メルカリで働くソフトウェアエンジニアが、ちょこっとお話を聞いていく本シリーズ。第13回はメルカリUSのCXI(Customer Experience Improvement)チーム、大島孝子さん(@hatone)。
今回の聞き手はEOT(Engineering Operations Team)チームの坂本結衣(@yui_tang)です。
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@yui_tang:@hatoneさん、ちょっとお話いいですか?
@hatone:(寝ている)…はっ、すみません。先ほどアメリカから日本に着いたばかりで、時差ボケしていました!
@yui_tang:おはようございます。では、@hatoneさんの入社時期や現在のポジションを教えてください。
@hatone:メルカリUSでソフトウェアエンジニアをしている、@hatoneといいます。メルカリには2017年2月にジョインしました。
@yui_tang:@hatoneさんはメルカリUSがあるアメリカで開発しているのですか?
@hatone:はい。実は新卒でサイバーエージェントに入社し、研修後すぐにUS支社へ配属となりました。それ以来、紆余曲折を経てずっと現地で働いています。ちなみに、仕事ではJavaとScala、ハッカソンなどではJavaScriptを使っています。
CSの課題を技術で解決する「CXIチーム」
@yui_tang:メルカリUSに入社したきっかけを教えてください。
@hatone:サンフランシスコ周辺で転職活動をしていたのですが、そのときの条件の1つが「愛用中のアプリを開発している会社で働きたい」でした。フリマアプリ「メルカリ」は、中古のブランド品を売買するなど、私にとって使い慣れたお気に入りのアプリだったんです。US版メルカリがローンチされると知ったときはうれしかったですし、初日から使っていました。
@yui_tang:@hatoneさんは今、メルカリUSのCXIチームにいます。ここではどういったものを開発しているのでしょうか?
@hatone:CXIチームのミッションは、CS(カスタマーサポート)業務での「不正出品を減らすにはどうすればいいのか」「CXを向上するために、ユーザーコミニケーションをどのように最適化するか」を技術で解決することです。そのため、CS業務を効率化するためのさまざまなツールを開発しています。最近では、マシンラーニングを使ったCS業務自動化にも取り組んでいます。
一方で、開発したツールが本当に役立っているかどうかも常に確認しています。CXIチームのモットーは「現場とデータに答えがある」。CS業務が本当に改善されているかどうかを計測するツールも開発して数値を確認し、同時にUS版メルカリのCSがあるポートランドへ行って現地メンバーにヒアリングしたりしています。
「本質的な問題はなにか」を考え、課題解決に向き合う風土
@yui_tang:@hatoneさんはメルカリUSに入社する前から現地で仕事をしています。アメリカから見たメルカリには、どんな印象がありましたか?
@hatone:私は6年くらいアメリカで働いていて、その中で海外展開に挑み、撤退していく日本企業をいくつか見てきました。事業をヒットさせることだけでも大変なのに、海外展開ではさらにプロダクトや会社それぞれのローカライズも求められます。海外展開は本当に難しいものです。
しかしメルカリは、その難しい海外展開をブルドーザーのような勢いで進めています。本来なら各所での調整に時間を要することが多いはずなのに、勢いとパワーを失わずに突き進んでいるところを端から見ていて「すごいなぁ」と純粋に思っていました。もちろん、改善すべきところはまだまだありますが、勢いを失わずに走り続けられているというのは成功確度が高い証拠だと考えています。
@yui_tang:メルカリが勢いを失わずに突き進められている理由はなんだと思いますか?
@hatone:私個人の印象ですが、メルカリは「変化を起こす人」「変化を許容する人」のバランスがいい。
「変化を起こす人」とは、Go Boldに新規事業を立ち上げたり、進めたりするメンバーということですね。そして、それを受け入れ、ハイパフォーマンスを発揮しながら一緒に戦ってくれるメンバーもいます。だからこそ細かいところで揉めることもないですし、結果的にうまくいかなかったとしても「あのときは大変だったね」とお互いに語り合える関係性ができているんです。
もう1つ、メルカリの強さとして感じているのは、メンバーみんながちゃんと本質を考えながら動いていることです。
開発では、問題解決の内容によってコードもアプローチも変わります。その中で最善の選択をするように、みんなが意識しています。常に「本当に解決すべきイシューはなにか」を考えながら取り組めるんですよね。
CXIチームでは、現場から「こうしてほしい」という提案をもらうことがあります。ところが、それよりもっといい解決策をエンジニア側から提案することができたとしたら? ここでわりとよくあるのは、そこで発生するコミュニケーションコストを省くためになんとなく現場から言われるがままにツールを作ってしまうことです。
しかし、CXIチームはとことん話し合います。先ほどもお話ししましたが、メルカリUSの場合は、ポートランドのCSメンバーにその都度電話会議をし、必要であれば現地へ行ってMTGもします。そして、結果的にCSにとって業務を効率化でき、CXIにとっては効率化に貢献できた数値を出せる結果へつなげていくことができるんです。
国と国をブリッジし、プロダクトに寄り添えるエンジニア
@yui_tang:@hatoneさんはCXIチームで今後やりたいことなどありますか?
@hatone:私は、これまでアメリカにわりと長く住みながら日系企業で働いています。そこで培ったスキルを活かしつつ、今後はさらに日本→アメリカ、もしくはアメリカ→日本で頑張りたい企業の戦力となるエンジニアを目指したいんです。
そのためにはまずCXIチームとして、日本とアメリカの垣根を越えて、メルカリのお客さまとプロダクトの架け橋を目指したいと思っています。メルカリにとって日本とアメリカをブリッジし、プロダクトに寄り添った開発ができる存在になりたい。
メルカリは日本もアメリカも関係なく、物事が3倍速で動いていくし、メンバー同士のやりとりも活発です。もちろん、うまくいかないことだってあります。それでも、3ヶ月前を振り返るだけでぜんぜん違った景色を見られる機会があるというのは、ワインのツマミにできるような思い出が増えていくようでおもしろいですよね。