メルカリで働くエンジニアにちょこっとお話を伺うシリーズ「エンジニアと立ち話」。第16回のゲストはvkg太郎さん(@vkgtaro)。
聞き手はソフトウェアエンジニアの梶原賢祐(@kajiken)です。
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メルカリには元劇団員のエンジニアがいた!?
@kajiken:@vkgtaroさん、ちょっとお話いいですか?
@vkgtaro:「私たちはどんな場合でも、劇を半分しかつくることができない。あとの半分は観客がつくるのだ。(by 寺山修司)」
@kajiken:……。
@vkgtaro:おっと、失礼しました。
@kajiken:えーっと、いろいろ突っ込みたいのですが、いったい何をしているのでしょうか?
@vkgtaro:即興劇です。ステージに立つと元劇団員としての血が騒ぐんですよ。
@kajiken:元劇団員!?
@vkgtaro:はい。高校を卒業してすぐに劇団員として活動していました。
@kajiken:なるほど。
@vkgtaro:最初は劇団ひまわりに入団して、その後はアングラ系の劇団を転々と。寺山修司に憧れて、20代前半は演劇漬けの日々を送っていました。
@kajiken:ガ、ガチですね。そんなバックグラウンドを持つ方がメルカリのエンジニアとして働いていたとは驚きです。ちなみに「vkgtaro」の「vkg」って何ですか?
@vkgtaro:実は『ONE PIECE』という漫画の大ファンでして………(照)。
@kajiken: 照れなくて大丈夫です。
@vkgtaro:「ヴァイキング(海賊)」から「vkg」をいただきました。ちなみに「taro(太郎)」は本名ではありません。
@kajiken:え! そうなんですか!
@vkgtaro:本名は小松大輔。もともと「太郎」という名前になるはずだったんですけど、「小松太郎→困ったろう」で、からかわれたらかわいそうだということで、「大輔」という名前に落ち着いたようです。そんなエピソードが逆に気に入り、ずっとtaroを名乗っています。
@kajiken:大輔さんっぽくない(笑)。今日はよろしくお願いします!
@vkgtaro:こちらこそ、よろしくお願いします!
独立、廃業、転職……メルカリエンジニアになるまでの波乱な道のり
@kajiken:それでは改めて、@vkgtaroさんの入社時期や現在のポジションを教えてください。
@vkgtaro:バックエンドエンジニアとして、2017年9月にメルカリへ入社しました。いまはUXチームに所属し、メルカリに関連するさまざまなサービス開発に関わっています。これまでメルカリチャンネルやメルカリボックス、らくらくメルカリ便などを担当してきました。あと、スケーラビリティのある組織を目指すため、メルカリのMicroservice化も進めています。気に入った商品に対して希望の値段をオファーすることができる「オファー機能」も私が担当しました。
@kajiken:実に多岐に渡りますね! そもそもエンジニアになろうと思ったきっかけは?
@vkgtaro:劇団員時代、役者である自分を売り込むためにHPを立ち上げたのがきっかけですね。それから掲示板をつくるためにプログラミングを独学で学んだり。気づいたら、どんどんハマっていきました。あと劇団員時代に「FLIP-FLAP」という双子のアイドルの追っかけもしていて、彼女たちのファンサイトをつくったりも。そうこうしているうちに、周りからいろんな仕事が舞い込むようになっていったんですよ。
@kajiken:キャリアのスタートが唯一無二ですね。それから個人事業主として独立を?
@vkgtaro:役者としての人生にいったん区切りをつけ、まずはWEB制作会社に就職したんです。そしたら半年後に会社をたたむことが決まって。「仕事はあるから、太郎さんだけ続けてくれないか?」と社長から相談されたので、個人事業主になることを決意しました。それから4年くらい個人で仕事をしたあと、友人と一緒に会社をつくって廃業したり(汗)、ゲーム制作会社に転職することになったり、いろいろありましたね。
@kajiken:まさに波乱万丈ですね。ゲーム会社では何を?
@vkgtaro:『ブラウザ三国志』っていうゲームの開発をしていました。知ってますか?
@kajiken:メガヒット級のゲームじゃないですか! たしかミクシイアプリプラットフォームですよね?
@vkgtaro:そうです。入社したとき、小泉さん(メルカリCOO/元ミクシイ取締役CFO)から「『ブラウザ三国志』知ってるよ!小松さんがやってたの?」と驚かれました(笑)。まさか、自分が小泉さんと同じ会社で働くとは思ってもいませんでしたね。
グローバルな環境が、エンジニアとしての成長を加速させる
@kajiken:そんな@vkgtaroさんですが、メルカリに入社したきっかけを教えてください。
@vkgtaro:メルカリUSの@bayashiさんからお誘いを受けたのがきっかけですね。もともと、@bayashiさんとは「Shibuya Perl Mongers」や「YAPC::Asia」などのカンファレンスでご一緒する機会が多くあって、知り合いだったんです。
@kajiken:なるほど、Perlつながりなんですね。
@vkgtaro:そうです(笑)。
@kajiken:メルカリに入って、ツールとしてのプログラミング言語はPerlからPHPに変わるわけじゃないですか。不安はなかったですか?
@vkgtaro:それなりにLL言語はPython、Ruby、PHP、JavaScriptなど一通り触わっていたので不安はなかったです。でもPHPはあまり触れたくない苦手な言語でした。ただ『ブラウザ三国志』がPHPだったので、偶然にも当時のナレッジやメソッドがいま活かされています(笑)。
@kajiken:業務上のコミュニケーションは、すべて英語なんですか?
@vkgtaro:ぼく自身、英語があまりできないので日本語になってしまっていて(苦笑)。グローバルメンバーは「話すのはイージーだから、気軽にどんどん話していこうよ!」と言ってくれるので、失敗を恐れず取り組んでいこうと思います。(※絶賛、英語勉強中)
@kajiken:いい話だなあ。
@vkgtaro:周りにグローバルメンバーがいるって、とてもいい環境ですよね。文化の違いがあることによって、物事への考え方が寛容的になるというか。何気ない一言によって、ハッと気づかされることが多いような気がします。メルカリには20か国以上のメンバーが働いている。その数の分だけ考え方があると思うと、とてもワクワクしますよね。
メルカリエンジニアに求める、技術よりも大切なこと
@kajiken:@vkgtaroさんが思う、メルカリのいい部分ってどこですか?
@vkgtaro:一人ひとりが自立して動いているところでしょうか。
@kajiken:というと?
@vkgtaro:組織って人数が増えると、誰かが誰かにぶら下がってしまうことってあるじゃないですか? それがまったくないのはメルカリらしさであり、いい部分だと思いますね。
@kajiken:耳が痛いです(苦笑)。
@vkgtaro:ぼくが入社した2017年9月時点の社員数から比べると、現在約2倍(約1200人)ですよ。すごい数のメンバーがメルカリにジョインしているわけです。
@kajiken:うわ、ぼくが入社した時点の約10倍……。時の早さを感じます。社員一人ひとりが自立して動ける根本的な要因って、どこにあると思いますか?
@vkgtaro:「Go Bold」「All for One」「Be Professional」という3つのバリューがあることだと思います。ぼく自身、それがはっきりと示されていることがメルカリに入る理由でもありました。自分で会社をやっていたとき、社員数は4人でしたけど、たった4人でも同じ方向を見ることは難しかった。仕事で行き詰まったり、迷ったりしたときはこのバリューに従えば最善の選択ができる。その結果、社員一人ひとりが自立できるんじゃないですかね。それに会社全体に「世界をとりに行くぞ!」という勢いや雰囲気も感じる。そこがいいなと思いました。
@kajiken:では、逆にダメな(改善できる)点は?
@vkgtaro:難しい質問ですね……。組織が発展途上であるところでしょうか。僕にとってはそれがはいいなと思うところですけど、「カオス」ですよね。コミュニケーションが右往左往するとか。
@kajiken:それは業務上で感じることでしょうか?
@vkgtaro:そうです。誰に聞けば、どのように進むかがわからない。とくに新入社員はわけがわからないと思うんですよ。一人ひとりが切り開いていくしかないと思うんですけど、慣れるまでには時間がかかりますよね。そこで戸惑いや不安が生まれたりするのはもったいないし、改善の余地があると思います。
@kajiken:ぼくらが行っているオンボーディングを強化しなければいけませんね。メルカリはミッションがひとつなので、向かう先も一緒なんですけど、向かうまでの過程(手法)がバラバラなんですよね。でも、逆にその過程すらも楽しめている人が多く入社している気もします。
@vkgtaro:たしかに。エンジニアも変化に柔軟で、どんな場面においても前向きに楽しめるようなメンタリティじゃないと、いいサービスやプロダクトは生まれないと思いますし。
@kajiken:この記事の目的は採用なので、単刀直入に伺いますね。@vkgtaroさんは、どんな人と一緒に働きたいと思いますか?
@vkgtaro:直球(笑)。
@kajiken:採用活動に本気なので。
@vkgtaro:スキルは当然大事なんですけど、何よりもチャレンジングな人と働きたいですよね。
@kajiken:メルカリって、組織もサービスも既に出来上がっているように見られがちだと思っていて。そういう意味でチャレンジングな環境がどのくらいあるのかなど、もっと外に伝えるべきじゃないですか。
@vkgtaro:同感です。何か好きな技術があって、それを極めたいと思える人と一緒に仕事がしたいですね。前クォーターで一緒に仕事をした仲間のなかに@codehexさんという方がいるんですけど、あるサービスのリリース2週間前に「このコードのここがダメだから、いまから修正しましょう!」と言われたんです。どうしても直したいと……。ちなみに彼は当時新入社員でした(笑)。
@kajiken:若気の至り! それでどうしたんですか?
@vkgtaro:わずかな修正だったらもちろん直しますよ。でも、その修正内容がリリース2週間前からする修正じゃなかったんです。「えーーー! そこ直すか?」みたいな(笑)。でも、彼の熱意におされて「よし、やろう!」となって。結果、リリースは遅れてしまいましたが、なんとか修正できて、メンバー全員が納得のいくサービスをつくることができたんです。
@kajiken:勇気を持って指摘をした彼もすごいですが、それを実現させたチームもすごいですね!
@vkgtaro:そんな強い意志を持った人と一緒に働きたいですね。「ここ直さなかったらダメでしょ!」と遠慮なく言えちゃう人。自分のスキルが足りているかどうかは、あまり考えなくていいかもしれないですね。スキルは自然と付いていくものだと思うので、それよりもスキルを発揮できる強い意志の方が大事。ぼくはそんな人を求めています。
@kajiken:@vkgtaroさん、アツいトークをありがとうございました。引き続き、メルカリを一緒に盛り上げていきましょう!
【エンジニアチームでは一緒に働く仲間を募集しています!】
Software Engineer, Backend
Software Engineer/Automation Developer, Mobile Testing
Software Engineer, Backend (Fukuoka)