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新年度のテーマは「Back to Startup」と「AI-Native」。12周年を迎えたメルカリが目指すこれからの姿

2025-8-12

新年度のテーマは「Back to Startup」と「AI-Native」。12周年を迎えたメルカリが目指すこれからの姿

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本年で『メルカリ』のサービス提供開始から早12年。スタートアップからはじまり、大きな企業へと成長したメルカリは、今、大きな岐路に立っています。代表執行役 CEO 山田進太郎がその答えとして示したのが「Back to Startup」に「AI-Native」を加えるという宣言でした。

「AIを全ての基盤として組織とプロダクトを抜本的に変えていく」と明らかにし、メルカリではこれまでより一層様々な変化が起きはじめています。

まずはその先駆けとして、経営方針発表会と決算説明会当日に発表されたメッセージから、メルカリが描くAI戦略をご紹介します。

Group Direction:代表執行役 CEO 山田進太郎(@suadd)

昨年度は「Back to Startup」をテーマに、プロダクトと組織の改革が重点的に行われました。

「お客さま体験へのAIのインテグレート」が着実に進展し、コアプロダクトの改善に注力した結果、Marketplace、FinTech、USの3事業全てにおいて増益を達成し、グループ全体として力強い成長を実現。その結果として、全事業において過去最高益を達成しました。

また組織面としては、新たなValueとして「Move Fast」を追加、個人と組織の可能性を最大限に引き出す「Hybrid Workstyle」を導入、さらには後半でご紹介する100名規模の「AI Task Force」の発足など、会社全体で大きな変革を進めてきました。

「この大きな変化を一緒に起こしてくれたこと、私からもみんなに感謝したいと思います。ありがとうございます」と感謝の意を表したのち、「未だトランスフォーメーションと呼べるほど抜本的な改革はできていない」とも強調。

したがって昨年度のテーマである「Back to Startup」の継続が必要であると示されました。

さらに、AI技術の急速な進化はビジネス環境に大きな変化をもたらしています。これに対応すべく、今年度は「Back to Startup」に加え、「AI-Native」がグループ全体のテーマに掲げられました。

これは今年12月までに「プロダクト、仕事のやり方、組織すべてをAI中心に再構築し、AIの進化を最大限に活用することで、これまでにない成果を目指す」という決意表明です。

AIへの対応が遅れれば、競争環境の中で後れを取る可能性もあるとも指摘。個人の成長も同じく、AIによる生産性向上は、従来の評価基準では測れない新たな価値創造が求められることを意味します。変化への柔軟性と成長意欲を持つ人材にとっては、大きなチャンスであり、その価値を飛躍的に高められると期待されています。

実際に、現在のメルカリ従業員におけるAIツール利用率はすでに95%に上っており、プロダクトの開発に伴うコード生成の70%はAIを用いて生成。これにより、エンジニア一人当たりの開発量は前年比で64%増と、開発スピードが上がるとともに生産性が劇的に向上しています。

@suadd は最後に「AIによって全てが変わる中で、今までの延長線で続けるのではなく、Go Boldに考え、Move Fastにたくさんチャレンジをしましょう。失敗をしても、そこから学べば問題ありません。ぜひマインドを根本から変え、カオスを楽しみながら、全く新しい価値を生み出し、お客さまに届けていきましょう」と、発表を締めくくりました。

AI Direction:CTO 木村俊也(@kimuras)

続いて@kimurasは、AIとのより具体的な協業について、大きく2つのトピックに分けて述べました。

お客さま体験の再定義

「AIは私たちの生活やビジネスにどう影響を与えていくのか、と考えながら主体的に動いていくことが重要です」と話し始めた@kimuras。AIはもはや単なるツールではなく、人の意思決定や行動を伝える全てのインターフェースへと進化しつつあると言葉を続けます。

そのうえで、今一度「これからの時代のお客さま体験とはなにか?」と問い直すことが必要だと表明。『メルカリ』のアプリを使うすべてのお客さまが一切の困難もなく出品でき、購入できる世界を目指す必要があると示します。

AIを駆使したこれまでにない出品体験、AIとの対話を交えたより柔軟な商品探索、さらに安心・安全な体験のAIによる再構築によって、アプリを使うハードルを限りなく下げ、あらゆる人が自由でかんたんにメルカリを使いこなせるUXを提供していくこと。これこそが、メルカリが目指すお客さま体験だと再定義しました。

社員の働き方体験の再定義

次に話題に上げたのは「社員の働き方」について。AIの導入によって判断や創造に集中できる環境を整え、従来の業務を刷新する勢いで環境を変えていくと説明を続けます。

ではAIの活用によって一体なにが変わるのか?@kimurasはこう続けます。

「事業構想、仕様策定、分析、コミュニケーションの全てにおいてAIをベースに再設計し、業務効率を飛躍的に改善していきます。会議一つとっても、これまでの『何かを決めてから作る』働き方から、『関係者が集まって話しながら作り、試し、決める』スピード感に進化します。

さらに、この話はエンジニアやPMなど、特定の職種に向けた話ではありません。カスタマーサポートの担当者が新機能のアイデアを自然に生み出せるようになったり、セキュリティなどのチェック業務をAIが担うことで、「判断と創造」に集中できる生産性の高い組織になり、一人ひとりがプロダクトに直接貢献する世界観になる。

誰もがサービス作りに携われる楽しい世界が実現し、AIが業務に深く溶け込み、「Move Fast」が当たり前になる組織に。それが、社員の新たな働き方体験です」と、目指す未来を明らかにしました。

100名規模の「AI Task Force」の発足

では、進化が目覚ましいAIに、この大規模な組織がついていけるのか? @kimurasはこの課題に対し、すでに動きはじめている「AI Task Force」と呼ばれる特別プロジェクトについて、その目的と背景を示しました。

「AI Task Force」は、メルカリグループ全体の「AI-Native」化を推進するためのプロジェクト。AIをお客さま体験の中心に据え、安心・安全なプラットフォームの再構築と、誰もが自然に利用できるサービスへと進化させていく役目を担います。

*この取り組みについての詳細は、以下の記事で紹介しています

そして、発表の最後に示されたフレーズがこちら。

従来の業務でボトルネックになっていた部分や、リソース不足の問題など、AIの活用によって“Unleashされる(解き放たれる)”ように。この「Unleash」という言葉は、メルカリのMissionである「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」(Circulate all forms of value to unleash the potential in all people)から引用したもの。

@kimurasは「完璧でなくても大丈夫なので、まずは小さな一歩を踏み出してほしい。その一歩が学びと変化のきっかけになります」と告げ、自身のパートを締めくくりました。

最後に

ここでご紹介したAI戦略は、メルカリが描く壮大な計画の序章に過ぎません。

mercanでは今後も一つひとつの歩みを紹介するため、具体的なプロジェクトの裏側や変革をリードするキーパーソンのインタビューなどを通して、メルカリの変革の様子をお届けしていきます。

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