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メルカリ、マーケットプレイスの基本原則をアップデート。「安心・安全」を確保する新対応策の導入とホワイトペーパーを公開

2025-10-20

メルカリ、マーケットプレイスの基本原則をアップデート。「安心・安全」を確保する新対応策の導入とホワイトペーパーを公開

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メルカリは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに掲げて成長を続けてきました。しかし昨今、マーケットプレイスの安心・安全が損なわれる事態が発生しており、お客さまの安心・安全を確保することが重要な課題となっています。

こうした状況を踏まえ、メルカリは2025年10月9日、「マーケットプレイスの基本原則」に関する記者説明会を開催。マーケットプレイスの安心・安全の確保を目的に、「マーケットプレイスの基本原則」や新たに定めた対応方針に関する考え方と議論の経緯をまとめたホワイトペーパーを公開しました。また、不正出品やトラブルの急増、極端な価格の乱高下などマーケットプレイス内の「安心・安全」が損なわれる可能性がある商品については、出品禁止などを含む対応策を導入すると発表しました。

この発表は、2025年7月・9月に実施された第5回アドバイザリーボードでの議論を踏まえたもので、メルカリが掲げる「多様で自由なマーケットプレイス」の理念を維持しながら、より安心・安全な取引環境を構築していく方針を明確にしたものです。

メルカリが目指す「あらゆる価値の循環」とマーケットプレイスの役割

説明会の冒頭で、株式会社メルカリ執行役 SVP of Japan Businessの山本 真人(以下、山本)はメルカリのミッションについて改めて説明しました。「メルカリグループは『あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる』というミッションを掲げて事業を行っています。そのあらゆる価値の循環の起点となるのは、『メルカリ』の多様で自由なマーケットプレイスです。

2013年にサービスを開始したフリマアプリ「メルカリ」は、誰かにとって不要になったモノや、価値が見出されていないモノが、それを必要とする誰かに届くことで、新たな価値が生まれる、そんなマーケットプレイスとして始まりました。その後、月間2300万人・累計出品数40億品の規模に拡大し、メルカリShopsなどのサービスも開始した現在では、不要なモノだけではなく、『誰かにとっては価値があるモノ』であれば、何でも扱われるマーケットプレイスになっています。

CtoCとBtoC、中古品はもちろん、新品や、新古品なども含めて、取引されるモノの多様さ、自由さがメルカリの最大の特長となっています。」

メルカリが循環させる「新たな価値」

山本は、メルカリが「新たな価値」を生み出しているということについて具体例を挙げて説明しました。「廃刊雑誌、昭和の黒電話、片耳だけのイヤフォンなど、通常のお店では手に入れられないものも含め、メルカリだからこそ見つけることができるさまざまな『新たな価値』があります」

「多種多様なモノが出品、購入されているメルカリでは、モノの値段、用途、価値はお客さま自身によって決められています。このような多様で自由なマーケットであるがゆえに、メルカリならではの活発な取引がおこなわれております」

こうしたマーケットプレイスであるからこそ、あらゆる人の可能性をさまざまな形で広げることができると説明し、「メルカリをきっかけに新しくゴルフを始めた方、メルカリShopsで事業を拡大し実店舗をオープンした方などがいらっしゃいます」と具体例を紹介しました。

コロナ禍を契機とした「マーケットプレイスの基本原則」の策定

一方で、フリマアプリが多くの人に利用されるようになったことで見えてきた課題もありました。特に2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大時には、マスクなどさまざまな物資が世界的に品薄になる事態が発生しました。

山本は当時の状況について、「この出来事は、マーケットプレイス運営者に対し、取引を『違法か適法か』という単純な判断だけで処理することの限界を浮き彫りにしました。プラットフォームとしての責任を果たすためには、たとえ適法な取引であっても、制限すべきものの基準が必要となりました」と振り返りました。

「当時は、この基準がなかったために個別の問題ごとに十分な検討時間が無いまま裁量的な判断に追い込まれることも多く、透明性が高く一貫した新しい判断基準、すなわち『基本原則』を定める必要があるとの認識に至りました」

こうした課題を受けて、メルカリは2020年7月、企業倫理、経済学、ESG等の幅広い外部有識者を招き、「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を設立。「コロナ禍における需給逼迫時の対応方針を直接的な議題としつつ、より普遍的なマーケットプレイスのあり方について、多様な視点から徹底的に議論すること目的とした議論がなされました」

この有識者会議での半年間に渡る議論を経て2021年に策定されたのが「マーケットプレイスの基本原則」です。「メルカリ」は現在もこの基本原則に沿って運営がなされています。

外部有識者を交えた透明性の高い議論プロセス

山本は、基本原則について改めて説明しました。「マーケットプレイスの基本原則とは、マーケットプレイスに参加するすべての人の拠り所となる基本的な考え方を示すものです。ルールそのものではなく、利用規約やガイドなどのルールの背景となる考え方がまとめられており、より透明性の高いマーケットプレイスを目指しています」

策定の際には外部有識者を交え、議事概要も公開するなど、透明性に配慮してきたことも強調しました。

この基本原則の策定の際、最も根本的な考え方としたのが、「多様な価値観を持った人たちが、自由に取引できるマーケットプレイスを創る」ということでした。

山本は、「メルカリは、『多種多様な需給のマッチング』が最大限に発揮されることを目指して運営されています。多様な価値観を持った人たちが集まり、自由に取引ができるからこそ、一人ひとりの異なる『売りたい』と『買いたい』のニーズが効率的にマッチングされ、より多くの『新たな価値』を生みだすことができるという考え方です」と説明しました。

「外部性」の概念と「危害原理」の採用

メルカリは「自由な取引を通じた需給のマッチング」を目指していますが、コロナ禍ではマスクや消毒液など、需給のバランスが著しく崩れるケースが問題となりました。

その際に参照した概念が「外部性」です。山本は、「ある取引が売り手と買い手だけでなく、第三者や社会全体に影響を及ぼす『外部性』を持つと判断できる時、メルカリとしての介入を検討することとしました」と説明。

コロナ禍におけるマスクを例に挙げ、「マスクの着用は購入者個人の感染予防だけでなく、周りの人々の感染リスクも下げる『正の外部性』をもたらします。メルカリを介することで必要な人にマスクが行き渡りづらくなると、社会全体の利益が損なわれてしまいます」と述べました。

また、判断の軸として「危害原理」と「不快原理」の両面で検討した結果、より客観的で公平な「危害原理」を判断の基礎に置くとしています。不快原理については「『不快』という感情は主観的で、運営者の恣意的な介入を招きかねません。私たちが積極的に介入するのは、誰かの生命や財産に『明確な危害』を及ぼす可能性が高い場合に限定します。一方で不快原理もまったく取り入れないわけではなく、個々人の感情よりは『倫理性や人道性』を軸として判断するべきとなりました」と過去の議論を説明しました。

3つの基本原則の策定

こうした議論を踏まえて、「多様で自由なマーケットプレイスを実現していくために、『安全』の確保は不可欠という意見の一致がありました」として、有識者会議での議論を通じて3つの原則が策定されたと説明しました。

そして策定されたのが、以下の3つの原則です。

  1. 安全であること
  2. 信頼できること
  3. 人道的であること

※参考:私たちがつくりたいマーケットプレイス

具体的な規制事例と現在の課題意識

山本は、基本原則に基づく具体的な規制事例を詳しく紹介しました。実際の運用としてはマーケットプレイスの安心・安全を議論する委員会で週次の議論を行っており、直近でこの委員会での議論を経て規制したものの実例を挙げました。

「安全であること」を適用した事例

コロナ禍におけるマスク・消毒液(2021年/現在は解除):コロナ禍の状況を踏まえ、「生命身体の安全や健康の維持に関わる必需品で供給が著しく不足している商品」と判断し、出品禁止

米穀の供給逼迫時における政府備蓄米(2025年):禁止した時点で政府からの要請はなかったが、生活者への安定供給を目的とした商品であるため、「供給が著しく不足している生活必需品」と判断し出品禁止

空薬莢(2025年):所持・取引は法的には規制されていないものの、警察庁からの情報提供を受け、違法・犯罪行為につながる可能性が高いと判断し、2025年7月21日から出品禁止

社会情勢の変化と新たな課題

山本は、昨今の「安全」の重要性がますます高まっている現状について詳しく説明しました。メルカリも2025年5月に「不正利用者の徹底的な排除」と「お客さまの徹底的な救済」という新方針を打ち出したことに触れ、「多様で自由なマーケットプレイスを守りながら、お客さまが安心・安全にサービスをご利用いただける環境を構築していくことは当社にとって継続的に課せられた責務です」と述べました。

基本原則のレビュー体制

山本は、基本原則が不変のものではないことも強調しました。「『マーケットプレイスの基本原則』は半年に一度、外部有識者との『マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード』を通じ、社会情勢の変化や、外部有識者との対話を踏まえた、定期的なレビューを行っています」

基本原則は2021年にコロナ禍の中で定めたもので、策定の議論を開始してから5年が経過しようとしていることから、「昨今、需給のバランスが著しく崩れる商品の取引などによって、マーケットプレイス内の『安心・安全』が損なわれるケースが生じており、こうした変化に合わせた再検討も必要なのではないかという課題意識を抱いておりました」と現在の問題意識を説明しました。

第5回アドバイザリーボードでの議論と新たな対応策の導入

続いて登壇した株式会社メルカリ執行役員 CEO Marketplaceの迫 俊亮(以下、迫)は、第5回アドバイザリーボードでの議論について詳しく説明しました。「先程、山本からも説明させていただいたとおり、基本原則は不変のものではありません。定期的に外部有識者との『マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード』を通じて内容をレビューし、社会情勢の変化や、対話を踏まえて、必要な場合は見直しを行っていくものです」

課題の明確化と議論のきっかけ

「昨今、『安全』『信頼』『人道』という基本原則では対応することが難しい商品によって、お客さまの安心・安全に悪影響を及ぼすケースが生じました。具体的には、今年6月の人気ゲーム機の発売直後、メルカリのマーケットプレイス上で不正出品や誹謗中傷のコメントが急増するなど、お客さまの安心・安全を損なう事態が発生しました」

2025年7月・9月に実施されたアドバイザリーボードでは、こうした問題意識を踏まえて、直近のメルカリの対応と考え方、新たな対応方針について外部有識者の方々と議論を行いました。

人気ゲーム機への対応と有識者の評価

迫は、メルカリの具体的な対応について説明しました。「メルカリは人気ゲーム機を基本原則に基づき禁止対象とはしておりませんが、さまざまな対応を実施しました。具体的にはメーカー様と共同での注意喚起や利用規約に反する出品の削除、利用規約・ガイドラインに基づく詐欺・取引トラブルへの対応、高額取引の本人確認必須化などです」

こうした取り組みに対して、アドバイザリーボードでは以下のような意見・提案が出たといいます。

「基本原則の運用の観点からメルカリの対応は評価できる」

「会社の評判を守るという観点からは別の対応もあり得たかもしれない」

ルールの例外に関する議論

もう一つの重要な議論が、基本原則では禁止が難しい商品に対して、出品禁止を含む対応の検討でした。これについてアドバイザリーボードでは、以下のような意見が出されました。

「この対応と基本原則との関係については、基本原則を変えずに、あくまでルールの『例外』として扱うという考え方が良いのではないか」「この対応は、あくまで基本原則の『例外』なので、実施するための基準や社内での検討プロセスは事前に整理し、利用者にも何らかの形で周知しておくべきではないか」

「経営戦略の一環としてこの対応を行う基準として、中期経営計画との整合性を根拠にして、「『社会的責任』のような曖昧な言葉、SNSでの一時的な盛り上がりだけで判断すべきではない」

人気ゲーム機で発生した具体的な課題と新たな対応策の導入

迫は、人気ゲーム機発売時に実際に発生した課題について詳しく説明しました。「人気ゲーム機発売時には、例えば誤認を狙った出品や出品者への誹謗・中傷行為など、マーケットプレイスの『安心・安全』を損なうことにつながるような事象が発生していました」

「それぞれに対して、出品物の削除とアカウントの利用制限という対応を迅速に行ったものの、このような問題が発生したこと自体がお客さまの安心・安全を損なう結果となりました。このような事態を踏まえて、マーケットプレイスにおけるお客さまの安心・安全を強化するためには、基本原則のアップデートの検討も含めた議論が必要だと考えました」

アドバイザリーボードでの議論を経て、メルカリは新たな対応策を導入することを決定。迫は「不正出品やトラブルの急増、極端な価格の乱高下などマーケットプレイス内の『安心・安全』が損なわれる可能性がある商品については、出品禁止などを含む対応を行います」と発表しました。

この新たな対応は、不正出品、トラブル、誹謗中傷の急増や、極端な価格の乱高下、その他の安心・安全が損なわれる事象を総合的に考慮して判断されます。

また、透明性向上への取り組みとして、基本原則策定から今回のアップデートまでの経緯をまとめたホワイトペーパーの公開も発表。「より信頼できるマーケットプレイスを構築していきたい」と締めくくりました。

まとめ:新たな段階に入るメルカリのマーケットプレイス運営

今回の発表のポイント

  1. 誰もが安心して参加できる、多様で自由なマーケットプレイスという理念は堅持
  2. 基本原則(安全・信頼・人道)は維持しつつ、新たな対応策を導入
  3. 不正出品やトラブルの急増、極端な価格の乱高下などマーケットプレイスの安心・安全が損なわれる可能性がある商品への対応を強化
  4. 今後も判断プロセスの透明化と継続的な外部有識者との対話を重視

メルカリが12年間で築き上げてきた「多様で自由なマーケットプレイス」という価値を守りながら、お客さまの安心・安全を守るための新たなアップデートがなされたことを示す重要な発表となりました。今後、具体的な運用基準や判断プロセスの詳細について、継続的な情報開示を行ってまいります。

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