こんにちは。LET(Language Education Team)の日本語チームです。
メルカリグループには、言語学習を頑張っているメンバーがたくさんいます。なかでもメルペイでは業務上、社外パートナーさまと日本語で仕事をする機会が多く、多くの日本語ノンネイティブのメンバーが日々、忙しい業務の合間に日本語学習をしています。
そこでLETでは、日本語ノンネイティブのメンバーが、業務上の影響力をさらに高めていけるよう、日本語が中級レベルとなったばかりの人を対象に「日本語コーチングプログラム」を2020年5月にローンチしました。
メルペイ向け日本語教育プログラムの特徴
基本的に、メルカリの日本語教育プログラムの内容は、初級レベルのときから口頭コミュニケーションに力を入れたものです。メルペイ向けの日本語教育プログラムでは日本語レベル中級になったばかりのメンバーが参加する「日本語コーチングプログラム」を実施。実践的に使える口頭コミュニケーション力をつけることに注力したプログラム内容になっています。
具体的な特徴は以下です。
・ 参加メンバー自らが目標設定、学習計画をつくって実行
・ 週に一回、日本語コーチと1on1
・ 週に一回、グループレッスンを実施
このコーチングプログラムの大きな特徴は、コーチから指示されたことをするのではなく、参加者それぞれが目標を設定し、課題を明確にして、自分に合った学習法で自習を継続していくこと。そのため毎週、学習計画も自分で立て、実行していくことになります。
もちろん、週に1回は日本語コーチと1on1セッションや参加者全員によるグループレッスンも実施。自習するうえでのブロッカーやモチベーション、わからなかった文法や語彙をコーチに確認しつつ、複数人でのレッスンでより実践に近いディスカッションを練習します。
普段のミーティングですぐ実践できる「ボキャブラリーリスト」とは?
メンバーそれぞれが自分の課題を見つけ、必要な素材を使って学習をしていきますが、全員に共通して必要なものがあります。それはメルペイのミーティングで頻出する語彙や、エンジニアがよく使う用語の習得。
そのためLETの日本語コーチはプログラム開発時、参加者のミーティングに同席させてもらい、語彙を収集した「ボキャブラリーリスト」を作成しました。
このリストは、ただ語彙を覚えるだけでなく、実際に参加者がミーティングで言いたい文章を作成し、使えるようになることを目標につくられています。さらに、日本語だけでなく英語訳が語彙と例文の両方に付けられていること、そしてその両方の音声が入っていることが特徴です。つまり、英語学習をしている人も使えるものになっています。
では、その効果は?このボキャブラリーリストを使用している参加者からは、「言葉のリストは毎日チームで使う言葉なので、便利です!」というコメントをもらっています。
社内の日本語教育の専門家がエンジニアのミーティングに参加して、語彙を収集することはとてもめずらしい光景かもしれません。
「やさしい日本語」が、よりよいチームの環境をつくる
ミーティングに参加してみてもう一つ大切な気づきがありました。それは「やさしい日本語」の重要性です。
日本語ノンネイティブが参加している日本語のミーティングで、全員が議論に参加し、それぞれが意思決定に影響力を持つためには、全員が理解できる共通言語が必要です。
言語を学習するメンバーは、日本語力アップのために多くの努力をしています。しかし、ネイティブスピーカーが話すような日本語をすぐに習得するのは、やはり難しいです。そのため「やさしい日本語」という日本語学習者に寄り添った言語を日本語ネイティブが使用することは、よりよいチームの環境づくりにも貢献すると改めて感じました。
ボキャブラリーリスト(音声除く)は、メルカリ・メルペイメンバーに限らず、社外の方々もぜひ参考にしていただきたいと思っています。こちらで公開していますので、ぜひご覧ください。