
こんにちは!メルカン編集部です。
メルカリにとって、変化の連続だった2025年も、もうすぐ幕を閉じようとしています。
この記事では、2025年年末企画と称して、メルカリの変化・改革を発信し続けたメルカンの2025年を、”編集”という視点で振り返ります。Corporate Communicationとの連携で生まれた新しい発信スタイル、発信注力領域への取り組み、そしてAIとともに進化していくチームの姿。
メルカリの発信活動の試行錯誤をリアルにお伝えします。
* この記事は、チームメンバーから寄せられた記事の構想や、内容のメモをもとにAIツールを活用して構成、執筆を行っています
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Chapter 1|変化と再始動
2025年5月、メルカンを担当するEmployer Brandingチーム(以下、EBチーム)が、社内外へのコミュニケーション・広報活動を担当するCorporate Communication部門に移管され、新体制がスタートしました!
以前の組織だと、EBチームは採用部門に属していたため、メルカンも「採用ブランディング」の色が強いオウンドメディアとして運営されていました。一方で、採用力を強化するために必要なのは、「応援してもらえる企業」としてのブランディング。そのためには、広報部門との関わりをこれまで以上に強めていかなければいけないという課題を持っていました。
そのような背景を受けて、社内メンバーを起用した発信・ブランディングに強みを持つEBチームが部門に加わることで、社外/社内コミュニケーションを連動した取り組みとして捉え「企業としてのメッセージ」をより強く発信できる体制へと生まれ変わりました!
そのタイミングで、2人のメンバーが5月と6月に立て続けに産育休から復帰し、組織構成としても、メンバー構成としても、気持ち新たに再スタートを切りました。
Chapter 2|注力領域への挑戦
メルカンがCorporate Communication部門の一員となったことで、より広義な企業広報活動に注力するにあたり、特に力を入れた領域が「AI-Native発信」「安心・安全発信」の2つです。どちらも、メルカリにとって今年を象徴する最も重要なテーマであり、かつ発信の難易度が高いテーマでもありました。
実際、今年のメルカンの発信の中で、注力領域に関する記事数はかなり多くの割合を占めています。

AI-Native関連発信
今年7月、CEOの山田が「メルカリのAI-Native化」を宣言。その実現に向けて、100人規模のAIタスクフォースが組成され、全社を挙げてのAI活用が一気に加速しました。
「AI推進をしている企業として、業界内で第一想起を取りに行く」
そのために、AI-Nativeカンパニーへの道筋や、部門・チームでの実際の活用事例など、AI関連の記事を継続的に発信し続けることが必要不可欠でした。
また、メルカリのAI活用に対する本気度を伝えるために、企業のトップである経営層がAIにワクワクし、覚悟を持って推進している姿勢。そして、組織全体がAIと向き合いながら「Go Bold」に変化していく様子。それらを丁寧に言語化し、社内外に向けて発信していくことに注力しました。
また、AI関連の発信を以下3つのレイヤーに分けて企画し、大きな視点でAIによる組織変革の未来を語る抽象度の高いトップメッセージから、そこから派生した具体的なチェンジマネジメントへの挑戦、そしてチームや個人レベルでの態度変容のように、マクロ〜ミクロに掘り下げることで、より骨太な発信を実現しました。
| AI-Native発信を加速させるための3つの発信レイヤー 1. トップメッセージ: 経営層が、AI活用への想いや実践、未来図を語る記事。 例) ・リーダーズと語る!AI/LLM舞台裏 Open Door ・@mark / @kimuras 単独インタビュー 2. 組織の変化: 具体的に、組織全体としてどう変革していったのか 例) ・メルカリが本気で始めた「AI-Native」化。100名規模のタスクフォースが立ち上がるまで ・OpenAI Japan×メルカリ「カスタムGPTハッカソン」が社内で開催!年間650時間以上削減できるツールも誕生 | mercan (メルカン) 3. チーム/個人の態度変容、活用事例紹介: 社員一人ひとりがAIをどう活用し、どう変化しているのかの事例紹介 例)「AIは難しい」から「楽しい!」へ。メルカリLegalチームが歩んだ、ゼロからのAI活用とは | mercan (メルカン) |
その結果、AI-Native発信プロジェクトとして、8月の「This Month’s Win」を受賞(組織内で影響力のあったPJやメンバーなどを月に1度表彰し、全員で称え合う取り組み)!

8月の決算発表に照準を合わせ、Corporate Communication・IR・EB(メルカン編集部)が連動した発信プランを策定・実行したことで、メルカリの「AI-Nativeカンパニー」としての姿勢を効果的に打ち出せたことが受賞理由です。
IRが投資家向けに語る内容と、Corporate Communicationが各メディアに伝える内容、そしてメルカンが社内外に向けて語る内容について密に連携したことで、一貫性のある発信を実現しました。
この一連の発信を受けて、SNS上では、
- 経営層がこういうメッセージを伝えて、組織を引っ張っていく(動かしていく)からこそ、会社全体がグッと動く
- メルカリの本気度、覚悟が伝わる
といった反応を得ることができました。
安心・安全発信
もう一つの注力領域が、「安心・安全」に関する発信です。C2Cマーケットプレイスを運営するメルカリにとって、お客さまの安心・安全を守ることは、サービスの根幹に関わる最重要テーマ。一方で、この領域の発信は非常にセンシティブであり、表現一つひとつに細心の注意が必要です。
ここで私たちが大切にしたのは、「守りの発信」ではなく「信頼を積み重ねるコミュニケーション」として設計することでした。例えば、「透明性レポート」に関する記事では、数字や施策を羅列するのではなく、「なぜメルカリは透明性にこだわるのか」「どんな人たちがこの取り組みを支えているのか」といった、ただ数字を公開するだけでは伝わり切らないストーリーを伝えることに注力しました。
社内外に伝わりやすい企画・編集に強みを持つメルカンと、対メディアコミュニケーションを専門とするCorporate Communicationが企画段階から協力することで、誠実なトーンでありながらも読みやすく、メルカンらしい温度感を保った発信を実現。以前は「記事を作ってからレビューを依頼する」という流れでしたが、「ともにコミュニケーションを設計する」というスタイルに変わったことで、発信のスピード・質が大きく向上しました。
また、「マーケットプレイスの基本原則」の社内浸透に向けて、Open Door も開催しました。
マーケットプレイスの基本原則とは、メルカリのマーケットプレイスに参加するすべての人の拠り所となる基本的な考え方をまとめたものです。今回の Open Door では、その策定背景や意義について、メンバーと直接対話しながら理解を深めました。
さらに、メンバーがより親しみを持って理解できるよう、AI を使って作曲した「基本原則オリジナルテーマソング」やオフィス内のカフェとコラボして開発したオリジナルブレンドコーヒーを用意するなど、基本原則の意義を五感を通じてより深く理解し、共感を育むきっかけづくりを目指しました。

一方で、特に安心・安全に関する社外発信についてはまだまだこれから。すでに2026年以降の記事企画も始まっているので、引き続き信頼を築くためのコミュニケーションを多角的に展開していきます。
Chapter 3|チーム自体のAI-Native化
「AI-Nativeの発信をするだけではなく、私たちメルカン編集部自身も『AI-Native』になっていこう!」という想いのもと、チーム自体のAI活用もかなり進みました!
具体的に、メルカン編集部に関わるAI活用をいくつかご紹介します。
記事制作プロセスの変化
例えば、インタビュー形式の記事制作において、従来は文字起こしや構成検討に多くの時間を要していました。しかし、NotebookLMとCursorを活用した新しいワークフローを構築することで、初稿作成までの時間を90%削減することに成功しました。
具体的には、NotebookLMで音声ファイルを高精度に文字起こしし、「もっとも熱量高く話されたトピック3つに絞って要約」という指示で重要なポイントを抽出。その後、Cursorに専用プロンプトと共に読み込ませることで、メルカンのテイストを保ちながら構造化された記事を自動生成できるようになりました。
メルカンでも、このワークフローによって作成された記事がすでに10本以上公開されています。(2025年12月現在)
※このワークフローで作成された記事は #AIWritersDesk というタグでまとまっています
記事作成ナレッジの横展開・申請プロセスブラッシュアップ
さらに、社内メンバーがメルカンに原稿を持ち込む際のマニュアルにも適応させ、Slackの申請ワークフローをブラッシュアップ。

まだ展開したばかりで、本格的な運用はこれからですが、他チームに使ってもらって得られたフィードバックを取り入れながら、よりよいワークフローを構築していく予定です。
メルカンのスライド化によるコンテンツの再利用
AIを活用することで、一つのコンテンツを複数のフォーマットで展開する「コンテンツの再利用」も容易になりました。Cursorを活用して、公開済みのメルカン記事をスライド形式に変換し、人の手で整えてからLinkedInで投稿。
通常、LinkedInでは記事の簡単な説明を含む投稿文の下にリンクへの誘導を入れるのみでしたが、記事の要点をスライド形式で見せることで、よりリッチな投稿を作成しました。結果として、11月に行ったスライド付きの投稿2つとも、当月のエンゲージメント率TOP3に入るという成果を得ることができました。
投稿単体のエンゲージメントが向上した一方で、LinkedInからメルカンへの遷移率は改善の余地があるので、引き続き、メルカンとの相乗効果が生まれる投稿方法を探っていきます。

AI-Nativeを語るなら、まず自分たちがAI-Nativeになる。2026年も、進化し続けるメルカン編集部に乞うご期待ください!
編集後記
振り返ってみると、本当に変化の多い一年でした。
チーム・組織の変化に加えて、AI-Nativeと安心・安全という新しい発信テーマに挑戦しながら、チーム自体もAIを取り入れて進化していく——目まぐるしい日々の中で、「今、何を伝えるべきか」を常に考え続けてきました。
私たちの仕事は、メルカリの”今”を言葉にして届けること。完璧な答えはまだ見つかっていないけれど、問い続けることこそが、この仕事の面白さだと感じています。
2026年も、メルカンは発信を続けます。
この一年読んでくださったすべての方に感謝を込めて。良いお年を!
Appendix|2025年のPick Up メルカン
記事中で紹介した記事以外にも、編集部メンバーが「これはぜひ読んでほしい」と感じた記事がたくさんあります。その中から、いくつかをピックアップしてご紹介します。
@ytkのイチオシ
ありがとう18階。メルカリの成長を刻んだオフィスの記憶
「原点」「カオス期」「ハブ」…約10年にわたるメルカリの青春のすべてが、六本木ヒルズ18階に刻まれています。驚くほど“広すぎた”余白から始まり、物理的な壁を壊して上場へ。創業者もメンバーもフラットな目線で未来を語り合った情熱と、数えきれないほどの挑戦が詰まったこの場所は、メルカリのDNAを育んだ「実家」でした。現役メンバーやアルムナイからのエモーショナルなメッセージと共に、あの頃の熱狂と軌跡を振り返ります。このエモさ皆さんに届けー。
@kajitaniのイチオシ
ようこそ、Culture Hubへ。メルカリの未来を創る、新たな挑戦の場所
フロア移転が決まった段階から追いかけ続けた、新オフィス「Culture Hub」のレポートです。メルカリがなぜ今あらためてオフィスへテコ入れするのか? 進太郎さんへのインタビューはじめ、オープンに合わせて@sugaと作ったパンフレットやSpecial Movieなど、“ただのお引越し”ではなく、新たな歴史の1ページであるとお知らせする仕掛けに奔走しました。パンフレットもオフィスの様子も、記事からチェックできるのでぜひ見てください!
@omiyuのイチオシ
メルカリサロン オフラインMeetupレポート
今年の夏に再始動したメルカリサロンのオフラインMeetupのレポート記事です。メルカン編集部メンバーを始めとするCorporate Communicationの面々も参加させていただき、サロンメンバーの熱量の高さに圧倒されるとともに、より愛されるプロダクトにしていきたいと心から思える内容になっています!
@igaのイチオシ
5年間の沈黙を破り、アップデート。ボトムアップで実現したメルペイ「おくる・もらう」改善の裏側
インタビューと執筆を担当した、メルペイの「おくる・もらう」機能の改善のインタビューをおすすめします!新卒メンバーが主体となったプロジェクトで、古くなってしまった機能を「誰もやらないなら、自分たちでやろう」と経営陣を巻き込み改善していく突破力がすばらしい。勇気をもらえる記事です!
@sugaのイチオシ
Bold Program for Women: 2025 Global Edition を開催しました!
次世代のグローバル女性リーダー育成を目的とした「Bold Program for Women: 2025 Global Edition」の全貌を追ったレポート記事です。日本での事前研修から5カ国での現地調査、そしてCEOを前にした最終プレゼンまで、9日間の濃密な挑戦の軌跡が臨場感たっぷりに描かれています。読み終える頃には、未来を切り拓く若い才能のエネルギーと、メルカリが本気で次世代を育てようとしている熱量がひしひしと伝わってくる内容で、私も頑張ろうと勇気をもらえました!





