ソフトウェアエンジニアの梶原賢祐(@kajiken)がメルカリで働くエンジニアたちをつかまえて、ちょこっとお話を聞いていく本シリーズ。第12回は2017年8月からメルカリのEOT(Engineering Operations Team)にジョインしたエンジニア・七島偉之さん(@jollyjoester)です。
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@kajiken:@jollyjoesterさん、ちょっとお話いいですか?
@jollyjoester:乾杯の件ですか? それでは、カー→ンパ↑ーイ!!!
@kajiken:「乾杯」のイントネーションが独特なんですね。では最初に、入社時期や現在のポジションを教えてください。
@jollyjoester:はい、@jollyjoesterと言います。2017年8月に、メルカリのEOTメンバーとして入社しました。
@kajiken:@jollyjoesterさんは、すべて熟知した“かんぱいやー”なんですよね?
@jollyjoester:そうです、かんぱいやーです。
というのも、僕がソフトウェアエンジニアを始めた頃にあった勉強会やMeetupのほとんどが硬い雰囲気だったんですよね。そこで「もっと打ち解けられる雰囲気の勉強会があってもいいのでは?」と思い、自分でも勉強会を開催するようになりました。その1つが今も続いている「Swift愛好会」です。
Swift愛好会も含めて僕が運営に関わる勉強会やMeetupでは、開始してすぐに乾杯し、打ち解けた状態を作ってからセッションを始める…というお決まりの流れがあります。これを当初からずっと続けているのですが、気づくとiOS界隈の人たちから「かんぱいやー」と呼ばれるようになっていて。最近では、自分が運営する勉強会以外でも「乾杯だけお願いできませんか?」とお願いされるようになりました(笑)。
つい先日も「try! Swift」という国際的なカンファレンスで800人を前に乾杯してきました。ちなみに「すべて熟知」というのは、前職であるベンチャー企業・Repro特製の“すべて熟知”Tシャツを着てイベントなどに参加することが多かったので、そのように認識されています(笑)。
エンジニアとして、プロダクト開発以外でも価値を出したい
@kajiken:どういうきっかけでソフトウェアエンジニアになったんですか?
@jollyjoester:大学時代は化学専攻で、高分子(プラスチックなどの素材になるもの)の合成を研究していたんです。当時はPCを触ることはほとんどなく、ブラインドタッチすらできませんでした。しかし、卒業後に入社したコンサルティング会社でシステム開発のプロジェクトに携わるようになり、プログラミングに興味を持つようになりました。そのうち本気でプログラミングを職業にしたくなってしまって(笑)。ちょうどiPhoneが世に出始めたタイミングで会社を退職し、フリーランスのiOSアプリ開発エンジニアになりました。
@kajiken:フリーランスになってからメルカリに入社するまでの間は何をしていたのでしょうか?
@jollyjoester:しばらくはフリーランスでiOSアプリやAndroidアプリを開発していたのですが、1人でできる範囲の狭さとキャリアアップに不安を感じ始めるようになっていきました。そして優秀な人と一緒に働くなど刺激を受けながら働きたいと思い、モバイルアプリ向けのアナリティクス&マーケティングのサービスを提供しているReproに転職しました。
そこではSDK開発やカスタマーサポートを担当していました。とても成長できる環境で楽しかったですね。「すべて熟知」したのはこのタイミングです(笑)。当初は5〜6人規模だったReproが40人規模になったタイミングで退職し、メルカリへ入社しました。
@kajiken:メルカリへ入社した理由はなんだったのでしょうか?
@jollyjoester:Reproで働いて、エンジニアとカスタマーサポートの掛け合わせから生まれる価値を知りました。そして、どんどんエンジニアとしてのスキルアップと同時に「プロダクト開発以外でも価値を出すことはできないか」ということにも興味を持ち始めていきました。
そんなときにメルカリの勉強会やMeetupに来て@kajikenさんやほかのメンバーとも話す機会があり、エンジニアが専任で開発組織を強くするための動きをするという今のEOTにつながるチームの話を聞いて心が動いて…現在に至ります。
300人規模のイベント運営で意識した「エンジニアのストレスをなくすこと」
@kajiken:メルカリに入社してすぐに「Mercari Tech Conference 2017」の実行委員長に就任していますよね?
@jollyjoester:そうです。これは僕にとって入社してすぐの大役であり、かつ新入社員として慣れない環境下でのプロジェクトでした。入社してすぐ全社的なイベントの実行委員長をするというのは、振り返ってみると…なかなかハードな立ち上がりでしたね(笑)。
開催まではこれまでのメルカリのエンジニアリングに関するピックアップも兼ねて、各エンジニアチームのマネージャーに「ちょっとお時間いいですか!」と声を掛けていたことを覚えています。
@kajiken:実際にカンファレンスをやってみて、外部からの反応はどうでしたか?
@jollyjoester:Mercari Tech Conference 2017は300人規模のカンファレンスです。となると、参加者から一定数の不満が出てくることは避けられません。そこで意識していたのは、カンファレンスに参加するエンジニアがストレスに感じることをなくすことでした。
例えば、メインセッションだけでなくブースでの展示にも注力しました。というのも、1日かけて行われるものになると、当然ながらセッション疲れしてしまう人が出てくるからです。そこで、セッションの合間に楽しめるようなブースを数多く用意しました。
おかげで、展示のほうが開発成果を見せやすいチームの魅力を伝えることもできたと思っています。ほかにも、US版メルカリを体験できるブースもあったのですが、「UIの違いがわかっておもしろい!」と好評でした。
チーム間にある“バリア”をぶっ壊したい
@kajiken:カンファレンスの企画運営も熟知している@jollyjoesterさんは現在、EOTでどういった仕事をしているのでしょうか?
@jollyjoester:EOTでの僕のミッションは、HRや各開発チームと連携して一緒にソフトウェアエンジニアを採用をしていくことです。
一般的な会社では、各チーム(部門)の採用はすべてHRが進めていくイメージですよね。しかしメルカリでは各チームに採用目標があります。つまり、HRだけでなく全社で採用を行なっているんですね。
これは、チームが求めている人材をより積極的に採用できる反面、採用活動に慣れていないとメンバーにとってプレッシャーになってしまうところがあります。さらにいうと、開発チームの中には社外向け発信が苦手なメンバーもいたりもします。
そこで、エンジニアとしての背景のある僕がサポートをしたり、企画を持ちかけたりして仲立ちすることでより効果的に採用活動ができるようにしています。
また、エンジニアとしてメルカリの魅力を熟知した上で企画に落とし込み、勉強会やMeetupといったもので発信していくことも僕のミッションです。そのため、僕の今の仕事は各開発チームの緩衝材となり、必要な情報をキャッチして、よりよいカタチで発信するための企画を考えたり、実際にイベントを企画して魅力を発信できる土壌づくりをしています。
@kajiken:@jollyjoesterさんが「メルカリのエンジニアの魅力発信」を通じて今後やりたいことはなんでしょうか?
@jollyjoester:僕自身、エンジニアとしてのスタートは遅い方ですが、勉強会などを主催し、アウトプットを続けていくことで周りの人たちに成長させてもらっていました。今の僕が個人的にも引き続きイベント運営をしているのは、今度は僕が成長機会を与える側になりたいからなんです。
だからこそメルカリでは、「メルカリで働いたことで、技術的プレゼンスが上がった」みたいなところに寄与していきたいし、エンジニア一人ひとりがパワーアップできるような仕事をしていきたいと思っています。
@kajiken:メルカリでそういった環境をつくるために、現在取り組もうとしていることはありますか?
@jollyjoester:今後、メルカリは開発組織としてもどんどん大きくなっていきます。そうすると、どうしても「これをやりたいんだけど、自分のミッションじゃないから手を挙げにくい」「これをやってもいいのかな」といったバリアのようなものを感じることが増えてくると思います。そうなると、チーム毎にコミュニケーションが閉じてしまい、エンジニア個人にとって有益な情報もやりとりできなくなってしまいます。
EOTとして「エンジニアの魅力発信」だけでなく、チーム間のやりとりをスムーズにし、各エンジニアが活躍できる環境もつくるべきだと思っています。そのためにはまず、チーム間にあるバリアのようなものを、僕が積極的に壊していこうと目論んでいるところです。
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