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AIに任せ、人との”時間”を大事に(PM @jay.kim)ー Yurinoの「先輩、ちょっといいですか?」vol.2

2026-1-21

AIに任せ、人との”時間”を大事に(PM @jay.kim)ー Yurinoの「先輩、ちょっといいですか?」vol.2

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メルカリの「AI-Nativeな人」は一体どのようにAIを活用しているのかを解き明かすべく、2026年新卒内定者でAIタスクフォース運営にも携わる @Yurino が先輩にAI活用の極意を聞きまくるインタビュー企画。第二回にお話を聞いたのは、プロダクトマネージャー(以下、PM)の @jay.kim。

韓国出身で、ニュージーランド、オーストラリアでの生活を経て来日。データエンジニア、データアナリストとしてのキャリアを経て、現在はPMとして顧客体験を変える仕事に情熱を注いでいます。

@jay.kim が語るのは「AIはスマホと同じく必需品になる」という力強いメッセージ。一方で、AIに任せるからこそ生まれる余白が、より人間らしさを思い出させてくれるとも話してくれました。

AIと人間の共存について深く考えさせられる対談をお楽しみください!

この記事に登場する人

  • キム・ジヒョン(@jay.kim)

    韓国出身。幼少期にニュージーランドへ移住し、その後オーストラリアで高校・大学・社会人生活を経験した後、2020年1月に来日。楽天でデータエンジニア、フードパンダでデータアナリストを経験した後、メルカリにプロダクトマネージャーとして入社。顧客体験を変えることに情熱を持ち、AI活用を積極的に推進している。

  • 堀内ゆり乃(@Yurino)

    上智大学外国語学部英語学科4年。2026年度新卒としてメルカリに入社予定のインターン生。2024年10月に新卒採用チームでインターンとして入社後、現在はAI/LLM OfficeにてAIタスクフォースの運営に関わる。趣味はドラム演奏。

仕事の中に、AIの居場所を探し続ける

@Yurino: jay.kimさんは、普段どのようにAIを活用されていますか?

@jay.kim: 前回のYukaさんの記事では、「仕事はChatGPTにおはようと話しかけるところから始まる」っておっしゃっていました。僕も少し似ていて、業務でテキスト入力をするたびに、「この業務をAI前提でどう再構築できるか」を常に考えています。

@Yurino: 常にAIを使う余地を考えているんですね!具体的にはどんなツールを使っていますか?

@jay.kim: 最近気に入っているのはClaude Code(Anthropic社が提供するAIツール)ですね。主にエンジニア向けのツールですが、見出しや箇条書きなどの構造化されたドキュメントとして書いてくれるので、それをNotionにコピペすれば(もしくはMCPサーバーで更新してもらえば)、あとは微調整するだけで済むところが気に入っています。

また、最近は音声認識機能が優れているので、タイピングで打ち込むよりも、自分が一番得意な言語、僕の場合は英語で話しかけてAIに伝えるほうが効率的だからです。

@Yurino: AIを本格的に活用しようと思ったきっかけは何だったんですか?

@jay.kim: 今年、子どもが生まれて育休を取り、4月に仕事へ復帰しました。その頃ちょうど、AIに関するニュースが次々と出てきていて、「あ、これは本格的に世の中が変わっていくな」と確信しました。実は過去にSQL(データベースを操作するための言語)をAIに生成してもらおうとした時、ハルシネーションの問題があって、正直あまりうまくいかなかった経験がありました。最初はAIに懐疑的だったのですが、モデルの性能がどんどん改善されていて、復帰したタイミングで「今なら業務で使える」と感じました。ちょうどメルカリでもAIを本格的に活用していこうという流れがあったので、会社と同じ方向を向いて動けたのは、とてもありがたかったです。

@Yurino: すごくいいタイミングで復職されたんですね。復帰後、どのようにAI活用を学んでいったんですか?

@jay.kim: 勉強というよりは、実践を通じて「これはいける」「これはダメだな」を見極めていく感覚に近いですね。

すでに誰でも使えるツールが揃っていたので、まずとにかく試してみて、そこで生まれた仮説(どんな場面で効率が上がるのか、何を人がやるべきかなど)を検証し、自分の中に活用パターンを蓄積していくようにしていました。

自分に合ったAIの使いどころを探していくことが大事だと思っています。

AIが守る、相手と自分の集中時間

@Yurino: PMは、業務や関わる人・部署が幅広いと思うのですが、PMという職種だからこそAIが活きた経験はありますか?

@jay.kim: まず、理想的なPMの未来像として描いているのは、立場の違う人が集まるミーティングで、その場でLLMが思考の構造化を即座に整理して、伝え方までサポートしてくれたらいいなと思います。今だと、自分の頭で考えたことを一度テキストでAIに打ち込んで、整理してもらう必要がありますが、AIが自分の思考を自動で読み取って、相手の感情や場の空気も含めた伝え方の最適解を教えてくれたらどんなに楽だろうと思います。そう思うと同時に、AIをうまく使えるPMほど、対人関係やコミュニケーションスキルといったソフトスキルが重要になるとも思っています。だからこそ僕は、「人がやるべきこと」と「AIに任せられること」を意識的に分けるようにしています。

今PM業務においてAIが圧倒的に意思決定のスピードを劇的に上げているのは情報探索です。メルカリはバリューの1つに「Move Fast」を掲げる会社で、どんどん物事が進む一方で知見が十分に文書化されていないことも多い。「このプロジェクト、以前は誰が担当してたんだっけ?」から始まって、知っていそうな人に聞いたら、「あの人が詳しいかも」と別の人を紹介されて…。気づいたら、その人はもう退職していた、ということもよくありました。

ですが今はNotion AIがとても使えるようになっています。「このプロジェクトの結末はどうなったの?」と聞けば、Confluence、Notion、Google Drive、Slackといった社内ツールを横断して情報を収集してくれます。情報探索が本当に楽になりました。

@Yurino: 確かに、いろんな人にコンタクトをとりつつ、プロジェクトを進めていく役割を担っていますもんね。

@jay.kim: さらに言えば、自分の効率が上がるだけでなく、他人の時間への配慮にもなると思っています。誰かに聞くということは、その人の作業を一度止めてしまうことでもある。でもAIに聞けば、その人の時間を奪わずに済む。単純作業や調べ物はAIに任せ、人の時間を大事にする。それが、今のところ一番うまく回っているAIの使い方だと思います。

ちょっとかしこまったポーズを決めてくれた二人

AI活用で見えてきた「人にしかできないこと」の価値

@Yurino: 削減できた時間はどんなことに使っていますか?

@jay.kim: 人間にしかできない、より良い解を考えることに使っています。リリースを急ぐよりも、本質的な顧客課題とソリューションの妥当性を深掘りする時間が増え、アウトプットのクオリティが上がりました。以前は仕様書段階でのエッジケースの考慮漏れが起きがちでしたが、今はエラー時の挙動や表示文言までカバーでき、より完成度の高い状態で共有できるようになっています。また、新しい機能を入れる際の影響確認やコードレビューをAIに任せられるので、以前は他の人に聞いていたことも、AIに直接コードを解釈してもらってその場で解消できるようになりました。つまり、浮いた時間はスピードではなくクオリティを高めるために使う。そんな意識でAIを活用しています。

@Yurino: 仕様書の穴をLLMに判断してもらい、フィードバックを受けながらクオリティを上げていく。自分自身でクオリティを高める作業もしやすくなっているんですね。

@jay.kim: そうですね。最近は、コミュニケーションの質を高める用途でもAIを使うようになっています。Slackでメッセージを送る時も、自分は母語が英語なこともあり、日本語のニュアンスが難しいので、「心理的安全性を担保する伝え方は何か」をAIに考えてもらうこともあります。

@Yurino: AIで効率化した時間をスピード改善ではなく、品質向上や人との向き合い方に使っているのが素敵ですね!AI活用で気をつけているポイントや、初心者へのアドバイスはありますか?

@jay.kim: まず、AIに頼りきってはいけない、という前提を忘れないこと。コードであれ、メッセージであれ、AIで生成したものをそのまま出して失礼にならないか、その最終判断を担う意識が大事です。 そして効果的なのは危機感を持つこと。今は、ほとんどのビジネスパーソンが当たり前にスマホやパソコンを使えているように、数年後にはAIを活用できない人は採用すらされなくなる可能性もある。AIをスマホと同じような必需品として捉え、当たり前のツールとして使いこなす意識が大事です。「昔使ってダメだったからもう使わない」ではなく、どんどん試し続ける姿勢を持ちましょう。

@Yurino: 当たり前の存在になるまで使いこなすという意思が必要ですね。最後に、AIを使いこなしたい方へのメッセージをお願いします。

@jay.kim: 第一回でYukaさんが「AIは翼だ」とおっしゃっていたことがすごくいいなと思っていて、僕自身も本当にできることの幅が広がったと感じています。せっかくなのでもう少し深掘ってお話すると、ギリシャ神話のイカロスは、人造の翼で空を飛びましたが、太陽に近づきすぎて海に落ちてしまった。AIも同じで、便利で強力な翼だけど、使い方を誤ると危険になる。だからこそAIで生成したものには自分で責任を持つ必要があります。 職種の壁がなくなり、誰でも何でもできる時代だからこそ、コミュニケーション力やリーダーシップがより重要になる。AIで何でもできるようになったからこそ、人間性を忘れてはいけません。

@Yurino: AI時代だからこそ人間力やソフトスキルを大切にし、そして自分のアウトプットに責任を持つ。仕事の本質的な部分にも踏み込んだ、とても面白いお話を聞くことができました。たくさんの学びをありがとうございました!

オフィスのシンボル・メルカリロゴの前で

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