メルカリがオフィシャルスポンサー契約を結ぶオリックス・バファローズ(以下、バファローズ)は、2023年はパ・リーグ優勝し、悲願の3連覇を果たしました。WBCでも大活躍をした、宮城大弥投手、宇田川投手らが所属しています。
そんなバファローズに新卒で入団し、現在プロ4年目の紅林弘太郎(くればやし・こうたろう)選手がメルカリオフィスに来社。今回のメルカンはそんな紅林選手と取締役 President(会長)小泉文明の対談の様子をご紹介します。
高卒2年目からほぼフル出場し、今年はパ・リーグベストナインに輝く活躍をした紅林選手。ヒーローインタビューなどを拝見するとお話は得意でないかと思いきや…プロフェッショナルとしての哲学やメンタリティ、チームの様子、これからの自身の目標など、たくさんお話してくださいました。
この記事に登場する人
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紅林弘太郎(Kotaro Kurebayashi)2002年生まれ。静岡県出身。駿河総合高を経て、2019年のドラフト2位でオリックス・バファローズに入団。2023年、パ・リーグベストナインを受賞。 -
小泉文明(Fumiaki Koizumi)株式会社メルカリ取締役 President(会長)。2003年大和証券SMBC(現・大和証券)入社。投資銀行本部にてインターネット企業の株式上場を担当した後、07年ミクシィ入社し、取締役CFOに就任。13年12月メルカリに入社。14年同社取締役に就任。18年より現職。
若い世代ものびのびできる心理的安全性の高いチーム
小泉:パ・リーグベストナイン、そして3連覇おめでとうございます!シーズン中から3連覇できる雰囲気は感じていましたか?
紅林:結果的には差が開いた優勝でしたが、実際試合にでている我々には安心感や余裕があったわけではありません。目の前の試合に向き合って、積み重ねていったら優勝できたような感覚です。
紅林弘太郎選手
小泉:そうだったのですね!バファローズは3連覇を果たした強いチームだと思いますが、どのようなキャラクターのチームだと感じますか?
紅林:とても仲が良いチームです。監督やコーチも選手に積極的に話しかけてくれます。首脳陣と選手の壁がなく、平野(佳寿)さん、安達(了一)さん、Tー岡田さんなどのベテランの選手もやさしく接してくださるので、若い選手がのびのびとやらせてもらえる環境だと思います。
小泉:心理的安全性が高いチームなのですね。どんなチームも悪い時が必ずあると思うのですが、そんな時はどのようにして良い状態に向かわせてきますか?
紅林:昨シーズンも負けが続く時がありました。そんな時は、中嶋監督が良いタイミングでポンと一言くれて、チームの雰囲気を変えてくれます。普段は試合後にミーティングをしないのですが、大きな点差で負けてしまった試合の後に監督が選手を集めたことがありました。そして、「引きずってもしょうがないから、明日には忘れてグラウンドに来るように」と、一言だけ。てっきりシリアスなミーティングになると思っていたので良い意味で拍子抜けしました。それもあって、あまり大敗を引きずらずに翌日の試合で勝つことができました。
小泉:中嶋監督はどういう監督なんですか?
紅林:そうですね、僕らが想像している以上に色々考えられている監督だと思います。作戦を考えるのはもちろんですが、各選手をよく観察して、それぞれにどのように接するのが良いか考えているように感じます。他の選手には優しいですが、僕みたいな少しなめた態度をとる選手には厳しく言ってくれます(笑)。
小泉(笑)。「チームの中心になっていかないとまずいぞ!」というような声かけですか?
取締役 President(会長)小泉文明
紅林:そうですね。個人的にはあまり褒められたことがないので、怖い監督というイメージしかないです(笑)。でも、怖いだけでなく愛情を感じます。
2023年シーズンのGo Boldな挑戦とは?
小泉:メルカリでは”大胆にやろう(Go Bold)”というバリューを大事にしているのですが、紅林選手が今シーズンでチャレンジした大胆なことはなんですか?
紅林:なにか新しいことに挑戦したというよりかは、意識の面を大きく変えることに挑戦した一年でした。去年までは、使ってもらっている、監督に守られている、チームに守られている、という感覚でやっていた部分もあったのですが、今年は「結果を残すことができなかったらクビ」という、自分を追い込むような気持ちで1年がんばりました。
小泉:それは何かのきっかけがあって変えようとしたんですか?
紅林:このままずっと打率が良くないと、このままの選手で終わってしまうという危機感があって、何か変えなければいけないと思いました。日頃の行動を変えてみたり、取り組む姿勢を変えるようになりました。シーズン始めは二軍でスタートしたシーズンでしたが、その後一軍に戻れたのはその姿勢が影響したかと思います。
編集部注:紅林選手の2023年の打率は、2022年の2割2分4厘から自己最高の2割7分5厘にアップした
“多くの失敗があるからこそ、少しの成功が楽しい” Be a Proの精神
小泉:実は、私は野球少年だったので今も野球が大好きなのですが、ずばり紅林選手は野球のどこが楽しいですか?
紅林:小学生から野球を始めて、高校生まではただ上手くなりたくて練習して、野球が楽しくてしょうがなかったです。でも、プロになってから野球が仕事になり、楽しさは感じなくなりました。逃げ場がなくて、8〜9割はしんどいです…。野球は失敗が多いスポーツです。でも、だからこそ、少しの成功が楽しいし、やっぱり嬉しいと感じます。
小泉:失敗のメンタリティというか、失敗に対してどう向き合いますか?忘れやすいタイプですか?
紅林:そうですね…。どちらかといえば気にしないタイプで寝たら忘れます(笑)。
小泉:プロ向きな性格ですね(笑)。最後に、シーズンが終わったばかりではありますが、今後の目標を教えてください。
紅林:来年は高卒5年目とまだ若手ではありますが、監督に早い段階から使ってもらっているからこそ、もうチームを引っ張っていく存在にならないといけないと思っています。
小泉:日本代表でもプレーしたいですか?
紅林:もちろんです。今年はゴールデン・グラブ賞を源田選手(埼玉西武ライオンズ)と1票差で逃しましたが、その1票の差を非常に大きく感じています。来年こそゴールデングラブ賞もとって、日本を代表するショートを目指したいです。来年は同じポジションに新人選手も入ってきますし、努力し続けなければいけないと思っています。
小泉:期待しています!ありがとうございました!