mercan

カオスを乗り越えて秩序を生み出す!メルポータルリニューアルプロジェクトとは

2022-6-24

カオスを乗り越えて秩序を生み出す!メルポータルリニューアルプロジェクトとは

Share

  • X
  • Facebook
  • LinkedIn

メルカリグループには就業規則や情報管理の仕方など、業務上必要な情報が確認できる『メルポータル』というポータルサイトがあります。

新しく追加されるルールや変わっていく情報。多種多様な人材が働くメルカリグループでは、社内の最新情報に簡単にアクセスできるメルポータルは非常に重要な役割を担っています。

昨年、メルポータルのリニューアルプロジェクトが立ち上がり、ついに今年2月にオフィシャルリリースされました。

このリニューアルプロジェクトを中心となって進めたPMの@andy_tsuiさんとシステムエンジニアの@t-komatsuさんに、リニューアルまでの道のりや”新メルポータル”に込められた想いについてインタビューしました。

この記事に登場する人


  • Andy Tsui(En Chuan Tsui, @andy_tsui)

    2021年8月にProduct Designerとして、メルカリに入社。Corporate Engineering GroupのPeople Productsチーム所属。日々4Dデザインプロセスを実行しながら、社内プロジェクトのUX体験を向上させている。過去は国際家具大手e-commerceサイトやFintechアプリ、データ分析プラットフォームなど、幅広いプロダクト開発の経験をしていて、現在はMercari社内システムやツールなどに参画している。

  • 小松 武弘(Takehiro Komatsu、@t-komatsu)

    株式会社ドワンゴにて、ニコニコ動画の基盤システム開発やプライベートクラウドでのインフラ・ネットワーク構築を多数経験。その後DMM.comに入社し、資産管理や購買管理、オンボーディングプロセスの改善プロジェクトを推進。2021年5月にメルカリに入社。現在はCorporate Engineering GroupのSystem Engineering Teamにおいて、ServiceNowを活用した業務プロセスの企画・設計・開発・運用を担当し、全社横断プロジェクトなどに参画している。


リニューアルプロジェクトの始動

ーまず、メルポータルがリニューアルすることになった経緯を教えてください。

@andy_tsui:メルポータルは2019年にリリースされ、約2年運用してきましたが、社内では色々とツールが乱立していて。例えば、メルポータルの他にもWikiだったりコンフルエンスだったり。それぞれのチーム、メンバーが、異なるプラットフォームを使っているということもあって、会社全体に行き渡るべき情報が分散されていました。なぜこういう状況になっていたかというと、当時メルポータルは運営チームがなかったので、情報を整理していく体制が整っていなかったんです。メルポータルリリースから2年後、そうした状況を踏まえて、「もう1度リニューアルしましょう」という話が出てきたんです。そこから、「メルポータルとは?」というところから再定義して、全てのメルカリ社員が素早く最小限の情報にアクセスできるようにということを掲げた、リニューアルプロジェクトが始まりました。

ーリニューアルまでの準備期間はどれくらいの時間がかかったのですか?

@andy_tsui:ベータ版リリースまでは大体4ヶ月、オフィシャルリリースまでは半年くらいですね。

ー要件定義の段階から@t-komatsuさんも一緒に取り組まれていたのでしょうか?

@t-komatsu:そうです。ServiceNowで作ると決まってから実装までは結構早く進みましたね。作り始めたタイミングで全体像が完璧に見えていたわけではないのですが、70点くらいの状態でも、まずは早く出して、メルカリのメンバーみんなに見てもらうようにしました。そして「こういう風にしたい」とか「こういう機能を作っていきたい」といった意見を聞いて、それを反映して…とインターバルを短くして開発していきました。その結果、必要な機能を、初期の段階である程度揃えることができたんです。旧メルポータルからの記事の移行も並行して進めたので、結果的には完成度も高いものになったと思います。

ーリニューアル前のメルポータルは、どういうところが課題だったと思いますか?

@t-komatsu:情報整理的な側面ですね。まず、どこにどういう情報を入れるのかという部分が決まっていませんでした。旧メルポータルはUIやUXも洗練されていなかったので、「メルカリを体現している/メルカリのビジョンに合っているか?」というと、まだ合っていないんじゃないかという課題もありました。ほかにも、管理側の問題もあって、記事が最新化されていなかったり、記事に対してフィードバックを受け付ける仕組みがなかったので、書いてそのまま数年が経ってしまっているという記事も多くありました。andyさんはどうですか?

@andy_tsui:@t-komatsuさんが言う通り、記事の最新状態が保っていないところと、そもそもメルポータルに入っている情報が正しいのかがわからない状態になっていました。新しいメルポータルを再構築する時に、全てのカテゴリをゼロから構築して、ここにはどういう記事が入るのかなどを一つずつ見直していったんです。

メルカリのValueを体現したプロジェクト体制

ー膨大な作業だったと想像できます…。どのようなチーム体制でプロジェクトを進めていったのですか?

@andy_tsui:おっしゃる通り、かなり大変ではありましたね。でも、多くのチームが関わって、分担しながら進めていくことができたので、とても助かりました。コンテンツやシステム、運営など含め、6つのチームで進めていきました。PMから「こうやってください」と指示するのではなく、全てのメルカリ社員がスムーズに情報にアクセスできるようにという目標を共有した上で、各チームが自走していたと思います。PMが一元管理するのではなく、それぞれのタイムラインが走って、プロジェクトを進めていきました。

ー運用上の工夫もあったのでは?

@andy_tsui:WBSシートを活用して、それぞれのタスクの優先順位を管理していましたね。これが終わらないとこっちが進まない、ということもあるので。例えば、開発環境が整ってないと記事が移行できないとか。チームメンバーは複数のプロジェクトを抱えていたので、このタイミングで時間がほしい、というところを明確化しながら進めていきました。

ーハードな調整の末に、ベータ版まで4ヶ月という短期間でやりきったのは、とにかくすごいですね。

@andy_tsui:後半は800記事分の移行作業があって(苦笑)もともと1〜2人が対応すれば終われるかなと思っていたのですが、やってみたらとても大変で、結局4名体制になりました。その時もチームメンバーのリソースの調整だったり、短時間勤務の人も対応に入ってもらったりして、本当に色々な方に助けてもらいました。

ー@t-komatsuさんは実装する側としてどのような点がポイントだったなと思いますか?

@t-komatsu:メルカリの現場って、率直な意見をくれる人が多いんです。みなさんからいただいた開発のフィードバックを活かして、素早く開発とリリースを繰り返していった結果、「みんなが求めるものはこうだよね」というイメージのすり合わせがすごくうまくいきました。ベータ版の段階でかなり大部分の機能の開発が終わっている状態で、あとは記事をインポートしながらテストを繰り返して、「こんな機能がもっとあればいいよね」とか「ここはもっとこうした方がいいよね」という意見を集めていきました。見る側の意見も運用する側の意見も同時に聞いていましたね。

@andy_tsui:例えば、ServiceNowに移行するという決断の時にも、さまざまな意見を踏まえて決定しましたね。いろんなプラットフォームを検討した結果、運用側、閲覧者側、それぞれのユーザーのニーズをジャーニーマップで分析した結果、一番のツールはServiceNowだという決断になりました。

プロジェクト賞に輝いたワケ

ーメルカリ半期(2021年7-12月)のHDプロジェクト賞を受賞されていますが、全社的に評価されたのはどういうところだと思いますか?

@t-komatsu:過去にも社内の情報を整理するプロジェクトがあったそうなのですが、紆余曲折あってうまくいかなかったらしいんです。それがやっと形になって、メルカリを体現する思想をもとに、使い勝手も良くなって。きちんと記事が整理された状態になって、「やっと上手くいったね」ということがあると思います。

@andy_tsui:旧メルポータルとリニューアルしたメルポータルについてのサーベイの数値において、満足度の点数が大体20%くらい上がった、という数字も出ているんですよ。

ーすごい結果ですね。

@andy_tsui:そうですね。嬉しいです。

どんどん活用してほしい!リニューアル後の想い

ー現状の課題感として捉えていることはありますか?

@t-komatsu:メルポータルが扱っている情報は規則などが主になっています。今後はそういった情報以外にも、Slackでしているアナウンスだったり、流れてしまうような情報をストックすることをテーマとして取り組んでいきたいですね。申請リクエストのフローもServiceNowを用いるように改善を進めているところなので、メルカリのメンバーが利用しやすいところに情報が集まって、「ここに行けば全ての情報が手に入るし申請もできるし問い合わせもできる」みたいなところまで繋げていきたいです。andyさんはどう思いますか?

@andy_tsui:メルポータルにGoogleAnalyticsやDashboardを構築しているので、どんな検索ワードが使われているのか、どこで離脱しているのかなど分析を進めていきたいです。例えば、こういうキーワードが検索されているけど全然結果が出てこない、みたいな課題を発見して、検索体験の向上・改善につなげる、というのはすでに着手しています。これからもデータを見ながら、何を改善できるか考えたいですね。将来的に、もっとさまざまな情報を網羅してメルポータルが、メンバー一人一人の体験を向上し、会社全体を支えるプラットフォームになっていったら良いですね。

メルポータルのTOPページ

ーみんながメルポータルを使えば使うほどどんどん育っていく、というイメージですか?

@andy_tsui/@t-komatsu:まさしく、おっしゃる通りです!

@andy_tsui:メルポータルでは記事に星評価がつけられたり、「いいね」などのフィードバック機能があります。それらの反応を見て、記事の改善にも繋げたいです。

@t-komatsu:今までデータとして取れなかった検索結果であったり、記事の閲覧数であったり、みなさんからのフィードバックをきちんと受けて改善していくサイクルをきちんと整えていくことが今後のテーマです。

ーありがとうございます。最後に、この半年間のプロジェクトを振り返っての感想を教えてください。

@t-komatsu:メルカリには色んな意見や多様性を持つ人がいます。だからこそ社内では色んな意見が出てくると思いますが、今まではその一つ一つの意見が会社のシステムに反映される仕組みがありませんでした。社内ツールに対するフィードバックを受けて改善したり、もっと良いものを作っていくというところまでできていなかったと思うんです。ですが、メルカリを体現するように作っていけば、メルカリらしさをシステムでも表現できると思います。それがまた人のコミュニケーションにも繋がっていって、「メルカリってこういう会社だよね」という部分をより強く出せるようになるんじゃないかと思います。

ーメルポータルからメルカリというブランド価値を作っていくということですよね?とても素敵な話ですね。

@andy_tsui:このリニューアルプロジェクトは、自分がメルカリに入社して、初めてPMとして担当したプロジェクトでした。そもそも私自身がメルカリのことをまだわかっていない状態から、「メルポータルとは?」というところをキャッチアップしつつ、過去の議事録を全て見て「ああ、そういうことか!」とイメージを固めていきました。このプロジェクトは本当にAll for Oneで”助け合い”をすごく感じましたし、みんなBe a Proを体現していました。本当に楽しいプロジェクトでした。

@t-komatsu:各自の強みがすごく生きたプロジェクトになったんじゃないかと思います。我々だけじゃなくて本当にみんなで作り上げたシステムだと思います。

ーリニューアルしたメルポータル、ぜひこれからも様々な場面で利用していただきたいですね。ありがとうございました!

Share

  • X
  • Facebook
  • LinkedIn

Unleash the
potential
in all people

メルカリで働きたい!
という人は採用サイトもご覧ください

Join us !