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グローバル展開を推進する開発組織をつくる——Meet Mercari’s Leaders:木村俊也(CTO)

2024-2-15

グローバル展開を推進する開発組織をつくる——Meet Mercari’s Leaders:木村俊也(CTO)

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「世界に挑戦したい気持ちは、入社当初から変わらない」。

メルカリグループ全体の技術を統括する木村俊也(@kimuras)は、入社当初からグローバル展開への熱い想いを持っています。現在、3社のCTOとして開発組織構築に尽力する木村は、どのようなキャリアを経てメルカリに入社したのか。転職の経緯、CTOとして意識していること、これからのエンジニア組織の展望について聞きました。

この記事に登場する人


  • 木村俊也(Shunya Kimura)

    執行役員 CTO。2007年より株式会社ミクシィにてレコメンデーションエンジンの開発やデータ活用に関する業務を担当。そのほか、機械学習を活かした広告開発やマーケティングデータ開発にも携わる。2017年よりメルカリにて研究開発組織R4Dの設立を担当し、AIを中心とした幅広い研究領域のリサーチを担当。その後、AIと検索エンジン領域のエンジニア組織を設立しDirectorに就任、メルカリへのAIの導入をリード。2022年7月より、社内のプラットフォーム開発を統括するメルカリ執行役員 VP of Platform Engineeringを担当。2024年1月より現職。

リードエンジニアとの1on1を重視し、全社統一のロードマップを策定

——まず、kimurasさんのCTOとしての役割を教えてください。

メルカリグループ全体のエンジニア組織を管掌し、全社統一の技術ロードマップやOKRの策定、その実行にまで責任を持っています。施策を推進するために、エンジニアメンバーと話すことはもちろん、意思決定のために経営陣と議論するなど、幅広い人とコミュニケーションをとっています。

現在、特に注力していることは、メルカリ、メルペイ、メルコインの3社の開発方針、体制を整えて効率化すること。お客さまへ高品質で素早く価値提供するために、これまで独立させてきた体制やプロセスを、協業や合意形成の効率化を狙って統一していこうとしています。

——3社の体制をすり合わせるために意識していることはありますか?

各社のリードエンジニアと話すことです。様々な関係者とコミュニケーションをとらなければならず、時間が限られているのですが、各社のリードエンジニアと定期的にディスカッションを実施することを大事にしており、技術的な課題感、理想的なアーキテクチャなどを語り合っています。そこでの会話をもとに、さまざまな人の想いが詰まったエンジニアロードマップやOKRを全社統一で策定しました。規模が大きく難易度の高い取り組みでしたが、メンバー全員の協力によって、解決すべきことのコンセンサスがとれ、全社規模の本質的な改善を行なう土台が整いました。

自然言語処理の研究で培った知見を、より社会に貢献できる形で

——CTOとして組織づくりに尽力されているkimurasさんの、キャリアの原点を教えてください。

学生時代は、機械学習のなかでも自然言語処理分野の研究に取り組んでいました。当時は、インターネットが流行し始めたばかりで、信憑性に欠ける情報が多かった時代。情報の真偽を判別する要素技術を研究していました。

特に着目していたのは健康分野です。信憑性がある医学的な情報を自動的に検知できるようになることによって、医学的な発展にも貢献できるのではないかと信じ、研究を熱心に行っておりました。

——その後、研究者ではなく、エンジニアとしてのキャリアを歩まれたのはなぜですか?

1つは、今までの研究の知見や実装の経験を生かして、より社会に貢献したいと思ったからです。1社目の株式会社MIXIでは日記をシェアしたり、ユーザー同士がコミュニティを作って交流ができるSNSの先駆けのサービスを作ったりしていました。ユーザーが興味関心のある人や情報に出会うために、検索技術やレコメンデーション技術が求められていたのです。ユーザー数もすごい勢いで伸びていたので、社会にも大きく貢献できると思いました。

2つ目の理由は、お客さまに提供するものを自ら作るほうが、自分に合っていると思ったからです。プログラミング自体がとても好きだったので、研究に意義を感じながらも、お客さまに喜んでもらえるものづくりがしたいと考え、エンジニアとしてのキャリアを選びました。

——MIXIで働いていたなかで、今に生きている経験はありますか?

12年間の在籍期間のなかで経験したことは、すべて今に生きています。入社当初はエンジニア組織も小さく、R&D(Research & Depelopment)のみならず、バックエンドからフロントエンドまでフルスタックな開発を経験させてもらいました。

その後、R&Dのマネージャーとなり、セキュリティやIDなどの新しい分野の研究にも従事。技術本部部長としてSREやAPI開発チームのマネジメント、SNS開発部長としてデザイナーやPMのマネジメントも経験しました。幅広い分野、幅広い職種の人と働いた経験は、今を支えてくれています。

全社の開発生産性を高め、グローバル展開を狙えるプラットフォームを作る

——メルカリに転職した一番の理由を教えてください。

前職でも様々なチャレンジや成長を続けていたのですが、より世界に挑戦したいという気持ちがあったからです。私が入社した当時のメルカリのミッションは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」で、進太郎さん(取締役 兼 代表執行役 CEO 山田進太郎)は「世界から無駄を無くしたい」と話していました。その言葉通り、メルカリが早いうちからUSに展開する姿などを見て、世界レベルの開発に貢献できるのではないかと思ったんです。

その思いは今でも変わりません。現在、メルカリではスマホ1つで誰でも簡単にネットショップを開設できるEコマースプラットフォーム「メルカリShops」において、越境販売を行なっており、国を超えた取引が可能になっています。こうした世界経済を改善するポテンシャルのある動きを、技術の面から加速させていきたいです。

——CTOとして、3〜5年後を見据えて取り組んでいきたいことを教えてください。

グループ全体の生産性を高めるために、いくつかの取り組みに注力します。1つは、先ほど話したような全社統一の開発体制を整備すること。最適な意思決定や技術選択のプロセスを構築していきたいと考えており、これを「ゴールデンパス」と呼んでいます。それによって、既存事業だけではなく、新規事業の開発プロセスも整理できるようになるはずです。あらゆる意思決定をスムーズにしながら、PDCAをグループ全体で高速に回せる仕組みづくりをしていきます。

2つ目は、全社のアーキテクチャの刷新です。現在すべてのプロダクトに適用されているマイクロサービスアーキテクチャをより今の状態にあったデザインや開発プロセスに改善したいと考えています。また、インフラコストやメンテナンス性などの観点を踏まえて、最適なアーキテクチャを進化させることが重要だと考えています。これらの試行錯誤を通して、よりグローバルでも通じるプラットフォームを作っていきたいです。

——組織カルチャーとして強化していきたい部分はありますか?

新しいチャレンジに積極的であるカルチャーは、引き続き強化していきたいですね。これまでも、失敗から学ぶ文化「Blameless Culture」を醸成してきましたが、今後のさらなる「Go Bold(大胆にやろう)」な挑戦には失敗がつきもの。恐れずに挑戦し、失敗から学びを得て、さらに大きな挑戦を繰り返す。そんな組織でありたいと思います。

ただし、やみくもに挑戦すればいいというわけではなく、日々、技術のトレンドを学び続けることが前提です。組織として、お互い高め合えるようなカルチャーを目指したいと思います。社内勉強会などに継続的にコミットし、個人が持つ知識やノウハウを組織内で共有することを大切にできる人に、ぜひ入社してもらえたら嬉しいです。

——そのほか、未来の仲間としてどのような人を求めているか教えてください。

やはり、グループミッションに共感してコミットできる人です。エンジニアリングのゴールはミッションの実現ですから、組織のあらゆる意思決定や計画策定は、すべてミッションをもとに行なわれています。ミッションと自身の業務の紐付きを理解してコミットできる人が活躍できる環境だと思います。

また、サービスへの愛情を持つことも大切な観点です。メルカリのサービスが持つ独自の価値を信じ、ミッション実現に向けて試行錯誤を続けていく情熱を、大前提として持って欲しい。技術はもちろん、既存のメンバーと同じ使命感を持ってくれる人と一緒に働けたら嬉しいです。

番外編:私のメルカリ活用術!

メルカリではよくキャンプ用品、その中でもテントを買っています。テントは比較的高価なものですし、種類も多種多様。また、ランプ、寝袋、焚き火台などのキャンプギア(キャンプ道具やキャンプ用品)も含めた「最高の組み合わせ」を見つけるためには、少しずついろんなものを試してみる必要があります。一度使ってみて、自分の好みには合わなかったテントだとしても、捨ててしまうのはもったいないので、メルカリで他の人に譲って有効活用してもらうようにしています。「世界から無駄をなくす」ために個人としてできることでもあり、僕としても、お金をかけすぎずに色々なテントを試すことができて嬉しいです。

執筆:佐藤史紹 編集:菅明莉(メルカン編集部) 撮影:瀬尾陽(メルカン編集部)

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