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リーダーズと語る!AI/LLM舞台裏 Open Door Vol. 06 〜CHROが語るAI-Nativeな時代の人と組織〜

2025-11-5

リーダーズと語る!AI/LLM舞台裏 Open Door Vol. 06 〜CHROが語るAI-Nativeな時代の人と組織〜

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2025年6月11日から、社内へ向けたトークセッション「リーダーズと語る!AI/LLM舞台裏 Open Door」がスタート。ラジオの公開収録形式でお届けするこのセッション「リーダーズと語る!AI/LLM舞台裏 Open Door」第5回目のゲストは、CHROの宮川 愛(@Ai)。

AI/LLM推進を加速させるメルカリにおける「AI-Native時代」の人と組織について、AI/LLM室のハヤカワ五味(@gomichan)をモデレーターに、熱を帯びたカジュアルトークが繰り広げられました。まるでその場で対話を聞いているかのような臨場感で、その模様をお届けします。

この記事は当日の音声をもとにAIツールを活用し構成、執筆を行っています

この記事に登場する人

  • 宮川 愛(Ai Miyakawa)

    2003年よりデル株式会社にて人事として入社後、人事企画業務・報酬制度・M&A等の領域において国内およびアジア太平洋地域の人事に従事。2014年シスコシステムズ合同会社入社後、2016年8月より同社執行役員人事本部長に就任。同社のカルチャー変革、エンゲージメントやリーダーシップ施策を牽引。2018年、2021年及び2023年に”働きがいのある会社ランキング”大規模部門1位獲得。社内のみならず、”日本の働くを変える”を自身のパーパスとし講演やセミナーに多数登壇。2024年6月より現職。

  • ハヤカワ五味 (Gomi Hayakawa)

    2015年頭に株式会社ウツワを創業後、ランジェリーブランド『feast』、フェムテック事業『ILLUMINATE』など、多数の事業を展開。2022年3月にはユーグレナグループに参画し、はたらく女性向けの新規事業開発に取り組む。24年4月に退職後、2024年7月にメルカリにジョイン。生成AIの利活用に関してSNSでも積極的に発信している。

生成AIは毎日の必需品——「実現したドラえもん」という視点

@gomichan: 普段@Aiさんはプライベートや業務でAIを活用されることありますか?

@Ai: いや、もう毎日、これがないと生きていけないです(笑)。『Gemini』で壁打ちをしたり、『NotebookLM』でポッドキャストを作成したり。この間感動したのは、私個人で使ってみた『Manus』で、講演のスライドアウトラインから高精度なスクリプトができたことです。

@gomichan: 最初の印象から今はどう変わりましたか?

@Ai: 1年前は「まだまだだよね」という印象だったのが、今は精度が全然違う。進化のスピードが想像以上で、私は今、AIのことを「実現したドラえもん」だと思ってて。

@gomichan: 実現したドラえもん、面白い表現ですね。

@Ai: ドラえもんって4次元ポケットで「あんなこといいな、できたらいいな」っていう夢を叶えてくれるじゃないですか。起点は人の夢で、それを4次元ポケットではなく生成AIを通じて情報を呼び出して実現していく。これってドラえもんの姿だったんだなと。

@gomichan: 確かに、自分の思いを実現するスピード感が格段に上がりましたよね。

「成長マインドセット」で変化を機会に変える

@gomichan: とはいえ、その変化の速さゆえに不安を抱く人もいますよね。私たちはその不安とどう向き合っていけばいいでしょうか?

@Ai: 人事として重視しているのが「成長マインドセット」という考え方です。教育心理学者のキャロル・ドゥエック氏が提唱したもので、能力の高い人が必ずしも成功するわけではなく、成功要因はマインドセットにあるというドゥエック氏の過去20年の研究に基づいた理論です。

人間は2つのマインドセットに分けられます。「硬直マインドセット」は才能は生まれ持ったもので変わらないと考え、結果重視で失敗を恐れます。「成長マインドセット」は常に自分は成長できると考え、努力やフィードバック、失敗を成長機会として捉えます。

@gomichan: 変化の時代には、どちらが重要になりますか?

@Ai: 成長マインドセットですね。硬直マインドセットだと変化を拒絶しますが、成長マインドセットなら変化を成長機会として捉えられる。大切なのは、マインドセットは誰でも変えられるということです。

@gomichan: 大人になってからでも変えられるんですか?

@Ai: はい。脳の可塑性により、筋肉のワークアウトと同じで鍛えたもの(考え方)が強くなります。考える癖を意識的に変えることで、違うルートを作ることができるんです。大切なのは意図的にそこに意識を向けること。それによって変化や失敗、様々なタフな局面にぶつかった際、意識的にそういう考え方をする癖ができるんです。

AI-Native人材の定義と4つの戦略柱

@gomichan: メルカリのAIと組織に関する人事戦略について教えてください。

@Ai: HRとして4つの柱でフォーカスしています。1つ目は組織開発。変化に耐えうる組織体制とチェンジマネジメントです。2つ目は人材開発。変化の時代を率いるリーダーシップと、AI-Native人材の育成です。AI-Native人材の定義は経営陣で何度も議論して決めました。「AIと共に、役割や組織の境界を超えて、新たな価値を生み出す人材」です。この定義なら、全員がなれるんです。

@gomichan: 3つ目と4つ目の柱は何ですか?

@Ai: 3つ目は制度・仕組みのAI-Native化です。主に採用活動の一部や評価制度の一部を検討しています。

採用では例えばメルカリで働きたいと思う方に向けて、24時間AIエージェントが初回のインテイクをできるような仕組みも。これはあくまで面接ではなく、人事が通常行うような面談で、どのようなご経験や期待値を持っているかなどを最初に通常行うのですが、そういった面談をAIができることで、現在の業務などが忙しい方も24時間365日ご自身の都合が付く時間でそのような面談ができるメリットはあるかと思っています。

また評価制度においても、評価をAIがするのではなく、自分自身がその評価期間にどのようなことをしたのかをまとめてくれる機能を使うことにより、網羅的に自身の実績をセルフアセスメントに記載できたり、そのようなトランザクションの一部をAIに助けてもらうことはできないかと考えています。もちろん、実際の評価や最終決定は必ず人間が行う前提です。

4つ目は組織文化で、成長マインドセットの浸透です。AI-Nativeな働き方が出来ているかどうかによってこれまで以上に成長格差が広がっていくことが予想されるので、メンバーの皆さんに対し、今まで以上に成長ができる機会であることを示し続けることが重要だと考えていますね。

柔軟性こそがAI-Native組織の鍵

@gomichan: 最後に社員の皆さんへメッセージをお願いします。

@Ai: AI時代は変化が長く続きます。重要なのは不安の根源を言語化することです。分からないから不安になる。自分が何を怖いと思っているのか、仕事がなくなることか、能力不足が露呈することか、まず言語化する。

そして、コントロールできることとできないことを見分けて、変えられることに集中する。今自分ができることを具体的にステップ分解することが重要です。

@gomichan: 組織としての考え方はいかがですか?

@Ai: おなじく、変わることに慣れなければいけません。時代に合わせて柔軟に進化していく。人事制度も含めて、進化しなければ生き残れない。心理的安全性より、今は心理的柔軟性が大切です。

13年前のメルカリから変わらないのは、私たちの持つ理想像です。全社的に変化を受け入れ、1人1人がミッションに向かって新たな価値を創造し、みんながワクワクして挑戦し続ける。理想は変わらず、Howの部分だけが変わっていくのだと思います。

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