メルカリは、サービスの拡大とともにメンバーも急速に増やしてきました。
国内約400名のメンバーのうち半数以上を占めるのがカスタマサポート(CS)職。
創業初期から内製にこだわり続ける背景には、カスタマサポートをお客さまの課題解決全体を担うセクションと捉える、メルカリの思想があります。
今回は若くしてCSのユニットリーダーを務め、新サービス「大型らくらくメルカリ便」の開発から携わっている阿部幸太のインタビューをお届けします。
【プロフィール】
阿部 幸太
メルカリ カスタマーサポート ユニットリーダー
2012年より大手ECサイトのカスタマーサポート部門に所属し、仙台拠点の立ち上げ、育成、改善活動に携わる。
2015年7月に株式会社メルカリにジョイン。らくらくメルカリ便に関するカスタマーサポートの立ち上げ、業務設計、パートナー会社との企画、改善活動、メンバーの採用・育成を担う。
ビジュアル系バンド時代が徹底してお客さまを意識する原体験
現在は仙台を拠点に新サービスをCSのユニットリーダーとして引っ張る阿部。まずは彼のバックグラウンドから伺いました。
実は、6年ほど前まで東京で精力的にバンド活動をしていました。今でもメルカリのメンバーと一緒にバンドを組んでいます。
社内のCSメンバーと共に組んでいるバンドも阿部の楽しみの一つ
入社前にやっていたのは、いわゆるビジュアル系バンド。ギター担当でありながら、スケジュール管理からバンドHPの作成、CDジャケットやライブグッズのデザインまで… メンバー兼プロデューサーといった役割でしたね。
当時から、自分たちで生み出したものでお客さまの人生が少しでもポジティブに変わることに喜びを感じていました。
偶然出会ったカスタマーサポートが、いつしか自分の天職に。
バンド活動からCS職に就いた阿部はどんどんその魅力を感じ、やりがいをみつけていきます。
上京してバンド活動に挑戦してしばらくが経ち、25歳になった頃のことです。このまま続けていても生活できるか分からないという焦燥感から、仕事を探し始めました。その時、紹介で出会ったのがECサイトのカスタマーサポートです。
CSの魅力を知った阿部は、次のステップとしてメルカリにジョインしました。その背中を押したのは、メルカリが掲げるミッションでした。
前職での約3年の勤務期間は非常に充実していました。ですが、同時に大きな組織であるために自分で作っているという実感が持ちづらくなってきて…。自分で新しい顧客体験をゼロから作り出す体験を求めて、メルカリにジョインしました。ちょうどテレビCMなども始まっていましたが、本気で世界での成功を目指しているミッションに共感したところが大きいですね。
当時はまだ設備なども整っていなくて。でも、ここから自分が作り上げられるんだとワクワクしたのを覚えています。また、CSマネージャーだった山田の存在も大きかったですね。
当時から「カスタマーサポートをプラチナ職種にする」と本気で目指していたんです。カスタマーサポートはコストセンターだと捉えられがちなんですが、メルカリは違いました。
「今のお客さまは未来のお客さま」と考えて、最前線で新たな価値を生み出す存在として重要視されているんです。
拡張し続けているカスタマーサポートの領域。
入社時からメルカリは大きな成長を続けてきました。CSとしての変化にはどんなものがあったのでしょうか。
基本の哲学は変わりません。ただし、やはりサービスの規模に応じてカスタマーサポートの業務領域は広がってきています。
当初はお客さまからの問合せへの“受け”の対応が中心でした。ですが、お客さまが多くなってくると追いつかなくなってくるんです。そもそもお問合わせしなくても済むようなサービス開発に携わるといった “攻め” の仕事が顧客体験の向上に欠かせなくなってきました。
たとえば4月にサービスを開始した「大型らくらくメルカリ便」。わたしは開発から携わっています。既存の「らくらくメルカリ便」は全国一律の料金で匿名配送が可能ということで、これまでご好評を頂いてきました。
しかし、カスタマーサポートの立場からは開発時点でもっと顧客体験を向上できたという改善の余地がありました。
「大型らくらくメルカリ便」では上流から“カスタマーサポート視点”を取り入れたサービス開発にチャレンジしました。
実際のアプリ開発をカスタマーサポートが担うわけではありませんが、エンジニアやプロデューサーに視点の提供をすることは可能です。
ガイドラインやアプリの仕様など、あらゆる点にカスタマーサポートならではのホスピタリティを組み込む。いわばわたしたちはお客さまの代弁者として先回りしてサービスにアドバイスするわけです。
そうなると当然、カスタマーサポート以外の職種のメンバーとの協力も欠かせません。ビジネススキームの構築段階からBizDevと一緒に、補償のシミュレーションや大型商品だからこそ生じるネガティブな顧客体験の洗い出しをしたり。
また、サービスの特性上どうしても複雑になりがちなUIをお客さまの視点からエンジニアにフィードバックしたり。また社内だけでなく、今回のパートナーであるヤマトホームコンビニエンス株式会社のご担当者さまと何度も打合せを重ねました。
実はサービス開始のときに、どこか懐かしい気持ちがしたんです。 バンド時代に新CDをリリースする時の感覚に似ていて。自分の専門性や情熱を注ぎ込んで新たな価値を生み出すという点で、本質は変わらないと思うんです。
これまでお問合わせもいただいておりますが、皆さま待望のサービスだったということで喜ばれているのは嬉しいですね。
スマホで「大型らくらくメルカリ便」を説明する阿部の顔は、どこか嬉しそう
仙台から、世界一へ。それが本気でできるチームだと信じている。
阿部が居を置くのはメルカリCS最大の拠点でもある仙台。サービスの拡大とともにオフィスにも変化があったのか。彼はこう語ります。
メルカリのバリューである“Be Professional”な空気がありますね。各メンバーが専門性をもって、主体的に動くチームだと思っています。メルカリは全社員の半分以上がカスタマーサポートのメンバーで、そのうちの約8割が仙台オフィスにいます。
仙台オフィスの姿勢が会社のカラーになると思っているので、最近は改めてバリューに立ち返ってチームを構築しているところです。仕事が終わった後の部活動や食事なども盛んなので、チームワークもいいですね。
ユニットリーダーとして、積極的にメンバーに声をかけるよう心がけている
チームとしては、世界一のカスタマーサポートを本気で目指しています。
バンドの時もそうでしたが、チャレンジするためには上京しないといけない空気ってありますよね。でも、これだけインターネットで世界と繋がる時代になって、仙台で世界一を目指すということも可能だと思うんです。
メルカリのミッション達成を仙台から牽引していきたいですね。個人としては、カスタマーサポート全員が主役として活躍できる環境を作れるように、
これまでよりも高いマネージャー視点をもってチームに還元していきたいです。