メルカリメンバーのごく個人的な視点で、入社して感じたメルカリのカルチャー、おすすめの仕事術、はたまた偏愛などを語る『メルカリメンバーの声』。Management strategy Teamの濱口昌紀(@hamagucci)に、仕事をするうえで大切にしている考え方を存分に語ってもらいました!
この記事に登場する人
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濱口昌紀(Masaki Hamaguchi)事業会社での海外駐在、コンサルティングファームでの勤務を経て、2021年よりメルカリに入社。経営戦略の策定や、各種のプロジェクトを推進し、2023年よりサステナビリティ業務を担当。
仕事をする上で大切にしているのはイシューを見極めること
こんにちは!Management strategy Teamの@hamagucciです。
Management strategy Teamで、グループの経営戦略に関わる業務全般を担当しています。直近ではグループのコスト最適化のプロジェクトを推進したり、コスト最適化が行われる仕組みづくりを推進しました。また、2023年1月からは、事業継続性という意味での「サステナビリティ」と「経営戦略」を融合させるべく、ナラティブをつなぐことに力を注いでいます。ちなみにメルカリに入社前は、事業会社でシンガポールなどに駐在して、マーケティングや経営企画をしたり、コンサルティングファームで経営コンサルをしていました。
現在、私は大阪在住なのですが、平均して週1回程度は六本木のオフィスに出社するようにしています。対面でのミーティングや食事など、実際に会って話すことを大切にしています。その際は、あまりスケジュールを詰めすぎず、雑談できる時間の確保もしています。
濱口昌紀(@hamagucci)
自己紹介はこれぐらいにして、今回は私が仕事をするうえで大切にしていることをお話ししたいと思います。
それは「イシューを見極めること」です。
「イシュー(課題)」とはなにかと考えたときに、自分の解決できそうなことを課題と捉えてしまいがちなのですが、その課題は本質的なものなのか、深い仮説があるか、そして答えを出せるか、を常に問うようにしています
こうした考え方を形づくってくれた、何度も読んでいる本を紹介したいと思います。
『イシューからはじめよ』(英知出版)
言わずと知れた、イシュー思考の決定版です。仕事に取り組む前に「本当に解決すべき問題」を見極めることが大切です。解決する価値のない問題を解決しても、誰の得にもなりません。
本書では、やみくもにあらゆる仕事に手をつけることを「犬の道」と表現しています。犬の道とは、「数打てば当たる!」「仕事は質より量だ!」と、努力と根性で仕事をこなすこと。残念ながら犬の道では、成果は得られません。イシューを見極めること(=本当に解決するべき問題を見極めること)で、犬の道を避けられます。
良いイシューの条件は以下の3つとされています。
・本質的な選択肢である
・深い仮説がある
・答えを出せる
間違った方向で努力しても、望んだ結果は得られません。仕事にとりかかるまえに、解決すべきイシューを見極めることはとても重要です。正しくイシューを見極められれば、大きな成果があげられると書かれています。
『静かな人の戦略書』(ダイヤモンド社)
経営戦略室長であるshujiさん(メルカリ上級執行役員 経営戦略室長 河野秀治)から紹介された一冊です。私のような内向型であっても大丈夫、活躍できるよ。と背中を押してくれる本でした!
外交的な人が多い印象のアメリカでも、実は51%も内向的な人がいるそうです。内向型としては入念に準備をする、細部にまで魂を宿らせる、など自分の得意なことをすれば良く、外交的な部分は得意な人と協力してチームワークを発揮できる、といったことが書かれていて目から鱗でした。
またチームを組成をするときは、「話しながら考えるタイプの“外向きの人”とのペアリングで一層強みを発揮する。このバディを都度、誰と見立てるかが肝」ということを学びました。
具体的に取り組んでいるプロジェクト
冒頭でお伝えしたように、経営戦略とサステナビリティ推進を融合しようとしています。
事業継続性という意味での「サステナビリティ」の重要性は社内に伝わってきました。これからは、それをメルカリとしてどのように仕組み化して進められるか、というフェーズになってきています。
そのためには、ガバナンスや人的資本への投資など、いわゆる「環境に良い」というところだけではない領域も戦略的に進めていく必要があります。こうした前提を踏まえて、メルカリのグループミッションである「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の達成に向け、志を共にする社内外の仲間を増やすことが使命だと捉えています。
また、このプロジェクトに取り組むまでは、費用の最適化を進めるプロジェクトをリードして進めてきました。グループ全体の費用を再評価して、やることの軸は変えずに、やり方を変えて最適化できないかを模索してきました。また、費用が最適化され続ける仕組みづくりも合わせて行ってきました。その結果、Mercari HD MVP Awards(半期に一度、メルカリHD社員の中でもっともValueを体現した人を称える制度)MVPを受賞するという評価をいただきました!
評価されたポイントは「粘り強さ」と「巻き込み」だと自己理解しています。
粘り強さ
粘り強さとして意識したのは、「白黒つけることにこだわらずグラデーションをつけること」です。そのおかげで、グレーゾーンの着地を見極めた進行ができたと思います。また、時には「勇気を持った保留」をすること。あえて判断を遅らせ、待つことによって、機が熟したタイミングで行動することができました。
巻き込み
「資料を読んでおいてください」とコミュニケーションを簡略化せずに、関係者には目的や前提、そしてGoalをくどいぐらい共有してきました。また、認知負荷を下げるために、1つのドキュメント、1つのSlackのスレッドで極力コミュニケーションをしていきました。この過程でたくさんの人に壁打ちしてもらうことで仲間を増やせた実感があります。
費用を最適化するというプロジェクトの性質上、「自分のチームの予算が削られるんじゃないか」と思われるメンバーもいたと思うのですが、あくまで「削減」ではなくて「最適化」することが目的なので、それぞれのチームのやるべきことの軸は変えずに、適切に費用を下げられれないか、という視点で考えてきました。
その結果、余剰となった費用で、新たなことを始めたり、他の領域にもっと投資できたりと、未来につながる原資になったことがとても嬉しく思います。また、コーポレート業務に携わりながらも、利益を創出するという、分かりやすい事業貢献ができたことも嬉しく思います
(おまけ)最近のアウトプット
shujiさんからの「Management strategy Teamって、良いパフォーマンスを出せてるよね。それを上手く言語化したいんだけど…」というふとした言葉をきっかけに、チーム内で暗黙知となっていた“仕事の流儀”を言語化してみました。
内容については社内向けドキュメントのため公開することはできませんが、
「ドキュメントでコミュニケーションしよう。MTGはハイコスト」
「言語化ではナラティブとイシューを突き詰めよう」
「コトに対してフィードバックしよう」
など、言葉にするとごくごく当たり前ではあるものの、自然かつハイレベルでチーム内で実行できていることを記載しています。もし気になる方がいらっしゃったら、ぜひお話しましょう!