったことを今からやることも多いですし。
@rina:どちらの方が自分の性分に合っていますか?
@mookjp:ソウゾウですかね。
@rina:ファジーに物事が進む分、自分が担当していたプロジェクトがストップしたり、最悪の場合は世に出ないこともあるじゃないですか。そういうことに対して心が折れることはありませんでしたか?
@mookjp:仮説を立てた結果うまくいかないことがわかったとか、決定に至った経緯がわかってさえいれば、自分は納得できるんですよね。
@rina:確かに自分が知らないところで打ち切りが決まってしまうと辛いですけど、話してくれますもんね。
@mookjp:@mazeさんもそうですけど、ボーディングメンバー(経営メンバー)との距離が近いのがいいなと思います。経営方針云々をあまり意識しないというか。みんな同僚のような感覚で働けている気がします。
@wakanapo:@suguruさんも親身に相談に乗ってくれますよね。CTOという肩書きだけで“技術力はあるけど、人間味のない人”みたいなイメージを勝手に抱いていたんですけど(笑)。
@mookjp:コミットログを遡ってみると、ビルドツールとかビルド設定とか、あとメルカリShopsのダッシュボードとか、あったら便利だなと思う機能を@suguruさんが制作していることが多くて。でも、大きく主張することもないじゃないですか。そういう背中で語っていく姿勢がすごく素敵だなと思います。
それぞれの考えるキャリアパス
@rina:続いて、キャリアパスについて聞きたいと思います。実を言うと、私はキャリアに関しては何も考えていないんです。仕事は大好きなんですけど。ただ、夢があるんです。娘が大学生になって留学したいと言い出したら「ママも着いていくわ」と言いたいんですよ。その実現のためには越えなければいけないハードルが2つあって。ひとつがリモートワークの経験。そして、もうひとつが英語。前者はすでに実現しているんですけど、英語が本当にできなくて。6年後には話せるようにしておきたいと思っています。
@mookjp:経験を重ねていくと視野が広がってきて、自分の目の前にある課題はもちろん、組織や仕組みに対しても考える時間が増えてくる気がします。@rinaさんはそういう変化はありますか?
@rina:QAエンジニアって特殊なポジションで。テストの実行がメインの仕事だと思われがちなんですけど、実際はサービスやプロダクトをリリースするために変な引っ掛かりをなくして滑らかにしていくのが役割だと思っていて。だから、いろんな視点で物事を見ている人が多い気がします。その興味がどこに向かうの違いだけというか。プロダクトなのか、プロジェクトなのか、組織なのかっていう。
@mookjp:でも、メルカリのQAエンジニアはやることが多岐にわたるじゃないですか。テストケースを設けてクオリティを担保するのはもちろん、仕様に関する知識の豊富さを活かして相談役になることもありますよね。みんな、いろんなことをしていてすごいなって。
@rina:興味のあることによって動き方も変わるかもしれないですね。ログを見るのが好きな人もいれば、通信状況を見るのが好きな人もいるし。でも、それってソフトウェアエンジニアも同じですよね。@mookjpさんも@wakanopoさんも肩書きとしてはソフトウェアエンジニアだけど、取り組んでいることは違うだろうし、ただ仕様通りに設計すればいいとは考えていないと思うんです。
@mookjp:そうですね。仕様の草案はプロダクトマネージャーやデザイナーが持ってくるんですけど、「何をすればいいんだっけ?」とか「何を持って効果を立証するんだっけ?」みたいな話をしていくなかで作るものが変わることもあります。なかには「いや、これはやらないほうがいい」と反対意見を出す人もいますし。特にソウゾウはそういう傾向が強いですね。
@rina:言われたまま作業をするのではなく、お客さまにとって必要なことは何かを考えて行動できるかどうかなんですよね。少し話が脱線しましたが、2人は今後のキャリアパスについてどう考えていますか?
@mookjp:私はインディビジュアル・コントリビューターになりたいと考えています。でも、そのときどきで人の興味・関心は変化するので、何か大きな出会いがあったら違う道に進むかもしれないですよね。そもそも学生の頃はWebデザイナーになりたかったですし。
@rina:そうなんですか!
@mookjp:でも、当時はSEO対策をするとなったらコーディングに細かなテクニックが必要で。それでHTMLだったり簡単なプログラムを一生懸命いじっていた結果、いつの間にかデザインよりもプログラミングのほうが面白くなっていて。だから、マインドセットを変えるような出来事があったら変わっちゃうんだろうな。
@rina:確かに未来ってちょっとした出会いとかで変わったりしますもんね。すごく素敵な話。では、@wakanapoさんはどうですか?
@wakanapo:私はマネジメントの方に進みたいなと考えています。技術を身につけるのも楽しいんですけど、それ以上に人を育ててみたいなって。
@rina:私が@wakanapoさんくらいの年齢の頃は、マネジメントに興味ある人って少なかったからすごく意外。みんないかに自分の技術を磨くのかにフォーカスしていた気がします。
@mookjp:うん。ジュニアの頃は誰よりも早く、誰よりも品質のいいものを作ってやるっていう気概で取り組んでいましたもん。腕試しがしたいというか。
@wakanapo:それでいうと、私が育てたエンジニアが活躍してくれたら、育ての親である私もすごいってことになるじゃないですか。それがいいなって。
@rina:すごい。当時はそんな考えに至らなかったなあ…。
@mookjp:自分より経験値のある人が多い環境だと、自分がサポートする側になるという思考になりにくい気がするので、@wakanapoさんのような発想ができるのがすごいですよね。
@wakanapo:ありがとうございます。
@rina:すごく楽しいのでもっと話したいのですが、そろそろ終わりの時間が迫ってきているのでここで締めたいと思います。この「Souzoh Engineering Cafe」はインタビュアーをバトン形式で引き継いでいくことになっているので、次回は@wakanapoさんにお願いしようと思います。最後に何か言い残したことはありませんか?
@mookjp:仕事中は業務的な話しかしていなかったし、雑談は雑談で今日食べたものの話とかばかりだったので、こうやって違う形で仕事に対する考え方を聞けたのがよかったです。本日はありがとうございました。
@wakanopo:私も@mookjpさんが言ってくれたことそのまんまの気持ちです。楽しかった。
@rina:私もいろんな話が聞けてよかったです。ありがとうございました!