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“楽しいが正義”を合言葉に。過去最大級のキャンペーン「超メルカリ市」の企画が出来るまで

2025-3-6

“楽しいが正義”を合言葉に。過去最大級のキャンペーン「超メルカリ市」の企画が出来るまで

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2024年8月に実施した過去最大級のキャンペーン「超メルカリ市」。その第2回が2025年2月27日(木)から3月18日(火)まで開催されています。

【2/27-3/18】超売れる!超買える!超ワクワク!「超メルカリ市」がいよいよスタート!


このキャンペーンは「超売れる!超買える!超ワクワク!」をコンセプトに「人がたくさん集まるから出品した商品が超売れる!」「欲しい商品がたくさん出品されて欲しいものと出会える」というフリマの売り買いの楽しさを最大限に楽しむ期間として企画されました。第1回では売り買いをもっとおトクにするキャンペーンに加え、著名人の偏愛するアイテムを集めた「超偏愛市」や、購入・発送完了するたびにまわる「超メルカリくじ」など、お客さまにとって“使うことが楽しくなる”企画を詰め込んだキャンペーンに。ではこの企画はどのように生まれたのか?

今回は第2回目の実施に合わせて、この企画がどのように生まれたのかを紹介します。当キャンペーンを主導した山岸香織(@yamachan)と高橋雄介(@t_osuke)の二人がその様子を綴りました。

この記事に登場する人

  • 高橋雄介(Yusuke Takahashi)

    大手SIerにてシステムエンジニア・ITコンサルを経験した後にマーケティング業界へ転向。マーケティングコンサルタントとして大手企業のマーケティング・ブランディング戦略立案に従事。その後、PayPay株式会社のユーザーグロースチームのマネージャーを担当し、2023年7月にメルカリへ入社。GMV Liftへ寄与する大型施策の企画・実行を担当。

  • 山岸香織(Kaori Yamagishi)

    Webメディア編集者・コンテンツプランナーとしてオウンドメディアの新規提案やリニューアル、運用を経験し2019年12月にメルカリへ入社。オウンドメディア運用、SNS運用などコンテンツマーケティングを経て、キャンペーン企画などのGrowthMarketingチームへ。メルカリグループ組織横断でのイベント企画、OOH、TVCMなどオフライン広告のプランニングを中心に担当。

超メルカリ市の世界観

@yamachan:超メルカリ市のプロジェクトについて語るわけですが、まずはその概要について紹介していきましょうか。

@t_osuke:過去最大級のGMV(流通取引総額)を狙った大型キャンペーンとしてローンチした施策です。「超売れる!超買える!超ワクワク!な超メルカリ市」というコンセプトのとおり、『メルカリ』が最も活性化する期間となるように企画したキャンペーンです。プロモーションだけではなく、プロダクトの改修も大胆に行い、MarketingチームとProductチームにとって最も大規模な全社施策です。

「楽しい」「ワクワクする」がキャンペーンの体験に加わるように、とても気持ちを込めた企画で、シンプルに「メルカリを楽しむ!」というコンセプトを体現したキャンペーンができたことが本当によかったし、そこが一番重要だと思ってます。

@yamachan:実際に、GMVに対しての結果も残せて、とてもアツい夏でしたね。酔っ払っても、寝ても覚めても超メルカリ市のことで頭がいっぱいで、これまでに100回くらい超メルカリ市の夢を見ました(笑)。

@t_osuke:お客さまからの感想もポジティブでよかったですよね。

@yamachan:お客さまから見えるUIの部分から振り返ると、直感的にキャンペーンへ参加できるようHOMEのビジュアルを大きく変更。お買い物がおトクになるクーポンや販売手数料還元のインセンティブの体験設計といった工夫に加え、「やや想像を上回るユーモアのあるアニメーション」のくじや売り買いの情緒価値をテーマ化した「ハッシュタグ出品」キャンペーン、「好きな人を通して好きなモノに関心を持ってもらう『超偏愛市』」など盛りだくさんでしたよね…。企画者冥利に尽きるプロジェクトでした。

著名人をはじめとした “あの人”の偏愛しているモノやライフスタイルの価値観を楽しむ企画「超偏愛市」

@t_osuke:お客さまからも、アプリ内やCMのクリエイティブの世界観もよかったと好評で、それも嬉しかったです。この世界観がかわいくて思わずエントリーした、という評価はこれまでのキャンペーンでは成しえなかったことだったので、“直感的に参加したくなるコミュニケーション”をどうすれば実現できるか、苦慮したことが報われたような気持ちになります。

超売れる!超買える!超ワクワク!」が決まるまで

@yamachan:コンセプトをじっくり考えられたのもよかったですよね。キャンペーン名を考えようとなっていたときに「超メルカリ市だ!」とこれしかない名前が爆誕した瞬間を覚えています。いつもの『メルカリ』がもっと『メルカリ』になって、「市場」の楽しみがさらにブーストされる。そして「超売れる!超買える!超ワクワク!」のタグラインが開発され、合言葉になりました。これがメンバーみんなに納得のいくものだったことがよかったのかもしれません。

@t_osuke:お客さまがメルカリのコアベネフィットをより明確に感じられる瞬間をつくりだしたいと思ってのコンセプトですよね。その熱が、まだ使っていない人へも波及するといいな、という。認知が上がり、市場が拡大し、売り買いのマッチングが高まって、お客さまが満足する。そんなフリマの場の拡張を超メルカリ市がブーストできればよいなと。

@yamachan:振り返ってみて、他にはどんなことを思い出しますか?

@t_osuke:参加してくださったお客さまからいただいた感想のなかに「超メルカリ市期間中は超売れた」「超メルカリ市期間中に欲しいものが出品されていたので、思わず買った」という声が複数あったので、もう、それは本当にやっていてよかったと思いました。これがコンセプトを体現した企画なんだなと思ってます。

@yamachan:さかのぼって、プロジェクト誕生は2023年10月と、ずいぶん前ですよね。課題を洗いだすうえで「お客さまに覚えてもらえて、エンゲージメントのあがるコアキャンペーンを確立したい」という提案がVPからあった。何が勝ち筋だったと思いますか?

@t_osuke:コンセプトドリブンでの施策設計をするという観点でしょうか。前職含めた経験からの肌感ですが、数字目標達成のための最小限コストパフォーマンスでやろうとすると、その範囲内におさまる成果を目指した施策提案になるので、システマティックになりがちで、ブレイクスルーが目指せない。

すでに世の中に存在しているECサービスでのキャンペーン施策って、無機質で感情があまり動かないな、と思っていたんですよ。せっかくメルカリにいるんだから、面白い、ワクワクする、感情を動かす仕事をしたい。お客さまの心を動かしてGrowthするにはどうしたらいいかを考えたかった。

@yamachan:それでいうと「売りたい人は超売れて、買う人は欲しいものが超見つかる」の声がキャンペーン事後のお客さまインタビューでリアルに聞けて、感じてほしい体験や欲しい印象が少しでも得られて、よかったよね。

お客さま目線とマーケター視点、そして仕事の醍醐味

@yamachan:超メルカリ市の施策、大変だと思いましたか? キャンペーン期間中は忙しすぎてお互いがどう感じながら仕事してるか会話しなかったけど…。今だから言える「大変だったこと」ってありますか?

@t_osuke:当初からローンチまでの過程で、徐々に目標にたいする期待値や組織が大きくなったな、とは思います。そのプロセスでは「おお?」と驚くこともありました。

@yamachan:普段担当している領域が異なるメンバー間との意見の相違もありましたね。とくに、協業するうえで最も密接だったUXデザイナーや、PMやエンジニア。お客さま体験とGrowthのコミュニケーションとの相違がありましたし、すぐやりたいと思ったUIの実装設計に時間がかかったり。私はマーケ観点の主張をガンガン正としてコミュニケーションしていましたが、@t_osukeさんは相手の立場を重んじながら会話していた。そのスタンスは意識しないとできないことなので、すごいなと思いました。

なんで常にフラットでいられたのですか?@t_osukeさんって、めっちゃ意思があるのと同時にメンバーがコメントしたら絶対に耳を傾けますよね。

@t_osuke:超メルカリ市を今後も続けたいからですかね。少なくとも、今後、施策を2、3回実施するとして、こんなに大掛かりで注目度の高いプロジェクトで、一緒に仕事をするメンバーが現時点で納得できていなかったらダメだと思うんです。僕が仕事をするうえでは、膝詰めで議論することを大切にしているのも理由のひとつですね。こうした目線って、顧客体験にも影響しませんか?

@yamachan:自分の目線や価値観が正義だと思ったらダメですよね。あえて丁寧にステークホルダーと会話したいと思っているのはなぜですか?

@t_osuke:メルカリ入社前にコンサルティング業を経験しているのですが、企画への納得が乏しいものはクライアントの現場の合意は得られても、決済者の承認までは届かない、みたいな出来事がよくありました。

関係者が心からそうだなって納得しないものは、人の心を動かさないので、いくら戦略や具体的な提案がよくても、提案先にウンとは言われなかったんですよね。だから、相手がひっかかってるなっていう点には、比較的よく気づくかもしれないです。

@yamachan:超メルカリ市ではどんなやりがいがありましたか?

@t_osuke:大きく3つあります。1つ目。とにかく、顧客視点を考えに考え抜いてやろうとするアプローチそのもの。2つ目。施策認知を上げるための打ち手があったこと。認知が足りないと、とにかく何をやっても厳しいと、前職で歯がゆい思いをしていました。プロダクトの一丁目一番地で施策ができるのはすごいことだと思います。3つ目はやりたいと思った施策を、とにかくプレゼンテーションした上で社内の合意がとれ、実装、実現できたこと。

購入/発送完了するとアニメーションが発動して、くじの結果が出る「超メルカリくじ」の企画のQAで無事にアニメーションが動いたときが、嬉しかったことランキングNo.1ですね。

@yamachan:くじのアニメーション企画はエンジニアにもクリエイターにも、多くの協力者がいたので、ローンチしたときはとくに感慨深かったですよね…。

@t_osuke:思わずシェアしたくなるか、シェアするコンテンツもお客さまにとって唐突でないように、『メルカリ』のサービスと関連性があるトピックにする。くじをひきたくなるように確率変動(確変)演出をつくるなど、こだわりが多くあったのをかなり無理言って設計、実装まで協力してもらいました。でも、これをお客さまが思いのほか楽しんでくださり、当選結果のシェア数もとても多かったので「思わずシェアしたくなる」体験がつくれたのかもしれません。PMやエンジニアには本当に感謝ですね。

これを全コンプしたお客さまも
くじを引いた結果画面でシュールなオススメアイテムが排出される。(ジャンベ…?)

@yamachan:リアクションでいえば、「ジャンベおすすめされたけどメルカリにジャンベ売ってるのか…?」「メルカリでジャンベが売られていた」など、くじの結果排出画面のコンテンツに反応し、調べてくださったお客さまもいたのが感動的でしたね!

@t_osuke: ゲーミング要素を入れたかったので、思い描いていた感想をいただけてほんとによかったです。

次の超メルカリ市に向けて

@yamachan:超メルカリ市のプロジェクト進行中の思い出は星の数ほどあるのですが、@t_osukeさんのパンチ力に気付いた象徴的な出来ごとがありまして。先に挙げていた超メルカリくじの”箱がぶっとぶ”アニメーションについて。完成まで、方向性や構成を決めるまでけっこう時間をかけたじゃないですか。

@t_osuke:たくさん議論しましたね。

@yamachan:“箱がぶっ飛ぶ”アニメーション演出のバリエーションをどう作るか、何十時間も話し、「じゃあこのパターンで決定ですね」とMTGを終えやっと設計ができた〜と思ってルンルンでパソコンを閉じて迎えた翌朝。@t_osukeさんから激烈なテンションで「本当にこれでいいのか?これだと面白くないのではないか?」と連絡がきて。

「僕はyamachanを信用してるから、yamachanが本当にいいと思うならそれでいいんですが、ほんっとうにいいと思ってるんですか? 僕はこれで本当にいいとは思えないので議論を仕切りたいです」(原文ママ)と気迫強めのコミュニケーションが来たんです。

あのときの@t_osukeさんの気迫は忘れられないですね。「ぶっ飛ぶニュアンス」とか「確変感」の整理についてひっかかりがあったとのことで、超速UXRを実施し、その結果を持ってして再議論の実施に至りました。@t_osukeさんって、そこまで強い意思があって、方向性を示したいのに、絶対に自分ひとりで進めないで、必ずメンバーへ考えを共有し、議論してから次に進めようとするんですよ。それがメンバーの納得感に本当につながってるんだなって、ほんとに実感しました。

結果、振り返るとあの時の最終議論が大きなターニングポイントだったと思います。アウトプットとしては小さな差分でしたが、立ち止まって修正ポイントに盛り込んでよかったですね。要件定義がギリギリまで決着しないなか協業してくれたPMやアニメーションデザイナー、エンジニアら、プロジェクトのメンバーにはもう感謝でしかないです。

@t_osuke:(微妙な表情)

@yamachan:@t_osukeさんがお客さまに本当に価値を提供できているのか、本当にこれでいいのか?と納得行くまで俯瞰で見直し続け、考えに考え抜きもはや粘着しているのに、感動すら覚えました。@t_osukeさんはマーケティングは好きですか?

@t_osuke:施策にこだわるのも、マーケティングに取り組むのも、人の心をポジティブに動かすのが好きだからです。事業会社でマーケティングをする醍醐味は、プロダクトやデザインと協業でキャンペーンの企画を自分で考えて、アウトプットして、体験してもらうことだと信じているので。

@yamachan:この熱量が施策の骨子やチームを作っている感じがします。これからも、多くの方へサポートしていただき、元気玉みたいにGrowthし続ける企画でありたいですね。

@t_osuke:それでいうと、誰とやるかも大事だと思ってます。

@yamachan:第1回は多くの方に協力してもらいましたよね!プロジェクトのslackの人数は250人以上、開発チャンネルも170人以上と、大規模だったので、携わってくれた方全員の頑張りなくしてはできなかったので、全員に感謝しています。

当時はまだ十分な体制もなく、立ち上げ初期のメンバーとの協業なくしては実行できませんでしたね。こんなにもプロフェッショナルと協業できる機会は人生でもなかないので、すごく贅沢な経験をしているな、とありがたみをスルメのように毎日噛み締めていました。

@t_osuke:アートディレクションしてくれたクリエイティブメンバーや、体制のない状態でも相談にのって積極的に意見出しをしてくれたPM、UXリサーチを積極的に実施強力してくれたり、GrowthのLift分析をしてくれたアナリスト、UXデザイナー、エンジニア、PRメンバー、VP、みんなが超プロフェッショナルだったからこそ実現できた企画ですね。

@yamachan:自分が仕事する「超ワクワク!」の感覚も忘れないでね。今後はどのようにプロジェクトや企画をアップデートしていきたいですか?

@t_osuke:引き続きProductチームと協業し、これまでの「売り買い」のフリマの楽しさをより一層感じられる体験を提供することにチャレンジしたいです。「おトク」は競合ECでも発揮できる価値だけど、メルカリならではの価値は「売れる」「自分の価値観に合ったものが買える」ことだと思うので、そこをもっと実感してもらえる企画にする。これを前提にしながら「キャンペーンには基本参加しない」ようなお客さまでも「参加したい」と思ってもらえるような体験にしていきたいですね。まだまだ、取り組みたい課題がたくさんあるので、今後に生かしていこうと思います。

@yamachan:@t_osukeさんはよく「面白い企画がいいキャンペーン体験になる」と言ってますが、それが具体的にどういう企画か、イメージありますか?

@t_osuke:他社がやっていないような、顧客視点に立った本気で楽しさを追求した企画です。例えば、っていう例はネタバレになるので…オフレコです。

@yamachan:ちなみに、ディスカッション中に私が「例えば」で企画を提案すると「もっと〜」とか「いや、少し甘いです」みたいなことを毎回言ってきて、本当に@t_osukeさんは要求が過剰です。…言いたいことを言わせてもらってスッキリしたところで、さて、企画会議をしますか!

超メルカリ市のm!

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