
メルカリは現在、AI-Nativeという命題に向かって、様々な取り組みを行っています。この変革をリードしていくため、また日々の業務から少しだけ離れ、AIの力でさらに力強くドライブしていくために、@gomichan が発起人となって初の合宿形式での「AI/LLM合宿 ハッカソン」を開催しました。
本イベントには、エンジニアからバックオフィスまで、部署横断で約60名が参加。AIを「やらなきゃ」から「やりたい」に変えること、そしてメルカリ全体の変革の「最初の一歩」となることを目指した、2日間の様子をお届けします!
🏕️ 1日目:AIとの対話からスタート!
会場は自然あふれる「リソルの森」
会場は千葉県長生郡にある「リソルの森」。参加者は六本木ヒルズからバスで移動し、緑豊かな環境でハッカソンに参加。森の中ということもあり、都会の喧騒から離れて開発に集中できるロケーションでした!

驚きのアイスブレイク:1分で「好きランキング」ツールが完成!
到着後、まずはウォーミングアップの「アイスブレイクハッカソン」からスタート。
お題は「みんなの好きなものランキングを表示させるツール」。
参加者がGeminiのCanvas機能を使い、ツールの仕様を自然言語で細かく定義していくと、なんとわずか数分後には動くランキングツールが完成しました。「こんなに簡単に自分の手元でサービスが作れるなんて!」と、会場からは驚きと感嘆の声が。


ハッカソン①:ドメイン特化課題解決
アイスブレイクとランチを終えると、早速メインのテーマであるハッカソンがスタート。
1日目のメインテーマは「ドメイン特化課題解決」。
目的はシンプルで、「自部署・自職種の業務課題を生成AIで解決する」こと。参加者は事前に部署ごとや職種ごとにチーム分けされ、14時から18時までの4時間、リアルな課題解決に挑みました。会場となった「森のホール」では、参加者が真剣な表情で議論を交わしていました。

「資料作成に時間がかかる」「顧客メールの返信が大変」といった、事前に洗い出したリアルな課題 を付箋に書き出し、チームで解決策を模索する姿が見られました。


しかし、課題に対してどうAIでアプローチするか、悩んだ時はすぐに技術メンターに相談。様々な業務アイディアがまとまっていきました。


なかには、外を歩きながらアイディエーションするメンバーも。

1日目の成果物
わずか4時間という短い時間でしたが、各チームからは「明日から使える武器」 が次々と生み出されました。デモ重視の3分プレゼン で発表された成果物の一部をご紹介します。
- 会議室の交換を容易に行える会議室交換ツール
- 中期経営計画資料、過去の業績報告資料をベースに、取締役会報告資料のDraftを作成する
- マーケ課題に対して、リーガルからレビュー観点からのレビューを行う
1日目のハッカソン終了後、 @kimuras は
「プログラマは『Input → 処理 → アウトプット』という観点で物事を考えます。非プログラマの方もこの思考法を身につけることで、効率的にツールを作れるようになります。特に『Input』の部分がネックになりがちなので、そこをいかに省略するかがAI活用のコツです。今日の反省を、ぜひ明日に活かしてください」
と激励のコメントを寄せました。
夜は「遊び」のハッカソンへ
ディナーの後は、20時から希望者によるハッカソン②「業務関係なし!30分1本勝負」が開催されました。
これは、AIの「遊び方」を覚えて創造力を解放するためのセッション。テキストだけでなく画像生成AI(DALL-Eなど)や動画生成AI(Veo3など)も使い、「オリジナル社歌」や「AIアート」といったユニークな作品がSlackに投稿され、とても盛り上がりました。



動画の生成に挑む中で生まれるカオスな作品も…!


🌅 2日目:AI-Nativeへの思考革命
ハッカソン③:働き方を「再発明」する
2日目の朝。コテージで朝食をとり、森のホールとフォレストアカデミーの2会場に分かれて、最後のハッカソンが始まりました。
テーマは「お土産ハッカソン」。 このセッションの目的は、単なる業務改善ではなく、AI-Nativeな発想で仕事を再発明すること、そしてそのまま明日の業務に「お土産」として持ち帰ることができることを目指しています。まずは「この作業、本当に人間がやる必要ある?」 という問いからスタートしました。


1日目を共に過ごしたことで、メンバー同士はすっかり打ち解けている様子。


森のホール・アカデミーホール両会場では、開発に苦戦するチームの様子も。「コードを書かない開発」 や「AIエージェントによる自律的な返信」 といった、AI-Nativeなアプローチ に挑戦していました。
成果物例1:過去マーケキャンペーン回答BOT
- 課題: 新しいマーケティング施策の見積もり(コスト、ROIなど)のために、過去のJIRAチケットを探し回るのが大変。
- 作ったもの: JIRAの情報をかき集め、過去の施策について回答してくれるBOT。これができれば見積もり自動化の第一歩になるはずでした。
- 結果と学び: デモでは「ROI 1000%」といった期待外れの回答が。このチームが掴んだ最大の学びは、「AIは高品質なナレッジベース(参照データ)なしでは機能しない」という事実でした。そもそもJIRAに必要なハイレベルな情報が記載されていなかったり、情報が間違っていたりと、「AI以前の課題」が浮き彫りになりました。
成果物例2:JIRA・WBS作成ワークフロー
- 課題: キャンペーンの仕様が決まった後、JIRAチケットやWBS(作業分解構成図)を作成する手作業が面倒。
- 作ったもの: キャンペーンの基本スペックを入力するだけで、実行計画書を作成し、JIRAにインプットするワークフローを構築しました。
- 改善点: まずは「動くもの」を優先しましたが、今後は既存の社内デザイン(フォーマット)に沿って出力されるよう、AIへの指示を改善していく予定です。
成果物例3:複数ツール横断「今日やること」サマリーBOT
- 課題: GitHubのPRレビュー、Confluenceの更新、JIRAのタスク、Slackのメンションなど、情報が分散していてキャッチアップが大変。
- 作ったもの: 複数のプロジェクトツールを横断監視し、毎日「今日やるべきこと」をAIが分析・要約して通知してくれるボット。
- 価値: AIが入力内容を分析し、フォローアップすべき重要な情報だけを教えてくれるため、タスク漏れを防ぎ、本来の業務に集中できるようになります。
成果物例4:モバイル事業 リーガル一次スクリーニングGPTs
- 課題: モバイル事業のリーガル業務は専門性が高く、外部の弁護士事務所に確認するコスト(金銭・説明時間)が非常に大きい。
- 作ったもの: 関連法規(電気通信法、景表法など)、MVNOガイドライン、過去の議事録、キャンペーンのリーガル整理資料など、1年分の知見をすべてインプットさせたGPTsを作成。一次スクリーニングをAIが担います。
- 気づき: 同様の情報をGeminiのGemにも入れて比較したところ、回答のクオリティはほぼ同等でした。ただし、現時点では作成したGemを他のメンバーとシェアできないという課題も発見できました。
最後に、2日間を通して参加者を見守ってきた役員のmarkさん、kimurasさんからも総評が送られました。

@mark
「まずはお疲れさまでした。参加してくれた皆さんの中にはAIはまだエンジニアのもの、と思っていた人もいるかもしれませんが、このような場ですぐに相談して、すぐに手を動かして体感できるいい機会になったのではないでしょうか。これまで職域などのスキルによって限定されていたことが、色々な人にとって出来ることに変わる。これはアイデア一つの発想が変わるほど大きな変化だと思うので、その最初の大きなきっかけができてよかったです」

@kimuras
「みなさん、AIを使ってきたレベルは違うと思いますが、どのレベルの人もこの合宿ですごくレベルアップしたのではないでしょうか。普段の環境から離れてアイディアを考えるオフサイトハッカソンの良いところがたくさんあらわれていた合宿だったと思います。2日間通して実用性とメルカリらしい独創性を兼ね備えた成果物が多く、AI-Native企業への大きな一歩に近いたと思います」
そして最後はアカデミー前で集合写真を撮影!楽しく学びのある2日間のハッカソンが幕を下ろしました。

Appendix: 参加者から集まったTipsを公開💡
このハッカソンはゴールではなくスタートです。参加者が2日間で得た「AIって意外と簡単!」という成功体験や、具体的なTipsをアンケートから抜粋してご紹介します。
Tip 1(zekiさん):AIは「良き部下」。的確な「指示出し」が鍵
「AIの性能を最大限に引き出すには、使う側の『コンテキストの与え方』と『マネジメント能力』が問われると気づきました。『悩む前にAIに相談する』習慣が身についたことも大きな収穫です」Tip 2(ITOさん):Google連携はGASが簡単で高ポテンシャル
「Googleのサービスを連携させるようなツールはAIにGASで書かせて、Apps Script (https://script.google.com/home)で公開するのが簡単で、かつ業務に活かせるポテンシャルが多くありそうだと思いました」Tip 3(shimaさん):Zapierでデータ取得に挑戦
「今まで触ったことがなかったZapierを活用してデータ取得ができることが理解できた」Tip 4(ke-sukeさん / Chloeさん):Slackの情報はNotion AIでキャッチアップ
「Slackに溢れる情報をある程度拾いたかったらNotionAIでの連携が使えることがわかりました!」
ここで得た学びや気づきが、さらに進化してメルカリを加速させていくことを願っています。メルカン編集部では、引き続きAI-Nativeへの取り組みを紹介していきます。
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