メルカリはこの4月より新たな開発組織へと移行することになりました。
サンフランシスコ現地で開発をリードしてきた名村が新たにCTOに就き、これまで開発グループを牽引してきた柄沢がVP of Engineeringとなります。
今回のメルカンでは、グローバルな拡大を続けるメルカリ開発チームのこれまでとこれからを、二人へのインタビューを通してお伝えします。
柄沢聡太郎(執行役員 VP of Engineering)
2010年グリー株式会社に入社。2011年2月に株式会社クロコスを立ち上げ、CTO就任。2012年8月、クロコスをヤフー株式会社へ売却。その後もヤフーのグループ会社としてクロコスの事業成長と平行して、ヤフー自身のソーシャルの展開、新規事業を担当。強い開発組織のためのマネージメントを経験した後、2015年5月、株式会社メルカリに参画。執行役員CTOとして、技術領域全般を統括。2017年4月、執行役員VP of Engineering就任。
名村卓(執行役員 CTO)
2004年株式会社サイバーエージェントに入社後、アメーバピグ、AWA、AbemaTVなどの新規サービスの立ち上げに従事。2016年7月、株式会社メルカリに参画。US版メルカリの開発を担当、2017年4月、執行役員CTO就任。
メルカリ開発チームのこれまで
東京、サンフランシスコ、ロンドンの世界3拠点開発というチャレンジに取り組みながらメルカリの開発組織は成長を続けてきました。
インタビューではまず、二人がこれまでメルカリにコミットしてきたことについて聞きました。
柄沢がメルカリにジョインしたのは2015年5月。この2年間、CTOとしてどのような立ち位置、ミッションでプロダクトチームを率いてきたのでしょうか。
柄沢:
僕が入社した時、プロダクトチームは40名に満たないくらい。エンジニアは20名ほどでした。それから約2年で開発拠点は計3つとなり、エンジニアだけでもグローバルで100名近い組織になってきました。
メルカリにはプリンシパルエンジニアのように、各ポジションに尖ったメンバーが数多く在籍しています。CTOというタイトルは会社ごとにいろんな役割があると思いますが、僕自身のミッションは「拡大に耐えうる組織化」と「グローバル開発の土壌づくり」。それに邁進してきました。
一方で、柄沢からCTOを引き継ぐ名村は2016年夏に入社して以来、サンフランシスコオフィスで、USメルカリの開発リードを担ってきました。
名村:
前職ではゲームからSNS、メディアプラットフォームなど様々なサービスの立ち上げを経験していました。メルカリでは入社以来、USにフルコミットするためにサンフランシスコに居を置いてコミットしてきました。
ここ半年は、USアプリの成長を加速させる上で必要になるシステムの設計と開発に携わってきました。
CTO & VP of Engineeringの2頭体制に
今回の体制変更に合わせ、名村がCTOとして技術的な基盤・開発チームをグローバルにリード、柄沢はVP of Engineeringとして引き続き、組織基盤を強化していくことになります。
どうしてこのタイミングでの体制変更となったのでしょうか。
柄沢:
これまでメルカリは、何よりもプロダクトを最速で伸ばし、ユーザーに新たな価値を提供することにフォーカスを当ててきました。ただ、まっすぐ突っ走り続けるだけでなく、近い未来に起こることへの対処や投資をより一層していくための体制変更でもあります。
CTOとVP of Engineering、役割を明確に分けるスタイルは、グローバルなテックカンパニーではスタンダードなんですよね。僕と名村さんで「世界で戦える開発組織」を組織と技術の両軸でつくっていくことになります。
今メルカリはJP・US・UKで展開し、グループ会社のソウゾウでも既存・新規のプロダクトをどんどん成長させていこうとしています。ローカルでの成長を継続させていくためにも、グローバル開発組織を強化拡大する舵取り役に集中していきます。
名村:
聡太郎さんが組織マネジメントを巻き取ってくれる一方で、私はCTOとして技術マネジメントを担うことになります。
これまでサンフランシスコでメルカリを開発してきて感じたことは2つあります。
ひとつは、最新の技術トピックスはやっぱりUSが一番新鮮で情報量も多いこと。「新しい技術=メルカリで採用」というロジックではありませんが、新しい技術が生まれる背景には必ず、これまで課題となっていたものを解決に導くヒントが隠れています。
トレンドの中心に身を置きながら、CTOとして新たなミッションを私が持つことは合理的かなと思います。
ふたつめは、なによりメルカリの開発組織は非常に強い一方で、まだまだポテンシャルを秘めていること。
メルカリはプロフェッショナルなエンジニアが揃っていますが、彼ら個の力を最大限に発揮できる技術的なロードマップを整えていけば、より組織のバリューを発揮できると。結果的には私たちのミッションにつながるはずです。
真面目な話、私は人の気持ちに興味関心を持てないのですが、コンピュータの気持ちは分かる気でいるんです。
組織面は聡太郎さんにお任せして、私は自分の価値を発揮できるところを全力でやろうと。
世界で戦えるプロダクト開発組織に
今回の体制変更はまさにメルカリのミッション、そしてバリューに基づいたもの。
ミッション
「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」
バリュー
– Go Bold – 大胆にやろう
– All for One – 全ては成功のために
– Be Professional – プロフェッショナルであれ
最後に、新たな個人ミッションを担った二人が考える、メルカリ開発チームのこれからについて聞きました。
柄沢:
「完璧な組織」であり続けることはないと思っているので、常にその時その時にあるべき最高のアウトプットを出し続ける組織を作っていきたいですね。
例えばメルカリは東京・サンフランシスコ・ロンドンという時差がかなりある中で、協力して開発を続けていますが、まだまだデメリットをメリットに変えられるポイントはあるし、出張や赴任ベースの意思決定ももっと大胆にしていきたい。
もっと高い視座、広い視野で名村さんと一緒になってやっていきます。
名村:
メルカリの開発も組織も個々人もグローバルスタンダード、それを超えられるようにしていきたいですね。がんばりましょう。