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【5月19日】世界中でアクセシビリティを考える一日 障がい者の私ができること #メルカリな日々

2022-5-19

【5月19日】世界中でアクセシビリティを考える一日 障がい者の私ができること #メルカリな日々

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    こんにちは!メルカリ、Annotationチームのumiko(@umikokun)です。

    本日、5月19日は世界各地でアクセシビリティを考える一日GAAD(Global Accessibility Awareness Day)です。

    IT分野におけるアクセシビリティとは、メルカリを始めとする様々なソフトウェアやシステムなどが、個人の持つ障がいや能力の違いに関係なく、誰もが利用しやすい状態を指す言葉です。

    今回のメルカリな日々では、障がい者である私の目線から見たアクセシビリティについて、普段考えていることや、学んだこと、そしてこれからの思いを書いていきます。

    「アクセシビリティ=障がい者のため」ではない

    私は今から4年前、メルカリ入社1年目の34歳にして大病を経験し、その影響で左脚が麻痺したことで車椅子生活を余儀なくされました。自身が障がい者になったことで、あらためてこのアクセシビリティに関心を持つようになり、現在はメルカリの障がい者雇用チームで社内広報活動やPR業務に携わっています。

    アクセシビリティと聞くと、なんとなく「障がい者のために必要なもの」で「自分には関係ない」と思うかも知れません。正直に言うと、私も健常者だった頃はそのように捉えていました。

    プロダクトにおけるアクセシビリティ、そしてインクルージョン(包括性)を考えていくことは、世界中の人にとっての「使いやすさ」を追求していくということ。つまり、決して障がいのある人のために機能を拡張するという話ではなく、多様な視点でサービスの設計・開発を行うことで、結果的にみんながハッピーになるというものです。

    アクセシビリティは「メルカリを世界中の人に使ってもらう」というミッション達成のために、私たちが継続的に取り組まなければいけない大切な要素のひとつです。そのため、メルカリのサステナビリティ戦略において定義される5つのマテリアリティ(メルカリの重要課題)のひとつが、この「ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)の体現」です。

    有志活動から始まった、メルカリのD&I

    社内活動としては、アクセシビリティやD&I課題について有識者と一緒に考えるランチ勉強会を開催したり、#pj-notetakerという聴覚障がい者のために社内全体会議や勉強会のノートテイク(書き起し)サポートを行う有志のグループがあります。

    この書き起こしボランティアの発起人であるメルカリR4Dリサーチャーの栗田青陽(@niwatako)は、この活動をD&Iの取り組みとしてではなく「困っているメンバーがいるならサポートしたい」という純粋な思いから始まったものだと、以後のインタビューで答えています。

    私が本当に素晴らしいと思うのは、この活動が誰に言われることなく、社内のメンバーがその重要性に気づき、始めた活動だということです。メルカリには現在、Multicultural、Pride、Women@Mercariという3つのD&Iコミュニティが存在していますが、これらもすべて有志の活動から生まれたものです。

    資本主義、成果主義の経済圏において、「他人の困りごとに目を向けること」は、当たり前のようでとても難しいことだと思います。私たち障がい者が安心して働けているのは、この会社に「多様性を受け入れ、他人の困りごとに目を向けられる、あたたかい心、思いやりの文化」が根付いているからだと改めて思います。

    #pj-notetakerのチームビルディングランチの様子。シンガポール旅行の話題になり、聴覚障がいのメンバーから「シンガポール」の手話(=マーライオンを表現する手)を教えてもらっているところ。

    自分ではない誰かの困りごとに気づくには?

    アクセシビリティにおける問題は、自分自身が困っている当事者でなければ、誰かの困りごとに気づけないという部分にあります。

    例えば、メルカリのオフィスに入るためのドアは、セキュリティカードをかざすと一定時間解錠される仕組みです。カードをかざす場所がドアから離れた壁の高いところに設置されているため、車椅子だと手が届きづらいという課題がありました。なんとかカードをかざすことに成功しても、解錠時間が短く、鍵が開いている間にドアを開けることが困難でした。これらは私のような車椅子社員の視点から明らかになったもので、健常者であれば、このドアを開けづらいと思う人間がいるなんて、なかなか想像できないですよね。

    では、一緒に働く周りのメンバーや、お客さまの困りごとに気づくためにはどうすればいいのでしょうか。

    澤田智洋氏・著書『マイノリティデザインー弱さを生かせる社会をつくろう』で紹介され話題になりましたが、元々は障がいのある人向けに開発されたものが、今では健常者を支えていたり技術革新につながった事例があります。たとえば、ストローは寝たきりの人が自力で飲み物を飲めるよう開発されたものですし、ライターは、片腕の人でも火を起こせるように発明されたものだったりします。

    「誰かの困りごとを解決する」とは、まさにビジネスにおいて「社会のニーズを捉える」ことであり、メルカリというサービスがそうであるように、自分とは異なる誰かの困りごとに思いを馳せることから、新たな気づき、ビジネスの種が生まれるのだと感じます。

    私とあなたのアクセシビリティへの第一歩

    私は、少し前まではどこにでもいる普通の会社員だったのに、思いもよらず障がい者手帳を持って働く車椅子ワーママになっていました。辛い経験もたくさんしましたが、良かったこともたくさんあります。その1つが、自分とは異なる様々な障がいのあるメンバーと一緒に働ける機会に恵まれたことです。

    私にとってのアクセシビリティについて考える第一歩は、「自分とは特性が異なる人たちを知る機会を持つこと」でした。現在のメンバーと一緒に働けたことで、自分とは違う人の困りごとに今まで以上に目を向けられるようになりましたし、またそれを知る楽しみ、喜びを知ることができました。そして、自分が足が不自由で困っていることは何なのか、積極的に健常者へ伝えていきたいとも考えるようになりました。

    メルカリでは、様々な障がいのあるメンバーがともに働いています。障がい者の目線でしか気づき得ない視点には大変価値があり、それらはメルカリをよりインクルーシブなサービスへと革新してくれるし、メルカリだけでなく、世の中に新たなサービスや価値を生み出すネタの宝庫だと感じています。

    しかしもっと大切なことは、アクセシビリティは決して障がい者のためだけに必要なものではないということです。人間は皆、年を取れば小さい文字は見づらくなるし、耳も遠くなりますよね。アクセシビリティは、障がい者と健常者を隔てるところに特別に存在しているのではなく、あなた自身が助かるもの。かつて障がい者のために生まれたストローを、今あなたが便利に思うようにーー。

    皆さんのアクセシビリティへの第一歩は何でしょう? 今日このGAADという記念日を機会に、各々ができることを考えてみてはいかがでしょうか。

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