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インドでも、メルカリのバリューを体現する存在に——Meet Mercari’s Leaders:梅澤亮(VP of India Operations)

2025-7-25

インドでも、メルカリのバリューを体現する存在に——Meet Mercari’s Leaders:梅澤亮(VP of India Operations)

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メルカリの人事VPとして、これまでメルペイのHR立ち上げからカルチャー構築まで、HR領域を幅広く牽引してきた梅澤亮(@ume)。

「居心地の良いポジションに居ても成長できない」と話す梅澤は、25年4月からメルカリのインド拠点「Mercari India」のVPに着任。VP自らが「Go Bold」な挑戦を選ぶ背景には、メルカリの“魂を乗せた”ミッションやバリューが大きく影響しているといいます。上場やグローバル展開など、変化を続けるメルカリを長年支えてきた人事が考える、メルカリ「らしさ」とは何か? そして、その価値観に紐づく、メルカリのHR領域で大切なことを聞きました。

プロフィール

  • 梅澤 亮(Ryo Umezawa)

    執行役員 Mercari India VP of Operation。2018年3月にメルカリに入社。グループの制度やメルペイ、メルコインを始めとする新規事業の立ち上げに携わったのちJapan RegionのVP of HRとして人事だけでなく日本事業における総務、カルチャー、経営会議など幅広く管掌。2025年4月よりインド・バンガロールに赴任。

“Back To Startup”なマインドを持つ、Mercari Indiaへ

ーumeさんは2018年に入社して以降、メルペイのHRの立ち上げからオフィス、総務、カルチャー構築など幅広く管掌されてきました。今年の4月から役割が大きく変わったと伺っています。まず改めて、管掌領域について教えていただけますか?

メルカリのインド開発拠点「Mercari India」のオペレーション全般、具体的にはコーポレートHR部門を含めた全体の統括を新たに管掌することになりました。まさにこれから本格始動というタイミングで、4月から本格的にインドに住んでいます。

インドの拠点は立ち上げから3年ほど経ち、今も採用・拡大を続けています。AI技術を軸にした開発体制の整備などを中心に進めていく予定で、私の役割としては、コーポレートやHR領域に留まらず、組織全体を盛り上げていくことを目指しています。

ーなぜ、このタイミングで「Mercari India」へと渡航されたのでしょうか?

理由はいくつかありますが、一つはまだIndiaが若い組織なので、プロセスやガバナンスといった面が未整備な部分が多いからです。もう一つは、今後メルカリがグローバルで戦っていく上で「Mercari India」の開発力の強さ、スケーラビリティが鍵になると考えているからです。全体で見るとまだまだ小さな組織ですが、今後はメルカリ全体のテックを引っ張っていくような組織になるとも考えています。

また、個人的な理由ですが、私は社歴も長く、居心地の良いポジションに居続けてもこれ以上成長ができないと思い、あえて「インドに赴任」というチャレンジングな環境を選びました。「社内にはまだグローバルな選択肢がある」ことを、VP自らが示すことで、メンバー一人ひとりのキャリアの幅が広がるのではと考えています。

ー今後のメルカリの成長の鍵となる「Mercari India」の強さを、umeさんはどのように捉えていますか?

主には人材面です。インドほどテック人材の層が厚い国は他にないと思います。さらに、国としてのマインドがまだまだエネルギッシュで、メルカリの「Back to Startup」のマインドに近いエネルギーを持っているから。日本のみならず海外支社からも「もっとGo Boldにやろうぜ!」と言える人がいるのは、今後大きな強みになっていくと考えています。

アパレル業界で学んだ、地道な努力の大切さ

ー少し時間を遡りますが、@umeさんがメルカリに入社された経緯を教えてください。

メルカリに入社して今年で8年目になりますが、一貫してHR領域に携わってきました。入社したのは、メルカリが上場する半年前くらいのタイミングです。当時はちょうどメルペイやソウゾウ立ち上がり始め、またメルカリUSも特に力を入れて開発を進めていた時期でしたね。

入社当初の採用チームは少数精鋭の部隊だったのですが、一方で評価制度や組織制度といった基盤の部分を強化していく必要がありました。メルカリは当時からすでにユニコーン企業だったので、私としては、正直「こんな大きな会社でやることはあるのだろうか」と疑問に思っていたんですが、面接などを通して話を聞いてみると、組織にはまだ未整備な部分が多く、これからやれることがたくさんあると感じました。

あとは、進太郎さん(代表執行役CEO)や小泉さんをはじめとする経営陣の「本気で世界を変えたい」という想いの強さに惹かれたところが大きかったですね。青写真ではなく、本気でそう言っている。本当にそう思っているんだと感じ取れたからこそ、迷いなく入社できたのだと思います。

ーファーストキャリアは、メルカリとドメインの近い職種だったんですか?

いえ、それがアパレル業界なんですよ。

ーアパレル業界ですか!?

そうなんです。新卒はアパレル業界に特化した人材派遣や店舗運営などを行っているベンチャー企業へ入社しました。お店の店長やコーポレート、人事や経理、経営企画など、ベンチャーなのでとにかく会社が成長するためになんでもやってましたね(笑)。

組織が大きくなり、本部と現場の役割が分かれていく最中に買収提案をいただき、PMI(買収後の統合プロセス)などを担当した後、フラッシュセールを中心としたECサイトを運営するGLADDという会社に転職しました。なので、メルカリは3社目になります。

ー新卒店長時代で、特に印象に残っていることはありますか?

百貨店という環境は、まさに究極のtoCモデル。顧客商売の世界でした。いかにしてお客様にリピーターになっていただくか、そのために地道な努力を続けることが求められました。

アパレル業界自体、決して楽な世界ではありませんが、自社ブランドではなく他社ブランドの商品を売る立場だったので、接客スキルや売上を作る力がよりシビアに問われましたね。成果を出さなければいけない、というプレッシャーは常にありました。

ーそもそも、その「接客スキル」はどのように身につけたのでしょうか?

私の実家が旅館を経営していたので、私も子供の頃から手伝っていました。小学生くらいから、フロントで鍵を渡したり、お客様の部屋に氷を運んだり、布団を敷いたりしていましたね。なので、接客スキルは入社当初から身についていたのかもしれません(笑)。

ー「新卒でベンチャー企業に就職」というのは今でこそ定着していますが、10年以上前は時流的に珍しかったと思います。学生時代は起業意識が強かったのでしょうか?

そうですね。実家が自営業だった影響もあるかもしれませんが、漠然と「起業したい」という思いはありました。ただ、具体的に何をしたいというよりは、当時は意識が高すぎて、社会起業家のように、社会へ貢献することを第一にした働き方に憧れていました。

というのも、学生時代は環境学を専攻していて、サステナビリティやエコ、環境経営といった分野に興味があったからなんです。しっかりと収益も上げて社会に貢献する、といったモデルに興味があり「社会貢献をしながら事業を立ち上げる」、そんな起業家になりたいと考えていましたね。

ーそんな想いを胸にベンチャー企業に入社。ギャップはありませんでしたか?

働く中で、その想いは変わっていきました。それよりも、入社当初から管理職扱いだったので、自分で「これをやらないと会社が潰れる」という危機感の方が強くて(笑)。同期や先輩方はアパレルが好きで現場に行きたいという方が多かったので、必然的に、社長をはじめとする経営層と直接やり取りする機会が多く、働きがいがありました。

もちろん、社会性や社会貢献へのモチベーションは今でも強く持っています。だからこそ、メルカリのミッションやバリュー、サステナビリティへの取り組みには、非常に強く共感しています。

ただ、自分としてはNPOや社会起業家として活動するよりも、メルカリのような影響力を持った企業が本気で社会貢献に取り組む方が、より大きなインパクトを生み出せるのではないか、と感じるようになったんです。ビジネスを通して社会課題を解決していく方が、結果的に近道なのかもと。

“魂を乗せた”ステートメントが、メルカリの強さ

ー「人事」という仕事は、経営課題の中でも特に難しい領域です。その難しさ、そして面白さはどのような点にあると考えていますか?

まず面白い点は、会社のフェーズによって求められる人事のソリューションが全く異なることです。スタートアップの初期段階では、いかに優秀な人材を採用するかが重要。会社が成長し、上場などを経ると、今度は社員をどう育成し、定着させるか、そのための評価制度や組織制度をどう設計するかが重要になります。さらに組織が拡大していくと、また別の課題が出てきます。

このように常に変化が求められることが難しく、面白いところですね。人事部門が停滞すると、会社全体の成長も止まってしまう。そのため人事は、変化に対応しながらも、会社の根幹となるバリューやカルチャーといった「らしさ」は維持し、むしろ強化していかなければなりません。

ーメルカリでは「Mercari Culture Doc(メルカリの社員同士の共通の価値観)」が、具体的な人事制度や日々のコミュニケーションにおいて、非常に重要な役割を担っています。メルカリではなぜ、それが浸透しているのでしょうか?

あくまで個人的な見解になりますが……どの会社でも制度やバリュー自体をつくることは簡単だと思います。でも、そこに「魂」を乗せ、社員一人ひとりに浸透させて、日々の行動に結びつくようなカルチャーにしていくのは、非常に根気がいるし、難しい。

メルカリは、私が入社する前から、ミッションやバリューの策定には経営陣が膨大な時間とエネルギーを費やしてきました。その真剣さ、コミットメントの強さがまず根底にあります。そして、それを形骸化させないための工夫を、日常的に行っていることが大きいと思います。

例えば、全社向けの資料には必ずバリューのスライドを入れたり、会議の議事録のテンプレートにミッションや組織の土壌となる価値観を記載したり。あるいは、バリューを体現した社員を表彰する制度を設けたり。とにかく、日常業務の中でバリューやミッションに触れる機会を増やし、意識する場面を多くつくっています。

そして、何よりも役職者が率先して4つのバリューを体現し、それを自分の言葉で語っているんですよね。「魂を乗せる」というのは、そういうことなのかな、と。

そうして日常に溶け込んだバリューやミッションは、国籍を越えて素質がある人へ自動的にオンボードされていくと考えています。

人事としても大事な「Go Boldに挑戦し続ける姿勢」

ー「人事」として仕事をする上で、大事にされている信条やスタンスについて教えていただけますか?

ありきたりかもしれませんが、常に前向きに、そして楽しく、ポジティブな姿勢で仕事に取り組むことです。あとは、自分の役割や領域に閉じこもらないこと。「人事だからここまでしかやらない」とか、「事業や売上のことは自分には関係ない」という考え方はしないようにしています。会社全体のことを自分事として捉え、主体性を持ってあらゆることに関わり、コミットしていく姿勢が大事なのではないかと考えています。

ーチームで働く上で重視していることはありますか?

とにかく心理的安全性を担保し、誰もが建設的な意見を言える雰囲気を作ることですね。ただ調和を重んじるだけでなく、時にはあえて議論を巻き起こすことも必要。現状維持ではなく、常にGo Boldに挑戦し続ける姿勢はあらゆる場面で心がけています。

番外編:私の『メルカリ』活用術!

ゴルフが趣味の私は、ゴルフクラブを選ぶ際、気になるモデルを3本くらい『メルカリ』で買って、実際にコースや練習場で試した後、合わなかったモデルは『メルカリ』で売るようにしています。多少のディスカウントはありますが、最新クラブを試すことができるのはありがたいです。それと、ゴルフクラブ専用の段ボールってなかなか手に入らないので、送られてきた時の段ボールをそのまま再利用できるのも嬉しいですね。


写真:タケシタ トモヒロ 文:石川 優太

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