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安心・安全を届けるCS/TnSも、AI-Nativeに。その変化を振り返る

2026-3-24

安心・安全を届けるCS/TnSも、AI-Nativeに。その変化を振り返る

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お客さまの安心・安全に注力するCS/TnS(Customer Service / Trust & Safety)では、全社的なAI推進の流れの中で「AIを足し算する」のではなく、業務そのものをAI前提に組み替えるAI-Native化に取り組んできました。 

本稿では、推進を担った CS/TnS プロジェクトマネージャーの@mika.uと@aguniの二人に、組織としてどのように取り組み、どこでつまずき、何を大切にしながら進んできたのかを振り返ってもらいました。

これからAI活用を本格的に取り組みたい方の一助となれば嬉しいです。

この記事に登場する人

  • 梅﨑美加 (@mika.u)

     CS/TnS プロジェクトマネージャー。2018年入社後、カスタマーサービス領域の業務改善(BPR)を推進し、オペレーションの高度化に取り組む。2025年7月よりAIタスクフォースに参画し、現在は「CS Knowledge Center」構想のプロジェクトマネジメントを担当。ナレッジの構造化とAI活用基盤の設計を通じて、カスタマーサービスとAIの融合に挑戦中。

  • 松村晋吾 (@aguni)

     CS/TnS プロジェクトマネージャー。2018年入社後、AIを活用した問い合わせ自動返信(Auto Reply)や、トラブル発生時の商品回収システム開発・導入など、さまざまなプロジェクトを推進。2025年7月よりAIタスクフォースに参画、AI活用した監視ツールの導入や、ノーコードツール「n8n」によるオペレーション自動化プロジェクトなどを推進。

専任2名で「やり切る」体制を先に置いた

—— まず、AI-Nativeな組織にするためにどのような体制をとったのでしょうか?

@aguni: AI活用は、個人の工夫だけでは広がりません。CS/TnSでは立ち上げ当初から、CSとTnSの各領域に専任者を立て、各現場に入り込みながら全体を巻き込む動きを取りました。

「AI活用の専任者」であり、他業務との兼務ではない 各現場に入ることで、業務理解と整理を進め、業務にAI活用の意思決定を早くする 壁打ちできるペア体制で視点を広げたり考えをブラッシュアップできる

結果として、構想から実装、運用、改善までのループを高速で回しやすくなりました。

まずは「業務の棚卸し」から。AI代替の可能性を見える化

—— では実際にAI-Nativeを進めていくにあたり、どう進めていきましたか?

@mika.u: AI-Native化の入口は、ツール選定よりも先に「仕事の見取り図」を作ることでした。

CS/TnS全体の業務を棚卸ししてリスト化した上で、AIで代替・支援できる余地を可視化。ここを丁寧にやったことで、次の判断がぶれにくくなります。

人手に依存しなければいけない業務はなにか AIが得意なレポートなどの文章作成や、人の判断を必要としない繰り返し業務はなにか どこがリスクや品質担保のボトルネックになっているのか

「AIを導入したい」から始めるのではなく、「業務をどう変えればお客さまやCSに価値提供が拡大するか」から逆算するのがポイントでした。

@aguni: 棚卸しの次は、最注力領域の選定です。

CS/TnSの仕事は幅が広く、全方位で取り組むと労力が分散し、目に見える成果を出しにくくなります。そこで、インパクトが大きく、改善の効果が現場に伝わりやすい領域を優先し、まず“勝ち筋”を作ることを重視しました。

この「最初の成功体験」が、後の全体浸透の燃料になりました。

浸透の勝ち筋は「場」と「称賛」と「再利用」

—— まずは成功体験を得ることが、次に繋がったんですね。

@mika.u: AI活用は、導入しただけでは続きませんし、AIに明るい人だけが保守管理をするようでは、AI-Native化にはなれません。CS/TnSでは、使う人が増え、学びが循環し、事例が再利用される仕組みづくりに力を入れました。

  1. 共有の場を定例化する

    全社All Handsで活用事例紹介 2ヶ月に1回の「CS/TnS AIタスクフォース All Hands」を開催 組織トップからAI-Native化への意思を明確に言語化 現場から上がった事例のうち、横展開できそうなものを紹介
  2. Slack投稿を促し、称賛で“行動”を増やす

    事例投稿を推奨し、良い取り組みをスタンプやメルチップで讃える 自チームのAI活用事例が可視化され、別ドメインで同様の業務をしている人がチャレンジしやすくなる
  3. Notionで事例をデータベース化し、探せる状態にする

    事例が流れて消えないように、データベースとして蓄積 「課題」「結果」「利用ツール」を記載し、「今の自分の悩みに近い事例」を見つけやすくすることで、再利用を加速。

この3点が揃うと、AI活用は「一部の人が頑張る活動」から、「日常の仕事の一部」へ変わっていきます。

「使ってみる」から「ないと回らない」へ。フェーズ転換を意識した

@aguni: 振り返ると、最初は「あえて積極的に使ってみよう」というフェーズでした。

しかし半年ほどで、現場の感覚は明らかに変わります。

周りが使っているから自分も使いたくなる、という連鎖が起きる 壁打ち、要約、たたき台作りなど、今まで人に相談していた内容がAI相手に相談するようになり、速度が上がる 効率化された分、今まで手を付けられなかった課題にも踏み込める

一方で、AIができることが増えるほど「やれること」が増え、仕事量がむしろ増える感覚もありましたね。

だからこそ、単なる効率化ではなく、「価値提供が拡大する業務のAI-Native化にフォーカスし続けることができるか」を軸に、優先順位を握り続けることが重要でした。

@mika.u: 私たちが目指したのは、誰かが旗を振らなくても、全員が「AIがないと困る」状態です。携帯電話がスマートフォンに変わっていったように、意識せずとも使いこなしてしまう世界観を、CS/TnSの標準にしていく。その入口に、いま立てている実感があります。

AI活用の本質

—— 大きな進歩だったと思いますが、手応えや実感もありますか?

@aguni: CS/TnSの取り組みは、その後社内でMVPとして評価されました。受賞で印象的だったのは、評価が「個人の頑張り」ではなく、「組織としての動き」に向けられていた点です。

AIエージェント化のビジョンと言語化が早かった お客さまへの価値提供がAIでどう変わるかを先に描けていた 実装・運用・改善のループを速く回し、定量成果が見え始めていた VPから現場まで一枚岩で動き、周囲を巻き込む力が大きかった。AI活用は、どうしても「特定の人が詳しい」「一部の人が使っている」という状態で止まりがちです。

今回の受賞が示したのは、AIの本質は技術ではなく「組織の在り方」にあるということ。トップのコミットメントと現場の情熱が重なり、それが“回る仕組み”になったとき、初めて本当の成果につながるということでした。

@mika.u: わたしたちも、まだ道の途中です。それでも、日々の業務の中で「AIがある前提」で考える瞬間が、確実に増えてきている実感があります。この変化を一過性にせず、AI活用を単なる効率化で終わらせるのではなく、組織の在り方そのものを問い続けていきます。

そして、CS/TnSとしてどんな価値をお客さまに届けるのか。その答えを、これからも現場からつくっていきたいと思います。

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