これまでメルカンでは「HR領域新規事業」として、そのはじまりを少しずつ伝えてきましたが、いよいよ2024年初春にスキマ時間を活用して働ける求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」がサービス開始します!
ここ数ヶ月でさらにメンバーが急増していますが、その多くがプロダクトを事業者にデリバリーする「営業」メンバーたちで、メルカリ ハロが圧倒的No.1になることを強く切望しています。
サービスの性質上、特に「営業力」が鍵となる新規事業において、営業組織をいかに構築して大胆なチャレンジをしていくのか。Sales Headの島和希(@kousaku)とSales Enablement責任者の景山尚貴(@kagesan)、そして執行役員 CEO Workの太田麻未(@Asami)にその意気込みと立ち向かうべき課題について聞きました。今回は営業の真髄を感じられる、エモ全開の特濃の内容です!
この記事に登場する人
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島和希(Kazuki Shima)日本大学法学部卒業。新卒で大手厨房機器メーカーに入社し、冷凍冷蔵機器のリプレース営業を経験後、2014年に株式会社マイナビ入社。 求人メディア「マイナビバイト」の営業として東京都を中心に営業活動し、エンタープライズからSMB、業種も問わず幅広いクライアントの営業を担当。2018年に人形町支社の立ち上げ業務を経験後、西日本エリアへ異動。 近畿北陸エリアの営業統括部長として2府7県8支社の営業Directorを務め100名のマネジメントを経験。 2023年9月に株式会社メルカリにSales Headとして入社。 -
景山尚貴(Naoki Kageyama)関西学院大学経済学部卒業。新卒で株式会社リクルートに入社し新規事業スタディサプリの営業組織立ち上げを経験。その後、indeed japan株式会社にてSMBからEnterprise領域までを幅広く経験し、事業・人員ともに毎年倍成長の急速立ち上げおよび急速拡大を経験。その後HR SaaS領域のスタートアップ2社にて、営業責任者 / BizDev / Enablementを担い直販組織のV字回復を実現。2023年10月株式会社メルカリにSales Enablement責任者として入社。 -
太田麻未(Asami Ota)早稲田大学理工学部卒業。新卒で楽天株式会社に入社し、楽天市場や楽天EdyのエンジニアやPMを経験。その後、株式会社リクルートライフスタイルにて、ID決済事業の事業立ち上げを経験。2015年にEmotion Intelligence株式会社に営業として入社。2016年に同社の代表取締役CEOに就任。2019年に台湾本社のAppier.incに会社を売却。2020年にSHOWROOM株式会社にて新規事業立ち上げ後、2021年株式会社メルカリ経営戦略チームに参画。2022年7月株式会社ソウゾウにてCOO、2023年7月より執行役員 VP of Work、2024年1月より執行役員 CEO Work。インド映画とフレンチブルドッグをこよなく愛する。
メルカリ ハロの成功の鍵を握る営業組織
――kousakuさんとkagesanさんは、それぞれHR領域でのキャリアを積んできましたが、新規事業である「メルカリ ハロ」にジョインした理由はなんだったのでしょうか?
@kousaku:以前からプロダクトアウトなビジネスに関わりたいと考えていたからです。前職での仕事にも充実感を持って取り組んでいたのですが、これからの自分自身のキャリアを考えたときに、大胆なチャレンジをしていく環境に身を投じ、ビジネスマンとしての市場価値をもっと磨いていきたいという想いもありました。
加えて、いわゆる「スキマ領域」への興味関心もありました。前職で営業していた際に、ユーザーの価値観を変えている新しいサービスの可能性には脅威を感じていましたからね。メルカリ ハロはゼロイチの事業であり、自分が培ってきたスキル・経験を活かすことができることはもちろん、メルカリという会社のカルチャーに共感してジョインしました。
島和希(Kazuki Shima)
@kagesan:「正しくがんばった人が正しく成果が出る」、理想の営業組織をつくれると感じたからです。
どういうことかと少し説明すると、私自身は新卒の頃から「営業を科学する」ことをテーマに、「営業」というものをずっと突き詰めてきました。マネジメントレイヤーへ移行してからは、「正しくがんばった人が正しく成果が出る」という当たり前な状態をつくるために、「何をがんばれば成果が出るのか」を常に明示することを徹底してきました。
ただ、それを満たすにはやはり「商材の力」が必要です。メルカリの圧倒的な開発力はいちユーザーだった頃からも十分に理解していましたし、商材ガチャ、担当ガチャ、エリアガチャ…のような、自分の力だけではどうにもできない状態を生まないことは明白でした。だからこそ、本質的に強い営業組織をつくれると確信したんです。
――では、それぞれどのようなミッションをチームとして掲げていますか?
@kousaku:私たちWork Partner Success チーム(以下、Partner Success)は顧客の成功と自社の成功、両方を同時に実現させる必要があります。顧客の成功が自社の収益向上に貢献するという流れをつくることと同時に、プロダクトを使う理由やメリット訴求としての“Why”と、プロダクトの使い方の”How”を同時に顧客へインストールしていくチームでもあります。
また、顧客とのコニュニケーションの中で、実際にプロダクトを使用したリアルな「声」を直接聞いて、社内に還元することが重要です。顧客の成功体験・プロダクトの利用事例をフィードバックしていくことで、リード数・受注率向上へ大きく影響を与えることができる。営業、マーケティングは言わずもがなですが、プロダクトチームへのフィードバックをすることで、より良いプロダクトへの改善を図っていくことができます。
Partner Successは、メルカリ ハロにおいてGMVを創出することができる唯一のチームです。メルカリ ハロが成功するかどうかは、このチームの成功にかかっているといっても過言ではないと思っています。
@kagesan:Work Revenue Enablement チームの役割/機能としては、おもに下記の5つを担います。
①Strategy(営業戦略 / 企画 / 推進)
②Management Analysis(数値管理 / 分析 / 改善)
③Onboarding(受け入れ / 戦力化)
④Enablement(営業育成支援 / ナレッジマネジメント)
⑤Development(営業ツールの整備 / 開発)
これらは、私が以前から持っていた「Sales Enablement」の思想に基づき、営業組織のKRとWork Revenue Enablement チームのKRを完全に一致させています。つまり、営業組織のミッション達成がSales Enablementとしての達成になるのです。
Sales Enablementという言葉自体、一部のSaaS界隈を除いては「知られてきた」くらいのフェーズだと思っています。総じてその定義や役割の線引きが曖昧だったり、営業組織から依頼を受けて資料作成を行うアウトソース先、あるいは研修を担当するトレーナー的な「受け身」のポジショニングになっているケースが多いように感じます。その理解が間違っているわけではありませんが、Sales Enablementの本質は事業成功に必要な”営業力”の担保であり、そのためには戦略戦術を含む上流からの攻めが必要不可欠ということです。
事業成功への圧倒的熱量。失敗も学びに変えて、どんどんチャレンジしていける組織
――ここからは、メルカリ ハロの現在地について聞いていきます。メルカリ ハロに係るメンバーもこの数ヶ月で急増しました。どんなメンバーが集まってきているのでしょうか?
@kousaku:圧倒的な当事者意識を持っているだけでなく、メルカリ ハロがナンバー1になる瞬間を切望している仲間たちが集まってきています。夢追い人といったら少し語弊があるかもしれませんが、夢を語る時やワクワクしている時って、あっという間に時間が過ぎるじゃないですか?いままさにそんな状況下で仕事をしています。
@kagesan:まさにそのとおりだと思います!バリューを体現した事業成功への圧倒的熱量を持ったメンバーばかりです。
これまでの会社でMVV策定のプロジェクトオーナーをしていたこともあり、その代表例としてあらゆるところでメルカリの名前を目にしていたので、メルカリという会社がバリューを大切にしているということは理解はしている”つもり”でした。しかし、入社して最初の驚きは、あらゆるコミュニケーションにおいて、バリューが意思決定軸として作用していることでした。
ちなみに私は3つのバリューの中で、もっとも「All for One」が最も好きです。この「One」は「事業成功」を意味しています。このバリューがあることで、ポジション、年次、年齢に関わらず遠慮なく発言できるし、建設的な議論と対話によってある種の心理的安全性が生み出されています。事業成功に向けて何が大事なのかを念頭にした、「遠慮しなくていい」環境がつくられていると感じます。
景山尚貴(Naoki Kageyama)
――事業を牽引するAsamiさんから見た、営業組織のコンディションについてもうかがいたいです。
@Asami:良い意味でのカオスなコンディションができつつありますね。入社してきたメンバー皆が「本当に何もなくて0→1だ…!」と言っている状態です(笑)。あるのは「この事業を成功させる!圧倒的な成果を出す!」という熱量のみです。メンバーがどんどん増えていく中でこの熱量も高まっていて、誰もが成功のために「いま何をすべきか」を真剣に考え、全力で走っている状況です。
また、メルカリの他の事業から異動してきたメンバーもいますし、kousakuさんやkagesanさんのように他の業界から新規に入社したメンバーもいて、さまざまなバックグラウンドが混ざり合う中で、新しいカルチャーが生まれていきそうだなという、ワクワク感もあります。
――良い意味でカオスなコンディションなんですね…!kousakuさんとkagesanさんのおふたりとも入社から数ヶ月が経ち、事業に対する解像度が上がってきたと思います。顕在化している課題と強みはどこにありますか?
@kagesan:新規事業なので当たり前ですが、まだ営業組織としての「最適解」が見えていないことが課題です。
そもそも事業成長において、ここまで来ればOKというゴールはありません。常にさらなる最適解を探し続けて行くものですが、現時点では「おそらくこれだろう」という変数が多く、まだまだ選択と集中がしきれていない。そんな中でもメンバーたちは、「All for One」に「走りながら見つけよう」という姿勢で、最適解を見つけるために主体的に行動してくれています。この自律的なカルチャーこそが、この組織の何よりの強みだと思っています。
@kousaku:敢えてkagesanさんとは違う角度からお話しすると、「mercari salesの強みは〇〇」という共通言語をメンバー同士でまだ確立できていないことだと思います。一般的にいう、組織のビジョンであったり、パーパスに近い概念かと思います。
だからこそ、皆でその「最適解」を見つけるためにトライアンドエラーを繰り返し、PDCAを高速回転させ、ナレッジの共有を積極的に行っています。これは素晴らしい労働環境・学習環境があるからこそ、実現できていることだと思います。営業のプロとしての自覚を持ちながらも、自己研鑽の意欲の高い・向上心の塊のような人材が集まっているのは、私たちの組織の明らかな強みだと思います。
――では、Asamiさんからふたりに期待することは?
@Asami:そうですね…遠慮なく暴れてほしいかな(笑)。事業を成功させるためには、なんでもやってほしいし、なんでもやるべきだと思います。それこそ、チームや職種の枠組みも気にする必要はないです。
トライアンドエラーの話もありましたが、私たちは、失敗を恐れずに、Boldなチャレンジができる組織・チームでありたい。圧倒的な成果を生むには、普通にやっていては駄目だと思うんです。これからたくさんの「こんなはずではなかった」みたいなこともあると思いますが、失敗も学びに変えて、どんどんチャレンジしていける組織にしていきたいと考えています。
加えて、営業組織もこれからさらに大きくなっていくので、新しいカルチャーを率先してつくっていってほしい。もちろん、メルカリの今のカルチャーも大事にしたいけれど、変化も必要なタイミングです。メルカリのカルチャーは私も大好きだし、大切にしていきたいですが、完璧だとは思っていません。そういう意味で「変化を恐れず、進化させていく!」くらいの意気込みでいきたいですね。
太田麻未(Asami Ota)
メルカリ ハロの存在すること「当たり前」の世界をつくる
――では、ここからは少しエモめな話を聞いていきたいと思います。これから、メルカリ ハロを通じてどんな価値をつくっていこうと考えていますか?
@kagesan:青臭いかも知れないですが、最初に申し上げたように「正しくがんばった人が正しく成果が出る」世界をつくりたい。過去、HR領域の営業をしてきて色んな歯痒さを感じました。誰もが知るような大手企業にはいくらでも応募は来るのに、どんな人に来て欲しいのかを必死に考えて、なんとか予算を投資いただいたお客さまには、なかなか応募が集まらない。それでも採用できる方法を営業として全力で考えるけど、どこかで清濁を合わせ飲まなければいけない瞬間がある。
しかし、メルカリ ハロのビジネスモデルは、パートナー(事業者)がクルー(メルカリ ハロを利用したお客さま)の働きやすい環境を整備して、応募してくれたクルーに対して「また働きたい」と思ってもらえる丁寧なコミュニケーションを考えて実行すれば、応募が集まりやすくなる良いループが回り出す。予算の多寡で採用力が決まってしまわない、本質的な採用チャネルをマーケットに届けられる。
@kousaku:抽象度が高い話ですが、私たちのメルカリ ハロの存在がパートナーやクルーにとって「当たり前」の世界をつくっていきたいと思っています。気がついたら、ふと思い返したら傍らにメルカリ ハロの存在があった、そんな状態にまで持っていきたい。
「当たり前」って時代によって変化するものだと思うんですね。例えば、働き方ひとつとっても、社会の変化に伴いこの十数年で大きくアップデートされました。メルカリ ハロがパートナーやクルーが「当たり前」の存在になるためには、変化し続けないと「当たり前」になっていかない。時代のトレンドをキャッチして、アップデートをし続けること、それこそが提供していきたい価値であると考えています。
――おふたりの熱量の高さを感じました!では、ミッションを達成するためにどんな組織をつくっていこうと考えていますか?
@kousaku:いい仕事をするためには、まずは自分を知ってもらうことが重要だと思っています。私自身も含めて色んな価値観をもった人間が組織にはいる、それを組織全体に理解してもらう必要があります。そのために、誰もが「声」を出し続けられる環境をつくっていきたいです。
過去のメルカンの記事でも、Asamiさんが「なにか違和感や引っかかることがあれば、遠慮なく言ってほしいとお願いしています。」という発言をしていましたし、僕も周りに対して常に「声を出し続けてください」と伝え続けています。まだ“解”のない新しい事業をつくっていくからこそ、「伝えること」と「傾聴すること」が大切だと思います。
@kagesan:私は「Accessibility」×「Date Driven」な営業組織の構築ですね。
「Accessibility」は「流通性の高い組織」を意味します。それを構成するのが、「Fleetness =施策実行の“早さ”)」「Deepness=顧客提案の“深さ“」「Closeness=顧客・組織との“近さ”」の3つです。「Date Driven」は、「なぜか成果が出ている / なぜか成果が出せない」をといった曖昧な状態を良しとせず、徹底的に営業を科学し、確かな根拠を持って「何をがんばれば良いのか」を常に提示できている状態です。
変化の多い新規事業において、あらゆる情報・ナレッジ・戦術がなめらかに流通する組織は、プロダクトの進化がそのままダイレクトにお客さまに届きます。そんな、プロダクトと営業組織が正比例して伸び続ける組織をつくりたい。
@kousaku:kagesanさんといつも2人でいると話すことなんですが、「mercari sales=営業のプロ」というイメージを世間に浸透させていきたいと強く思っています。「mercari=engineer・ものづくり」会社というイメージが世間に浸透しています。これは紛れもない事実ですし、mercariのストロングポイントであることは間違いないですが、営業組織もプロ集団であり、優秀な人材の集まりであることを証明していきたい。
今回、メルカリ ハロを圧倒的なスピードでマーケットシェア1位を獲得することができれば、「mercari sales=営業のプロ」を証明する十分なファクトになると思っています。
@kagesan:世の中が認知しているメルカリの強さは、やっぱり「プロダクト」であり「開発力」だと私自身も強く思っていますが、今回のメルカリ ハロに関してはプロダクトをデリバリーする「営業力」がその可能性を何倍にもする。逆説的に言えば、メルカリ ハロが圧倒的No.1になったとき、この営業組織は世の中に誇れる強い組織になっているはずです。
kousakuのネクタイの柄で盛り上がる一同。ネクタイは大事なアイスブレイクのツールのひとつ
営業は自由度の高い仕事。企業の成長を手助けする「新しい仕事」をつくれる
――最後に、これからの仲間に向けたメッセージとして、いまこのタイミングでメルカリ ハロに営業のメンバーとしてジョインする醍醐味を教えてください。
@kousaku:HRの領域は幅が広いので、スコープを「採用」という分野に限定してお話をさせていただきますと、色んな業界・業種の方々とお話することができるところが、この仕事の本当におもしろいところだと思います。
個人事業主の方から、上場企業の経営者の方まで、色んな考えを持った人たちとコミュニケーションを取るなかで、新たな「気づき」を得られる機会も多いですし、自分自身の考えを発信する機会も無限にあります。自分の意識のあり方次第で、インプットとアウトプットを何回も繰り返すことができ、そこで得たものをプロダクトにダイレクトに反映していけるし、それが自分の成長にも強くつながる。ここにメルカリグループという圧倒的な認知度を誇る環境、かつ新規事業の立ち上げフェーズで営業として働くことの魅力があると思っています。
@kagesan:営業として「逃げ道」がない、ということでしょうか。「逃げ道」というと語弊があるかも知れませんが、kousakuさんの言うように採用に困ってない企業はないと思うんです。たとえ採用に充足していても「もっとこんな人がいれば…」という願望が必ずどこかにあるはずです。もし「全求人で100点満点の採用ができてます!」と言われたとしても、「じゃあ、次はここ伸ばしませんか?」と、その企業の成長を手助けする新しい提案だってできる。そうやってお客さまの「All for One」に向けて、世の中に新しい「仕事」をどんどんつくっていける。
私は営業は自由度の高い仕事だと思っています。もちろん「型」は大事ですが、金太郎飴のような組織をつくりたい訳ではない。価値提供における確固たる「型」を提示した上で、営業としてのフェアウェイはしっかり残し、営業としての楽しさを感じられる「あそび」を追求したいですね!
編集・撮影:瀬尾陽(メルカン編集部)