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メルカリPRは「長距離走と短距離走が同居する」 kakeLu×メルカリPR担当メンバーが明かす、その特徴

2022-3-25

メルカリPRは「長距離走と短距離走が同居する」 kakeLu×メルカリPR担当メンバーが明かす、その特徴

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メルカリが目指すビジョンや世界観、サービスの価値を広く社会に伝える役割を担うメルカリプロダクトPR(以下、メルカリPR)。そんなメルカリPRを4年以上前から支えているのが、PRパートナーであるkakeLu(カケル)です。

4年以上前から…ということは、メルカリが上場する前からお付き合いがあるPRパートナーということになります。kakeLuのみなさんは、メルカリPRをどう捉え、伴走してきたのでしょうか?そして、外部から見ているからこそ感じる「メルカリPRの課題」は?

今回は、PRパートナーのkakeLuの畑 雅人さんと山崎大裕さん、そしてメルカリPRの韓による鼎談を実施。それぞれの立場で今感じていること、メルカリPRの特徴を話し合ってもらいました。

※撮影時のみ、マスクを外しています

この記事に登場する人


  • 畑 雅人(Masato Hata)

    2003年、新卒で広告代理店に入社。その後、事業会社にて新食の事業立ち上げに従事。同商品が日経トレンディ年間ヒットランキングに入賞したことをきっかけにPR業界へ。その後、PR会社にてメディアチームの責任者を経て2008年よりフリーランス。2010年に株式会社カケルを立ち上げ。大手企業からスタートアップまで、幅広い規模と業種における企業やサービスのPR支援を手がける。


  • 山崎大裕(Tomohiro Yamazaki)

    広告代理店や印刷会社での営業を経て、2017年に株式会社カケルへ入社。アプリ、toBソリューションなど、サービスのPRを主に担当。目的達成に必要なファクトの設計支援のほか、調査やステークホルダーになりうる企業との協業実現に向けた交渉等、ファクトの創出に関する実働支援、報道・バラエティ・新聞・WEBメディア等へのプロモート活動を行う。


  • 韓 昇勲(Sunghun Han)

    大学から日本に在留し、12年目。2014年より新卒でベクトルに入社。PR会社プラチナムで、3年ほどTVプロモーターとして、報道番組含めて、年間約20本以上のOA獲得。その後、コンサルタント業務とメディアプロモーターリーダー業務を2年間担当し、メディアでの露出を逆算した企画作りを主に担当。メディアプロモーターリーダーとしては、メディアチームの立ち上げや30人のチーム運営。2018年12月より、フリマアプリ「メルカリ」のPRとして入社。2019年7月から2年間スマホ決済「メルペイ」PRも兼務。 メルカリでは、マーケ連携含めて大型バラエティ番組の露出や、オフライン企画を主に実施。


メルカリPR最大の特徴は「目標が遠い位置にある」

:kakeLuさんとはもう4年以上のお付き合いになります。普段から定例会やSlackでもコミュニケーションさせてもらっていますが…今日はそんなkakeLuさんから「メルカリPR」への印象を聞きたいです!

:ありがとうございます!メルカリPRの印象をひと言で表すのはなかなか難しいのですが(笑)。1つ言えるのは「PRとしての目標の置き方が遠い」でしょうか。

畑 雅人(kakeLu)

:目標が遠い?

:前提として、僕らのようなPR代理店から見て、メルカリさんのようにPRにパワーを費やしている会社はめずらしいんです。言い換えると、企業としてPRを非常に重視している組織体制だとも思います。多くの企業が「どれだけメディアに取り上げてもらえるか」といった短期的成果に重きを置きがちだったりするんですが、その先まで見据えてPRに取り組んでいるんです。

だからこそ、メルカリPRの目線は高い。PRとして「メルカリが実現したい循環型社会を伝える」を目指し、その姿勢が短期・中長期関わらずすべてのアクションにも反映されています。ここは、メルカリPRの特徴的なところだと思っています。

山崎:僕も同意見ですね。PRの力を信じている組織でもあるので、PRチームに限らず、他チームにも「PRとうまく連携して、効果を最大化したい」という考えが根付いているのではと思います。おかげで、メルカリさんの場合はPRチームにさまざまな情報が集まりやすくなっているんですよね。

山崎大裕(kakeLu)

:そう言ってもらえてありがたいです。確かに、メルカリはPRとしての目標の置き方が足元だけでなく、より中長期を意識しているかもしれないですね。

山崎:そうですね、同時に「この施策の目標設定は合っているんだろか?」という迷いも常に発生するわけですが(笑)。

:そうそう!最終的なゴールは明確だけど、そこへ辿りつくまでのルートが無限にあるから「フリマアプリの楽しさを伝える観点ならこうすべき」「サステナブルな観点ならこうすべき」など、僕らもいろいろ話し合ってきましたよね。誰かが進んできたルートを行くわけではないので、答えがない分、中間のゴール設定がめちゃくちゃ難しい(笑)。毎回まったく新しいルートを作り続けている感覚も強いです!

山崎:世の中ごととして情報設計ができるので、これまでにあまりないPRの視点でものごとを考えられるところもメルカリさんならではと言えますね。

「売れる福袋」「グリーンフライデー」「メルカリ総研」

:kakeLuさんとご一緒したPR企画には思い出深いものも多いです。例えば、2020年に実施した「売れる福袋」。これは「購入した福袋の中身をお店の前で物々交換する」文化を、東京にあるSHIBUYA109でポップアップで展開したもの。けっこうチャレンジングな企画だった記憶です。

韓 昇勲(メルカリプロダクトPR)

山崎:企画のテーマは「売る前提で物を買う」といった消費行動を、実店舗や商戦を使ってわかりやすく可視化し、楽しんでもらうことでした。そのアイデアのもとにしたのが、韓さんが先ほど話した「購入した福袋の中身をお店の前で物々交換する」文化です。

:当時「これを買っておけば、あとから〇〇円で売れるからお得」といった商品の買い方を消費行動のなかで習慣化させたかったんです。福袋自体が毎年ニュースで取り上げられる内容でもあったので、初売りのタイミングは逃さないようにしましたね。その結果、僕らと韓さんは設営などの準備で、年越し・正月をともにしたことも思い出深いです。

:懐かしい!このときは、「メルカリで売る体験」の訴求を強化した時期でした。その要素に加えて「循環型社会」のテーマがもう少し濃くなった企画が、2020年、2021年に実施した「グリーンフライイデープロジェクト」です。2020年に初めて実施したときには、ファッションショー仕立てで、「新作ゼロのファションショー」という企画で実施しました。当時は、グリーンフライデーという概念が日本には馴染んでいませんでしたし、初めての試みも多く、正直どうなるかわからなかった…!

山崎:グリーンフライデー自体はヨーロッパなどですでに認知はあったものの、まだ日本国内では取り組んでいる企業がなかったんですよね。どこまで受け入れてもらえるかは、僕らにとっても未知数でした。オフィスのイベントスペースを使ったランウェイづくりも大変で(笑)。かつ、期間が短かったので、毎日のように韓さんたちに電話しながら、突貫でしたが完遂させました。

:施策ごとにその裏側にはいろいろな目標や狙いはありますが、振り返ると、それがどんどん変化していますね。「グリーンフライデープロジェクト」のときは、ブラックフライデーが日本で定着し始めていた。でも世の中は「持続可能な社会」に向けてステージが変わっていくという兆しがあったため、改めて取り組みとして可視化したところがあります。

グリーンフライデーの様子

:それこそ、福袋やグリーンフライデーは2018年にスタートした「メルカリ総合研究所(以下、総研)」での調査やデータがあったから実現につながりました。

山崎:ちょうど今、僕は総研にも関わらせてもらっています。総研ではそれまでのフリマアプリの「お小遣いを得る」という便益だけではなく、商品が「売れること」「売ることで人の役に立てること」「コミュニケーションを取れること」の楽しさなど、フリマアプリのあらゆる便益をデータで可視化。ここから得られる知見は多いですね。

:これは2次流通の中心となっているフリマアプリを最前線で引っ張ってきたメルカリさんだからこそ、その動きをさらに広げるチャレンジとして、いろんな可能性を深堀りしていけるんだと思います。

グループ会社が続々と登場したからこそ「面」のPRを

:紹介したもの以外でも、大型テレビ企画やメディア企画などkakeLuさんと一緒に二人三脚で実現したPR企画も多かったですね。振り返ってみると、kakeLuさんには本当にたくさんの、それもさまざまなPR企画で連携してもらって感謝が尽きないです。

だからこそ、畑さんや山崎さんが感じている「メルカリPRの課題」も知りたいです!

:メルカリさんはこれから、さらにサービスが多様化していくフェーズにあると感じています。その中でメルカリPRでは、グループ同士で足並みを合わせて連携しながら、「点」ではなく「面」で伝えていくことが大事。というのも、メルカリさんはメルペイをはじめ、メルコインやソウゾウ、メルロジなどさまざまなグループ会社が誕生しています。それぞれでPR企画を進めていくことになりますが、バラバラの動きになっていては非常にもったいない。

サービスが増えたからこそ、ワンチームになることや横の連携がより必要になります。「循環型社会」というテーマに向けて、メルカリさんが作ろうとしてる世界観、エコシステムをどのように見せていくかを意識したいですね。

山崎:今までは、「不要品を売る」というビジネスのスキームを持っているからこそ、メルカリさんの発信で消費者に対して「循環型社会」への価値提供ができていました。今後はメルカリが主語での発信だけでなく、メルカリというサービスを第三者が活用した文脈での発信も新しい活用の仕方になると思います。例えば、他企業がメルカリを使ってサステナブルな活動をしていることを発信するなどですね。それこそ、メルカリShopsが誕生した今だからこそ、他社と手を取り合える可能性があります。そういったシナジーも、どんどん生み出せるといいと思っています。

:お2人が言うように、今までとは違った戦略が、これからのメルカリPRには非常に大事なフェーズだと僕も思います。

そのなかで未来へのビジョンや中長期的なビジョンなどの事業が発信したいメッセージと、お客さまが受け取りたいメッセージはどうしても異なるポイントが出てきます。そこでどうバランスをとるかが課題ですね。メルカリが目指すゴールへ突き進みながら、お客さまにしっかり寄り添えるよう、引き続き模索していきたいです。

短距離走と長距離走が同居するメルカリPRの面白さ

:最後にちょっと言いたいことがあるんです。僕、kakeLuさんとのやりとりで「今は実現が難しいかもしれないけど、こういったことも考えました」と、ボツ案も一緒に提案いただくところがいつも面白くて。

畑・山崎:(笑)。

:タイミングによっては、ボツ案が一番刺さってそのまま実行することもありえるので(笑)。そういったコミュニケーションをしながら企画を形にできるところが、とても助かっています。

:逆に「ボツ案だろうな」と思いながらも視点や可能性を広げるために提案することがありますからね!だから我々は、メインの提案の中にしれっとボツ案を入れて…。

山崎:ボツ案も真面目に考えているんですよ!

(一同笑)

:やはり、PRは楽しんでやりたいですよね。自分自身も楽しみながら、「メルカリ」の素直な楽しさをたくさんの人に伝え続けていきたいです。

:楽しいことをやるほうが、モチベーションも上がりますよね。「売れる福袋」も「グリーンフライデープロジェクト」も、企画〜実施まで大変ではありましたが、振り返ってみると「やはり楽しかったな〜」と思いますし。

山崎:企画が形になるプロセス自体を楽しんでいましたよね。先ほども話したように、メルカリPRの難しさは最終的なゴールが遠い位置にあること。そのためのルートを新たに作り出さなければならない。それさえクリアできれば、得られる成果も大きいです。難しさゆえの楽しさがありますよね。

:そこを楽しめる方であれば、メルカリPRはめちゃくちゃ面白いと思います。短距離走をしながら、長距離のマラソンも同時にする感覚というか。その中で、視野が狭くなり足元だけを見てしまい、「これは何のためにやっているんだっけ?」という試行錯誤もありますが(笑)。そのたびに、kakeLuのお2人に相談をさせてもらうと思います。これからもよろしくお願いします!

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