メルカリでは、個人と組織のパフォーマンスおよびバリューがもっとも発揮しやすいワークスタイルを自ら選択できる「YOUR CHOICE」を導入しています。
2021年9月の導入から一年経ったいま、この制度を活用するメンバーに“それぞれの働き方”と“仕事観”を聞く、連載企画「みんなの“YOUR CHOICE”」をスタートします。第1回に登場するメンバーは、地元・大阪で子育てと仕事の両立に挑戦する、メルカリ HRBPの卜部幸恵(@sacci)です。
この記事に登場する人
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卜部幸恵 (Sachie Urabe,@sacci)新卒で大手メーカーに就職後、結婚を機に退社。念願だったカナダ移住を果たし、20代後半を海外で過ごす。30歳で日本へ帰国後、キャリアブランク6年、0歳児を背負ってゼロから出直すことに。2022年1月HRBPとしてメルカリにジョイン。世界中から多様な人材が集うプロダクト部門にて、CPOの人事パートナーとして強い組織づくりに励む。
地方で子育てをしながらキャリアアップを目指すことの難しさ
──sacciさんは今、大阪に住んでいるんですよね?
はい、私の出身地であり、実家がある大阪・箕面市に住んでいます。大阪って大都市のイメージがあると思いますが、箕面はとにかく緑が多く、自然豊かで子育てしやすい町なんです。かと思いきや、大阪市内まで電車で30分程度で行けちゃいますし、京都や神戸へのアクセスも良いので、6歳の息子と一緒にしょっちゅう遊びに出かけています。田舎暮らしと都会暮らしのいいとこ取りができるのが魅力ですね。
能勢の里山
──それは羨ましい!もう離れたくなくなっちゃいますね!sacciさんがメルカリに入社したのは2022年1月と聞いていますが、それ以前も大阪で働いていたんですか?
はい、前職は大阪で人事コンサルタントの仕事をしていました。クライアントと共に人事課題の解決に取り組むのはエキサイティングで大きなやりがいを感じていた一方、人事は運用が命なので、インプリメンテーション(実行)まで責任を持って関わりたいという気持ちが次第に強くなり、インハウスの人事への転職を考えるようになりました。
──転職先の条件としては何を重視しましたか?
絶対に外せないのは「場所」でした。子どもがまだ小さいので、実家の近くに住みたい、かつ子育てに適した環境で暮らしたいという思いがありました。一方で、自分のキャリアを諦めたくないという気持ちもあって。グローバル人事や海外移住の経験があるので、英語を使って人事の仕事がしたいという思いがあったのですが、そういった仕事ができる企業は大阪には少なく、ほとんどが東京に集中していました。地方で子育てをしながらキャリアアップを目指すって、すごくハードルが高いことなんだなと改めて現実を突きつけられました。
──なるほど。条件にマッチする仕事が少ない状況のなか、メルカリの求人を見つけたときはどんな気持ちでしたか?
可能性が一気に広がったような気持ちになりました。転職活動中は先が見えない状況のなか何度も心が折れそうになりましたが、「ここなら、子どものことも、自分のことも諦めなくていいんだ」と、本当に気持ちが救われましたね。
メルカリに入社してからは、子育ても、仕事も、趣味も、すべてに全力投球できています。ちなみに、これが私の一日のスケジュールです。子どもを幼稚園のバス停まで送り届けた後、ジョギングをして仕事を始めるのが日課です。
7:00 起床・身支度 7:30 子どもに朝ご飯を食べさせる(私はゆっくり座って朝ご飯を食べる余裕はなく、ささっとフルーツを食べる程度…) 8:00 子どもを車で幼稚園のバス停まで送り届ける(小さな子どもがいると、車のある生活は本当に便利!) 8:30 家の裏にある千里中央公園(東京ドーム3つ分の巨大公園)を軽くジョギング 9:00 業務開始 12:00 ランチ(冷蔵庫の残り物をアレンジしてパパッと済ませます) 17:30 子どものお迎え 18:00 夕食準備 18:30 家族で夕食 21:00 業務再開 22:00 退勤 23:00 就寝
私のジョギングコース「千里中央公園」
子どもの教育と自分の人生の選択肢が広がった
──YOUR CHOICEがあったからこそ、実現できていることは何ですか?
プライベートの面では、子どもの教育の選択肢が広がりました。フルタイムで働くワーキングペアレンツの多くが、お子さんを保育園に預けていらっしゃると思います。なかには延長保育をしてくれる幼稚園もありますが、そういったところはまだまだ少数派なので、私もメルカリに入社する前は保育園を利用していました。
でも今は、フルフレックス(コアタイムなし・フレキシブルタイムなし)で時間の融通が効くようになったので、保育園一択ではなく、さまざまな選択肢の中から子どもの預け先を選べるようになり、息子をインターナショナル幼稚園に通わせています。
また、私は18時から21時までの間は親子の時間をしっかり確保して、コミュニケーションを取りたいと考えているのですが、こうした自分の価値観を大切に守りながら働けるのも、YOUR CHOICEがあってこそだと思います。
キャリアの面では、場所や時間の制約がなくなった分、ブレーキを踏む必要がなくなり、やりたいことに貪欲に挑戦できるようになりました。やっぱり子どものことになると背に腹は代えられないので、本当は挑戦したいけど我慢しなきゃならない場面もたくさんあって…。そうしたことが積み重なって、「もう仕事を辞めるしかない」と思った時期も何度もありました。でも今は、場所や時間を含めていろんなことが自分でコントロールできるようになったので、迷わずアクセルを踏み続けられるようになりました。YOUR CHOICEのおかげで、自分の人生の選択肢も広がったと感じています。
6歳の息子も自然で遊ぶのが大好き
──一方で、オンライン中心でのコミュニケーションの課題についてはどう考えますか?
やはりオンラインだと、コミュニケーション、コラボレーションが難しいなと感じる場面が多々あります。かつてオフィスで対面で仕事をしていたときは、ちょっとした相談が気軽にできていましたが、オンラインの場合はその都度ミーティングを設定する必要があるので、少しハードルが上がりますよね。それに、ミーティングを開催するとなると、アジェンダなど何かしら準備をしなければなりません。ほんの少し話したいだけなのに、それって非効率だなと思うんです。だから、最近はSlackのハドルミーティング(ワンクリックで音声ミーティングができる機能)を活用するなど、自分なりにコミュニケーション方法を工夫するようにしています。
オンラインは便利ですが、限界があることを認めるのも大切だと思います。個人的にはチームビルディングや発散系のミーティングは対面で行った方がスムーズに進むと考えています。だから、私のチームでは定期的にオフィスに集まり、オフラインミーティングを開催するようにしています。もちろん強制ではなく、出社の有無は個人の判断で選択でき、出社しないメンバーがいるときはオフラインとオンラインのハイブリッドで開催しています。また、出社に対してはさまざまな考え方があると思うので、それぞれが理想とするワークスタイルについてチーム内で共有する「Work Style Sync」というコミュニケーションワークを行い、相互理解を深めています。
出社日にあわせてチームメンバーとランチに行きました♪
──sacciさんが言うように、理想のワークスタイルは一人ひとり違うわけで、だからこそメルカリにはYOUR CHOICEという制度があるんですよね。最後に、sacciさんにとってのYOUR CHOICEを教えてください。
YOUR CHOICEがなかったら、きっと私の人生は違ったものになっていたと思うんです。この制度があったからこそ、子どものことも、自分のことも諦めずに済んだ。YOUR CHOICEは私の人生を加速させてくれたと言っても過言ではありません。
こうした制度を導入する企業が増えれば、バックグラウンドにかかわらず、誰もが自分の思い描くキャリアを歩めるようになるのではないかと思います。そのためにも、リモートワークならではの課題に向き合い、それをどう乗り越えていくのか、一人の人事パーソンとして知恵を絞って、みんなと一緒に引き続き考えていきたいと思っています。