月1回だけ扉が開かれる、メルカン編集部のラジオ番組(をイメージした)「メルカリ放送室」へようこそ!この企画は、毎月メルカリの魅力的なメンバーを「音楽」という切り口から掘り下げていく軽い読み物です。
2023年2月に発表された新ミッションになぞらえて、「魅力的なメンバーが、自分のユニークネスをUnleashし、届けられる場」を模索した結果、世界の共通言語である「音楽」というインクルーシブなテーマから、メルカリの素敵な仲間を紹介していきりたい!という思いと共に、この企画が誕生しました。
今月の曲テーマは新グループミッションにちなんで「自分の感情をUnleash(解放)できる曲」。記念すべき第1回目に登場するソウゾウのArt Director 古川万里(@Banri)さんにとっての、「自分の感情をUnleashできる曲」とは?おすすめの曲を聴きながらお楽しみください♪
この記事に登場する人
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古川万里(Banri Furukawa)武蔵野美術大学を卒業後、フリーランス、IT企業、レシピアプリサービスでデザイン・ディレクション業務を経験。現在は「メルカリ」内にネットショップを開設できるBtoCサービス「メルカリshops」にてキャンペーン企画や社外発信のアートディレクション業務を担う。趣味は料理と水草の育成。
@Banri’s Recommendation
Cornelius – Music
@omiyu:Banriさんのセレクト、Corneliusの「Music」(2006年)ということですが、選曲理由について、詳しく教えてください!
@Banri:初回ということで、タイトルからしてピッタリな曲かなと思い選んでみました!なにか行き詰まったときや、悩んだときに、ニュートラルな感情に戻してくれつつ五感を解放しリセットさせてくれる一曲です。
音の作り方やリズムは変わっている曲なのですが、歌詞は日常の情景のような、なんでもないことを歌っているからいつ聴いても飽きないですね。
@seo:歌詞という意味だと、言葉の選び方というか時制がちょっと独特な曲ですよね。歌い出しの「日が沈んだ 後5分で」とか、聞き流せるけど実はなんか変だという(笑)。
ニュートラルであることが心の解放につながる
@omiyu:普段はどんな音楽をよく聴きますか?
@Banri:仕事中はインスト(instrumentalの略。歌のない、楽器だけで演奏された曲)を聴くことが多いです。あまりテンションを上げ下げしたくないのと、自分の中でリズムを一定に保っていたいという気持ちがあるので。逆に、歌詞のある曲を聴くのは強い感情になりたい時かも!人前で話す機会がある時や、「よしやるぞ!」とテンションを上げたい時ですね(笑)。
あとは、2歳半の子供と一緒に教育番組を観ることも多いので、番組内で流れる曲を聴く機会が自然と多くなっているかもしれません!
@seo:そういえば以前、「最近ピアノの練習をしている」とおっしゃっていましたよね?
@Banri:そうなんです。もともと小さい頃にピアノとドラムを習っていたことがあって。子供が生まれたこともあって、一緒に音楽をできたらいいなと思って、この機会にピアノを買って練習することにハマっています。
@seo:ピアノとドラムというルーツを聞いて、さっきの「ニュートラルな感情に戻す」という選曲理由がより腑に落ちる感じがしました。リズムをキープしながらテンションを整えていく、というBanriさんの仕事への向き合い方が音楽的な嗜好にも現れているのかなと。
@Banri:それ、めちゃくちゃあるかもしれないですね。例えば、メルカリ10周年特設サイトのキービジュアルは、多くの人がイメージするUnleashを記号化し、人やモノが外に飛び出していくみたいなビジュアルなんです。
でも自分にとっては、「雑念のないニュートラルな状態」こそが心の解放に繋がっていて。自分の内側に目を向けて、静かにテンションを上げていくことに心地よさを感じるのかもしれないです。
アートディレクターとして新しい価値を作ること
@omiyu:アートディレクターとして働く中で感じる面白さや、醍醐味はどういうところにありますか?
@Banri:現在、メルカリShopsのアートディレクターをやっているのですが、やはり新規事業なので前例がないことが多いんです。もちろんメルカリというサービス基盤や企業文化はあるものの、事業者さん向けに新しい価値を作っていくために、ブレークスルーが求められるし、どんどん成果を出していかなければならないので、創意工夫しながら作っていく過程が面白いですね。
自分の性格としても、誰もやったことがないことを、ルールから作っていくっていうところが向いているとも感じます。ずっとベンチャーで働いてきたので、カオスな環境に慣れているというのもありますが、大企業ではなかなかできない類の仕事なので、楽しいです。
@seo:今後メルカンで、メルカリShopsに関わるソウゾウメンバーをどう伝えていこうかを考えていたところですが、「まだないモノ・価値を手探りながらもどう創意工夫して作り上げていくか」という文脈はぜひ伝えていきたいなと。今後の発信に向けたメッセージの核になり得る可能性を感じました。ありがとうございます(笑)。
働き方を選べるからこそ身近で感じる子供の成長
@omiyu:ちなみに、月刊メルカリ放送室は、全てリモートで実施しているわけなのですが、普段の生活の中でも、リモートワークの良さを感じることは多いですか?
@Banri:とても助かってますね。むしろ、リモートワークじゃなかったら今のレベル感での育児へのコミットは無理だなとすら思います。子供を保育園に送って帰ってきてすぐ、このミーティングに参加しているのですが、毎日リモートワークで保育園も徒歩圏内だからこそ、このような働き方が実現できています。
日常の微笑ましい一コマ。
@omiyu:お子さんが2歳半だと、コロナ禍で生まれ、リモートワークが当たり前の世の中で育っていますよね。私の知り合いのお子さんの話なのですが、おままごとのお父さん役がリモートワークしてるらしいです。「お父さんお仕事始めるから、部屋に入ってこないでね」という会話が、おままごとで繰り広げられているのって、すごく面白くないですか?(笑)
@Banri:子どもって、よく見てますよね(笑)。
@seo:時代の移り変わりの中で、今僕たちは過渡期にいるんだなと思います。父親がリモートワークしていて、当たり前のように保育園の送り迎えにいく働き方は現段階だとまだ少数派です。子どもにとっても親にとってもかけがえのない時間だと心の底から思うので、社会全体でこうした選択肢が増えるといいなと思います。
@omiyu:リモートワークでより長い時間を共有できるからこそ感じ取れる、お子さんの成長や子育ての楽しさはありますか?
@Banri:会話量が自然と多くなるので、「こんな言葉を覚えたんだ」「こういう会話をできるようになったんだ」という驚きを日々感じています。この間は、「お疲れ様です」というフレーズを覚えてきたんです(笑)。多分保育園の先生同士で、「お疲れ様です」を言い合っている光景を見て覚えてきたんだと思うのですが、思いもよらないところから吸収しているんだなって。大人の会話以外でも、テレビやYouTubeなど、いろんな媒体にアンテナを張っているんでしょうね。
@seo:いま4歳半の息子は、最近は忍者になると息巻いています。ちょっと前まではライオンになって、最強の動物を集めたチームをつくりたいと言っていました(笑)
@omiyu:なんだか微笑ましいですね(笑)子どもの成長は一瞬一瞬が変化の連続だからこそ、多様な働き方ができる環境は貴重ですよね。
「料理が趣味だと人生が幸せになる」その心は?
@Banri:その他の趣味だと、料理が好きです。大学で一人暮らしを始めてから、料理はずっとやっていて、結婚して子供が生まれた今でも夕飯は僕が作っています!
@omiyu:料理が好きになったきっかけはあったんですか?
@Banri:最初は必要に迫られて始めたのですが、元々食べることが好きなので、どうせ作るなら美味しいものを食べたいというのと、大学のすぐ近くのアパートに住んでたので、友達の溜まり場だったことがありますね。友人たちと美味しいものを共有する楽しさも含め、ハマっていった感じです。
@omiyu:すごい…!私は料理に対して、「作るのに時間がかかっても、食べたらすぐなくなっちゃうのに」と身も蓋もないことを考えてしまうんです…(笑)。
@seo:身も蓋もなさすぎでしょ(笑)。
@Banri:僕の持論ですが、「料理が趣味だと人生が幸せになる」と思っていて。「自分で作った料理が美味しいかどうか」という効果検証を、1日3回も試せるなんて、超ラッキーじゃないですか?もし作った料理が美味しかったら、短期間で何度も「美味しくできた」という成功体験や幸福が得られる面白さも、料理の魅力の1つだと思っています。
Banriさん作。彩り豊かで美味しそう!
例えば、袋麺のラーメンを作る時も、トッピングの組み合わせをいろいろと試してみるんです。「今日のラーメン、なんかうまくいったな」と思えることそれ自体が幸福度アップにつながるので、ライフハックとして超おすすめです!
@seo:僕も料理を毎日するですが、手近なもので簡単に「いい気分」になれるところが好きですね。料理をしている間は、手は動いているけれど頭はクリアな状態になっていて無心になれるので、気持ちの切り替えになります。自分の周辺の話だけど、美大卒の人って料理好きな人が結構多い気がするなあ。(※Banri、seoは美大出身)
@omiyu:うわぁ、なんだか感動しました!自分で検証するのはもちろん、誰かに美味しいと言ってもらえることで、幸せの総和が増やせるんですね。よく、自分の料理を人に振る舞うのが好きな人がいますが、その理由が少しわかった気がします。
@seo:まさに、僕も友人に料理を振る舞うのが好きで、コロナになる前はよくホームパーティーを開催していましたね。
@Banri:seoさん宅でホームパーティするの、楽しそうだな〜!
@omiyu:あっという間にお時間が来てしまいました…!音楽の話から、Banriさんの仕事・働き方・料理による、幸せになるためのライフハックまでさまざま伺いましたが、異なるトピックでも一貫性や個性が感じられて、Banriさんの魅力を発掘できたんじゃないかなと思います!
@seo:音楽ってコミュニケーションのきっかけとしてすごく適しているというか、その人の生活観や仕事観にもつながっている部分もあるんだなと改めて感じましたね。もちろんマニアの世界に足を踏み入れるとややこしいことがいっぱいあるのですが(笑)。手前味噌ながらいい企画ですね!
@omiyu:Banriさん、ありがとうございました!それでは、来月もお楽しみに!
※seoお決まりのメルカンの「M」のハンドサイン
番外編:Mercan team’s Recommendations
@seo’s Recommendation
Everything Is Recorded – Close But Not Quite (ft. Sampha)
イギリスのレコードレーベル、XL Recordingsのオーナーであるリチャード・ラッセルによるコラボ・プロジェクト。ここでフィーチャリングされている、シンガーのSamphaの声には“祈り成分”のようなものが含有されていると個人的には思っています。選曲理由はBanriさんと比較的近くて、心を鎮めることが自分にとって「解放」につながると考えています。
@omiyu’s Recommendation
ちゃんみな – 美人
ちゃんみなさん自身が受けてきた容姿に対する批判、過去の苦悩を歌った曲をセレクトしました。特に日本社会は、他者からの比較評価を気にした自己表現や振る舞いが求められやすいこともあり、多くの人がルッキズムに悩んだ経験があると思います。そんな過去の苦しかった自分を「大丈夫、自信持って。私たちは美しいから」と肯定し、解放してくれる曲です。