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AIに任せることから始まる新しい働き方。非エンジニアリング組織にAI活用を根づかせるために(Fintech Growth Marketing @Kyohei)ーYurinoの”先輩、ちょっといいですか?“vol.5

2026-3-23

AIに任せることから始まる新しい働き方。非エンジニアリング組織にAI活用を根づかせるために(Fintech Growth Marketing @Kyohei)ーYurinoの”先輩、ちょっといいですか?“vol.5

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メルカリが掲げる“AI-Native”——すでに多くのメンバーがAIを日常業務に取り入れていますが、メルカリの“AI-Nativeな人”はどのようにAIを活用しているのか。それを確かめるため、内定者でAI Task Force(全社のAI活用を推進する部門横断チーム)運営にも携わる 堀内ゆり乃 ( @Yurino ) のインタビュー企画『Yurinoの“先輩、ちょっといいですか?”』が立ち上がりました!

第5回のゲストは、FintechのGrowth Marketing組織でメルカード・メルカリモバイルのグロースを担当しながら、AI Task Forceの一員としてマーケティング業務のAI化を推進する @Kyohei。組織へのAI浸透のリアルと、個人としてのAI活用術を聞きました。「AIに興味はあるけど、何から始めれば…」と思っている方にこそ読んでほしいインタビューです。

この記事に登場する人

  • @Kyohei

    学生時代にWEBサイトを立ち上げ収益化。その経験をきっかけにサイバーエージェントグループ企業へ入社し、プロダクトマネージャーとしてキャリアをスタート。複数のサービス立ち上げを経て現在はマーケターとして、メルカリのFintech Growth Marketingチームでメルカード・メルカリモバイルのグロースを担当。AI Task Forceではマーケティング業務の効率化とAI関連プロジェクトの進行管理を担当。最近使っているAIツールはClaude Code、Notion AI、Google AI Studio、Lovart、Sunoなど。趣味はスモールビジネス(スタジオ経営や商品撮影カメラマン、りんご飴屋のイベント出店)などを手がける。

  • 堀内ゆり乃(@Yurino)

    上智大学外国語学部英語学科4年。2026年度新卒としてメルカリに入社予定のインターン生。2024年10月に新卒採用チームでインターンとして入社後、現在はAI/LLM OfficeにてAI Task Forceの運営に関わる。趣味はドラム演奏。

まずAIに実行させ、人間は判断と手直しに集中する

@Yurino : 今日はよろしくお願いします!KyoheiさんはマーケターでありながらAI Task Forceの一員でもありますが、AI Task Forceではどんなことをされているのですか?

@Kyohei : マーケティングの業務フローを分解し、AIで効率化するためのツールを作ったり、それをチームに届けて使ってもらう仕組みづくりを進めています。

@Yurino : なるほど。では、チームでのAI推進を進める上で大事にしている考え方はありますか?

@Kyohei: 重要だと思うのは「まずAIに任せてみること」。これまでは資料も企画書も自分で作るのが当たり前でしたが、今はまずAIに作らせて、自分は判断と手直しに集中する。それと気をつけないといけないのはAIを使うこと自体を目的にしないこと。大事なのは成果を出すことで、AIはそのための手段です。

この2つをセットで意識することで、仕事のスピードも質も大きく変わると思います。

@Yurino : 「これまで自分がやってきたことをAIに頼む」というのは意識を変える必要がありますよ。実際に、チームの皆さんに「まずAIに任せてみよう」と思ってもらうために、AI Task Forceではどんな工夫をしていますか?

@Kyohei : チームの誰もが手軽に使えるNotion AIのツールを作っています。 Claude Codeなどのコマンドラインツールの導入も並行して進めていますが、まずは日常のツールの中で動くことを優先しています。

どういうツールかというと、Notion内にClaudeでいうSkillsのような——つまり、業務ごとに最適化されたプロンプトが書かれたページを用意していて、施策に必要な作業を幅広くAIがサポートしてくれるようなイメージです。

使い方はとてもシンプルで、Notion上でそのページをメンションするだけで、ページ内に書かれたプロンプトが呼び出され、各業務をサポートしてくれます。例えば、企画書から仕様書やWBS、LPなどを作成してくれたりします。普段使っているツールの中でAIに指示を出すだけなので、新しいソフトを覚える必要はありません。

@Yurino : Notionだけで動くのは手軽ですね。最初から完成度の高いものが出てくるのでしょうか?

@Kyohei : いいえ、最初から完璧を目指してはいません。大事にしているのは、「まずAIに実行させて、人間が判断・手直しをする」という順番とそれをとにかく容易にすることです。AIが出した下書きをたたき台にして、人間がレビューし、磨いていく。ゼロから人間が書くよりも、圧倒的に速くアウトプットにたどり着けるようになるかと思います。

チームへのAI浸透は「使ってもらえる」設計がすべて

@Yurino : AIをマーケティング業務に取り入れ、組織全体に浸透させるために大切にしていることは何ですか?

@Kyohei : 大きく2つあります。1つは「使いたいと思えるか」。ツールの存在を知っていて、使い方がわかって、意味がありそうだと感じられること。もう1つは「すぐ使えるか」ということです。特別な準備なしに、使いたい!と思った時に今すぐ手元で動かせて、初めてツールの利用率は上がると考えています。

@Yurino : 私もAI Task Forceの運営をしていて、せっかくいいツールがあるのにあまり使われていないケースを見ることがあります。そう思うようになったきっかけはありますか?

@Kyohei : 私は1月からAI Task Forceのメンバーとして動き始めました。以前コマンドラインで操作する開発系AIツールを導入をトライしたことがあったのですが、残念ながらマーケターの利用率は思ったほど伸びませんでした。

@Yurino : 利用率が伸びなかった理由は何だったんでしょうか?

@Kyohei : 大きく3つあります。まず、コマンドライン操作が非エンジニアのメンバーには馴染みがなく、とっつきにくかったこと。次に、初期セットアップの難易度が高かったこと。そして何より、マーケターは日々KPIを追いながら手を動かし続けていて、足元の業務量が多く、新しいツールを試す時間を確保すること自体が難しい状況でした。その経験から気づいたのは、”高機能であること”よりも”誰でもすぐ使えること”の方が重要だということです。だから今は、“とにかく簡単にする。難しくなるなら、別の道を探す。” を徹底して、メンバーみんなが日常的に使っている既存ツールの中にAIを組み込む方針にしています。

@Yurino : 具体的に、「簡単にする」ためにどのような工夫をしているのですか?

@Kyohei : まず、ツールの選定基準として「入社直後から使えるツールで実行できること」を掲げています。インストールやセットアップに時間がかかるものは極力使わず、全員がすでに使っているツール上でできることを優先しています。

「まず形にする」を速くする——ドラフト作成の速さが施策の質を変える

@Yurino: AI Task Forceとして、マーケティング業務の効率化ではどんなゴールを描いているのですか?

@Kyohei : 直近は、企画からドラフト完成までを1日以内に圧縮するために試行錯誤しています。例えば企画書を作ってから、実装のための仕様書やLPのデザイン、バナー画像、場合によっては実際に動くページまでを1日でアウトプットできる状態を目指しています。

現状、施策の企画からアウトプットが完成するまでに数日から数週間かかることもあります。それを1日に圧縮できれば、たたき台を実物ベースで確認しながらレビューを複数回通せるようになり、施策の品質を上げることができ、さらに、1施策あたりの稼働時間が圧縮されるので、施策の本数自体も増やせ、結果事業全体の成長につながると考えています。

@Yurino : なるほど、具体的にはどのようにAIを使うのでしょうか?

@Kyohei : 大きく「作成」と「レビュー」の2つの使い方があります。作成では、過去のデータを活用したアイディアの幅出しや、施策の目的・背景・KPI・ターゲット設計の整理をAIに任せます。レビューでは、たとえば関連する法令に照らし合わせたリスク確認や、「不正をするとしたらどういうことができそうか」という不正視点のチェックや、作成したペルソナ(想定ユーザー像)から見て刺さる内容になっているかの検証をAIが行います。

@Yurino : 不正視点のチェックまでAIがやるというのは意外でした。作成とレビューの両方をAIが担うことで、企画から公開までが一気に速くなるんですね。

@Kyohei : そうです。TFでは、マーケティング業務の各工程をAIでカバーするためのツールを一通り揃えています。たとえば

  • 稟議資料・企画書の作成
  • 仕様書やWBS(スケジュール)の自動生成
  • コミュニケーションプランやLP構成案の作成
  • 法令チェックやCS観点での二次レビュー

つまり、企画から公開前の最終チェックまで、業務フロー全体をAIがサポートするイメージです。

@Yurino : Notion AIのツール以外にも、AI Task Forceで取り組んでいることはありますか?

@Kyohei : キャンペーンの自動分析ツール、配信設定やLPの自動入稿ツール、広告バナーの量産ツールなども並行して開発しています。今はツールを作りきるフェーズで、次のステップではチーム全体の利用率を一気に上げていく計画です。最終的には、これらのツールをAIエージェントが自律的につなげて実行する世界を目指しています。

趣味で試して、本業に活かす——プライベートでも”まずAIに任せる”

@Yurino : Kyoheiさんは仕事以外でもAIを活用していますか?

@Kyohei : かなり活用しています。趣味でスタジオ経営やりんご飴屋のイベント出店といったスモールビジネスをいくつか運営していて、企画の壁打ちからプロジェクト管理まで、ほぼすべての工程でAIを使っています。たとえばスタジオ運営では、インテリアコーディネートのためのアプリケーションをAIで自作して活用しているんですよ。

@Yurino : AIを使ってアプリまで作ってしまうんですね!AIを”相談相手”というより、”共同経営者”のように使っている感じがします。

@Kyohei : まさにそうですね。趣味で「まずAIに任せてみる」を試して、うまくいったやり方を本業にフィードバックしているんです。最近は、何か新しいことを始めるときに「まずAIにやらせてみよう」という思考回路がかなり自然にできてきていますね。

みなさんが実現したいことはなんですか?——まずは小さく始めてみよう

@Yurino : AI Task Forceとして、その先にどんな世界を目指しているのでしょうか?

@Kyohei : チーム全員がAIをフル活用して、手作業に費やしている時間を減らすこと。そうすれば、空いた時間をブラッシュアップや意思決定に充てられるようになります。AI Task Forceで掲げているゴールとしては、現在開発中のツールのチーム全体への浸透を目指しています。

@Yurino : KyoheiさんにとってAI-Nativeな人とはどんな人ですか?

@Kyohei : 目的にあわせて AIと一緒にアウトプットを作れる人 です。たとえば、企画書もデザインもレビューもAIと分担して、1人でも高い品質を出せる。今後はそういう働き方が当たり前になって、「これはマーケターの仕事」「これはデザイナーの仕事」という境界もどんどん曖昧になっていくと思っています。

@Yurino : 逆に、AIが当たり前になったとき、個人に求められるものは何だと思いますか?

@Kyohei : 誰もがAIを使って成果を出せる時代になるからこそ、「自分は何を実現したいのか」という想いが一番大切になると思っています。変化を楽しめる好奇心さえあれば、AIはそれを形にする力をくれますから。

@Yurino : この記事を読んでいる方が、今日からAI活用を始めるとしたら、何から始めるのがいいですか?

@Kyohei : いきなり難しいツールを使う必要はまったくありません。大事なのは、自分が達成したい目的に対して、AIを使うことでもっと速くなるのか、作るものの質が上がるのか。そこを起点に考えることです。

あと大事なのは小さくてもいいのでトライアンドエラーをする時間をつくってみてほしいです。「ちゃんと使いこなさなきゃ」と構えると、なかなか時間が作れなかったり一歩が踏み出せない。まずは「一回AIに任せてみよう」という気軽な気持ちで十分です。そこから「これは便利だ」と感じる瞬間がきっと来ます。

みなさんがAIを使って実現したいことは何ですか? その問いを持つことが、AI活用の一番の出発点だと思っています。AI Task Forceではマーケターの働き方を変えることを目指し、引き続き社内の環境をアップデートしていきたいと思います。

@Yurino : ありがとうございました!

Kyoheiさんの運営するスモールビジネスの一つ。りんご飴を持って!(AI生成しました)

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