
2025-4-23
「未来に見たい世界を、今、ここから作る」ためにメルカリは何ができるのか —— 国際女性デーイベント2025を開催しました!#IWD #Accelerate Action
国際女性デー前日にあたる3月7日、メルカリでは『国際女性デーイベント2025』を開催しました。
今回のメルカンでは『フェアでインクルーシブな環境づくり』を推進するInclusion & Diversity チーム(通称 I&Dチーム)と『女性が活躍しやすい環境づくり』を主なミッションとする社内有志コミュニティ「Women@」とのコラボレーションにより実現した、当イベントのハイライトをお届けします。
この記事を書いた人
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青木映子(Eiko Aoki)
武蔵野美術大学 造形学部卒業。ファーストリテイリング(ユニクロ)で店舗運営関連業務および人材の採用・育成を経験後、渡豪。オーストラリアでランドオペレーター・ツアーコンダクターとして活動後、帰国。日本航空株式会社の客室乗務員として航空業界、社会人向け英語パーソナルトレーナーとして教育業界をそれぞれ経験し、2018年メルカリへ。カスタマーサービス部にてオペレーション業務の外部委託拠点立ち上げに携わったのち、インストラクショナルデザイン業務に従事。2021年よりマネジメント職に転じ、現在はカスタマーサービス関連コンテンツ&トレーニングマネジメントチームでマネージャーを務める傍ら、女性活躍推進コミュニティ Women@ Leadersの一員として各種イベントの企画・推進も行う。
「国際女性デー」とは?

「国際女性デー」とは、毎年3月8日に祝われる、女性の社会、経済、文化、政治における功績を称える日。同時に、ジェンダー平等の実現に向けた継続的な努力を呼びかける日でもあります。
世界経済フォーラムによれば、現在のペースで進んだ場合、完全なジェンダー平等実現はなんと今から134年後の2158年。したがって、今年の国際女性デーのテーマは、”Accelerate Action(行動の加速)”。少しでも早くジェンダー平等を実現する=「未来に見たい世界を、今、ここから作る」ために、私たち一人ひとりが今すぐ取り組めることは何か、アクションを加速させるためにはどうすればよいかなどを考えるきっかけになるようなプログラムを企画しました。以下、当日の進行に沿って内容を振り返り、ご紹介します。

迷ったときは「やる」を選び、履ける下駄は進んで履こう
今回のメインゲストは、金野志保はばたき法律事務所 代表兼弁護士として活動されるかたわら、法曹養成や経営戦略支援にも尽力されている、金野(こんの)志保さん。日本弁護士連合会男女共同参画推進本部 委員を務められ、ジェンダー平等に向けて多角的に邁進される、優秀な女性リーダーの “見本” のような方。数多くの企業において社外役員を、またメルカリにおいては2024年から社外取締役を務めています。

金野さんは、当イベントのファーストセッションに登壇。「失敗と挫折を踏み越えて上昇気流に乗ろう~ Overcoming Setbacks and Mistakes to find our Way Up」と題したセッションの中で、以下のようなテーマでお話くださいました。
- 金野さんご自身のキャリア形成の振り返り
- 運が良くなる3つの鍵
- 人生で経験すべき5つの挫折
- 金野さんご自身が経験された挫折
- 女性管理職へのメッセージ(個人としてのキャリア形成、部下育成に関するアドバイス)
華々しい経歴・職歴からは想像し難い、数々の挫折、失敗、そこからの学び、参加者へのアドバイスを惜しみなくシェアしていただき、その驚きや発見に満ちた貴重なトークに視聴者全員が釘付けに。終始、お話に真剣に耳を傾けていました。
中でも個人的に印象的だった言葉は「履ける下駄は進んで履こう」という一節。私事になりますが、かつて私にも「プレーヤーからマネージャーへの転身」「グレード昇格」の話が舞い込みました。ただしこれは女性のキャリアを推進しようとする会社の意向あってこその打診。当時は、実力がまだ伴わないまま “女性” というだけで出世のチャンスをもらっても、それに対してイエスと回答することは自身のためにも組織のためにもならないのではないかと感じていました。悩んだ挙げ句、最終的にはいわゆる「下駄を履く」ことを決断し、おかげで今、あのとき引き受けたからこそ見える景色を見ることができています。しかし一方で、未だ実力が肩書に追いつかずあのときの決断が本当に正しかったのだろうかと思い悩むこともあります。だからこそ「下駄を履いたって良い、むしろ下駄は履くべきである」という金野さんの言葉に強く背中を押されました。
昨今の風潮を受けて、今まさに私と同様の経験をしている方、この先同じ経験をする方が幾人もいると思いますが、彼女たちもきっとこの言葉に励まされたことと思います。
金野さんの講演には、そんな “誰しもがどこかで得た経験” “誰しもがこの先経験するような出来事”と紐づくエピソードが多数含まれていて、それぞれにとって大切な意味を持つ金言がトークの随所に散りばめられていました。
“永遠の課題” の解決策とは?
続いては、金野さんに加え、弊社VP of Engineering Marketplaceの Carlos Donderis(@CaDs)が登壇。「キャリア形成における相互サポート」をテーマに対談を行いました。

「仕事とプライベート」「子育てとキャリア形成」それぞれの両立を「永遠の課題ですよね」と前置いた上で、「人を頼る、お金で解決できることはお金で解決する、頼った相手に感謝を伝える、ということが肝要だと思う」と金野さん。一方のCaDsは、自身の体験から、娘に “父親不在の幼少期を過ごさせない” ことを誓っているとし「どれだけ強い思いでそう誓っていても、現実的には仕事が原因となって母子のケアに集中できない時期を過ごした」というエピソードに言及。周囲が出世したり高い成果を創出するのを横目に、子育てによって自分が思うような言動ができないことをもどかしく思うこともあったと振り返ります。仕事と同じくらい家庭が大切であるという自身の価値観を都度確認しながら、リモートで参加できるオフサイトには自宅から参加するなど、家族との交流や家族のケアを絶やさない工夫を意識的に取り入れているのだそう。
「娘さんと良い関係が築けていますね」とする金野さんに、CaDsは「最近 ”イヤイヤ” が増えてきて心が折れることもある。もっと大きくなったらパパ嫌いが発動しそうで不安だ」と困り顔で、会場の笑いを誘う場面も。
また、最後にCaDsから金野さんへ “マタニティハラスメント*” についての問いがあり、金野さんは「企業に、そういったことがあった際の相談窓口があることが理想的」と回答。これに対しCaDsが「メルカリでそういった悩みを持つ方がいたら私が力になりますよ!」と心強いメッセージを表し、対談を締めくくりました。
*妊娠や出産、育児を理由に、女性労働者が職場で不当な扱いを受けたり、嫌がらせや不快な言動を受けたりすること
生い立ちや環境を言い訳にせず、夢の実現に邁進した女性たち
当イベント最後のコンテンツは「世界の偉大なる女性リーダー紹介」。メルカリで働く、世界各国のバックグラウンドをもつメンバーから、自身の国を代表する女性リーダーと、そのリーダーにまつわるストーリーをシェアしていただきました。
登壇者が紹介した各国のリーダーは以下の通り。
※( )内は登壇者の名前
- 何 香凝(Suwen, XB Product )
- Savitribai Phule(Sneha, B2C/Ads Engineering)
- Cecilia Grierson(Juan, OTD)
- Katherine Johnson(Katie, Platform DX)
- ちゃんみな(Kayoreena, Mercari India Engineering Office)
- Simon Veil(Clement, Talent Acquisition)
いずれの女性も、低カーストの出身、ホロコーストの生存者、容姿や人種を理由に差別や偏見の目にさらされるなど、けして恵まれているとはいえない生い立ちを持ちながらも、女性運動の先駆者、女性初の教師、女性初の医学学位取得者等々、環境を言い訳にせず自身のビジョンを貫き活躍した素晴らしい功績の持ち主ばかり。感銘を受けるとともに、各自が今後の生き方を考える上でのたくさんの気づきやヒントを与えてくれました。

イベント開催を終えて

I&Dチーム x Women@コミュニティ双方のアイディアを結集した今回の企画。メルカリでは初開催となる国際女性デー関連イベントで、インド拠点所属メンバーのイベント初参加も叶い、初めてづくしの催しとなりました。初めてのことが多く手探りのなか進めましたが、結果的にオンライン・オフライン合わせて総勢150名ほどが参加し、大盛況のもとイベントは幕を閉じました。
誰もが仰ぎ見るような輝かしいキャリアの裏にも、数多(あまた)の失敗や挫折がある。誰もが望まないような厳しい生い立ちを持っていても、諦めずに前を向けば、後世に語り継がれるような功績すらも残すことができる。だからこそ、未来に見たい世界があるなら、行動を加速させ、今、ここから作るべきである。参加者皆にそう感じさせ、将来への光を感じさせる、そんなイベントとなりました。
またイベントに先立って “今年のポーズ” による国際女性デーへの賛同写真を募集しましたが、当初の総定数をはるかに超える、多くの写真が寄せられました。
このようなメルカリメンバーの前のめりなアクションは、まさに、ジェンダー平等の実現に向けた今年のテーマ「Accelerate Action」を体現していたように思います。
フェアでインクルーシブな環境づくりを推進するI&Dチーム、ならびに女性が活躍しやすい環境の実現をミッションに掲げるコミュニティ Women@ では、今後もメルカリで働くママの支援活動、女性向けのキャリアコンサルティング、女性のヘルス関連イベントの企画・実行を続けていきます。また、女性に限らず、すべての社員が日々前向きに、健やかに働ける環境づくりのための活動を今後も推進してまいります。
次回のイベント開催も、どうぞお楽しみに!