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AIタスクフォース約60名が2日間の合宿で交わした激論 ー 個人は変わった。その次は?

2026-3-10

AIタスクフォース約60名が2日間の合宿で交わした激論 ー 個人は変わった。その次は?

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こんにちは、メルカン編集部です!

2026年2月18日から19日にかけて、AIタスクフォース(以下、AI-TF)*のメンバー約60名で合宿を実施しました。

社員のAIツール利用率100%を達成し、個人の生産性向上が「当たり前」となったメルカリ。しかし、変革はそこで終わりではありません。「個人」が変わった今、次は「組織」をどう変えるのか。

この記事では、熱気に包まれた合宿の模様とともに、AI-TFの「今」をお届けします。


「今のままでは、全然進まないかもしれない」

合宿の冒頭、メンバーに厳しい問いを投げかけたのは、企画者である木村俊也(@kimuras / 執行役員 CTO Japan Business)です。

いまのスピードで、メルカリのAI-Native化が進んでいるとはとても言えない。そんな危機感から、今回の合宿を企画しました。

確かに、私たちは今、全員がAIツールを活用しています。しかし、業務そのものは本当に『AI前提』に刷新されているでしょうか? AIにもできる仕事は無数のエージェントに任せ、人間はクリエイティブな仕事や最終判断、責任を取ることにのみ集中する ── そんな世界は、まだ実現できていません。

今の温度感のままでは、到底そこには届かない。ここで一度、全員の認識を揃え直し、本気でやり切る決意を固めたい。そのために皆さんに集まってもらいました

同じく企画者である山本真人(@mark / 執行役 SVP of Japan Business)も、その危機感に深く共鳴しています。

タスクフォースの使命は、既存の枠組みを越えて他の領域に踏み込み、影響を与えていくことです。時には孤独で、しんどい役割かもしれません。

だからこそ、改めてみんなで集まり、目指すべきゴールを共にして、心をひとつにしたい。それが、より高い目標を達成する、チームとしてのパワーになると信じています。僕も@kimurasも、今日は『ここで決められることはすべて決める』という覚悟で来ています。言いたいこと、相談したいこと、すべてぶつけてください!

リーダー陣の熱い言葉を受け、いよいよ2日間の集中プログラムが幕を開けました。

AIを駆使した事前準備

今回の合宿の最大の特徴は、開催前の徹底的な「仕込み」にあります。

プロダクト開発からコーポレート、ガバナンスまで、戦略的重点領域として定義された全8領域が事前に発表ドキュメントを作り込み、口頭での補足が不要なレベルまで内容を言語化。あらかじめ共有されたNotionでは無数のコメントとメンションが飛び交い、互いの論点を「ほぼ消化しきった状態」で当日の議論がスタートしました。

全社にまたがる膨大かつ専門的なドキュメントを読み解く力となったのは、ほかでもないAIです。誰にとっても専門外の情報が含まれていましたが、AIに読み込ませて要点を把握し、理解を深める。AIに聞けば済むことは事前に解消した上で、それでもなお「人間にぶつけたい問い」をリスペクトを持ってぶつけ合う。

合宿当日を迎えた時点で、すでに随所で深い対話が発生しており、この時点で合宿の成功は約束されていたといっても過言ではありません。こうして研ぎ澄まされた各チームの取り組みと課題が、2日間の議論の熱い起点となりました。

アイスブレイク「ビンゴ大会」

まずはアイスブレイクとして「ビンゴ大会」を実施!「メルカリのノベルティを身につけている人」「英語が母国語の人」など、ランダムに割り当てられたお題に合う人を会場内で探し出します。このワークを通じて、普段接点のないメンバー同士も楽しみながら交流。会場は一気に活気に包まれ、対話の土壌が整いました。

8領域のプレゼンと「怒涛」のフィードバック

続いて、本編となるプレゼンテーションセッションへ。通常なら各領域の進捗報告から始まるところですが、今回は事前にやり取りし 尽くされているため、あえて詳細な説明は割愛。「ポイントを絞った補足」のみで進行するスタイルをとりました。

それに対し、@markと@kimurasが経営視座でのフィードバックを矢継ぎ早に投げかけます。全チームが領域を越えて課題と知見を同期し、未来へ向けて一気に焦点を絞り込んでいく。そんな濃密で圧倒的な時間となりました。

例えば寄せられたフィードバックは以下のようなものです。

「人事領域は、今の延長線上ではなく、完全に『AIベース』でゼロから考え直してほしい。たとえば、評価は年1〜2回という常識すら疑っていいはずです。究極的には、評価は無段階で更新され、『毎週給与が上がる世界』だって実現しうる。そんな『ありえない』と思われるような未来すら想定した上でのロードマップを描いてほしい。」

「お客さまサポートにおいて、あらゆる困りごとを5分以内に解決するというコンセプトは素晴らしい。けれども、AI-Nativeの視点に立てば、『お客さまが困る前に未然に防ぐ』こともできるはず。これまでのスコープで固めてきた優先順位が、AIによって劇的に変わりうる。その可能性まで含めて、戦略を再定義してほしい」

▲ @markと@kimurasからのフィードバックは、戦略の前提から実行のディテールにまで及び、会場では立場を超えた「喧々諤々」の対話が巻き起こりました。

徹底的な咀嚼と、全体への還元

その後のプログラムは、フィードバックを即座に反映させる「領域別の深掘りディスカッション」。その結果を再び全体へ共有し、さらに鋭いフィードバックを受ける……という、妥協のないサイクルで進みました。「個別の深掘り」「全体への昇華」を交互に繰り返す設計が、メンバーの思考を限界まで刺激し続けます。

▲厳しいフィードバックを受け、さらに盛り上がるグループディスカッション。事前に寄せられた膨大なコメント群も読み返し、課題の核心へと切り込みます。制限時間には到底収まりきらないほどの、熱い言葉が飛び交う時間となりました。

浮き彫りになった「真の課題」

8領域が横断的に議論を重ねたことで、初めて組織全体の「真の課題」が浮かび上がってきました。各領域へのフィードバックのなかで、@markが覚悟を迫るように言い切った言葉があります。

「会社として本気の変革を志せば、そこには必ず抵抗が生じます。AIによって、特定の役割が不要になることさえ厭わない。そんな『不都合な真実』をいくつも乗り越えていく覚悟が必要です。それでも、私たちが最優先すべきは、いま掲げているゴール。そのために今、何を変えなければならないのか。その本質から目を逸らさず、考え抜くことを止めないでほしい。」

たとえば、私たちが直面している「不都合な真実」は、このようなものでした。

1. 「同じ言葉」で話しているつもりで、実はバラバラであるという事実

職種を越えて「越境」しようと叫んでも、実際には隣のチームとすら共通言語を持てていない。AIで職種の境界が溶けるどころか、前提となるプロトコルのズレが組織のスピードを削いでいること。例えば「スペック」という基本的な言葉ひとつとっても、プロダクトマネージャー、バックエンド、フロントエンド、クライアントで想定しているものが全く違っていました。

2. 「実装」を速くしても、「意思決定」が渋滞しているという事実

ボトルネックはすでに「技術」ではなく「人間」に移動していること。エンジニアがAIで爆速にコードを書けるようになっても、それを「リリースしていいか」と人間が判断したり、関係者と合意形成したりするプロセスが直列のままでは、サービスが世に出るスピードは変わりません。

3.「AI-Native」への熱量が、まだ全社にまで伝播しきってはいないという事実

まだまだ一部の意欲的なメンバーだけで盛り上がっている状態であり、全社的な行動変容を引き起こすための「仕組み」は整いきっていないこと。タスクフォースの内部ではAI前提の議論が当たり前になっていますが、一歩外に出れば、そこにはまだ「AI以前」の前提が山ほど残っています。

一人ひとりが刻んだ「完遂」への覚悟

これらを総括すると、@markが指摘した通り、「誰かの役割がなくなる痛みや、既存の仕組みを壊すことを厭わない覚悟」がまだまだ足りていなかった。そんな、残酷なまでに本質的な真実が浮かび上がりました。

単なる「便利なツールの導入」という甘い認識を捨て、職種の定義や評価制度、さらには経営会議における意思決定プロセスまでも「聖域なく破壊し、再構築する」。この痛みを伴うプロセスこそが、「不都合な真実」を乗り越えるために必要なアクションでした。

そして、その不都合な真実から決して目を逸らさないという@markと@kimurasの「本気」を、AI-TFメンバー全員が目の当たりにし、強く背中を押される時間となりました。

合宿のクロージングでは、参加者全員が「明日から自分は何をするか」を宣言しました。これも事前準備と同様、ドキュメントへ一斉に書き込み、リアルタイムで共有し合うスタイル。単なる感想ではなく、自分自身への、そして仲間への「約束」です。

会場の熱量と、一人ひとりの覚悟をそのままお届けするため、原文からいくつか抜粋してご紹介します。

「HOWに寄りすぎてBig pictureを描けていない。『本当にやれんの?』を力強くグリップしていく。やれるかやれないかではなく、やるかやらないか。」

「久しぶりに多くのメンバーと対面で会い、長く雑談や議論できた。大胆に動く面と、作って見せて試してもらい仕組み化まで高速で作る推進も必要かも。Next Actionも定義できた」

「インプットをもと に、よりboldなビジョン/ゴールを描けた。オフラインで集中的に議論することで、かなり速く進められた。他領域のゴールとの整合性も議論できた。」

「全体で事前準備をしっかりやったので、当日の充実度が過去一だった」

「一番生産的だったのはディナー/交流でランダムに話した時間。すでにあるものでできること、新しい試み、ブロッカーだと思っていたことの解決策など、色々なアイデアを得られた。」

「話したことを、実現できないと意味がない」

合宿の最後、@markの言葉は、この会場を選んだ理由から始まりました。

この場所はこれまでも、メルカリやメルペイが大きな変革を成し遂げるたびに集まり、強い結束を育んできた場所です。今回のAI-TF合宿の会場を選ぶ際にも、私は迷わずここを推しました。

これから皆さんがそれぞれの持ち場に戻った後も、当然大変なことはあると思います。そんな時こそ、ここで語り合い、一丸となってやると決めたこの体験を、明日へのエネルギーに変えてほしい。今日話したことは、実現できなければ意味がありません。この合宿が、全員で前へと突き進むための、大きな転換点になることを願っています。

@kimurasも、この合宿が経営とメンバーの双方向のコミットメントだったことを明言。

厳しく聞こえた部分もあったかもしれませんが、常に目線は高く保たなければなりません。今日、皆さんが『やりきる』と宣言してくれたこと。それを決して忘れないでほしい。私も忘れません。VPとして、皆さんの挑戦を全力でサポートし続けます。逆に、もし私が『VPとして役割を果たせていない』と感じた時は、遠慮なくぶつけてください。皆さんの宣言を、今日、責任を持って受け止めました。共に、やり遂げましょう。

この合宿における、何よりの価値。それは、ビジョンを共にする仲間同士が膝を突き合わせて語り合い、領域を超えた「信頼関係」を再構築できたことにあります。

この日に紡がれた関係性は、早くも翌日から領域を超えた連携を生み、「複利」となって効き始めています。合宿の終わりは、あくまで始まりに過ぎません。組織が劇的に変わり始める予兆を、私たちはすでに確信しています。

そしてAI-TFで育んだ「横のつながり」は、これから全社へと波及していきます。AI-Nativeな働き方は、あらゆる手段を講じてメルカリの新たなスタンダードになっていくでしょう。

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