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メルカリグループのAI活用は、テックカンパニーとしての挑戦の歴史。これまでの取り組みから見える現在地

2024-10-4

メルカリグループのAI活用は、テックカンパニーとしての挑戦の歴史。これまでの取り組みから見える現在地

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今、AI / LLMによる技術革新は世界的に大きなインパクトをもたらしています。私たちメルカリもAIのポテンシャルを重要視し、プロダクトへの実装だけでなく、メルカリで働くメンバーの生産性向上においてさまざまな活用を試みてきました。

メルカリのAI活用の取り組みは、最近になってはじまったものではありません。その歴史は古く、ディープラーニングの勃興期にはいち早くプロダクトへのAI実装を行ってきました。

そして、これからのメルカリはAIを戦略的に活用する、言わば「AI-Led Growth Company」を目指していこうとしています。メルカンでは向こう数ヶ月にわたり、メルカリのAI活用の現在地とこれからのビジョンについて、AI活用を推進していくキーパーソンたちの取り組みを紹介していこうと思っています。

この記事ではそのイントロ的な役割として、これまでのメルカリグループのAI活用の取り組みを過去のオウンドメディアの記事などを織り交ぜて紹介したいと思います。

メルカリにおける「プロダクトのAI活用について」

フリマアプリ『メルカリ』は2013年のサービス提供開始以来、急速なプロダクト開発によって、より使いやすい、優れたUI/UXを提供することに注力してきました。

2017年以降は、メルカリでAIを専門としたチームを組成。UI/UX改善のみならず、『メルカリ』をより安心・安全に使える機能や仕組みを提供してきました。

ここでは、メルカリグループにおける「プロダクトのAI活用について」に改めておさらいしたいと思います。大きく分けて6つの領域で活用しています。

01:パーソナライゼーション

パーソナライゼーションプロジェクトは『メルカリ』の様々なデータを活用し、お客さま一人ひとりに合った最適なコンテンツを、最適なタイミングで提供できることを目指しています。ホーム画面上に表示されるコンテンツの制御を行うプラットフォームの構築・改善をはじめとするプロダクトの進化によって、お客さまがそのとき欲しい商品や情報を簡単に発見できるようにサポートしていきます。

02:ML(Machine Learning)プラットフォーム

メルカリグループでは、インフラとコンピュータリソースを効率的に稼働させ、機械学習を促進するMLプラットフォームを構築しました。MLエンジニアが効率的、かつ安全に実験やデータ処理を行い、その結果を迅速に本番稼働に乗せるための柔軟性を実現しています。

AI与信について

メルペイは「AI与信」を活用する「認定包括信用購入あっせん業者」の第1号として、経済産業大臣より認定を受けました。「認定包括信用購入あっせん業者」とは、2022年の4月1日より施行された、令和2年度改正割賦販売法によって創設された制度です。

メルペイでは、サービス提供当初からMLを活用した与信を行ってきました。割賦販売法上の「支払可能見込額調査」の適用除外となる与信額30万円以下の枠組みの中で、各利用者に対する与信額を決定する際に、AIによる与信審査を行なれます。

従来の与信審査では、年収・勤続年数や居住形態といった属性情報が用いられてきました。こうした与信審査では、例えば、勤続年数が少ない方は信用を形成するための一歩目のハードルが大きく、金融サービスのアクセス圏から抜け落ちてしまう方がいるのではないか、という課題がありました。

メルペイはこうした社会課題を解消し、「金融包摂」を実現するための与信審査のあり方の一つとして「AI与信」があると考えています。

03:AI出品

『メルカリ』はお客さま同士が物を売り買いすることから、一般的なECサイトとは異なる様々な難しさがあります。写真撮影・商品説明の記入・価格設定といった出品のための手続きを行っていただく必要があります。二次流通のマーケットということもあり、商品の状態や価格も含めて全く同じものはありません。そのため、出品する商品の情報や適切な価格を調べ、出品を完了することはとても手間のかかる作業です。誰でも簡単に商品を出品できるために、AIを活用しています。

04:あんしん・あんぜんのための自動違反検知

『メルカリ』では、日々多くの個人間取引が行われています。その取引の中には、法令に違反する出品やお客さまの行動も含まれています。月間2,300万人以上のアクティブユーザーが行う出品や取引を、機械学習ベースのContents Moderaton Systemで監視し、「安心・安全」なマーケットプレイスの実現に貢献しています。

05:顧客満足度を高め、マーケティング活動を効率化するためのUplift Modelingの適用

お客さまのエンゲージメントを高めるために、さまざまな種類のキャンペーンを設計しています。お客さまによって、キャンペーンに対する興味は異なります。どのように各お客さまに適したキャンペーンを通知して顧客満足度を高め、さらにマーケティング活動を効率化しています。

06:機械学習によるカスタマーサポートの生産性向上

カスタマーサポート部門では、日々多くのお客さまからのお問い合わせに対応をしています。お問い合わせ対応ツールは内製しており、MLを用いた機能を追加することでお問い合わせ対応業務の一部を自動化・効率化することができます。また、お問い合わせ前にお客さまが自分で問題を解決できるよう、メルカリガイドに情報を集めています。その時に、お客さまが探している情報を見つけられるよう情報のアクセスを改善して、自己解決率の向上を図っています。

メルカリグループのAI活用は、テックカンパニーとしての挑戦の歴史

メルカリグループの成長の歴史は、AIとともにあったと言っても過言ではないかも知れません。全世界的なLLMの流行に伴い2023年頃からAI活用がさらに活発化しました。AI/LLMの活用を通じたメルカリグループ内の生産性向上や、プロダクト実装による課題解決を目的に、メルカリグループ内横断の生成AI/LLM専門チームも誕生しました。

メルカリでのAI活用はマーケットプレイス、フィンテックそれぞれでのプロダクトでの実装はもちろん、社内の業務改善、生産性向上の観点でも力強く推進されはじめています。この1年ぐらいの発信を並べてみても、その活用の幅の広さを感じていただけると思います。

また、今年の9月には学生向けにAI/LLMハッカソンも実施。今後のメルカリグループの成長には、特に若い世代、新卒メンバーの創造力が不可欠だと考えています。こうした機会はこれまで以上に増えていくことになりそうです。

おわりに

テックカンパニーとしてのメルカリがBoldにAI活用にチャレンジしてきた、その一端をご紹介してきました。

メルカリグループのAI活用のこれからのビジョンについては、メルカリ 執行役SVP of Japan Region 兼 CEO Marketplaceの山本真人とメルカリ 執行役員 CTO Japan Regionの木村俊也、そして「生成AI頑張るぞ担当」としてこの7月にメルカリに入社したハヤカワ五味による鼎談をぜひ一読ください!

また、今後更新していく記事はこちらにindexしていきます。AI関連の記事をまとめて読みたいときにぜひご活用ください!

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