2021年10月15日、メルカリグループ(メルカリ・メルペイ・ソウゾウ)に所属する5名のUXリサーチャーで初めての公開オンラインイベント「UXリサーチ最近どうしてる?〜UXリサーチ談義〜」を開催しました。
イベントは、「メルカリ・メルペイ・ソウゾウそれぞれのUXリサーチの違い」「メルカリグループでリサーチをする面白さ」「UXリサーチャー同士の協働・横のつながり」「UXリサーチャーってどういう人?」「新たにUXリサーチャーとして迎え入れたいのはどんな人?」というテーマに沿ってメンバーが自由に談義しました。
この記事では、当日繰り広げられたトークの内容や、和気あいあいとしたイベントの様子をお届けします。
この記事に登場する人
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上田 葵(Aoi Ueda、@chanu)大阪府立大学現代システム科学域卒、社会学専攻。大学在学中、Life Is Tech!にて学生向けプログラミングキャンプの運営、Yelp, Inc.にて、日本法人の立ち上げに関わる。その後、トビタテ!留学JAPANの派遣留学生としてニューヨークに渡り、日本茶の市場調査を行う。帰国後、2018年秋にメルカリにPMとして新卒入社し、その後UXリサーチチームを立ち上げる。現在ではUXリサーチャーとして、組織内の調査設計や実施、分析、UXリサーチができる体制や仕組み作りを行っている -
川口世人(Tsuguto Kawaguchi,@Tsuguto)首都大学東京(東京都立大学)修了、社会行動学専攻。在学中は貧困や外国人をテーマに質的研究を行う。修了後、マクロミルに入社。データの集計解析/新商品開発部門を経て、新規部門の立ち上げに携わる。2020年にメルカリグループに入社し、現在メルカリ(JP)でデータ分析とリサーチ設計を担当。 -
草野孔希(Koki Kusano、@keiny)電気通信大学大学院修士課程修了後、通信事業会社の研究所に入社し、デザイン方法論の研究および研究知見を活用したコンサルティングに従事。同時に社会人博士として慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科にて博士後期課程を修了 博士(SDM学)。2018年11月にUXリサーチャーの1人目としてメルペイに入社し、UXリサーチを活用したサービスデザインに取り組む。 -
安川ゆうき(Yuki Yasukawa、@peach)ソウゾウ Designer/UXリサーチャー。チームラボへ入社後、WEB・アプリ・デジタルサイネージのUIデザイン・イラストを担当。その後、Goodpatchに入社。デザインプロセスを使ったWEB・アプリデザインや、量的・質的調査を用いたプロトタイピングの仮説検証を行う。2018年にメルカリグループに入社し、現在ソウゾウでプロダクトデザイン、UXリサーチを担当。 -
松薗美帆(Miho Matsuzono、@mihozono)国際基督教大学教養学部卒、文化人類学専攻。リクルートジョブズに新卒入社し、人材領域のデジタルマーケティング、プロダクトマネージャーに従事。リクルートテクノロジーズに出向し、UXリサーチチームの立ち上げに携わる。2019年よりメルペイにてUXリサーチャーとして、新規事業立ち上げやUXリサーチの仕組み作りなどに取り組む。北陸先端科学技術大学院大学博士前期課程に社会人学生として在学中。2021年、著書『はじめてのUXリサーチ』を出版。
各社のUXリサーチチームの似ているところ・違うところ
@mihozono:まずみなさんに聞きたいのが「普段何している?」から。メルカリの@chanuさんはどうですか?
@chanu:私は普段、PMの方などから「リサーチをやりたい」と相談を受けてその内容をヒアリングし、適切な手法や設計を行う業務を主にしています。直近では@Tsugutoさんと一緒に進めるプロジェクトが増えてきて学ぶことも多く、業務の幅が広がりつつあります。
@mihozono:ありがとうございます。メルペイの@keinyさんはいかがですか?
@keiny:最近は採用が始まったので、いろんな方とカジュアル面談をできるのが楽しいなと日々感じています。とはいえ普段の業務があるので、どうやってバランスをとっていこうかと悩みつつなんですが。
@mihozono:たしかに、採用も自分たちでやるところは、メルカリの特徴かもしれないですね。では、@peachさんはソウゾウで何をしていますか?
@peach:私はデザイナー兼リサーチャーなので、基本的にはデザインをやっていることが多いです。そしてこれはソウゾウの特徴だと思うんですが、リサーチャーにも自走することが求められています。お客さまがつまづいているかもしれないところを見つけたら自分たちでアンケートを作ったり、インタビューを設定したりします。今日も@Tsugutoさんに相談しながらアンケートを作っていました(笑)。
@mihozono:困ったら@Tsugutoさんに相談しちゃいますよね(笑)。ちなみに@Tsugutoさんはアナリスト兼リサーチャーとして、メルカリでどう働いているんですか?
@Tsuguto:ちょうど今はアナリストとリサーチャーの業務が半々くらいになっていますね。アナリストとしては、エンジニアやデザイナーなどもいるプロダクト開発チームに所属。一方で、リサーチャーの動きもしている感じです。チームでは、ゼロからリサーチをして「どういう機能があったらいいのか」を定量・定性の両方から見たうえで、実装する機能を選択してデザインを決め、チーム全体で動きます。あとは、チーム以外のメンバーから寄せられるリサーチの相談に乗ったり、重要なものであれば@chanuさんと一緒に長い期間をかけて動いたりすることもあります。
@mihozono:なるほど。面白い動き方ですね!
@keiny:ちなみに、@mihozonoさんは最近何をしているんですか?
@mihozono:私ですか?なにしているんですかね~。採用イベントをいっぱい企画していますかね(笑)。
(一同笑)
@mihozono:あと、私も最近はアンケート調査が多いので、@Tsugutoさんを頼りにさせてもらいながら何とか進めています。
@keiny:新しい事業を作るところに関わるリサーチも多くなっています。UXリサーチチームのできる業務の幅が広がってきている感じがありますよね。
@mihozono:そうですね、2年前とはだいぶ変わったなと感じます。
メルカリグループのUXリサーチは事業会社ならではの面白さがある
@mihozono:では次に「リサーチの進め方」や「役割分担」に絡んだ話を聞きたいです。@peachさんはデザインとリサーチをどう進めていますか?
@peach:ソウゾウのリサーチでは“誰かに依頼される”という文化がないので、“提案型のリサーチ”をすることが多いんです。例えば、数値が悪いところを改善しても良くならなかったときに「おそらく問題はここじゃないな」と思ったら、「リサーチをしてみませんか?」と提案し、設計からインタビュー、分析まで一貫して行います。そのときに、CSやBizDev、PMの方たちも一緒にモデレーターをやってくれることもあります。
@mihozono:いい文化ですね!では@chanuさん、メルカリだとどうですかね?
@chanu:メルカリでもソウゾウのように、PMの方がモデレーターをしてくれたり、エンジニアやデザイナーの方がインタビューの様子を一緒に見てくれたりと、複数のメンバーが一丸となって進めている印象です。「まかせっきりのリサーチ」はほとんどなく、どちらかというとリサーチャーがチームに伴走しているところが多いと思っています。
@mihozono:ソウゾウとメルカリは進め方が似ているんですね。@keinyさん、メルペイではなにか違うところはありますか?
@keiny:メルペイだと、2週間に一度UXリサーチをする体制です。なので、そこにさまざまな案件が持ち込まれるのは特徴の1つですよね。それが社内でUXリサーチチームのことを知ってもらうきっかけにもなっていると思います。そして実は、UXリサーチチームはメルペイが最初に立ち上げ、その文化や仕組みがメルカリやソウゾウに展開されているのも特徴かもしれないです。
@Tsuguto:僕たちメルカリのUXリサーチチームも、メルペイで実施されているUXリサーチに相乗りさせてもらうこともあります。やっぱりグループ全体でやると、効率が上がる実感はありますよね。
@mihozono:似ているところもあれば、文化などが違う部分もあるんですね。
次は「メルカリグループでリサーチをする面白さ」です。昨年メルカリに入社した@Tsugutoさんは、メルカリのUXリサーチのどこに惹かれたんですか?
@Tsuguto:僕は前職でクライアントワークをしていましたが、自分が行ったリサーチや結果を分析したデータが最終的にどう使われているか不明瞭だと感じていたんです。これはクライアントワークをしている方に共通する悩みかもしれないですけど。メルカリに入社したのは、自分の分析結果が実際にアクションや成果につながるところまで見られるのが、事業会社のUXリサーチのいいところだと思ったからです。
その一方で、クライアントワークでは「クライアントが求めているから」という魔法の言葉があるんですが(笑)。メルカリのような事業会社だとそれが通じない。自分が主導で行ったリサーチが施策につながらなかったり、つながったとしても成果が得られなかったら「市場に通じなかった」という評価になる。そういった“市場に試される”ところが、メルカリグループでリサーチをする大変さでもあり面白さだと思っています。
@mihozono:@peachさんも、前職ではデザインコンサルをしていましたよね?そのあたりどうですか?
@peach:私も前職はクライアントワークだったので、@Tsugutoさんと全く同じことを思っていました(笑)。前職ではデザインやUXリサーチ的なことを兼務していたんですけど、クライアントワークでは、自分が作ったデザインがその後どういう成果につながったのかを確認するのは難しい。「クライアントが求めている美しいデザインができた」と思っていても、そのあとの細かいチューニングまでは関われないので、そこをもう少しやりたいなと感じていました。メルカリグループのアプリは、お客さまもすごく多くて影響力が大きいので、そこに加わってみたいなと思ったんです。
@mihozono:クライアントワークならではのもどかしさがあるんですね。@keinyさんは、もともと研究所にいたというユニークなキャリアだと思うんですが、そこからメルカリグループに入った経緯を改めて教えてください。
@keiny:僕は良いデザイン方法を実践して、世の中に価値を生み出すことにチャレンジしてみたかったんですよね。それをやるときに、メルカリというCtoCマーケットプレイスに魅力を感じました。さらにメルペイを立ち上げるという事業フェーズ的なチャレンジにもすごく関心があったんですよね。会社のミッションやバリュー、お客さまを大切にするという考え方にも共感していたし、自分がチャレンジしたいことが組み合わさっていたので、メルペイにいた知り合いに話を聞きに行きました。そうしたら「採用に応募してみれば?」と勧められて、いつの間にか入社していましたね(笑)。
それぞれが感じる、UXリサーチの「楽しさ」「難しさ」
@mihozono:みなさんが思うUXリサーチの「楽しさ」や「難しさ」も聞きたいです。@chanuさんはいかがでしょう?
@chanu:私はPMをしていたとき、自分の企画したものを数字として効果を知ることはできても、実際にお客さまがどう感じているかまで知る機会がなかなかなかったんです。リサーチャーになってからは、今度は逆にお客さまと接する機会がすごく増えたので、生で反応を見られるのが毎回楽しいですね。実は、私の実家が農業をやっているので、メルカリに入社してからずっと「農作物をもっとメルカリで売りたい」という想いがあったんです。私のスラックネームの「@chanu」の「cha」はお茶の茶なんです(笑)。最近では、メルカリを利用してくださっている農家の方にインタビューをする機会があり、自分のやりたかったことができているので、やりがいを感じています。
@mihozono:@chanuさんのSlackネームにはそんな意味が込められていたんですね!では、次のいい話を@Tsugutoさんから(笑)。
@Tsuguto:(笑)。僕は自分のリサーチが施策につながるときが一番楽しいですね。同時にその難しさも毎日痛感していて、気を抜くと抽象的なレポートを書いてごまかそうとしちゃう自分がいるんですけど(笑)。それだとPMの方からすれば、どういったアクションを取ればいいか判断ができないので、レポートを書くときは解像度を深く分析して提案するように気をつけています。
そして@chanuさんも話していましたが、農作物や飲食物分野のログの分析、UXリサーチを行いました。僕も東京・三鷹市のある農家さんに実際にお話を聞きに行ったり、オンラインでインタビューをさせていただいたりしました。農家さんの生産プロセスの中にどういう形だったらメルカリが入れるのかを分析していたんです。実際にそれが機能に反映されたときはすごくうれしかったですね。ただ、飛び込みの訪問も多かったので、けっこう断られたりもしましたけど(笑)。
@mihozono:農家さんのリサーチは面白そうですね。意外と泥臭さもあって(笑)。じゃあ、@keinyさんはどうですか?
@keiny:私たちのチームの場合は「こういう案件があるんだけど」と相談を受けることが多いので、リサーチを組み立てるところから関わっていくことができる。また、事業の立ち上がりのときには「調べるところから一緒にやってよ」と声をかけてもらうこともあります。そういった段階から関わっていく中で、リサーチを通して新しい発見や学びがあるのはすごく楽しいです。自分が調査した結果を周りにもシェアしていくことで、みんなの学びが増えて、会社全体の創造性につながっていきますし。
何より黙々とデータを分析している瞬間も楽しいです(笑)。いろんなミーティングに呼ばれる機会も多いので、「もっと分析したいのにな」って思うことも多々あります(笑)。
@mihozono:カオスなミーティングでは、つい@keinyさんに頼ってしまいます(笑)。そういう点で、@keinyさんはリサーチャーの範囲を広げているのだと感じます。@peachさんはどうですか?
@peach:私はリサーチのほかにもデザインやプロダクトに近い“つくること”をやっているので、それが全然お客さまに響いてなかったときがむしろ気持ちいいんですよ(笑)。社内でも「これは絶対お客さまが求めているよ!」と温度感が高かったのに、実際にリサーチしてみたら全然お客さまに響いていないこともありましたし(笑)。
何がいいのかというと、「響いていなかった」を受け止められる自分になったことがうれしいんです。デザインをメインでやっていたときは辛かったんですけど、今は「先にリサーチして良かったな」と考えられるようになりました。おかげで、デザインも一段と楽しくなりました。ソウゾウならではだと、事業者さんにインタビューする機会が多いので、「(より多く利用するために)メルカリShopsを良くしたい」という強い思いをお聞きしていると学びや楽しさがあります。
@mihozono:「難しさ」「辛さ」の話が出てこなかったですが(笑)。みなさん、楽しんでいるってことですね。
会社を越えたリサーチャー同士の連携も多い
@mihozono:次は、会社を越えた「リサーチャー同士のつながり」についてお話していきたいです。普段、業務ではみなさんどう協働しているんでしょうか。
@peach:まず、メルペイのお2人に感謝をしたいです(笑)。もともとソウゾウのUXリサーチチームはリサーチャーがいない状態だったので、ゼロから作り上げなきゃいけない不安がありました。だから、メルペイでUXリサーチチームを立ち上げた@mihozonoさんと@keinyさんにすごく相談していたんです。週次でリサーチを回すとか、アンケートを配信する手順とか、メルペイで取り組んでいた仕組などの記録があったから、ソウゾウの立ち上げのときにその恩恵が受けられました。すごく感謝しています。
@mihozono:うれしいお言葉…!
@keiny:ありがとうございます!あと、「連携」と言えば勉強会じゃないですか?
@mihozono:勉強会は@Tsugutoさんと@chanuさん中心に、全4回行いましたね。通常の社内勉強会や、メルペイでは「UX Research Academy」という研修プログラムで一緒にコンテンツを作ったり。
@Tsuguto:そこの連携がスムーズなのは、すごくやりやすかったですね。
@mihozono:そう考えると、リサーチャーは会社を越えて連携することが多いかもしれないですね。スキルアップのところでは、@chanuさんと@keinyさんと私で、今まで身に着けたスキルの棚卸などを一緒にする「リサーチスキルワークショップ」を四半期や半期に一回やりました。今度は@peachさんもぜひ一緒にやりましょう!
@keiny:あと、メルカリグループはチームビルディングしやすい環境を会社として予算をかけて整えているのが大きい特徴ですよね。“人のつながり”みたいなところに、価値を感じて大事にしているなと思います。
UXリサーチャーは“お客さま主体”で考えられる人
@mihozono:次は「UXリサーチャーってどういう人?」について。一般的なものでもメルカリグループならではでもいいです。まずは「アナリストとの違い」を@Tsugutoさんにお聞きしたいです。
@Tsuguto:アナリストとUXリサーチャーは“スタンス”が大きく違うと思っています。アナリストは「仮説・検証」のプロセスが多いですが、UXリサーチャーは「仮説の構築や深堀り」を考えることが多い。僕の場合、アナリストとして仮説を作る場合は、データを見て「自分だったらどう考えるか(何故なのか)」と自分を主体に考えていく。しかし、UXリサーチャーとして考える場合はお客さまの考えを傾聴したうえで「お客さまが何を求めているか」といった違いがあると感じています。
@mihozono:その2つを一緒に組めると、もっとよくなりそうですよね。じゃあデザイナーとの違いは、@peachさんはどう思いますか?
@peach:デザイナーは幅が広いので、すごく難しいんですけど。私は「デザイナーの中でリサーチスキルを持っている人」「リサーチはお任せしてデザインだけをやる人」に分かれていると思っています。私としては、自分がデザインだけをしていたときと比べると、リサーチもしたことで視野が広がった気がします。リサーチをすると、お客さまが使い始める前後まで考えることになる。だからデザイナーとしてリサーチができると、もっと視野が広がって深まるんじゃないかなと思いますね。
@mihozono:なるほど、ありがとうございます。では続いて「バックグラウンド」について。たまたまかもしれないけど、社会学とか文化人類学を学んでいたのが@Tsugutoさん、@chanuさん、私だったんですが、みなさんはリサーチに活きている部分はありましたか?
@Tsuguto:僕は大学院で社会学を専攻していたのですが、調査のお作法とかを学んだのは、そのまま生きています。僕にとって社会学は「理論と事象とを行き来する学問」だと理解しているんですけど、UXリサーチやアナリティクスも“事象からその裏側にあるメカニズムが何なのかを探しに行く”という点では、やっていることはかなり近いのかなと感じていますね。
@mihozono:性質が似ている部分があるんですね。逆に工学系は@keinyさんだけだと思うんですけど、どうですか?
@keiny:僕はヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)という工学系の分野で研究していました。コンピュータと人との間のインタラクション(相互作用)を新たにデザインして、その妥当性を確認するという研究分野なんです。そのプロセスが意外とデザイナーと近いなと思います。“作って試して、それがどうなるのかを評価して”を繰り返していましたね。そういう感覚は今の仕事でもずっと活きているし、デザイナーやPMの方と一緒にお仕事をするときも相手の感覚がわかるところもあります。
一方で、研究は直接的に事業に役に立つことも大事ですが、それよりも新しい発見に重きが置かれるので、そこに対する追求や探求のために、今の職場でのリサーチよりもだいぶ長い時間をかけていましたね。
@mihozono:たしかに、時間軸は違いそうですよね。あとは「向き不向きを感じるところ」があれば聞きたいんですが、@chanuさんはどうですか?
@chanu:正直、UXリサーチャーになる前まで「自分は向いてない」と思っていたんですよ。もともとめちゃくちゃ人見知りで「インタビューなんて絶対無理!」と思っていたので。だけど蓋を開けてみれば、UXリサーチャーになりたてのときに“100本ノック”のように、何百人という方のインタビューに同席・実践するうちに、気づいたらお客さまとの会話を楽しめていたんです。それが本当に自分でも目から鱗というか。
だから私のように人と話すのが苦手な方でも、楽しさや新しい観点はあるのかなと思いますね。あとこれは私の性格なんですが、興味の範囲が広いんです。研究者の方もそうだと思うんですが、気になったことを調べたくなる・知りたくなる知的好奇心が強い方は、UXリサーチャーは発見の連続なので合う気がします。
“ミッション・バリューへの共感”を軸に、柔軟な考え方ができる仲間を募集中!
@mihozono:それでは最後のトークテーマになるんですが、みなさんは「どんな方がメルカリグループに加わってほしい」と思いますか?「こんな人が合いそう」、逆に「合わなそう」などあればお聞かせください。あとは、これから「一緒にやりたいこと」や「野望」もぜひ。
@keiny:ミッションやバリューに共感できることがすごく大事かなと思っています。だから「リサーチスキルを活かして何かしたい」だけだと、もしかしたら楽しめないかも。たとえ平凡なリサーチだったとしても、ミッションの達成に近づくためなら全力で取り組めたり、自らを柔軟に変えて動けたり。バリューとミッションが軸になって、柔軟だけど芯が通っている働き方を「楽しい」と思える方が、チームに加わってほしいです。
@Tsuguto:僕は、杓子定規の考え方だと合わないのかなと思います。僕も入社して驚いたんですが、メルカリグループってめちゃめちゃカジュアルだし、状況の変化もスピーディーなんです。だから状況に合わせて柔軟に自分を変えられる方が合うんだろうなと思います。また、これからのメルカリでは、アナリティクスの領域とUXリサーチの領域を統合して、1つの成果につなげていきたいなと思っています。野望としては、アナリティクスからリサーチまで一気通貫で行った結果、ちゃんと施策に落とせること。そういうことをやってみたい方と、ぜひ一緒に働きたいです。
@peach:私は、お客さまのことを考えて自分のデザインやリサーチをすぐに変えられる柔軟さが求められると思っています。いい意味で柔軟で、いい意味でプライドを捨てられる方ですね。あとはこれからの野望だと、ソウゾウではUXリサーチだけではなく、デザインとUXリサーチができる方、もしくはデザインができてリサーチもやってみたい方、PMとリサーチをやってみたい方をたくさん仲間にしたいです。そしてデザインでもPMでも、“みんながリサーチスキルを持てる”チームや会社にしていきたいと思っています。
@chanu:私もみなさんと同じで、スキルが高くても、メルカリグループのバリューやミッションに共感できないと難しいのかなと思っています。でも逆に、一緒にそこに情熱を注げる方であればぜひ仲間に入っていただきたいです。これから一緒にやりたいことや野望は、現状メルカリでは現場からの相談を受けて、それをヒアリングしてリサーチすることが業務の半分以上を占めている状態なので、そこを一緒に取り組める仲間をもっと増やしていきたいと思っています。そして長期的に時間をかけて、1つのテーマをリサーチするテーマ探求型・探索型のリサーチもさらにやっていきたいです。時間はすごくかかりますが、その分楽しさがあるし、分析したデータがちゃんと組織に貢献できるというやりがいも大きい。そのために、メンバーも少しずつ増えていくといいなと思っています。
@mihozono:意外と知らないお話がたくさんでした。みなさん、本日はありがとうございました!